2006年5月2日更新  最新号の特集 プレゼント バックナンバー 
カフェ・ド・ラクテンブックス 『エンキョリレンアイ』小手鞠るいさんインタビュー掲載中!
シホでーす。これからよろしくおねがいしますー。
皆さんは遠距離恋愛をしたことがありますか?シホは、その昔?学生時代に付き合っていた彼と、1年間だけ遠距離恋愛をしたことがあります。離れているから恋しい、美しいものだったんだ…と思ったのは、別れてずっと時間が経ってしまってから。う〜ん、シホも若かったんですね…そして相手も。距離は誤解を生み、そして優しさを生む…なんてちょっと哲学?してしまいました。それでは今月もスタート!
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プレゼント

小手鞠るいさん
撮影 渡辺誠
女医の花道、ちょいヤバ女。3月はおおたわ史絵さんのインタビュー掲載中!
春は、出会いと別れの季節。転勤などで離ればなれとなった彼との遠距離恋愛に、眠れぬ夜を過ごしている方も多いのでは?そこで今日は、今話題の恋愛小説『エンキョリレンアイ』著者の小手鞠るいさんにお話を伺いました。『エンキョリレンアイ』は、京都の書店で出会ったふたりが、東京とニューヨークと遠く離れていても、海を超えて想い続ける優しく切ない純愛物語。運命のヒトって必ずいる! 読んだあと、優しい気分になれる一冊です。
プロフィール
岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。
1981年第7回サンリオ『詩とメルヘン賞』を受賞し、3冊の詩集を上梓。93年「おとぎ話」で第12回『海燕』新人文学賞、2005年『欲しいのは、あなただけ』(新潮社)で第12回島清恋愛文学賞を受賞。
92年からニューヨーク州に在住。
近著に『あなたとわたしの物語』(徳間書店)、6月刊行予定の恋愛小説『愛を海に還して』(河出書房新社)がある。


欲しいのは、あなただけ
『欲しいのは、あなただけ』

小手鞠るい
新潮社
本体価格:380(税込)

エンキョリレンアイ
『エンキョリレンアイ』

小手鞠るい
世界文化社
420円(税込)

あなたとわたしの物語
『あなたとわたしの物語』

小手鞠るい
徳間書店
600円(税込)

好き、だからこそ
『好き、だからこそ』

小手鞠るい
新潮社
420円(税込)


結ばれることはないけれど、花音ちゃんは幸せなんです


――『エンキョリレンアイ』は小手鞠さんの実体験に基づいているのでしょうか?主人公の海晴くん、花音ちゃんの「書店での運命的な出会い」がとてもロマンチックなのですが。

ところどころ自分の経験を織り交ぜてはいますが、体験談ではないですね。完全なフィクションです。私は遠距離恋愛はしたことないですから。
でも、書店での出会いは実話です。小さいときから本が大好きで、私にとって書店は特別な場所でした。なぜか図書館ではないんですよね。

私は主人公の花音ちゃんと同じで、学生時代に京都の書店でアルバイトをしていたんです。
そのときに知り合ったのが、今の夫。でも、「絵本をさがしています」なんてロマンチックな出会いじゃなくて。彼はアメリカ人なものですから、「京都のバス路線図をさがしています」という具合で(笑)。
それに、彼は京都在住だったんです。すぐに電話番号を交換し、その週末、私から電話をかけてデートをしましたね(笑)。


――あ、その辺りは、小説と全然違いますね。小手鞠さんは、「運命的な出会い」を信じていらっしゃいますか?

信じてますね。でも、人間は、おたがいを100%理解することはできないということも、私は実感しています。たとえば、夫とも、100%理解し合うということは不可能だけれど、縁あって一緒に暮らすことになった運命的な結びつきを、大事にしたいと思っています。互いの考えを100%理解し、共有するよりもむしろ、理解できない部分、共有できない部分があるからこそ、相手に魅力を感じ、惹かれ続けていられるのではないかしら?

