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肥後克広インタビュー「あきらめない腰痛――僕の20年来の腰痛を治した驚きの方法」

ダチョウ倶楽部のリーダー、肥後克広さん。持ち前のリアクション芸で、日本全国を笑いの渦に巻き込んできた肥後さんだが、実は、長年に渡って腰痛に苦しんでいたという。その腰痛がある方法によって解消された。著書『あきらめない腰痛』は、その方法のすべてを豊富なイラストと写真で紹介したもの。肥後さんに、腰痛の体験と、体操の「コツ」をうかがった。

プロフィール

肥後克広(ひご・かつひろ)さん
1963年沖縄県生まれ。1985年、上島竜兵さん、寺門ジモンさんの三人でお笑いグループ「ダチョウ倶楽部」を結成。リーダーを務める。身体を張った「リアクション芸」はあまりにも有名。テレビや舞台などで幅広く活躍している。

インタビュー

■コルセットはもういらない

−−イラストが豊富で読みやすかったです。さっそくやってみようと思える本ですね。
肥後さん 簡単ですもんね。あっという間にできちゃう。
−−どういう経緯でこの本を出されたんですか。
肥後さん マッケンジー法という体操で、腰痛を治されている先生がいるとマネージャーから薦められたんです。その方が、この本を監修してくださった「お茶の水整形外科機能リハビリテーションクリニック」の銅冶英雄先生でした。先生もマッケンジー法を広めたいと思っていて、腰痛持ちの芸人の僕が本を出せばいいんじゃないかと(笑)。
僕は若い頃に腰椎椎間板ヘルニアと診断されたことはあったんですが、手術をしていなかったので、マッケンジー法の実践にピッタリだったんです。それで、体験したことを本にしようということになりました。
−−肥後さんは二十代の前半から腰痛に苦しまれていたそうですが、最初に腰痛を感じた時の痛みは覚えていらっしゃいますか。
肥後さん すごく痛かった。歩くときに足を引きずったりとか。最終的には歩けなくなっちゃって、寝たきりでした。しかも寝ていても痛い。辛かったですね、今から思うと。
−−これまではどう対処されてきたんですか。
肥後さん いろいろ試しましたよ。カイロプラクティックに通ったり、街のマッサージ屋さんに行ったり。ぶら下がると腰にいいと聞いて、ぶら下がれるところがあったらぶら下がったり。あと、よくやっていたのはコルセットを腰に巻くこと。調子がいいときにはしていなかったんですが、油断しているとロケ先や旅先で痛くなって、その場でコルセットを買いました。だから家にはコルセットがいっぱいあるんです(笑)。
−−ぼくも腰痛の経験があるから分かるんですが、その時はすごく痛くても、だんだん痛みが和らぐと、このままいけるんじゃないかと思ってしまうんですよね。この本で紹介されているマッケンジー法の体操はいかがでしたか。
肥後さん 体操と聞いたときに、「汗をかく、痛い、辛い」というイメージが浮かんだんです。余計痛くなるんじゃないかと思ったんですよね。ところが、いざやってみると、基本はうつ伏せに寝て身体を反らすだけ。これは楽でいいなと思いました。
−−ぼくもちょっとやってみたんですが、身体にまったく負担が掛からないんですよね。
肥後さん そうなんですよ。
−−しかも、効果がすぐに現れたとか。
肥後さん 二、三カ月でだいぶ改善されて、半年後にはほとんど完治していたような気もしますね。リハビリの先生に腰痛のチェックをしてもらうときには、「腰に違和感がありますか」と聞かれて、言われてみたら左側に違和感がまだあるかな、と気づくくらいで、ふだんはまったく意識しなくなりましたから。
−−20年来の腰痛が、わずか半年でほとんど治ってしまったんですか。
肥後さん そうですねぇ。驚きですね、たしかに。自分でも不思議です。
−−それまでは、一生腰痛と付き合っていくのかな、くらいの諦めの気持ちがあったということですよね。
肥後さん そうですね。この本のタイトルは『あきらめない腰痛』ですけど、それまでは『あきらめた腰痛』でしたね(笑)。

