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 2005年3月1日更新 
『得意料理で店をひらこう〜おんなの独立&開業テクニック』

このごろ女性の独立・開業をテーマにした雑誌や本が、たくさん出回っています。なかでも食べもの屋をやってみたい! と憧れる人は増えているのだとか。たしかに、こどもの頃に夢みたケーキ屋さんやパン屋さんになれるとしたら……、考えただけでもワクワクしてきますよね! そこで今回は『女性のための「食べもの屋」開業術』の著者で知られる勝身利子さんに、フードビジネスをやるうえでの楽しさと、注意するべきポイントについて語ってもらいました。

☆プロフィール☆
勝身利子さん 勝身利子(かつみ・としこ)さん

食いしん坊が高じて菓子・料理の道へ。1975年渡欧、ウィーン調理師専門学校などで学び、老舗洋菓子店で菓子職人として働く。‘77年帰国後、洋菓子店を経営し、料理・菓子教室を主宰。現在は、外食・流通関係企業の企画、開発、アドバイザーなどの業務に携わる。 主な著書に『女性のための「食べもの屋」開業術』『ワインがおいしいチーズ料理』『ワイン好きの料理ノート』『日本酒好きの料理ノート』『ビール好きの料理ノート』(晶文社出版)。

 ★キャラクター紹介★
アヤ 【アヤ】ゴハンは食べるのも作るのも大好き! いつかは自分の店をもちたいけれど、経験ゼロだし、貯金も少ないし……。夢の実現には、まだリアリティがもてない。
ミキ

【ミキ】『働きマン』にハマって以来、キャリアウーマン志向がみるみるアップ! バレンタインデーに板前見習いの彼氏ができたこともあり、ただいま外食ビジネスに興味シンシン。

勝身利子さん 【勝身さん】迷える未来の料理人たちの、たのもしきアドバイザー。ワインアドバイザー、利き酒師、フードコーディネーターでもある。

■「おいしいもの屋」は、女のひとに向いている!

アヤもうすぐ新年度だね。春から習いごとを始めたくなっちゃった。

ミキじゃあ、お菓子教室なんてどう? ほら、駅の近くに新しいスクールができたでしょ。アヤちゃんって、しょっちゅうハンドメイドのクッキーを会社の同僚に配ったりしてるから、ピッタリなんじゃない?

アヤうん、いいかも♪ わたし資格を取って、いつか自分のカフェをひらくのが夢なんだー。

勝身利子さん食べもの屋を開業するのに、特別な資格は要らないんですよ。

アヤえっ!? そうなんですか?

勝身利子さん「食品衛生責任者」という資格だけは必要だけれど、コレは1日講習を受ければもらえるもの。おまけにバブルの時代とくらべて地価が安くなってきたから、「食べもの屋さんをやりたい」という方たちが増えてきていますよね。飲食店をオープンさせるのって、想像するほどハードルは高くないんですよ。

ミキだれの指示も受けずに自由に店を切り盛りするなんて、私もかなり興味ある!しかもフード関係の仕事なんて、オシャレだし。

勝身利子さんそうですねぇ。栗原はるみさんが出てきたあたりかな。それまで黒子的存在だった家庭料理研究家が、スターとして注目を浴びるようになりました。以来、食にかかわる小規模店は、ますます人気があるんです。

ミキナルホド〜。ここ数年は、タイミング的に「いけるぞっ」という感じなんですね!

勝身利子さん過去に私は何冊かレシピブックを出したことがあるんですけど、今年になって初めて飲食店開業の本を書いたのは、やっぱり「今」が非常にチャンスだから。具体的な金額は本に書いたので参考にして欲しいのですが、まぁヘソクリとはいわないまでも、そこそこの資金でやれるんですよ。それと「食べる」のが好きで、「作る」のが好きな人なら、だいたい「他人に食べさせる」のも好きですよね! このテの人が新しい仕事をするなら、もう絶対、食べもの屋さんがオススメ。やっぱり、好きなことだと何事もうまくいきやすいですから。

