トップ > >特集 >著者インタビュー >原田マハ

楽天ブックス 著者インタビュー

  • バックナンバー
  • 最新号

第25回山本周五郎賞受賞 原田マハの真骨頂! その作品は、贋作か?本物か? ルソーの名作をめぐるアートミステリー。 構想足掛け30年という本作にかけた原田さんの思いを、たっぷり語っていただきました。

読むものを引き込む、絵画業界のち密な描写と、30年分の情熱
――ルソーの絵画鑑定を依頼された2人の若き研究者。タイムリミットは7日間。倉敷、ニューヨーク、パリ、そしてバーゼル。世界4都市を舞台に繰り広げられるアートミステリー。果たしてその作品は贋作か?本物か?
今年5月、第25回山本周五郎賞を受賞した原田マハさんの『楽園のカンヴァス』。ルソーの絵画をめぐる上質なミステリーは、キュレーターであり、アートの世界に長く身をおいてきた原田さんの真骨頂とも言うべき作品。豊富な知識と取材に基づいた絵画業界のち密な描写、そして謎の多いルソーの生涯を鮮やかに描き出した作中作に、原田さんのほとばしる情熱を感じます。構想足掛け30年という本作にかけた原田さんの思いを、たっぷり語っていただきました。

今週の本はこちら

楽園のカンヴァス
楽園のカンヴァス
2012年、最高の呼び声高い1冊!
1,680円(税込)
ご購入はコチラ

注目の本

カフーを待ちわびてカフーを待ちわびて
第1回『日本ラブストーリー大賞』大賞受賞作品。
480円(税込)
ご購入はコチラ
旅屋おかえり旅屋おかえり
あなたの代わりに、全国どこでも旅に出ます!
1,470円(税込)
ご購入はコチラ
#9#9
上海を舞台に繰り広げられる大人の恋愛物語。
500円(税込)
ご購入はコチラ
本日は、お日柄もよく本日は、お日柄もよく
OLが選挙のスピーチライターに!?
1,680円(税込)
ご購入はコチラ
ランウェイ・ビートランウェイ・ビート
映画化もされた人気作!
480円(税込)
ご購入はコチラ
原田マハさんの本をもっと探す

おすすめ特集

スペシャルプライスセール
半額のバーゲン本を大量掲載!お得です!
楽天文芸倶楽部
最新からイチオシの小説まで、文芸好きの方はこちらをチェック
付録つき ブランドムック・雑誌特集
新作の付録付き商品はこちら!

プロフィール

原田マハ(はらだ・まは)さん
1962年、東京都小平市生まれ。中学、高校時代を岡山市で過ごす。関西学院大学文学部日本文学科、および早稲田大学第二文学部美術史学科卒業。マリムラ美術館、伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室に勤務。森ビル在籍時、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に派遣され勤務。その後、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍。2005年『カフーを待ちわびて』で第一回日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。以降『さいはての彼女』、『キネマの神様』、『本日は、お日柄もよく』、『永遠をさがしに』など多数発表。そのユニークな経歴は公式HPにて⇒http://haradamaha.com/profile/

