
全国4500万世帯のうち約3000万世帯。今や国民の半数以上がハイビジョン環境にあると言われています。しかし、ハイビジョンのテレビさえあれば、ハイビジョンが観れると思っている人も多いようで(笑)、まだまだハイビジョンを100%楽しんでいるとは言えないようです。さて、そもそも、ハイビジョンとは何なのか?

基本的にメディアの進化と言うのは「容量が大きくなる」という事なんですね。音声しか入らなかったCDが、7倍の容量になってスタンダード画像(33万画素のこれまでのアナログ画像/SD画像)を入れられるDVDに進化し、さらにそのDVDが6倍の容量になって207万画素のハイビジョン(HD画像)を入れられるブルーレイディスクに進化して、それはその感動をも大きく進化させてくれました。
例えば、ブルーレイとDVDを比較して誰もが違うと思う「映像のホンモノ感」。もちろんDVDでもストーリーは分かるし、情報的な事もわかります。しかしブルーレイはさらに、それにプラス、どんな人間が、どのような景色の中で、どんな空気の中でその現実の物語が起っているのかとか、映画なら本当のフィルムの感じを、音楽だったらステージと自分との間に距離が無いようなライブ感を堪能できるようにしてくれました。
それは右のグラフの様に、縦軸を「音」、横軸を「映像」とすると映像がDVDの情報量の5倍に、音がDVDの情報量の5倍になると、感動は5×5=25倍になる様に、メディアの進化は今までとは別次元の絵と音の「ホンモノの感動」を与えてくれたんです。
| ブルーレイとHD−DVD | どちらもハイビジョンに対応した大容量の新メディア。 |
| HD−DVD | 従来のDVDを作る設備が使えて安価になる可能性はあるが、容量は二層30G |
| ブルーレイ | 容量は二層50Gと大きい。新しい設備が必要だが、量産すれば安くなる。 |

「まだまだ安くなるから、来年の年末、あるいは早くても北京オリンピックまで待とうかな」と言う声を時々聞きますが、ブルーレイのプレイヤーとしてはPlayStation3が3万円台になり、レコーダーも10万円を切った機種も出てきました。ハイビジョンのエアチェックは「一期一会」!わずか何万円かの値落ちのために、年末年始のたった1度しか放映しないような貴重なハイビジョン番組を撮り逃したりするなんて、あなたの人生においてまったくもって大いなる損失です。ましてや、フルハイビジョンモニターを持っているのに、わざわざ貴重な余暇の時間を割いてまで、DVDで映画を観るなんて、まさに時間の損失なのです!

昨年(2006年)は、ハードも高かったし、コンテンツ(ブルーレイソフト)もまだまだだったブルーレイですが、今年(2007年)の秋ごろから、各メーカーがそれぞれターゲットに合わせて、リーズナブルなフルハイビジョンテレビやレコーダーも出てきました。ブルーレイソフトの数も300タイトル近い数になり、マニアだけでなく、広く一般の方たちにも拡がりを見せてきています。各メーカーのCMの大量投下に合わせるように、家電量販店のハード売場もブルーレイの青一色ですし、PlayStation3も40GBモデルの発売で販売数を伸ばしています。2007年はマニアのハイビジョンからみんなのハイビジョンになりました。来年の夏には北京オリンピックもあるので2008年はブルーレイの年になること間違いナシ!でしょう。

大きな画面の方がハイビジョンの良さが分かるので、画面は50インチ以上をお薦めします。
また、ブルーレイは大容量なだけに、DVDで失われてしまっていたデータも収容できますので、音もモノ凄く良くなっています。ですので、音にも是非こだわって頂きたいですね。(ソフトによってリニアPCM(【非圧縮】)「DTSマスターオーディオ」「ドルビーTrueHD」など次世代音声規格を採用しているソフトも出てきました。できれば、テレビ付属のスピーカーでなく、ホームシアターシステム等、できるだけこだわって、音の凄さも感じましょう。
麻倉怜士(あさくられいじ)
オーディオ・ビジュアル/デジタル・メディア評論家
日本画質学会副会長。津田塾大学講師(音楽学)
●プロフィール
1950年生れ。1973年横浜市立大学卒業。
日本経済新聞社を経て、プレジデント社入社。経営戦略、イノベーションを担当、執筆。雑誌『プレジデント』副編集長、雑誌『ノートブックパソコン研究』編集長。1991年に独立。自宅に150インチのシアターを設置しハード、ソフトの研究を行っている。音楽、映像、デジタルAV機器、ネットワークメディア、パッケージメディアの動向にひじょうに詳しい。ビックカメラの「麻倉怜士セレクト・オーディオ・ショップ」をプロデュース。日本画質学会副会長。津田塾大学では音楽理論、音楽史を教える。
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