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水道橋博士さんインタビュー 水道橋博士渾身のルポエッセイ「藝人春秋」

そのまんま東から古舘伊知郎、三又又三、稲川淳二、松本人志、北野武…芸能界に生きる“藝人”を描き、電子書籍で話題を読んだ同名作品を、全面改稿・加筆。芸能界という「あの世」で20数年の時を過ごした水道橋博士ならではの目線で、芸人の世界を描写。インタビューでは、水道橋博士50歳の節目の年を記念して出版された本作に寄せる思いを、たっぷりと語っていただきました。

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水道橋博士『藝人春秋』
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プロフィール

水道橋博士(すいどうばしはかせ)さん
1962年岡山県生まれ。ビートたけしに弟子入り後、1987年に玉袋筋太郎と「浅草キッド」を結成。1992年、テレビ東京『浅草橋ヤング洋品店』で人気を博す。出演番組に『ニッポン・ダンディ』(TOKYO MX)、『総合診療医ドクターG』(NHK)、『すっぴん!』(NHKラジオ第一)他。主な著書に『お笑い男の星座』、『キッドのもと』。水道橋博士名義では『博士の異常な健康』、『筋肉バカの壁』、『本業』など多数。その他、20万字を超えるメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』を月2回配信中。

インタビュー

■“本”という形式にこだわった作品。1章から順番に読み進めてほしい

−−著書多数の水道橋さんですが、本を一冊プロデュースされるのは、今回が始めてのご経験だったとか。
水道橋さん そうなんですよ。周りのほうが大変だったと思いますよ。僕のエゴを通す作業なんで。帯一つにもこだわりがあったので、無理を承知でリリー・フランキーさんと有吉弘行さんに、直接交渉に行ったりね。『藝人春秋』は一度電子書籍として出版されたものなので、今回は“本”という形式、“紙”の意味にとことんまでこだわりたかったんです。
−−と、言いますと?
水道橋さん 僕は“紙屋”の息子なんです。家業が紙屋だったので、“紙”とか“本”という形にすごく執着があるんですよ。単に読むだけなら電子書籍でも事足りますが、本を買う、ページをめくる、そして読み終わった後に本をパタリと閉じる…本という形でなければ感じられない、紙の感触や行為も意識しながら書きましたね。
−−“紙”という意味では、“切り絵”で描かれた水道橋さんの肖像画も印象的ですね。
水道橋さん 単純に自分の写真を表紙にするのは嫌だったので、何かいいアイデアないかな、と思っていた時に、以前番組でご一緒した切り絵作家・福井利佐さんの個展にお伺いしたんですよ。顔をテーマにした個展を拝見して「これだ!」と感じ、切り絵の制作をお願いしました。“切り絵”という意味では、最後の一文にもつながってくるんですよね。最後まで読んだ方が本を閉じて、改めて感じる部分があればなと。
−−当初、『藝人春秋』執筆後は、引退も考えられていたとか。
水道橋さん 50歳という節目の年にあたり、引退作品として出版するつもりでした。今までの作品には、照れみたいなものもあったし、芸人なので哀切のほうに振りきれなかった。でも今回の『藝人春秋』は自分の中では最後の作品にするつもりだったので、今までのような照れは捨てて書きました。それでも、最終章の稲川淳二さんの章を書き終えるまでは、出版するかどうか、悩みましたね。稲川さんの章が好きだっていう人はたくさんいたんですが、単純に泣ける話だとか、そういう価値観で判断されることに非常に抵抗があった。でも最終的には、稲川さんご本人からも感謝の手紙をいただいて…、書いてよかったなと思いますね。
−−今回、そのまんま東さんから稲川淳二さんまで、15人の方を取り上げていますが、この人選はどのようにして?
水道橋さん 電子書籍として出版する際に、読者投票で総選挙したんですよ。今回の作品は、投票結果から人気のあるものを取り上げました。三又又三なんて、その中から勝ち抜いてるんですから、大したもんですよ(笑)。
−−なぜ最終章が稲川淳二さんなんだろう…と思いながら読み進めていくと、1章から最終章まで、その順番にも意味があることに気付きますね。
水道橋さん そうなんです、だから読む時は必ず第1章から順番に読んでほしいんです。最初から読み進めて、パタっと本を閉じて表紙に立ち戻る。実はこの作品、春夏秋冬になぞらえて構成しているんですよ。堀江貴文さんの章あたりは、夏なんですね。経済活動。そして段々と死を意識した内容、つまり冬になっていく。順番にも意味があるんです。僕、本を読む喜びって「結末があること」だと思ってるんですね。ネットって閉じられないじゃないですか。一冊読み終えて閉じる、という行為ができるのは、本ならでは。だから一冊のアルバムみたいに作ってるんですよ。
−−それぞれの人物については、まったく異なる時期に書かれているにもかかわらず、連続性を感じるのが不思議です。
水道橋さん そうなんですよ、でもこうやって10年スパンで書いていると、時を超えた人と人との不思議な繋がりに気付かされるんですね。今だからわかることというか。この作品は“お笑い男の星座”という概念の進化系なんですよ。「芸能界の星はすべてが繋がっていて、星と星を紡ぐことで星座が現れ、偶然に見えることも実は必然であった」という概念を進めたものなんですね。テレビってすごくフラットなものだから、その文脈までは見えない。だけど文字とか本とかっていうのは、深層まで潜っていって、その文脈を紡ぐことができるんですよ。