――『エンキョリレンアイ』において、小手鞠さんがもっとも伝えたかった「想い」とは何でしょうか?
また、これまでの著書と比べて、もっとも大きな違いは何でしょうか?


「人と人は気持ちでしかつながることはできない」という言葉が小説の中にも出てきます。
人と人は永遠に理解できないもの。想いを伝え合って心と心がつながることはできるけど、完璧に理解し合うことはないし、それが恋愛だと思いますね。でも、決してそれは悲劇ではないんですよ。すれちがうことの美しさを小説で表現したかったんです。結ばれることはないけれど、花音ちゃんは幸せなんです。


――えっ? 最後はハッピーエンドでは?

あ、そう読まれましたか?作者の意図からいうと、最後のシーンは、彼女の空想。冒頭の出会いのシーンへとつながってるんです。でも、読者の読みたいように読んでもらっていいと思うし、結末は、読者の方に委ねます。9割がたの人が「ハッピーエンドでよかった」と言われますが、それだけ花音ちゃんに感情移入して「幸せになってほしい」という想いで読んでくださったのでしょうね。

――あ、感情移入といえば、主人公の海晴くん、すごくカッコいいので、ビジュアルで見てみたいと思いました。小手鞠さんの理想は、海晴くんのような男性でしょうか?

うれしいですね。みなさんに、「海晴くんを見てみたい」と言われるんです。海晴くんは、理想というのではなく、かわいい弟というか、私の分身みたいなもの。アメリカナイズされた日本人として描いたつもりです。ちょっとキザというか、とっぽい感じの男の子ですね。

――『エンキョリレンアイ』という題名も、とてもインパクトがありますね。なぜカタカナなのでしょう?

私がニューヨーク在住ということもあってか、編集者の方から、「エンキョリンアイをテーマにして何か書きませんか」というオファーをいただいて。パッションを感じて即OKしたんです。
最初は『エンキョリレンアイ』という題名にするつもりではなかったんですが、彼のメールには、いつも「エンキョリレンアイ」とカタカナで書かれていて。その理由は、あえて聞かなかったんです。直感的になぜだか聞いたらいけないような気がして。

で、私はいつも「遠距離恋愛」と漢字で返信してたんですが、だんだん突き崩すのが難しいと思い始めたのね(笑)。 カタカナも宇宙語みたいでいいなと。でも、それには、作品の中に必然性が生まれる必要がありました


――小説の中に「ミコンノハハ」という言葉も出てきますが。主人公の海晴くんは、明るく前向きな自称「ミコンノハハ」の母親から生まれたのでしたね。

そう! 「ミコンノハハ」は、主人公海晴君の前向きな性格を形づくる重要なエピソードなの。
このエピソードを思いついたとき、題名は『エンキョリレンアイ』しかない! とすべてが1本の糸でつながったようでしたね。タイトルに強いパワーを得たんです。書き始めて半年のことでした。しかも、花音ちゃんの口からそれを自然に語ることができたのです。


――この本は、どんな年代の方に読んでもらいたいですか?

年代は気にしていませんね。これまで私の小説は、おじさんキラーというか、年配の男性に人気があったんです。でも、この作品は、中高生にも人気とのことで、これまで10代20代の読者をつかんでいなかった私としては、すごく嬉しく思っています。小説家になっていちばん嬉しかったことかな。



悩みは自分自身が作り出しているもの。
悩んでいるあいだに建設的なことをやったほうがいい。



――ところで、「純愛ブーム」といわれていますが、今、なぜ「純愛」が注目されているのだと思われますか?

