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夏まゆみさんインタビュー「エースと呼ばれる人は何をしているのか」

“振り付け”という仕事がまだ市民権を得ていない30年前から、延べ210万人以上の人にダンスを教えてきた夏まゆみさん。AKB48やモーニング娘。など数多のアイドルを育てあげた夏さんが見た「エース」になる人の違いとは?“振付師”であると共に“指導者”でもある夏さんの、長い経験に裏打ちされた言葉には、「エース」級の「力」がありました。

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エースと呼ばれる人は何をしているのか
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夢がかなうとき、「なに」が起こっているのか?
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プロフィール

夏まゆみ(なつまゆみ)
1962年、神奈川県生まれ。
1998年、冬季長野オリンピック閉会式で老若男女数万人が一度に踊るための振付を考案・指揮する。NHK紅白歌合戦では15年以上ステージングを継続。吉本印天然素材、ジャニーズ、モーニング娘。、宝塚歌劇団、AKB48等、手がけたアーティストは300組におよぶコリオグラフィの第一人者。

インタビュー

■自分の言葉で、相手が成長するのが何よりうれしい

--読んでいるだけで、夏さんにビシバシ喝を入れられているような気持ちになる本書ですが、そもそもダンスプロデューサーである夏さんが本書を執筆された理由とは?
夏さんダンスに携わって45年、指導者という立場になって30年。その間、10代の子たちをたくさん指導してきました。ダンスの指導以前に道徳とかプロとして活動する心構えとか、そういうところから始まるんですね。それはもう、一言では言い尽くせない大変な道のりでしたが、昨今、厳しく叱れる指導者がいないとか、自分の実力を発揮できない、という声を聞くことが増えてきたので、指導者としてのこれまでの経験をまとめることで、何か社会貢献できるんじゃないか、と思ったんです。
--「目からビーム、手からパワー、毛穴からオーラ」も実は夏先生が生み出した言葉だそうですね。その他にも印象的なフレーズが多い本書ですが「言葉力」はどのように磨かれてきたのでしょうか?
夏さん今まで私が指導してきたのは、踊りを知らない、踊りの教わり方すら知らない子たちばかり。学校で受け身の授業しか受けてないので、最初は一向に動こうとしないんです。「はい」って聞いてるだけで(笑)。だから、そうじゃないでしょ、踊りはどこが動くの?覚えるためには一緒に動かないとだめだよね?ってダンス用語も教わり方も知らない子たちを動かすために、試行錯誤。同じことを言っても、伝わる子もいれば、伝わらない子もいる。この子は褒めたら伸びるとか、叩いたほうが反応があるとか、言葉を選んで、変えて…というのを300組ほど経験させてもらったので、いわゆる「言葉力」が身についたのでしょう(笑)。
--とはいえ、その人の能力を引き出す指導法を見極めるのは、容易なことではないと思います。
夏さん一番大事なことは、常に1対1であること。相手のことを知ろうとすると、1対1にならざるを得ないんです。そうすると20人いれば20通りの言葉が出てくる。AKB48も当初は20人くらいからスタートしたんですが、1対1×20をやるには、20人分のエネルギーが必要なんですよね。だからレッスンが終わる頃には、へとへとです(笑)。
--仕事とはいえ、なかなかできることではないと思います。何が夏さんをそこまで駆り立てるのでしょうか?
夏さんやっぱり人が好きっていうのが根本にあるんでしょうね。自分の指導とか言葉によって、相手が変わって、成長する。言葉一つでこんなに目の輝きが変わった、行動が変わったっていうのを実際目にすると、嬉し涙が出るくらい感動するんですよ。指導にエネルギーを使う分、返ってくる喜び、感動も大きいから続けられるし、頑張れるんでしょうね。

■夢は、「ダンスで世界平和」を実現して「歴史の教科書」にのること

--本書では、夏さんが見てきた「エース」たちの様々な努力が綴られていますが、夏さんご自身が「エース」たるべく心がけていらっしゃることはあるのでしょうか?
夏さん心がけていることではないですが、大きな「逆境スイッチ」を持っているのが人と違う点かもしれないですね。何か辛い場面とか、しんどい局面に突き当たった時、大きなスイッチが「ガッチャーン」と入るんですよ。あとは、常に色んなアンテナを張っておくとか、五感を研ぎ澄ませていれば自分に必要な情報が自然と入ってくるんですよね。
--今までで一番大きな「逆境スイッチ」が入った出来事はなんでしょうか?
夏さんその時々で、いろんな逆境を乗り越えてきましたが、自分で大きく変わるきっかけになったなと思うのは「吉本印天然素材」にダンスを教えていた頃でしょうか。若き日のナインティナインなどがメンバーだったのですが、とにかくやる気がない。私への反抗心を隠そうともしない。彼らにダンスを踊ってもらうには、どうすればいいか…四苦八苦する中で“指導者”としての様々な気づきを得ることができました。そして私はそこから“性別”を変えていくことになるんです。
--えっ…、性別を、ですか?
夏さんそうです。開脚すれば「セクシー♪」とからかわれ、プロデューサーの方からも「夏先生はセクシーすぎる」とぼやかれるので、わざと男らしいセリフで対応するようになっていったんです。恥ずかしがっていたらどんどん囃し立てられるだけだから、そうやって男っぽく振る舞うのが一番効果的だったんですね。その後、モーニング娘。や宝塚歌劇団の指導をしていた時は、女の子にモテすぎて、一時期レズビアン疑惑が出たこともあるほどです(笑)。違うんですけどね。
--アイドルたちも、夏さんが真剣だからこそ、信頼してくれるんでしょうね。夏さんのお話をお伺いしていると、ダンスのレッスンのみならず、人生相談したくなりそうです。
夏さんそうですね、レッスンが終わった後は「先生、相談したいことがあるんです~」って行列ができるくらい。大変ですよ(笑)。でも、元モーニング娘。の飯田圭織から本書を読んだ感想と感謝の言葉がメールで届いたんですが、それ読んでたら一緒に頑張ってた頃のことを思い出して、ほろりときましたね。
--1対1で向き合って育ててきたからこその、醍醐味ですね。それでは最後に、夏さんの将来の夢を教えてください。
夏さん「歴史の教科書にのること」です。ここ10年ほどはダンサーと振付師の地位向上を使命として、様々な活動をしてきたのですが、最終的には「ダンスで世界平和」を成し遂げて、歴史の教科書にのるくらいのことができたらいいな…と。大きな夢ですが、一歩一歩頑張っていきたいですね。
--「ダンスで世界平和」これまた印象的なフレーズですね。本日はありがとうございました。

【取材・文】 SHINOBU NAKAGAMI

エースと呼ばれる人は何をしているのか

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内容紹介
"芸能人もビジネスマンも、成功する人はみんな、同じことをやっている。 モーニング娘。、AKB48を育てた著者が贈る、働き方・考え方の書。"

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