■30年分の日記、6万6千字の年表。書くことで残す文字の“貝塚”

−−拝読していると、よくぞここまで1人の人物について緻密に記憶されているものだな、と感心するのですが、何かベースになっているものはあるのでしょうか。
水道橋さん 実は僕、10歳くらいから日記をつけていて、人生の約30年分、毎日の記録があるんです。記録癖みたいなものがあるのかもしれないですね、人と一緒にいる時も心の中でレコーダーを回している感じなんです。今回の作品も、自分の日記やら何やら、色んな記録、記憶が元になっています。そうやって積み重ねた記録の集積…年表、歴史脈みたいなものですかね…、を後から振り返ると、あるとき“貝塚”が発見されるんです。
−−“貝塚”、ですか?
水道橋さん 今、自分の年表を作ってるんですけど、6万6千字にも及ぶ長大な年表なんですね。それを見ると、自分でも忘れていたこと、勘違いしていたことがたくさんあるんです。でも後から振り返ると、実はあの人や、あの出来事がリンクしていたんだ、とか鳥肌の立つような発見が色々あるんですよ。そういう思い出の“貝塚”を発掘することができるのも、やっぱり文字を残していたからこそなんですよね。
−−今までのお話をお伺いしていると、相当“書くこと”がお好きな印象を受けました。
水道橋さん 自分では好きだとは思ってないですけど、これまでの膨大な日記を振り返ると、好きとしか言いようがないですよね(笑)。今も2週間に1回、20数万字ものメールマガジンを発行していますし、なんでこんな朝早く起きてまで書いてるんだろう、と我ながら思いますよ。『藝人春秋』に至っては、一言一句、スタッフ総出で読み合わせしてますから。悪文は一つもないです。それを毎週繰り返しているので、大変は大変なんですけど、僕自身は楽しんでますね。“バンド活動”って呼んで。かける労力をテレビと執筆活動で比べると、圧倒的に執筆活動のほうが割に合わないですけどね。
−−それでもなお書き続けたい、ということですね?
水道橋さん テレビは映っては消え、映っては消えで記録されることはないですが、本は記録されてタイムマシンになって、末代まで読まれる可能性がある。そう思うと書く意味があるんですよ。文字を残す意味があるんですよね。
−−それでは今後は、執筆活動に比重を置かれるのでしょうか?
水道橋さん うちの書庫にマネージャーを呼んで、発掘した“貝塚”を全部見せたんです。で、今4冊くらい本の構想があるから、無理にスケジュールを埋めなくていいって伝えてるんですよ。でも芸能事務所は編集者がやってるわけじゃないから、積極的に書いてほしいとは思ってないですよね(笑)。だけど本も出し続ければ、いつかは当たるかもしれませんから。
−−4冊も構想があるんですね。
水道橋さん 「天才・北野武」、そして官能小説…これは娘の存在が抑止力になってますけどね。あとは私小説、そして腰痛に関する本ですね。『腰痛という名の樹海(仮)』(笑)。今、日本人の7割が腰痛だと言われてますが、その治療法は本当に人それぞれ。それこそ腰痛という樹海の中にいて、みんなが自分だけの出口を探してさまよっている。そして僕が今、最終的にたどり着いた治療法は、“バナナ”なんですよ。
−−バナナ、ですか?
水道橋さん そう。このゴム製のバナナを使って体操することで、インナーマッスルを鍛える。僕自身は結構効果を感じてるんです。だから本と一緒にこのゴム製バナナを付けて売り出せば…かなりベストセラーのイメージがあるんですけど、どうですか?(笑)。

−−いいかもしれませんね(笑)。水道橋さんの今後の作品も楽しみにしております。本日はどうも有難うございました。
Written by SHINOBU NAKAGAMI



水道橋博士『藝人春秋』
水道橋博士『藝人春秋』

内容紹介
“藝人”の生き様を春夏秋冬になぞらえ活写
人生をさらして生きる芸人の喜び、悲しみ…
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