ブームは、マスコミが起こしているという印象がありますね。純愛は昔からあったんです。小説のテーマとしては最たるものだし、古くは万葉集の時代から脈々と続いています。いつの時代でも、みんなの心に純愛を求める気持ちがあるのでしょうね。

――『エンキョリレンアイ』には、携帯電話が登場しませんね。パソコンのメールや手紙、昔ながらの固定電話が主人公の2人を結ぶ道具として描かれていますが。

携帯電話は1994年から普及しはじめたでしょ。私は、小説にはケータイは介在させたくないという想いがあって少し前の時代設定にしたんです。ケータイって、常に連絡し合っていても、逆に心のすれちがいがあると思うんです。あるがために相手に気持ちが伝わらないむなしさというか。
私が青春時代を送ったころの「電話が相手につながったときの嬉しさ」、「公衆電話が切れたときのツーという音の余韻」…。私にとっては、その感覚こそが武器。手書きの手紙に、グッとくるタイプなんです。

ケータイが普及しても、人を恋する気持ちに変化はないと思うけれど、そのあたりの描き方は、ケータイ世代の若い作家の方にまかせたいと思いますね。


――小手鞠さんご自身は、恋多き女なのでしょうか?

いえいえ、小説で恋愛を表現することに興味があったんです。私は、『欲しいのは、あなただけ』のかもめちゃんタイプ。数は少ないけど、ひとつひとつの恋に重くのめり込んでしまい、濃い恋愛をしてきてますね。今の夫はのめりこんだり、のめり込まれるのが好きだから、こんな私のことを受け入れてくれたんでしょうね(笑)。 恋は相性が大事とつくづく思います。
あ、それと、私の時代は本当に好きになった人としか、肉体関係を持つことはなかったですね。 現代の若い子を見ていると、肉体関係を驚くほどカジュアルに捉えている。悪いというつもりはないのですが、どうしてそのようになってしまったのかに興味がありますね。


――前著『欲しいのはあなただけ』では、今回の作品とは一転して「激しく1人の人に溺れて拘束されることを喜びとする破滅的な恋愛」を描いていますが、小手鞠さんの理想とされる恋愛はどちらでしょうか?

理想の恋愛というのはありませんね。ありのままを表現したという感じです。
ただ、『欲しいのはあなただけ』は、今回の作品に比べると、フィクション色が強いですね。
私自身は、2つの作品の女主人公、かもめちゃんと花音ちゃんの両方をあわせもっていると思います。両方100%自分のような気がしますね。
花音ちゃんは、一見清純なように見えますが、奥に秘めたパッションを持っています。でなければ、あんなに長い間、1人の人を思い続けるような遠距離恋愛はできない。もし好きな人が身近にいたら、かもめちゃんのように、ドロドロした恋にはまっていくタイプ。根のところは一緒ですね。


――恋愛で悩んでいる、おもに20〜30代の女性読者に対してメッセージをお願いします。

ちょっとアメリカナイズされた言い方になるけど、悩みというのは、2つの「W」からできているのね。それは、「WANT(求める)」と「WORRY(心配する)」。
満たされなくて「求めて」「心配して」も結果は変わらないんです。
例えば、相手が浮気しているかもしれないという悩みは、「浮気」という現象が仮に事実だとしても、悩みは自分自身が作り出しているもの。だとしたら、悩んでいるあいだに建設的なことをやったほうがいい。それに、同じ時間を悩みにあてるのではなく、行動で解決する方がよいと思うの。例えば失恋した女性が髪を切ったり引っ越したりするのは、無意識のうちに解決をしようとしているのね。
主人公の海晴くんのメールにも「悩めば悩むほど悩みを深めている」という言葉があったと思います。それが、私からの具体的なメッセージですね。


――最後に、今後の夢をお聞かせください。

私が直球で勝負できるのは、やはり恋愛小説の分野。
死ぬまでどんどん素敵な作品を書いて、1人でも多くの方に読んでほしいですね。


――今日はありがとうございました! 次の小説が楽しみです。

シホは、小手鞠さんの小説の大ファン。聞きたいことだらけで、夢中になってあっという間に時間がたったインタビューでした。いち読者として純粋に爽やかに感動した『エンキョリレンアイ』ですが、作者のさまざまな思惑と異なる点があるのを知り、あらためて小説って奥が深いなと思いました。
小手鞠さんのメッセージ「人と人は完全に想いを伝え合うことはできない」ことを痛感。だから、恋愛も小説も面白いのかもれません。シホもこんな素敵な恋愛をするぞ〜!
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