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 2005年6月7日更新 
子供のアレルギー対策と自然育児

最近よく耳にする「アレルギー」という言葉。「アレルギー」というと特殊な響きがあるけれど、今や花粉症に代表される身近な現代病として、誰もが避けて通れないのが現実。そこで今回は話題の『まりもちゃんの「アレルギーとんでけ!」ガイド』の著者である竹中さんに、「子どものアレルギー対策と自然育児」についてうかがいました。

☆プロフィール☆
竹中 恭子さん 竹中 恭子(たけなか・きょうこ)さん

1996年、夫のリストラをきっかけに、イラストレーター、ライター、まんが家に。長女の出産後にアレルギーっ子の親としてまとめた母乳育児体験が出版社の目にとまり、1995年に『まりもちゃんのアトピー日記』(情報センター出版局)を出版。その反響をもとに『まりもちゃんのアトピーライフ』『まりもちゃんの野菜かんたんクッキング』を農文協から出版する。
2003年出版の『おっぱいとだっこ』(春秋社)が第9回ライターズネットワーク大賞を受賞。1992年に開設したボランティア団体「よこはま母乳110番」にて相談員をつとめつつ、お母さんたちのネットワーク活動を行っている。

 ★キャラクター紹介★
アヤ 【アヤ】目指すは「ロハス」(※注)なライフスタイル。最近は自然食品に興味があり、自炊も楽しくこなす。
ミキ

【ミキ】将来彼氏と外食店を経営するのが夢。グルメ大好きで、人気店の食べ歩きが趣味。

竹中さん 【竹中さん】トレードマークの着物姿が、なんとも楚々とした印象の「まりもまま」こと竹中さん。底抜けに明るい天然オーラと溢れ出る愛で、育児に悩めるお母さんたちを今日も勇気づけてくれます。
(※注)ロハス(LOHAS=Lifestyles Of Health And Sustainability)
「健康的で持続可能性なライフスタイル」を目指し、自分の健康や幸せと同時に、環境などのことも考えて行動すること。新しいライフスタイルの価値観として注目されている。

■アレルギーに関係ない人も読めるアレルギーの本

ミキ「食物アレルギー」って最近よく聞くけど、どういうものなの?

アヤミキ、将来、外食店を経営するのが夢なんでしょ? しっかり勉強しておかなきゃ。「食物アレルギー」とは、特定の食物を食べると、じんま疹や喘息などのアレルギー反応を起こしてしまう現象のこと。最近、食物アレルギーの子どもの数が増えてきていて、大きな社会問題になっているの。特に、そば、小麦粉、卵、乳、落花生などは、アレルギー物質を含む「特定原材料」として食品衛生法で表示が義務付けられるようになったのよ。

ミキし、知らなかった…。ところで、竹中さんの新刊、
『まりもちゃんの「アレルギーとんでけ!」ガイド』は、これまでのまりもちゃんシリーズと、どこがちがうのでしょう?

竹中さん一番の特徴は、アレルギーに関係ない人も読めるアレルギーの本という点です。特に違うのは見開きページの半分がマンガで、半分が文章というところ。自分で作っておいて何ですが、これは本当に見やすいと思いますねえ。(笑)アトピーや食物アレルギーに限定せずに喘息、花粉症、科学物質過敏症など、さまざまなアレルギー症状について幅広く取り上げているので、重度の人も軽度の人も同じように読める。そこが他の本と違う点だと思います。

アヤアレルギーではない私にとっても、このマンガ、面白かったです〜。なにしろ絵がすっごくカワイイ!実は子どもの生命にもかかわる重いテーマなのに、明るく軽いタッチで描かれているので、思わずクスッと笑ってしまう場面もあったり…。

竹中さんそうなんです。1冊目の本『まりもちゃんのアトピー日記』を出したときは、とにかく世の中にアレルギーの親の大変さを訴えたかったの。でも2冊目の『まりもちゃんのアトピーライフ』のときは、もう少し冷静になりまして(笑)同じアレルギーっ子を持つ親に向けて「ここをこんな風にすればもう少し楽になるよ」という視点で細かく書きました。このとき初めてマンガという手段を使ったんです。

そうしたら、マンガの威力ってスゴイの!「おかげで無理解だった家族がアレルギーのことをわかってくれるようになりました」「学校が話し合いに応じてくれるようになりました」なんていうお礼の手紙がたくさん来たのです。うれしかったけれど、責任も感じましたね。溺れる人が藁をもつかむみたいに、アレルギーの人はみんな「こんな言い方をすれば他の人がわかってくれる」というツールを求めてものすごく苦しんでいるんだとわかりましたから。