アヤそうそう、この本『女性のための「食べもの屋」開業術』で紹介されていたお弁当屋さんやカフェは、1日1時間営業だったり、夏は1ヶ月丸ごと休業だったりしますよね。「やっていけてるの?」って、正直ビックリしました。

勝身利子さん私が訪ねた飲食店は、どこも女性1人の自営業。けっこうマイペースで経営していて、そこがとっても良いんですよ。たとえば子供が小さいときは、夏休みと冬休みの仕事は控えて収支トントンでも、その子が大きくなったら、また頑張ってある程度まで店を拡げることもできるだろうし。自分で采配できるというか、女の人生にあわせて店の規模を伸び縮みさせることができるって、大きな魅力ですよね。もちろん就職活動につきものの年齢制限も、いっさい関係ナシ。飲食店はヤル気さえあって、ある程度のお金が用意できれば始められるんです。

『女性のための「食べもの屋」開業術』 『女性のための「食べもの屋」開業術』
勝身利子

晶文社出版
1600円(税込1,680円)
子どもの頃に夢見ていた「食べもの屋」を始めませんか? フードコーディネーターである著者が、「お店」づくりをお手伝い。自営業の「食べもの屋」は結婚、子育て、介護にも柔軟に対応していける女性に向いた仕事です! お店を開いた12店の30代から50代の女性オーナーから、物件探しや開業資金の調達の苦労を、そして、念願かなった喜びを聞きました。

『女性のための「小さなお店」成功への開店開業講座』
『女性のための「小さなお店」成功への開店開業講座』
主婦と生活社
1,300円 (税込:1,365円)
『幸せを呼ぶ飲食店の独立開業』
『幸せを呼ぶ飲食店の独立開業』
高桑隆
1,800円 (税込:1,890円)

■うまくいく人、いかない人の分かれみち
流行る店 『流行る店』
吉野信吾
日経BP社
1,400円
(税込:1,470円)
数字なんかわからなくていい!客より店を「神様」にしろ!女性客頼みの店はダメ!ランチはやるな!今までの「常識」はウソだった。誰も書かなかった10年成功し続ける飲食店の創り方、教えます。

『カフェをはじめる人の本 私だけのオリジナルカフェをひらきたい!』 『カフェをはじめる人の本 私だけのオリジナルカフェをひらきたい!』
成美堂出版
1,000円
(税込:1,050円)

『食の仕事。夢にかける88人 フードビジネス・コーディネーターの現場』 『食の仕事。夢にかける88人 フードビジネス・コーディネーターの現場』
藤原勝子
群羊社
1,400円
(税込:1,470円)

アヤあの〜、そうはいってもイキナリ未経験から食べもの屋を始めるなんて、無謀ですよね?ちゃんと稼げるかも分からないし、不安ばっかり先に立っちゃう。

勝身利子さん「うまくいくかどうか」という悩みごとは、私が受ける相談にも多いです。心配ですよね。でもコレは、ハッキリいって、始めてみないとわからない。でも、そのためにキチンと収支計算をやってみるわけです。リスクをとらなければ成功はないし、そのリスクを少なくするために、綿密に企画を立てましょう。ショップのコンセプトを練るプロセスって、すごく面白いですよ。

ミキ私のカレが働いている和食屋は、従業員がテンション高くて元気になれるんだー。ああいう勢いのある店は繁盛しそう。『流行る店』が教える「成功の条件」にも当てはまってたし!

アヤぎゃくに私はそういう雰囲気が、どうも苦手で……。食事中はそっとしておいて欲しいと思うこと、たくさんあるよ。

勝身利子さんどちらの意見も正解なんです。長年お客でいたからこそ、「私だったらこうするのに」と描ける理想の店のイメージ、ありますよね。それを基点にインテリアや接客方法を決めていけば、そんなに失敗することはないんじゃないかな。

ミキでは、これから飲食店をやるとしたら、ズバリどんなジャンルの料理が狙い目ですか?