■コツは力を抜くこと

−−『あきらめない腰痛』にはマッケンジー法による体操がいくつか紹介されています。「基本は反らすだけ」だそうですが、これから始める人にアドバイスはありますか。
肥後さん 僕自身もそうだったんですけど、もっと大きく反ってみたほうが治りが速いんじゃないかとか、もっとグイグイやったほうがいいんじゃないかと思ってしまいがちなんですよね。でも、それは間違った方向なんです。そんなに反らさなくてもいいんです。
−−ほんの少しでいいんですか。
肥後さん そうです、そうです。痛くないところまででいいんです。頬杖をつくぐらいの角度で十分です。腰痛の人は背筋や腹筋を鍛えた方がいいという話をよく聞くので、そのために反らすのかなと思ったら、そういうことではなかったみたいです。詳しくは本を読んでもらえればわかりますけど(笑)。
−−本のなかではそのあたりも図解がしてあって、納得がいきました。ほかにポイントはありますか?
肥後さん うつ伏せで身体を反らすときに、腰が浮くんですよ。この前、パックンにこの本を渡してその場でやってもらったんですけど、腰が浮くんですよね。パックンの場合はさらに力を入れて腰を落とそうとしていたけど、もともとそんなに反る必要がないんです。力を抜いて無理に反らない。言葉で言うと簡単だけど、それが意外と難しい。力を入れて、ぐっと伸ばそうとしてしまう。不思議なもんです。息を吐くといいでしょうね。それも、美木良介さんの「ロングブレス」みたいに「ハーッ!」じゃなくて、「は〜」くらいで(笑)。
−−脱力したほうがいいんですね(笑)。ふだん、けっこう力を入れて生きているのかも。
肥後さん なんでだろう。僕もしばらくやって良くなってきたら、もっと反ってやれ、みたいなスケベ根性が出て。それがよくないんです。力の抜き方が難しかったなあ。
−−それも本のなかでは、リハビリの先生の指導が具体的に書かれていてわかりやすかったです。一つお聞きしたいんですけど、僕は、首を後ろに引く、という動きが難しいように感じたんですが、コツはありますか。
肥後さん それもほんの少しでいいんです。ちょっと後ろに引くだけ。目線はそのままが基本なんですけど、つい上を向きがちだから、少し下向き気味のほうがまっすぐ後ろに動かせるみたい。

■トライアスロンに出てみたい

−−肥後さんが腰痛持ちだということを初めて知って、驚きだという方もいると思うんですが。
肥後さん そうですね。リアクション芸の時は、完全にリングに上がるレスラーのような気持ちでした。ガチガチにコルセットで固めていきましたからね。
−−腰痛が直ったことで、リアクション芸も楽になりましたか。
肥後さん そうですね。この前、番組でちゃんと頭から湯船に入れました。自分では意識なかったんですけど、前に、VTRを見ていたら、お年寄りがお風呂に入るような感じになっちゃってて。この前はちゃんと入れたから改善されたんだと思いましたね。
−−芸能界で腰痛持ちの方って多いんですか。
肥後さん けっこういますよ。僕が知っているのは芸人ですけど。腰痛って、見た目じゃわからないですから、痛くても見ている人には伝わってこない。今回、本を出して、周りに聞くと、意外と多いんだなと思いますね。
−−ダチョウ倶楽部のほかの方たちはどうですか。
肥後さん 寺門(ジモン)には教えましたね。寺門はスポーツをするので、たまに腰が痛くなると言っていたので。上島(竜兵)は背骨が妙な曲がり方をしているんですけど、腰痛はまったくないんですよ。
−−腰痛が治ってできるようになったこと、楽しめるようになったことはありますか。
肥後さん 長時間の移動が苦にならなくなりました。ロケ車でも、タクシーでもバスでも、同じところに30分も座っているとイテテだったんですよね。それがなくなったのが本当によかったですね。それと、番組によっては長時間、ひな壇に座らなきゃいけないこともあって、それも問題なくなりました。
肥後さん ノッチさんが、一緒にトライアスロンやろうと。
−−すごいですね(笑)。いまでも体操は続けているんですか。
肥後さん 続けています。クセになっちゃいましたね。十回ワンセットで、ヒマを見て。
−−立ったままできる体操があるのもいいですね。
肥後さん そうですね。立ったままできる体操でも、つい力を入れたくなるんですけど、それも、力を抜くことが大事。
−−この本がどんどん売れたら、電車のホームで、電車待ちのちょっとした時間を使って体操しているサラリーマンの姿が見られそうですね。
肥後さん 直接行って指導しますよ、僕が。「チ・カ・ラ・が・入ってる!」(と、腰にカツを入れるアクション)。
−−ぜひ、お願いします!(笑)
【取材後記】
テレビで拝見する通りのノリの良さでインタビューに答えてくださった肥後さん。笑顔がひときわさわやかに感じられたのは、もしかすると腰痛から解放されたから?
お笑いの現場では、「リングに上がるレスラーのような気持ち」とおっしゃっていた肥後さんだが、腰痛という「故障」が治ったこれからは、さらに笑撃的なリアクション芸が見られるに違いない。
取材・文/タカザワケンジ


あきらめない腰痛――僕の20年来の腰痛を治した驚きの方法
あきらめない腰痛――僕の20年来の腰痛を治した驚きの方法

内容紹介
リアクション芸が大人気の肥後克広さん(ダチョウ倶楽部)が20年も苦しんでいた腰痛がほぼ全快。
「注射なし! 薬なし! コルセットなし!」の驚きの方法を豊富なイラストと写真で分かりやすくご紹介。

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