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 中塚翠涛インタビュー 『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』(宝島社)

パソコンが普及し、文字を書く機会が減っている昨今、ペン字が注目を浴びています。「書く機会が少ないからこそ、きれいな字になりたい」「ずっと自分の字にコンプレックスを持っていた」……“きれいな字が書けるようになりたい人”は95.6%にのぼり(2013年、文字に関するアンケート調査より)、そんな方たちに向けて、書家の中塚翠涛さんが特別レッスンしてくれる『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』(宝島社)シリーズが大ヒット中です。TBSドラマ『SPEC』などの書道シーンの文字や、テレビ朝日系『中居正広のミになる図書館』で著名人の手書き文字を採点する書家として人気を集め、空間カリグラフィーデザイナーとしても活躍中の中塚さんに、きれいな字を書く秘訣、このシリーズに込めた想いを伺いました。

プロフィール

中塚翠涛(なかつか すいとう)さん
書家/空間カリグラフィーデザイナー
岡山県倉敷市出身。東京都在住。4歳から書を学ぶ。大東文化大学文学部中国文学科在学中の1998年より、読売書法会常任理事の高木聖雨氏に師事。空間を書でデザインするという独自のスタイルを確立させ、国内外のさまざまな商業空間や施設、ホテルなど多種多様な空間カリグラフィーデザインや、ワインラベル、帽子などのプロダクトデザインも手がけている。
オフィシャルサイト http://www.suitou-nakatsuka.jp

インタビュー

■大切なのは「きれいに書きたい」という気持ち



--『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』(宝島社)シリーズはすでに累計196万部を突破だそうですね。このシリーズの人気が証明している通り、字に悩みを持っている人は多いと思います。ズバリ、今からでもきれいな字が書けるようになりますか?
中塚さん 「きれいな字が書きたい」という気持ちさえあれば、なると思いますね。
--そもそも字が汚く見えてしまう理由とは?
中塚さん 例えば、細かいところが雑だったり、縦書きであれば、文字が色々な方向を向いて中心線が曲がっていたりとか、文字のバランス感によって、きれいに見えないことはありますね。逆に、お手本通りではないのに、何だかとても気持ちよく見える字がありますよね? 見やすかったり、ほっとするような。そういう字には人柄が表れていると思うんです。ですから、お手本通りでないとダメだというわけではないです。
--なるほど。きれいな字を書くためには、やはりペンの持ち方や姿勢が大事なのでしょうか。
中塚さんそれももちろん大切ですが、「きれいに書こう」と思い、きれいな字をイメージすることが一番なのかなと。最近、特にそう感じます。というのも、このシリーズを作る中で、バランスの取り方をはじめ、どうしたら皆さんが練習しやすいのかなと考えてきました。その結果、初心者の方であれば、ここから始めたらいいかなという内容を紹介させて頂いています。 実際には楷書といっても沢山の種類があり、バランスの取り方もいろんな取り方があります。私にしても、いつも同じ文字を使っているわけではなく、手紙を書く時には、相手のイメージで文字を変えたり、文字で遊んでいることが多いですね。つまり、一概にどれが正解というわけではないので、まずは「きれいに書こう」と思うことを習慣づけることが大事だと思います。それならすぐに始められますし、そう思うだけでも丁寧に書くようになるので、まずはそれを意識して楽しみつつ、1歩1歩練習して頂けるようにと、このシリーズを作る際は心がけています。
--考えてみれば、学校で文字の書き方は教わっても、きれいに書くコツは教えてもらわなかったような……文字がきれいなのは、持って生まれた才能なのかと思っていました。
中塚さんそうでもないですよ。基本的には個性を伸ばした方が字は面白いし、その人なりの字でいいと思うんですよ。ただ「その人なり」というのがなかなか分からない方は、このシリーズでそれを見つけるきっかけにして頂ければと思っています。
--自分なりの美文字をぜひ見つけたいです。伝言メモ一つでも、きれいな字で書かれていると育ちの良さを感じたり、相手の印象が変わったりしますよね。
中塚さんなぐり書きされたものよりも、ちょっと丁寧に書かれたもののほうが、仕事を頑張ろうかなと思ったりしますよね。あと、人に食べてもらうとお料理が上手くなるのと同じで、見てもらうことで、字も上達するんですよ。「汚いから人に見せたくない」と思わずに、まず丁寧に書いてみると「ちょっと練習してみようかな」という気持ちがわいてきて、書いていくうちに自分の好きな字が分かってくると思います。だから沢山書く機会を作ること、それから色んな文字を見ることも重要かなと思います。

このシリーズであれば、お手本をとにかく観察する。まずはお手本と自分の文字との違いはどこだろうかと、間違い探しの気持ちでやって頂けたらと思います。 そして、少しでも字に興味がある方は、基本を学んだ上でご自分の個性を出していくと楽しみが広がると思いますよ。

