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楽天ブックス 著者インタビュー

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山村宏樹

2013年、ペナントレース優勝を勝ち取った東北楽天ゴールデンイーグルス。2004年11月の球団創設から9年目にして悲願の初優勝でした。昨シーズンまで投手として活躍した山村宏樹さんは、楽天の球団創設時から在籍し、苦難と栄光までの軌跡をすべて知る人。そんな彼が、チーム関係者や選手の証言を交えて、イーグルスの歴史を書き記してくれました。

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山村宏樹「楽天イーグルス優勝への3251日」
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プロフィール

山村宏樹(やまむら・ひろき)さん
1976年山梨県生まれ。甲府工業からドラフト1位で阪神に入団し、2000年に近鉄に移籍。分配ドラフトを経て創設期の楽天に入団し、先発及び中継ぎとして活躍。2012年に現役を引退し、現在はスポーツコメンテーターとして仙台を拠点に活動する。新聞やWEBでのコラム連載をはじめ、野球中継の解説、キャスターなど幅広く活躍中。

インタビュー

■球団創設時の苦労を今だからこそ、書き残したかった

−−昨シーズン限りで現役を引退され、今季から解説者になり、早くも著作を出されたのですね。
山村さん この間までは本当にボールしか握っていませんでしたからね。新聞などでコラムを書くようになったとはいえ、まだまだ書くことにかけては勉強中の身です。でも、楽天イーグルスの創設から現在までの歴史を知っている自分として、どうしても伝えたい、書き残したいという気持ちが強かったので、今回のお話をいただいて、「是非書かせてください」と言いました。
−−もっとも伝えたかったことはなんですか?
山村さん 2005年に楽天球団がスタートしたのですが、球団創設時にいかに苦労があったのか、これを当事者として伝えたかったのです。その前年には近鉄の選手だった私が所属球団の消滅という、野球選手としては極めてまれな体験をしたこともあります。今季の優勝はとても素晴らしいことですが、創設時にはこれだけ大変だったことを知ってもらい、あらためて優勝の感動をかみしめてほしいなと。当時のことを知っている自分にすれば、9年で優勝なんて、本当に奇跡的だと思うんです。
−−球場のシャワールームにバスタオルが常備されていなかったりとか、創設時の細かい逸話にも驚かされました。
山村さん これまでは、あまりそういう部分が知られていなかったですから。球団にとってはマイナスかもしれないし、当時を知る人たちも忘れたいことかもしれません。しかし、環境が整わないなかで、選手や裏方さんたちが本当に努力をして改善してきた事実を封印したくはないと思いました。
−−東北のファンの気持ちをつかむために、当時から大変な努力をされていたのですね。
山村さん ファン感謝デーを東北6県で開催したり、ナイター日の小学校訪問など、当時の選手たちは本当にがんばりました。サインもたくさん書きましたね。田尾監督も率先して書いていましたから。その結果、多くの人たちが応援してくれ、現在も温かい声援で球団を支えてくれているのだと思います。
−−東日本大震災を巡る描写には、心を打たれるものがありましたが、やはり、ここは書きたいという強いお気持ちがあったのですか?
山村さん やはり東北の、被災地の球団ですから、避けては通れないことです。私を含めた球団関係者も被災者でもあった。「野球をやっていていいのか?」という葛藤もありましたが、皆で乗り越えようと頑張って、あの嶋選手のスピーチに集約されたわけですが、彼のスピーチはこの原稿でも再現しました。映像で見た方も多いと思うのですが、文字にすることでまた違った感動が得られると思うんです。震災からわずか3年で優勝できたということは、あらためてすごいことだなと思います。

■ゲラをチェックするうちに、涙がこらえきれなくなった

−−そして、今季のリーグ優勝の要因については、さすが投手出身という独自の分析をされていて、野球ファンには読み応えが抜群ですね。
山村さん 24連勝した田中投手の凄さ、ルーキーの則本投手の頑張り。その2人を中心に、ベテランや外国人がうまく穴を埋めるなど、年間を通してローテーションがうまく回りました。打撃陣の奮闘も大きかった。それと、投手の立場で言うなら、今季の楽天はセンターラインを中心に守備力が抜群でした。特に、外野手の連続守備機会無失策記録を更新したセンターの聖沢、ヒット性の当たりをことごとくつかんだセカンドの藤田の安定ぶりはリーグ随一でしたね。
−−楽天創設から昨シーズンまで在籍していた山村さんは、歴代の監督にすべて仕えています。そんな監督の個性の違いも伝わってきます。
山村さん 創設時の田尾監督をはじめ、屈指の名将といわれる野村監督、外国人らしい独自の采配をしたブラウン監督、そして闘将・星野監督と、これだけタイプの違う監督のもとで野球を学べた自分はラッキーだったと思うんです。特に野村監督の教わった配球術や打者心理などは、評論家活動をする上で現在も貴重な財産になっていますね。
−−今回、執筆されるなかで特に苦労したことはなんでしょうか?
山村さん 選手たちの内面、心の内にあるものを精一杯伝えたいと思いましたが、表現することはやはり難しく、悩みましたね。でも、なによりも辛かったのは、球団創設時の苦労や今季の優勝にしても、登場させたい人、伝えたい話がもっとたくさんあったのに、一冊の本にまとめる上では、一部しか書けなかったこと。全部書いたら、5倍くらいの厚さになってしまうでしょうね(笑)。
−−泣く泣くカットした逸話もありそう。続編の執筆を期待したいところです。
山村さん その機会をいただければありがたいですが、まずはこの本をより多くに人に読んでいただければ嬉しいです。じつはゲラを校正しながら、何度も感情がこみ上げてきて、涙をこらえきれなくなったこともありました。みんな、よく頑張ったな。ファンも本当に支えてくれたんだなと…。とにかく、楽天ファン、野球ファンはもちろん、そうでない人にも、優勝までのこの9年間の奇跡を知ってほしいと思います。
取材・文/渡辺敏樹

■山村宏樹「楽天イーグルス優勝への3251日」
■山村宏樹「楽天イーグルス優勝への3251日」

内容紹介
球団初の優勝を果たしたプロ野球・東北楽天イーグルス。
球団創設からの波乱の歴史を元選手という視点から描く1冊です。

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