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野崎洋光インタビュー「野崎洋光のだし革命 トマトジュースと豆乳で和食がつくれる!」

“だし”と聞くとかつおや昆布等を思い浮かべますが、なんと「豆乳」と「トマトジュース」が立派なだしになるんです!日本料理界の重鎮でもある東京・西麻布「分(わけ)とく山(やま)」の総料理長・野崎洋光さんが、健康や美容などで人気の2大飲料を使ったレシピ集『野崎洋光のだし革命 トマトジュースと豆乳で和食がつくれる!』を上梓。優しい語り口、真摯な人柄で多くのファンを持つ野崎さんならでは、あらゆる和食がびっくりするほど簡単にできるレシピが満載です。野崎さんに、この最新刊を中心にお話を伺いました。

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野崎洋光のだし革命 トマトジュースと豆乳で和食がつくれる!
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プロフィール

野崎洋光(のざき・ひろみつ)さん
「分とく山」総料理長。1953年福島県生まれ。1980年に「とく山」料理長に就任。1989年に「分とく山」を開店し総料理長となる。「自らがおいしいと納得した料理を」という信念のもと、確かな技と理論に裏打ちされた料理で、幅広い層から高い評価を得ている。2004年にはアテネ五輪「長嶋ジャパン」の総料理長を務めた。NHK「あさイチ」「きょうの料理」をはじめテレビ、雑誌など各種メディアでも活躍中。『野崎洋光のおいしい節電レシピ』『野崎洋光のたのしい缶詰レシピ 魚介類編』(ともに東洋経済新報社刊)他、著書多数。

インタビュー

■今のだし文化は、戦後に生まれたものなんです

−−『野崎洋光のだし革命 トマトジュースと豆乳で和食がつくれる!』を拝見し、早速「トマト肉じゃが」を作ってみたのですが、本当にトマトジュースが“だし”になるんですね!美味しい肉じゃがが、あっという間に出来てびっくりしました。
野崎さん だしについて、皆さんカン違いしているんですよ。戦前には、家庭に昆布やかつお節のだしなんてなかったんですから。
−−ええっーそうなんですか!
野崎さん だしと聞くと、和食の伝統のような気がしますが、戦後に調味料会社が作った文化なんです。そもそも自然の中にはいろいろなだしがあって、例えばお茶がだしになるって知っていましたか?キノコ類にしてもそうですね。自然の素材にだしが含まれているのだから、さらに既製のだしを入れる必要はないんです。お化粧品だって、重ねて塗り過ぎたら別人になりますよね?(笑)。だしも加えすぎると味が変わって濃くなって、主役の食材の味を損ねてしまう。つまりだしというのは、主役を超えないことが大事なんです。
−−なるほど。野崎さんご自身は20年以上前からトマトジュースを使ってみそ汁を作ったり、豆乳を汁ものにしたりと、和食に活用してきたそうですね。トマトジュースと豆乳が優れただしである理由とは?
野崎さん 一番は手に入りやすいこと、それから日本古来の調味料である醤油や味噌を合わせると、簡単に味が決まることですね。ここで知っておいて欲しいのは、だしというのは、100%完成したものだということです。ところでカレーを作る時、煮込みますか?
−−出来るだけ煮込みますね。そのほうが美味くなると思っていたのですが……。
野崎さん そんな風に、イメージや既成概念で信じ込んでしまっていることが、結構あるんですよ。でも実際には、カレーのルーはすでに完成しただしなので、煮込む必要はないんです。他にも養殖モノは身体に良くないと言いながら、保存料や添加物が入ったものを平気で食べていいませんか? 今の人たちは、言い方は悪いですが、そうやって与えられたもの、つまり“餌”を食べているんですよ。自分で食事を作れば健康は保てるというのにね。
−−耳の痛いお話です。この本に紹介されているように、健康にもいい豆乳と水、醤油と砂糖で麺つゆが作れるなら、市販のモノを買ったり、ましてや高級なだしを使う必要はないですよね。
野崎さん そうなんですよ。贅沢っていうのは身体にいいものを無駄無く食べることで、お金をかけることではないんです。昨年『野崎洋光のたのしい缶詰レシピ 魚介類編』を出したのも、缶詰はレトルトよりも添加物が少ない上に料理の手間と時間が省けるので、もっと活用して頂きたいという思いからでした。何より缶詰は、もともと日本の家庭には普通にあったもので、電気が発達していない時代には、もっと利用されていたわけです。そうした生活文化にもう一度立ち返ることで健康も作れるのだと、伝えたいんですね。
−−野崎さんご自身は、東日本大震災をきっかけに、缶詰の魅力を再認識されたそうですね。
野崎さん そうですね。大震災を機に、電気に頼り過ぎていた食生活の知恵を見直して頂けたらと思い、『野崎洋光のおいしい節電レシピ』をまとめました。缶詰にかぎらず、瓶詰や乾物、常温保存食材を使ったレシピを紹介しています。自分自身を振り返ってみても、福島の実家にはいつもたくさんの缶詰が積んでありました。祖父は缶詰の空き缶に味噌と庭で取れた唐辛子や、刻んだ青じその葉を入れて、缶を鍋代わりにグツグツ煮て酒の肴にしていましたね。
−−まさに生活の知恵ですね。
野崎さん 朴葉味噌でなくても十分なんですよ。太巻きの具もかんぴょうでは物足りない、だけど鰻は高いというなら、さんまのかば焼缶を使えばいいんです。100円ちょっとで買えますし、鰻は養殖ですが、缶詰には脂ののった一番美味しい時期の魚介類がそのまま詰め込まれているんですから。

