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日本SF大賞、吉川英治文学新人賞と、ジャンル、性格の異なる二つの賞を相次いで受賞した月村了衛さんにお話を伺いました

『機龍警察 自爆条項』で日本SF大賞、『機龍警察 暗黒市場』で吉川英治文学新人賞と、ジャンル、性格の異なる二つの賞を相次いで受賞された月村了衛さんに今のお気持ちと本作に寄せる思いなどをお聞きしました。

プロフィール

月村了衛(つきむら・りょうえ)さん
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。在学中、清水邦夫、高橋玄洋に脚本・演劇を学ぶ。卒業後予備校講師として現国・古文・漢文の教鞭を執る。1988年『ミスター味っ子』で脚本家としてデビュー。著書に『機龍警察』 『機忍兵零牙』 『機龍警察 自爆条項』 『機龍警察 暗黒市場』 『一刀流無想剣 斬』などがある。

インタビュー

■真のエンタテインメントは読む人の心に届く



−−このたびは、『機龍警察 自爆条項』で日本SF大賞、『機龍警察 暗黒市場』で吉川英治文学新人賞と、ジャンル、性格の異なる二つの賞を相次いで受賞されました。今のお気持ちをお聞かせください。
月村さん各ジャンルへの愛情を一層強く感じるとともに、〈物語〉とはやはりジャンルを超えていくものだという思いを深くしております。どんなジャンルの作品であろうとも、真のエンタテインメントは読む人の心に届くのだと大いに意を強くした次第です。私はこれからも、私なりの物語を語っていきたいと思っています。
−−「機龍警察」は、警察小説とロボットものを融合させたユニークなシリーズですが、このミステリとSFの融合というアイデアはどこから生まれたのでしょうか。
月村さん 人一倍アタマが固いタイプのSFファンなので、「機龍警察」がSFであるとは最初はまったく思っていませんでした(シリーズを書き継ぐに従って、ひょっとしたらこれはSFとも言えるのではないか、などと思うようになりました)。ジャンルとして最初に意識したのは〈警察小説〉と〈冒険小説〉でした。前者のフォーマットに後者の魂を持ち込むことで、生々しく混沌とした国際情勢を反映した、スケールの大きい物語を書けるのではないかと考えたのです。しかし、日本の警視庁が傭兵を雇うという設定はどう考えても現実にはあり得ない。いかにすればそのあり得ない設定が〈アリ〉になるのか。そうした思考の結果が機甲兵装というガジェットです。
−−シリーズには元ロシアの警官ユーリ・オズノフや、北アイルランドのテロリスト、ライザ・ラードナー、姿俊之など個性豊かなキャラクターが登場しますが、これらの人物にモデルはいるのでしょうか。
月村さん上記の三人にはモデルはいません。特にライザや姿は私が最も書きやすいタイプのキャラクターです。また他の人物についてもモデルがない場合がほとんどですが、例外もあります。例えば『自爆条項』に登場する曽我部は、往年の名優である伊藤雄之助のイメージを造型の手かがりとしました。
−−これまでの読書歴で、お好きなジャンル、影響を受けた作家をお聞かせください。
月村さんジャンルでいうと広義の文学です。影響を受けた作家は、読んでみて素晴らしかった本の作者すべてです。

■電子書籍の可能性も大変大きなものに感じる



−−電子書籍は利用されていないと編集者からお聞きしましたが、紙の本へのこだわりはあるのでしょうか。また、電子書籍の可能性をどのようにお考えですか?
月村さん紙の本へのこだわりは大いにあります。同時に電子書籍の可能性も大変大きなものに感じます。個人的なことを言うと、自分が死ぬまでの間くらいは本の山に埋もれていたいし、また、『自爆条項』や『暗黒市場』の単行本が世の好事家の書架に残って、装丁や紙の感触を永く愉しんでもらえればと願っています。
−−シリーズの今後の構想、展望をお聞かせください。
月村さんおおまかな展開や落着点は決まっていますが、カク秘(警察用語で最上級機密)ですので一切申し上げられません。版元の編集部にはかなり話しておりますが、中には彼らにも秘密にしているアイデアもあります。
−−最後に、読者へのメッセージをお願いします。
月村さん特捜部の面々の戦いを最後まで語り抜くことができるかどうか、それは私自身の気力の残量と、読者の応援の熱量次第です。特捜部の死闘をリアルタイムでお楽しみ頂ければこれに勝る喜びはありません。


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機龍警察
機龍警察

内容紹介
警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部は、
旧知のロシアン・マフィアと組んで武器密売に手を染めた。

一方、市場に流出した新型機甲兵装が“龍機兵(ドラグーン)”の
同型機ではないかとの疑念を抱く沖津特捜部長は、
ブラックマーケット壊滅作戦に着手したー日本とロシア、
二つの国をつなぐ警察官の秘められた絆。

リアルにしてスペクタクルな“至近未来”警察小説、
世界水準を宣言する白熱と興奮の第3弾。

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