インタビュー

■構想足掛け30年。この作品が書きたくて、小説家になった



−−本作は、原田さんの専門分野ともいえる「アート」をテーマにした初めての作品ですね。
原田さん構想自体は30年ほど前からあったんです。元々美術が好きで、学生時代も美術史を学んでいたのですが、21歳の時に友人からルソーの画集を見せてもらったんですね。その時、「なんて下手なんだろう。」って衝撃を受けたんです。でも、とっても惹きつけられた。それからは夢中になってルソーについて学んだのですが、知れば知るほど面白い、人間としても非常に魅力のある人だと感じたんです。それで、いつの日か、小説でも漫画でもいい、何か物語を作り直してみたいと考えるようになりました。キュレーター時代もルソーについての文献や展覧会にはずっと目を通していましたね。
−−という意味では、本作を書くために小説家になった、と言っても過言ではないのでしょうか?
原田さんそうですね、ただ、この作品でデビューしなかったのには私なりの戦略がありまして(笑)。アートのことなら、他の人が書けないことも自分には書けるとわかっていた。でも、最初にアートをテーマにしてしまったら、後が続かないと思ったんです。最初に『カフーを待ちわびて』という恋愛小説を書いたのも、デビューするまでアートの世界に身を置いていたので、アートとは真逆な世界を描きたかったというのがありますね。
−−今回はこれまでの作風にはない、ミステリー仕立てになっていますね。
原田さん過去に様々な研究がなされているピカソなどと違い、ルソーは遺族もいなければ、解明されていないことも結構ある。ルソーの人生そのものがミステリアスなんですね。だからミステリー仕立てにしたら、読者にも楽しんでもらえるかなと思ったんです。でも、謎解きの最後の部分は読者に預けたかった。もしかするとMoMA(ニューヨーク近代美術館)に行けば何かわかるかな、と思ってくださる方がいればいいなと。だから実際に作品を見ていただいてこの小説は完結する、結末は読者の皆さんの想像にお任せします、というオープンエンドなスタイルを取りました。
−−この作品を読んで、アートに興味を持ったという感想も多いですね。
原田さんいただいた感想を読んでいると、潜在的にアートに興味のある方って多いんだなと感じますね。私はアートの勝手に応援団なので(笑)、この作品を読んでMoMAに行きたいとか、大原美術館に行きましたっていう方が1人でも増えればいいなと。そうやって皆さんの潜在能力を引き出すお手伝いができたら、うれしいですね。大原美術館を舞台にしたのも、美術館のある倉敷を世界に冠たる文化都市ということで押し出したいという気持ちもありました。
−−本作には、ルソーについての物語である『夢をみた』という作中作が登場しますね。ルソーと同じ時代に生きたかのような、いきいきとした描写に驚きを感じました。
原田さん長くルソーにまつわる資料を読んできて、ピカソを中心としたエコール・ド・パリ、あの時代に何があったんだろう、とずっと考えてきました。特にピカソの「アヴィニヨンの娘たち」が誕生した経緯については、未だ謎の部分が多い。美しくないものを描いた、一般的な美の概念を覆した、という意味において美術史上でもショッキングな事件とされています。その瞬間に、どういう化学反応があったのか。様々な研究がなされていますが、その場にいないとわからない、というのが私の結論なんですね。だからこそ、小説家になったからには、どんな嘘でもいいから、その場にいたように感じてもらえるような嘘をつきたい、と思ったんです。
−−読みながら、原田さんが非常に楽しんで書いてらっしゃるのが伝わって来ました。
原田さん美術史的な観点から言うと、この小説はギリギリの領域まで踏み込んでるんですよ。専門家の方からお叱りを受けそうな描写もたくさんあります。でも小説なんだから、どうせなら美しくて大きな嘘をつこうじゃないの、とかなり腹をくくって書きました。やっぱりやっちゃいけないことをやるって、楽しいんですよね。私が美術史家やキュレーターだったら絶対できないことを、小説で実現した。美術史をフィクションに練り直したのは、自分にとっても面白い試みだったし、書けてよかったですね。本当に小説家になってよかった、と心の底から思いました、誰が何と言っても(笑)。

■「アート」という最強の切り札を引っ込めるわけにはいかない



−−先の5月には本作で山本周五郎賞を受賞されましたね。
原田さん今だから言えますがホントに「くださーい!」っていう気持ちでした(笑)。受賞するのであれば、この『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞をいただきたかったので、喜びもひとしおでしたね。この作品は自分にとっての切り札でもあったので、次なるステップへと、非常にはずみがつきました。
−−その、次なるステップとは?
原田さん「アート」という自分にとっての最強の切り札を出してしまったので、もう引っ込めるわけにはいかないと思うんですよ。読者の方も楽しみにしてくださっているだろうし。ライフワークとしての、女性や社会的弱者を主人公にした作品もこれまで通り書いていきますが、今後はアートをテーマにした作品も増やしていきたいですね。
−−今後、取り上げたいアーティストや時代などは?
原田さんピカソが大好きなので、ピカソのことはいずれ書きたいですね。それに西洋美術だけでなく、日本美術についても取り上げていきたいと思っています。アートと一口に言っても、ジャンルも時代も多岐に渡るので、どこを切り取ろうか楽しみでしょうがないんですよ。相当長生きしないと書きたいこと書ききれないぞ、と。私、コンピュータ占いで120歳まで生きると出たんですよ。当たるといいなと願っています(笑)。
−−最後に、原田さんにとってアートと小説、とは。
原田さん「永遠を生き延びる方法」でしょうか。私が永遠に生きる、ということではなく、小説に登場する人物に永遠の命を与える。そういう意味ではアートと小説って似ていると思うんです。美術品も、それを守り伝えようとする人がいる限り、永遠を生きる。アートに長く携わってきた中で、そういう永続性への憧れは強く持っていました。だから、この小説も叶うことならば、源氏物語が今に伝わるように、長く読み継がれていってほしいですね。
Written By SHINOBU NAKAGAMI

楽園のカンヴァス
楽園のカンヴァス

内容紹介
大富豪の屋敷に掛かる一枚の絵。その真贋判定を迫られた若き二人の研究者。

期限は七日間・・・絵画の「本当の価値」に迫る傑作アートサスペンス!



ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。

MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。

その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、

真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。

好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間ー。

ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。

ご購入はコチラ

このページの先頭へ