■自分で作った時の風合いが、美味しさにつながる

−−本書には手軽で美味しく、ユニークなレシピがたくさん紹介されていますが、料理のアイデアはどこから生まれるのでしょうか。
野崎さん 私の料理は斬新だと言われたりもしますが、基本をアレンジしているだけで、いたってオーソドックスですよ。ただ、いろいろ見方、考え方を変えてみたりはしますね。「日本料理って何だろう」と考えると、意外に自由だったりするんですよ。日本料理の歴史を理解すれば、豆乳やトマトジュースを使おうが、正当的な日本料理ができるので。私は料理教室を20年続けていて、今は月に15クラス受け持っていますが、人に教えたり、こうして本を出させて頂くことで、新しいことを勉強させてもらっているんです。すると新たな発見があるからますます料理が面白くなって、80冊以上も本を出してしまうわけですが(笑)。
−−なるほど(笑)。何事にも疑問を持ちつつ、前向きに取り組まれる姿勢は、修業時代に培われたものでしょうか。
野崎さん それもあるでしょうが、学校で勉強してこなかったんですから、自分から興味を持たないとどうにもならないというね(笑)。それに光があるところには、必ず影があるんです。でも、ほとんどの教科書は日の当たる場所しか教えていない。例えば料理の教科書に、「煮魚はうまみを逃がさないために沸騰しただしの中に入れましょう」と書いてある。でも、よく考えてみて下さい。うまみを逃がさないってことは、味も入らないっていうことですよね?そういう物事の裏側というのは、なかなか教えてもらえないからこそ、そこを考えるんです。 最近は日本料理店の格付けが流行っていますが、本当に日本料理を分かっている人がどれだけいるのかと。たんに美味い、不味いというのは幼い子どもでも言えますよ。そうではなくて、なぜこの素材を使ったのか、どうしてこの料理になっているのかと考える余裕を持って頂けたらいいなと思いますね。
−−「分とく山」の総料理長として、また料理に関する様々な本を出されるなど、精力的に活動を続けられている野崎さんのエネルギーの源とは?
野崎さん 私の場合は何でも遊びに切り替えますね。今年60歳になるのですが、この仕事を始めてから一度も寝込んだことがないんですよ。39度の熱があって徹夜しても倒れないですし。人間って休まないとダメだとか、決めつけてしまうから精神的に参るのだと思うんです。でも僕らの母親の時代には、今みたいに何でも便利ではなかったので、みんないつ寝て起きているかわからない生活をしてきたわけです。 何よりこの仕事がいいのは、自分の好きなことをやりながら、お客さんに金を持って店に来いって言っているんですよ。こんないい仕事、他にありますか?(笑)。その分、きちんとお金に見合ったものを作らないと、と思うんですね。
−−最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
野崎さん 不景気でお金がなくても、自分で料理をすればお金はかからないし美味しいので、100円ショップに行くなら、産地直送のお店で野菜を買って、ぜひ自分で料理を作って頂きたいですね。トマトジュースと豆乳は特に使いやすいので、ぜひこの本を参考にしてお作り下さいと。その際のポイントとしては、温かい料理には濃度を薄める、めんつゆ等の冷たい料理には濃くすること。今はお惣菜を買うのが当たり前になっていますが、ふかしただけのじゃがいもにしても、やっぱり作った時の風合いが一番。人が作ると美味い、まずいとつい言いたくなりますが、自分で作って食べるなら罪はないでしょう(笑)。つまり私は、皆さんに料理を作って欲しいだけなんですよ。
−−まずは豆乳とトマトジュースを活用したいです。本日はありがとうございました!
【取材後記】
今回の取材中、野崎さんが見せて下さった修業時代のノートには、日々学んだ調理や素材のことがぎっしり。その力のこもった文字に、今につながる野崎さんの料理への思い、尽きない興味の一端を垣間見た気がしました。缶詰しかり、身近にあるものを生かすことで、こんなに食事が、暮らしが豊かになるのだと気づかせてくれる野崎さんのレシピ集。酷暑の夏にぴったりのメニューも盛り沢山です!
取材・文/宇田夏苗


野崎洋光のだし革命 トマトジュースと豆乳で和食がつくれる!
野崎洋光のだし革命 トマトジュースと豆乳で和食がつくれる!

内容紹介
肉じゃが、味噌汁、炊き込みご飯、おでん……。
あらゆる和食が革命的に簡単になる、だし使い術!
各界著名人から主婦まで、熱い支持を受ける和の巨匠 野崎洋光さんが伝授する

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