ですから、続編である今回の『まりもちゃんの「アレルギーとんでけ!」ガイド』には、アレルギーではない皆さんも関係ないと思わないで理解してくださいという私の切実な思いが込められているんです。


ミキ私もアレルギーとは無縁でしたが、この本を読んでからは、あれこれと添加物の入った食品を食べるのをやめて、人間の体に必要な素材だけをおいしく食べることに目覚めました! お酒を飲んで帰っても、あんなに好きだったカップラーメンを夜食に食べるのをやめたんですよ。代わりに、玄米ご飯に天然塩を振って食べるのが日課なの♪

アヤもう、ミキったら。そもそもそういう不規則なライフスタイルから改善したら?(^^;

まりもちゃんの「アレルギーとんでけ!」ガイド
『まりもちゃんの「アレルギーとんでけ!」ガイド』
著者:竹中恭子
出版社:リヨン社
1,300円 (税込:1,365円)
アレルギーと食・環境
『アレルギーと食・環境〜あなたにもできるアトピー対策』
著者:家庭栄養研究会
出版社:本の泉社
1,400円 (税込:1,470円)
竹中さんまりもままから一言

「アレルギーはなぜ増えているのか」に始まって「アナフィラキシーショックの知識」「アレルギークッキング」アレルギーの子も安心して泊まれる宿など、患者に必要な情報がズラリ。「4章 アレルギーへの社会的対応を求めて」の執筆者の武内澄子さんは、食物アレルギーの子を持つ親の会代表でまりもままの友人です。


■アレルギーに出会って男の好みが180度変わった?!
粗食のすすめ 『粗食のススメ』
著者:幕内秀夫
出版社:新潮社
476円
(税込:500円)
竹中さんまりもままから一言
ご飯、味噌汁、お漬物。日本人が昔から食べてきた食事の大切さを改めて訴えベストセラーになった本。
この本のおかげで自然食の世界がようやく一般に知れ渡ったんだよ〜。

『梅崎和子の陰陽重ね煮クッキング〜からだにやさしい養生レシピ』 『梅崎和子の陰陽重ね煮クッキング〜からだにやさしい養生レシピ』
著者:梅崎和子
出版社:農山漁村文化協会
1,429円
(税込:1,500円)
竹中さんまりもままから一言
野菜を刻んで積み重ねて煮るだけでこんなに美味しい!目からウロコのおなかにやさしい料理です。アレルギーのある人だけではなく、家族みんなで楽しめます。

アヤアレルギーは「生き方の問題にかかわるかも」と著書にありましたが、竹中さんは、アレルギーに出会ってどのように生き方が変わりましたか?

竹中さん理想の男性にたとえると、好みのタイプが180度変わってしまった、そんな感じです。(笑)ハンサムエリート大好き、あんなに地位が高くて有名な人の言うことだからと無条件に信じるようなところが私にはあったのですが、アレルギーに出会ってから人間ってそんな単純なものじゃないんだと、物事の裏も見るようになりました。アレルギーは慢性疾患なので、この先生を信じてついていけばどうにかなる、という病気ではないですから。
具体的には、一般的に正しいと言われていることや、育児書に書いてあることを頭から信じない。情報は集めるけれど、それに振り回されない。自分の目で見て判断して、自己責任で実行していく。今でいう、メディアリテラシーの考え方です。
人任せで権威に弱かった昔の自分を考えると、信じられないくらい生き方が主体的になったと思います。

ミキアヤわかる気がします〜。私たちも、ハンサムエリート大好きですけど、それだけじゃあいけないわけなんですね。

ミキところで、竹中さんは、もともとグルメで食べ歩き大好きと伺いましたが、お子さんのアレルギーをきっかけに、添加物のない野菜中心の手づくり和食に切り替えたそうですね。つらくはありませんでしたか?体にいいとは思うんですが、私なら、挫折してしまいそう…。

竹中さん私と家族が手づくりの和食中心にうまく切り替えられたのは、逆にグルメで食べ歩きが大好きだったからではないかと思います。というのも本物の素材料理は、ものすごく美味しいのです。油やうま味調味料や、添加物などでごまかした味とは違う。その本物のちゃんとした味がわかる舌をもっている人のほうが上手に食生活を改善していけるのではないでしょうか。ただし、最初は禁断症状に苦しみましたね。
でも、大きくなってから娘に「ママって『これはちゃんとしたお醤油だから』とか『ちゃんとしたお肉だから』とか、『ちゃんとした』っていうのが口癖だよね」と言われて大笑いしました。食品が工業品になってからというもの、普通のスーパーにはまともな食べ物が少ないじゃないですか!
アレルギーを体験してから、私の中に『ちゃんとした食べ物かそうでないか』いつも判断するクセがついてしまっていたんですね。

ミキ禁断症状…。実は、私も、我慢できなくなっちゃって、昨日、夜中にスナック菓子を一袋食べちゃったんです。(^^;

■ すべての人に、生きていることがいとおしくなってほしい
ミキあの〜、本を読んだりお話を伺っていると、竹中さんは、底抜けに明るい天然キャラなんですが、娘さんの病気で人知れず苦労されたことも多いのではないでしょうか?