■日々の暮らしの中で、文字で遊ぶ楽しさ



--ご自身は“書く"ことをどんな風に楽しまれていますか?
中塚さん旅先から手紙を出すのがとても好きですね。その土地の空気をそのまま届けられる気がして、ちょっとしたイラストを添えたりとか。書のお稽古の時に、何種類かお茶の名前を書いて、そこから選んで頂くこともあります。文字からお茶の香りを想像してもらえたらいいなと。後は、作ったお料理のメニューを書いたり……。かしこまらずに、自由にみんなで楽しんで頂けるようにと考えつつ、自分自身も楽しんでいますね。
--手紙といえば、シリーズ最新刊『中塚翠涛のきれいな手紙とはがきが書ける本』(宝島社)も好評ですね。手紙の極意が詰まった1冊ですが、特別付録の「宛名がまっすぐ書けるシート」に、縦書きが苦手な人間としては大いに助けられています(笑)。
中塚さん 「縦書きが苦手」という方が多かったので、何かいい方法はないかと考えました。実は手紙には、苦い思い出があるんですよ。20代になったばかりの頃に目上の方にお手紙を書いたのですが、気合いを入れて巻き紙に筆で書いたら、「ご年配の方が書いたみたいで、これでは返事が書けない」と言われました。年を重ねなければでない味わい深い字を目標としていた私にとって、その言葉は嬉しくもありましたが、相手の気を重くさせてしまったなと反省しました。自分の思いだけを押しつけていたことに気付いて以来は、TPOに応じてリラックスして自由に書くようになりましたね。
--ご自身は、4歳から書を始められたそうですね。
中塚さん兄が書道教室に通っているのがうらやましくて、ついて行ったのがきっかけです。だから書を学ぶというより、筆遊びをしていた感じなのですが、その楽しさがすべて今の活動につながっていますね。実用的なペン字もいいですが、筆ペンで絵を描いたり遊ぶことから、字を学んでもいいと思うんですよ。それに日本人には、字を書くDNAがあるように私は感じていて。もともとは何かを伝えるために書いていたとしても、書くことで心が落ち着いたり、自分と向き合えたりするところが本能的にある気がしますね。
--書を仕事にしようと思ったきっかけとは?
中塚さん私は書が楽しくて続けていただけで、仕事にしようと思ったことがなかったんですよ。小学生の頃は、展覧会に向けて同じ字を練習し続けるのがいやで仕方なかったですね(笑)。でも、書をやめたいとは思いませんでした。今思えば、あの時に基礎を繰り返すことで、上達していく過程を体験できたのは良かったですね。
--中塚さんが目指すところとは?
中塚さん私は大学で専門的に書を学びましたが、そこで感じたのは「あいうえお」の5文字でも、様々な時代の色々な文字が何十通りもあり、正解はひとつではないということ。 そして、何百年前の書が、つい昨日書かれたように思えて鳥肌が立つことがあります。でも、単に形だけを真似しても、その時代の文化や時代背景、空気感までは絶対に出せない。書を学べば学ぶほど、奥深さを痛感します。独創的なだけでも、基礎に留まっているだけでもいいわけではなく、学び終わることはないので日々練習、勉強しつつ、色々な形で表現していけたらいいなと思っています。といっても、私の軸にあるのは、字を書くことで暮らしが豊かになったり、コミュニケーションや人の笑顔が生まれたらいいなという思いであって。この練習帳シリーズも使って下さった方が誰かに手紙を送ったり、それを受け取った方の笑顔を想像するのが楽しくて、毎年、出させて頂いているのかなと思いますね。
--最後に読者にぜひメッセージをお願いします。
中塚さんこの本は1日ひと見開き、30日で終えられるようになっています。どれだけ時間をかけるかは、人それぞれですが、丁寧に練習を続けて頂ければ確実に上達すると思います。まずはこの本をきっかけに、書くことを楽しみながら始めて頂けたらうれしいですね。
--中塚さんにお話を伺って、単なる伝達手段には留まらない、手書きの楽しさにあらためて気付かされました。大判で練習しやすい上に、毎日少しずつ続けられるのが嬉しい 『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』 シリーズ。まずは楽しみながら、自分なりの美文字をぜひ手に入れて下さい!
 
取材・文/宇田夏苗

30日できれいな字が書けるペン字練習帳
30日できれいな字が書けるペン字練習帳

内容紹介
中綴じだから開きやすい。大判だから書きやすい。ペン字練習の決定版!若い女性に人気の書道家・中塚翠涛先生が、30日できれいな字が書ける特別レッスンをしてくれます。前半ではひらがな・カタカナ・数字・アルファベットの基礎を練習。後半では住所・氏名・領収書・伝言メモ・履歴書・祝儀袋などの実践を練習。この一冊で、日常よく使う文字を幅広くカバーします。字がきれいに書けると気持ちいい!達成感を味わえます。

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