楽天ブックス|著者インタビュー - 早見和真さん『ひゃくはち』

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早見和真さん「『夏』を描かずに『裏』を描きたかった」小説『ひゃくはち』に込めた補欠の思い 早見和真さん
甲子園を目指す強豪校の補欠選手たちの青春を描いた長編小説『ひゃくはち』(集英社)。これまでの高校球児像をくつがえす「リアル」な描写が話題で、小説を原作にした同名映画(監督:森義隆、テアトル新宿ほか)も上映中です。著者の早見和真さんにお話しをうかがいました。【写真撮影=金子隆史】


早見和真さんの本

8/9映画封切り原作!補欠だからこそ譲れない夢にかける高校球児を描く

『ひゃくはち』
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1,470円(税込)

大ヒット!野球小説&野球漫画

「永倉となら、バッテリー組めるから」大ヒット感動作!

『バッテリー』
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540円(税込)
あさのあつこ

『バッテリー』のアナザーストーリー、瑞垣の目を通して語られる、巧、豪、門脇らのその後とは

『ラスト・イニング』
『ラスト・イニング』
1,260円(税込)

⇒漫画『ラスト・イニング』はこちらから!


決勝戦前夜の悲劇が断ち切った20年前の甲子園の夢、38歳で故郷に戻った僕は・・・

『熱球』
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540円(税込)
重松清

地元の高校球児のスター・諸岡克彦が謎の死を遂げた。元警察犬“マサ”の視点で描くミステリー

『パーフェクト・ブルー 新装版』
『パーフェクト・ブルー 新装版』
1,785 円(税込)
宮部みゆき

2008年1月にNHKでドラマ化「フルスイング」の原作!

『甲子園への遺言〜伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』
『甲子園への遺言〜伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』
1,785 円(税込)
門田隆将

ドラマ化された名作を漫画原作で再読!スカっとする快作野球漫画です!

『Rookies』
『Rookies』
670円(税込)
森田まさのり

ワンアウト奪取で+500万円、1失点で‐5000万円という契約で投げる渡久地、異色の野球漫画

『One outs』
『One outs』
530円(税込)
甲斐谷忍



早見和真さんのサイン本を抽選で3名様に差し上げます!
対象期間中に『ひゃくはち』をご購入いただくと、
早見和真さんのサイン本をプレゼントします!

・対象期間:2008年9月18日(木)〜2008年10月2日(木)
・当選者発表:2008年10月中旬以降、商品の発送をもってかえさせていただきます。

プロフィール

早見 和真さん (はやみかずまさ)
1977年、神奈川県生まれ。大学在学中より雑誌その他媒体にて執筆。「AERA」(朝日新聞社)の<現代の肖像>欄をはじめ、「Sportiva」「月刊PLAYBOY」(ともに集英社)、「SPA!」(扶桑社)、「経営者会議」(日本実業出版)や、佐藤優氏と田中森一氏の対談本『正義の正体』(集英社インターナショナル)の企画・構成など、ライターとして様々なジャンルで活躍。初めて書き上げた本作が小説デビュー作となる。

インタビュー

‐‐執筆のきっかけを教えてください。

早見さん 大学を留年して腐っているときに、知り合いだった担当編集の方に「何か書いてみろ」と言われたのがきっかけです。ただ、これは後日談ですが、言った当人は本当に書いてくるとは思っていなかったようで「とにかく書け」と。書いて何かが切り開かれると思ったらしいんです。

‐‐早見さん自身、野球経験はありますか。

早見さん 小中高とやっていました。しかし作中の球児たちの心情などは、自分の経験というより、野球経験のあるいろいろな人の話をもとに描きました。私が経験して当時感じたことを盛り込んだところもありますが、それが本当に普遍的な考えなのか、それとも卑屈な自分の考えなのか、よく分からなかったので。

‐‐強豪校の補欠という設定はどこから。

早見さん 私自身もそうですが、世の中のほとんどの人が補欠だという思いが強くありました。私はたまたま高校で感じたのですが、高校で一線級だった人が大学で補欠という話はよくあり、中学で感じた人だっているでしょう。あるいはプロで感じている人も多いと思います。だからこそ読者の方には、この部分に、より共感してもらえるのではないかと思いました。