竹中さんアハハ、私、後ろは見ないんです。前しか見られない性格なんですよ。
苦労したことは、覚えていない、というか意識して忘れるようにしています。でも、一番つらかったのは、同じアレルギーのお子さんが食物アレルギーによるショック症状で亡くなったことを聞かされたときです。他のお母さんたちと、一緒に大泣きしました。それはもうたまらない気持ちでしたね。

アヤそんなつらいこともあったんですね。娘さんのまりもちゃん自身は、アレルギーをどう受け止めていましたか?

竹中さん娘のまりもは、食物アレルギーの中でも重症の方でしたので、「これを食べたら命にかかわることもあるのよ」といつも言い聞かせていました。普通のことがしたくても出来なかった時期、とりわけ食べたいものが食べられなかった小学校低学年までの時期のことを「思い出したくない」と言っていましたから、娘なりにつらかったのでしょうね。

そのガマンの反動で、小学校で2年間、ばか食いの時期がありました。これまで禁止されていた甘い駄菓子類を、取り憑かれたように食べまくったのです。そりゃあ症状は悪化しました。(笑)とにかく「生きていて」と思いながら見守るしかありませんでした。だから、アレルギーっ子の親は、「無事大きくなってくれれば」という思いがあります。それ以上は望まないんですよ。

アヤ竹中さんの底抜けの明るさと前向きな精神は、そういった様々な体験に基づいていらっしゃるんですね。心からスゴイ! と思います。竹中さんの今後の夢はなんですか?

竹中さん生きていることがいとおしくなるような本を出していきたい。それが、私のライフワークです。『おっぱいとだっこ』(春秋社)で表現したような世界を、もっと沢山の人に知ってほしいですね。今、癒しとか環境にやさしいなどの言葉が流行っていますが、イメージだけのものが多く、書籍にしても雑誌にしても愛情にかかわる普遍的な情報が極端に少ないように感じます。子どもが病気でも仕事を休めない今の社会って、何かがおかしいと思うんです

育児の世界は、赤ちゃんとお母さんだけの特殊な世界ではなくて、誰にでも共通する普遍的なテーマをいくつも持っています。具体的には命の大切さを心から実感できるような絵本などを描きたいんです。子育て世代ではなくても、「ああ綺麗だなあ」と思って思わずページをめくり、「何だかほっとするなあ」と感じ、すっと愛情の世界に吸い込まれていく。そんな育児書の枠を超えるあたたかい本をこれからも作っていきたいと思っています。

ミキうん。確かに、竹中さんの絵って、ほんわかしていて愛に満ちあふれていて、心から癒されるんだよね。最後に、アレルギーや母乳のことなど、育児に悩める後輩の女性たちにメッセージをお願いします。

竹中さん悩んでるのは自分だけじゃないから、元気を出して! 私でよければ力になるわよ〜。 まりもままのWEB読者相談室 にてお便り(ご相談)をお待ちしています。

ミキアヤ 力強いお言葉、ありがとうございます! なんだか、私たちも赤ちゃんほしくなっちゃったね。ていうか、その前に早く結婚しなきゃっ!
おっぱいとだっこ 『おっぱいとだっこ』
著者:竹中恭子
出版社:春秋社
1,500円
(税込:1,575円)
竹中さんまりもままから一言
「よこはま母乳110番」の発起人でもある著者の、おっぱいの本。母乳育児に悩む人にとっては「出産の入院前に知っておきたかった!」ことばかり。ミルク育児や混合育児の人にとっても、後悔しないためのヒントがたくさん詰まっています。

産んではいけない! 『産んではいけない!』
著者:楠木ぽとす
出版社:新潮社
476円
(税込:500円)

竹中さんまりもままから一言
子持ち女のヒサンな現実を笑いとばす、そのエネルギーに脱帽。まりもままも、このマグマのような悔しい思いがあったからこそ本が書けたんですよね。ええい、子連れに冷たくすると100年たたるんだぞ〜。(笑)

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