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「きょうの猫村さん」の作者・ほしよりこさんが鉛筆一本でつづった、やさしい旅の記憶『山とそば』

あるときは安曇野で、そばを堪能。またあるときには宮島でヘビに巻かれて…。『山とそば』は、大人気シリーズ『きょうの猫村さん』の作者・ほしよりこさんの、文章とイラストでつづられた旅日記です。身内のかたへ送る絵手紙から生まれた本作には、どこか懐かしい日本の旅風景が広がっています。鉛筆一本で描き出された優しい人々とのひとときや、おいしい食べ物、時に神々しいまでの大自然に、いつの間にか自分も旅をしているような気分に。今回の「著者インタビュー」では『山とそば』が描かれた背景や、ほしよりこさんご自身についてお話をお伺いしました。

プロフィール

ほし よりこさん
1974年生まれの漫画家。2003年、CATVインターネットサービス「@NetHome」で『きょうの猫村さん』の連載を開始。独特のタッチの鉛筆画と、家事が万能の家政婦「猫村さん」のキャラクターで一躍人気に。2005年にマガジンハウスより単行本化した。2006年より、「猫村.jp」よりメールマガジンのコンテンツとして配信中。著作は『きょうの猫村さん』シリーズ『カーサの猫村さん』シリーズ『僕とポーク』、共著に『「来ちゃった」』『赤ずきん』

インタビュー

■絵手紙からうまれた『山とそば』



−−ほしよりこさんご自身の人情あり、自然ありの旅行体験が独特のえんぴつ画で描き出されていて、癒されながら読みました。今回、『山とそば』を出版された経緯はなんですか?
ほしさんこれは本文にもあるように、いしいしんじさんとの本『赤ずきん』を書くために合宿したことが発端です。その後私が長野を気に入ってなかなか帰らなかったのですが、ふと。お世話になったいしいさんをはじめ、編集者さんやメリーゴーランドの方々に、その後自分がどんなふうに過ごしたかお知らせとともにお手紙を出そうと思ったのがきっかけでした。読み返すと松本のことをわりと詳しく書いていたので、これから松本に旅行に行くという方にコピーをしてホチキスで留めて渡していました。そのようにして酒井順子さんにお渡ししたところ酒井さんがyomyom編集長をなさっていた木村由花さんに渡され、木村さんからyomyomに掲載しませんかとお話を頂いた事がきっかけです。
−−こんなお手紙が届いたら心が躍ります。『山とそば』は、山とそば(安曇野)、ヘビに巻かれて(岩国・宮島)、カルデラのある町へ(鹿児島・阿蘇)の3本の短編から構成されていますが、この3エリアを選ばれたのはなぜでしょうか?
ほしさん単なる偶然です。本文の最初のところにだいたいの経緯が書かれています。
−−「神さまがいるような」景色や、おいしい食べ物、感動のホテルなど色々な旅の思い出が描かれていますが、特に印象に残った場所やホテル、食べ物等を教えていただけますか?
ほしさん上高地という場所に行った事が一番印象に残っています。自然の圧倒的な美しさと神々しさに全身で触れることができたのです。
−−その中でも、食事のメニューがきちんと描かれているのが印象的でした。素朴な疑問で恐縮なのですが、事前にメモしたり、撮影したりされているのでしょうか?それとも、その場で描かれているのですか?
ほしさん写真を撮っている物もありますが、適当に思い出している物もあります。わりと適当です。
−−あんなに具体的に思い出せるなんて、すばらしい記憶力です!また、いしいしんじさんとの共作『赤ずきん』は安曇野の自然の中で生まれたんですね。共作されて、いかがでしたか?
ほしさんノリノリであっという間に出来上がりました。物語が自然の中でぐんぐん育って行き、いっさいの苦労が無くできたお話です。

■「猫村さん」人気の陰に…「いろんな猫ちゃんに対して申し訳ないです」



−−酒井順子さんとも共作で旅のエッセイ『「来ちゃった」』を出版されていますね。プライベートでも旅行されることは多いのでしょうか?
ほしさんもともとはひどい出不精でしたが、この『「来ちゃった」』のお仕事をきっかけにフットワークが軽くなりました。何か気になるものがあったら「とりあえず、現場に行ってみてこよう」と思うようになりました。酒井さんの影響で鉄道が好きになった事も旅に出かけやすくなったきっかけです。
−−ほしよりこさんのえんぴつ画は、シンプルなのに感情豊かで、どこか昔なつかしくて惹きこまれます。どうやってこの描き方にたどりつかれたんでしょうか?
ほしさん素敵な言葉をありがとうございます。私は子どもの頃から絵を描くのが好きでした。特に夜家族でテレビをみながら広告の裏に絵を描くのが大好きでした。今描いているのもその続きのようなものだと思います。
−−だから、どこかなつかしい雰囲気が漂っているんですね。ほしよりこさんといえば「猫村さんシリーズ」が思い浮かびますが、大人気ですね。読者の反響も大きかったのではないかと思いますが、どのような声が多かったですか?
ほしさん読者の方からの手紙を大事に読んでいますがあまり沢山頂かないので読者の方がどのように思っておられるのかほとんどわかりません。ある方からのはがきには村田の奥さんがいつもネグリジェとカーラーを巻いたままだからといってよそ行きの服を描いて「外に出る時は着替えましょう」と注意してくださる方もおられました。あとは仕事場に飾っていますが、読者の方の猫に猫村さんのようなエプロンを着けて撮影された写真などです。猫は迷惑そうなのですし「うちの猫は猫村さんのように手伝いをしてくれません」などと手紙には書かれていたりします。私としてはちょっといろんな猫ちゃんに対して申し訳ない気持ちもあります。
−−猫村さん、愛されていますね(笑)。『山とそば』でのほしよりこさんの言動に、時々猫村さんがかぶりました。周りも癒す「まったり」した雰囲気をお持ちだと感じましたが、気持ちを穏やかに保つ工夫などありましたら、ぜひ教えていただけますでしょうか。
ほしさん私はあまり周りの方を癒すようなまったりとした人柄ではありませんが、多分絵で描く時そんなふうでありたいと思っているのかもしれないですね。きっとそんなふうでありたいと思えばちょっと近づくのかもしれないですね。深呼吸がいいらしいです。
−−なるほど、深呼吸、やってみます。また素朴な疑問で恐縮なのですが、気持ちがキリキリしてしまうことはありますか? そんな場合に画を描いたら、例えばキリキリした猫村さんになってしまったりするのでしょうか? そんな時、どのように軌道修正されているのかなと思いまして…
ほしさん気持ちがひどくキリキリしたら眠たくなるので寝てしまいます。それ以外は外を歩いたり電車にのったりします。遠くの景色を見たりするとちょっとリラックスしますね。歩きながら少しだけ斜め上の方に視線を持って行くと気持ちの健康に良いと鍼の先生がおっしゃっていました。
−−本の後半に登場していた、猫村さんならぬ「牛倉牛さん」の実現可能性はあるのでしょうか? 今後の執筆のご予定などお聞かせいただけますでしょうか。
ほしさんありません。
−−牛倉牛さん、残念です…。本日はいろいろな質問にご回答いただき、本当にありがとうございました。


ほしよりこさんの人気シリーズ!

崩壊しそうな家庭を救うのは、猫の家政婦・猫村さん。独特の癒し感たっぷりの雰囲気で大人気の「猫村さん」シリーズ。

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