‐‐作中では春と夏、2回の甲子園が巧みに使われています。


早見さん 「夏を描かないで高校野球を描けるかな?」と最初に思ったんです。夏の物語じゃないですか、高校野球って。「強豪校の補欠」という設定もそうですが、もともと「裏」を描きたかったんです。一般的な野球マンガを読むと、弱小校にすごいピッチャ‐がやってきて甲子園を目指すという物語はよくありますが、その逆、強豪校の補欠が甲子園を目指すというのはあまり例がありませんよね。

‐‐「ひゃくはち」というタイトルが特徴的です。

早見さん ボ‐ルの縫い目の「ひゃくはち」と煩悩の数の「ひゃくはち」。どちらも以前から知っていましたが、頭の中で結びついていませんでした。私はタイトルをつけるのが苦手で、最初の何章か書いた段階でも、まだ固まってなかったんですよ。でも高校球児の煩悩を描きたいという思いは明確にあって、たまたま定食屋でご飯を食べているときに思いついたんですね。周囲の反応は真っ二つに分かれましたが。「いいタイトルだ」という人もいれば「言葉だけでは意味が分からない」という人もいました。けれどぼくには、このタイトルに物語のすべてが集約されているという思いがあります。

‐‐ 物語は主人公・雅人の現在と高校時代を織り交ぜて進みますが、現在については「200×」年という表記のみで、年代の特定がありません。また過去についても作中の歌などである程度の推測はできるものの、世相を反映するような表記があまりありません。

早見さん 最初の段階では、現在は2003年、高校時代は1994年でしたが、普遍性を持たせたくて、年代をぼかしました。たいへんおこがましいのですが、10年20年経ったとき、これを読んだ読者に過去の話だと思い込まれたくありませんでした。

‐‐物語には携帯電話が登場せず、代わりに公衆電話が効果的に使われています。

早見さん 携帯電話を出したくないというのは確かにありました。公衆電話のシ‐ンは私の中ではとても象徴的で、早い段階から頭の中にあって、そこへ物語を集約させたいと考えていました。変な話ですが、私は今の球児たちが携帯電話を持っていると聞いても違和感がありますし、それはまぁ、私が一つ前の世代の球児だからなんでしょうが、携帯電話を持っている球児というのを私は描けませんでした。

‐‐元高校球児としてもっとも力を注いだ部分はどこでしょうか。

早見さん 野球のシ‐ンを書くときにずっと心がけていたのが、打った投げたを書くだけなら絶対に生の野球の方がおもしろいということでした。だったら、その打った投げたという生の野球に、もう一つおもしろいことを書きたいなと思って、それが例えばサインを盗むシ‐ンです。プロではなくて高校生が、ピッチャ‐の腱の動きで見破る、とか。ただ、一カ所だけ徹底して野球のシ‐ンを描いた部分があります。雅人が甲子園に出て、最初に三振するまでのシ‐ンです。あのシ‐ンを描くときはとにかく没頭しようと思って、当時使っていたパソコンの縁に「狂え」と書いて、とにかく「飛ぶ」くらいまで描きたいと思い、十数時間をかけて描きました。

‐‐ デビュ‐作がヒットしている現状をどう思いますか。

早見さん 無名の新人の、わけのわからないタイトルの小説に、本当にありがたいことだと思います。そういえば一つうれしいことがありました。人づてに聞いたのですが、今年の夏、最後の大会でベンチに入れなかった中学3年生が監督のところに行って「ぼくは正直、高校に行って野球をやろうかどうか迷っていたんですが『ひゃくはち』という本を読んで補欠でもいいから続けようと思います」と言ってくれたそうなんですね。ぼくはその話に本当に報われた思いでした。作中、中学生にも読んでもらいたいと思ってルビを多めに入れてもらっているんですが、そのあたりはぼくと担当編集の方とで共有していた部分なので、本当にうれしかったです。

‐‐ 高校球児へ一言


早見さん 高校球児は特別なもの、神聖なものだと世間が見ているからこそ、あれだけ特別な立ち居地で野球ができるのですが、でも抱え込みすぎないでほしいと思います。タバコを吸ってはダメだしお酒を飲んではダメだとは、私も思います。けれど球児だからといって、変にがんじがらめになる必要はないと思います。





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