勝身利子さんいや、それは特にないですよ〜。もちろんカフェがこんなに流行っていて、それをやるのは厳しいという意見もあるけれど、結局、気に入ったメニューを扱うのがイチバンです。どんな料理だって、工夫の仕方はいかようにもありますし。

アヤたしかに愛着のあるモノを商売として選んだほうが、売り方のアイデアが湧いてきますよね。『カフェをはじめる人の本』『食の仕事。夢にかける88人』を読んでも、同じことを感じたなぁ。

勝身利子さん家で焼いたケーキを喫茶店に卸したり、自宅を一部利用して料理教室を開いたり。ひとくちに「食べものを提供する職」といっても、発想しだいで実にイロイロ出てきます。いずれにしても重要なのは、まずは、自分の個性に自信をもつこと。人にはそれぞれプラス面とマイナス面がありますよね? 人脈がある。若さがある。でもお金はない、とか。そういったところをクールに判断して、かつプラスの要素を活かして行動するのが、成功への近道ですよ。

ミキアヤハイ、わかりました!! 自分らしさを大切にしつつも冷静さをキープ、ですね。


■食べもの屋さんは「わるくない」ビジネス
勝身利子さん素人から飲食店を始める場合のもうひとつの注意点は、とくに女性は何から何まで手作りをよし、とするケースが目立つんです。でもビジネスとしては、どう考えても採算がとれないことがほとんど。だから、極端なこだわりに走るのはキケンです。

アヤいくら好きでやっていても、毎月赤字じゃあ意味ないもん。利益は出していかないと。

勝身利子さん時間とコストの落とし所をどこにもっていくかが重要で、たとえば加工品をうまく利用するなどの工夫をしてみては? 経営者なら、そうやって柔軟に運営のしかたを検討していったほうがいいですよ。

ミキそれと経済の知識は、常識として知っておきたいですよね。私は先週、渋井真帆さんのマネー講座に参加してみましたよ。さすが金融界とOLが熱い視線をそそぐキャリア開発アドバイザー! 単純な「作業」と「仕事」はまったく別モノだと気づかされて、ハッとしました。

勝身利子さん創造性の必要ない経理業務などは、パソコンを使ったほうが合理的。人を雇うより安上がりだし、リサーチもかなりできます。過信してはいけないけれど「これからブームになる料理はどれ?」とネットで調べて、何度も検索に引っかかるレストランがあったら、実際に覗いてみたりとか。

アヤお金の管理って苦手だけど、パソコンに任せられるんだったら大丈夫そう。ところで、食べもの屋さんはだいたい平均して、どれくらいの売り上げがあるんですか?

勝身利子さん今回の私の本では「月商100万円が目標」という店舗を想定しました。日商だと、3万くらい。「たったそれっぽっち?」って感じるかもしれないけれど、女のひと1人が食べていくのには充分、わるくない。まして、もし自分が焼いたケーキで誰かが喜んでくれるとしたら……。

ミキこんなに幸せなことってないですよぉ!! ふむ。なんだか「女社長として起業」、みたいな発想とは少し違うみたい。もっとこう、良い意味で肩のチカラが抜けているような。

勝身利子さんこれで大金持ちになろうという話じゃないですよね。まずは身の丈から。ほどほどの困らない金銭があれば、プラスアルファで生きがいを持ちませんか? という提案なんです。そんな価値観の人にとって、自営の飲食店はバカにしたものではないですよ。

アヤ小さくて個性的な店がいっぱいあるほうが、街を歩いていても楽しいしね。よし。私も本気になってきたぞ。将来マイ・ショップができたら、勝身さんもミキちゃんも遊びにきてくださいねー!
『「稼ぎ力」ルネッサンスプロジェクト』 『「稼ぎ力」ルネッサンスプロジェクト』
渋井真帆
ダイヤモンド社
1,400円
(税込:1,470円)
世の中には、成功する人と失敗する人が存在する。両者を分ける、学歴でも資格でも仕事のスキルでもない“何か”。その“何か”を持っているかいないかの差が、そのまま社会生活やビジネスでの優位性の差になっていることに、私たちはウスウス気づいている。その“何か”こそ、この本のテーマである「稼ぎ力」である。

『まったくはじめてのパソコン経理』 『まったくはじめてのパソコン経理』
笠原清明
明日香出版社
1,500円
(税込:1,575円)

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