楽天ブックス 著者インタビュー

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「ぼくの名前は城野あお。花野木小学校5年生。ぼくたちのことを描いたトメさんのマンガが出たよ!」100万部超えのベストセラー『キッパリ! たった5分間で自分を変える方法』・『スッキリ! たった5分間で余分なものをそぎ落とす方法 』などの著者・上大岡トメさんの期待の新刊は、『しろのあお2 小学5年生編』。『しろのあお 小学生に学ぶ31コのこと』の続編です。前作は、小学校4年生だったあお君たちの1年間をマンガで描きながら、トメさんが小学生から学んだことを、読者も思わず「そうそう!」とうなづくエッセイにまとめたもの。今回は、無事5年生に進級したあお君や友人たちの心あたたまるドラマを全編マンガで描き、パワーアップした小学生ワールドが広がります。上大岡トメさんとお子さんたちとの親子関係や、いじめ防止のお話も含めて、作品の読みどころなどを、たっぷり伺いました。

プロフィール

上大岡トメ さん (かみおおおか・とめ)
1965年東京生まれ。東京理科大卒。一級建築士。建築会社勤務を経て、イラストレーターに。32歳でヒップホップダンスを始めてから、いきなり体育会系の生活になる。34歳で始めた柔道は初段。現在、エアロビクス、ジャズダンスもこなす。小学生と中学生2人の母。
公式ホームページ:http://www1.ocn.ne.jp/~tomesan/

インタビュー

しろのあお

−−1冊目は、私たち親の世代も共感できる小学生の話題をエッセイとマンガで構成されたものですが、この2冊目は、子供たちのドラマを描いたマンガなんですね。
上大岡さんそうなんです。1冊目を書いているうちに、マンガに登場する「あお」や友達たちの存在がどんどんおもしろくなっていって……。ちゃんと描いてあげたいなという気持ちが大きくなっていったんですね。
−−それで、5年生に成長したあお君たちの友人関係が描きこまれているんですね。2冊続けて読むと、それぞれの個性や、みんなやりたいこともでてきたんだなぁと、親みたいな心境で微笑ましく読ませていただきました。
上大岡さん4年生から5年生になるというのは、ちょうど、中学年から高学年にかわったってことです。この時期の子供って、急にコロッと変わることはないのだけど、だんだん、自分の意志がはっきりしてくる……という成長の時期ですよね。  4年生だと、まだかなり幼いと思うのですけど、5年生になると、まだ子供ですけど「そんなこともわかるの?」と思うようなことや、親のほうがドキッとするようなことを言ったりしますね。  ただ、こちらが何かを伝えた時の受け取り方は、まだかなり素直。それが、6年生になると、今度は小憎たらしくなってきちゃうんですけどね(笑)。
−−上大岡さんの息子さんは、今6年生なんですね。
上大岡さんそうです。ちょうど、「小憎たらオモシロイ」ところがでてきたところ。でも個人差がありますよね。うちの子は、すごく口がたつので、けっこう早くから反抗期っていう状態でした。
−−でも、マンガのあお君たちは、あんまり反抗期っぽい感じがないですね。自分のことを描いているというのを、息子さんは気にしませんか?
上大岡さんあおは、もともとはウチの息子がモデルみたいなところがあったんですけど、いまではぜんぜんちがう「あお」っていうキャラなんですね。あおの方がノホホンとしています。  とくに2冊目になったら、あおはぜんぜん自分とはちがうと思っているみたいです。たとえば、「一人100本ノック」は、息子がやったエピソードを描いているんですが、それを読んだ息子は「へー、あおもやってるんだ。オレもやってるんだ!」って(一同、大爆笑)。 「オイオイ、アンタのこと描いてるんだよ」と思いながらも、「そうね、一緒だね」ってニッコリしてますけど。  読みながら、「オレとあおだと、やっぱりあおのがバカだよな」とか(笑)
−−けっこうライバルだったりするんですか?
上大岡さんでも、あおは学年が一つ下だから(笑)。  娘のほうは友達に「続きはいつでるの?」とよく言われるらしくて、「発売日、言っちゃっていいの? いつって言っておけばいい? ホントに大丈夫?」って。

しろのあお

−−おねえちゃんらしい気の使い方ですね(笑)。
上大岡さん子供たちが物心つく前から描いていて、さすがに中2と6年生ですから、内容もわかるわけです。『しろのあお』はとくに、マンガのラフ(下書き)を描きはじめると、私の仕事部屋に読みに来るんですよ、こっそり。私としては、一応、「形になってから見せるから待っててね」って言ってるんですけど、見ちゃうんですよね、私のいない時に。  1冊目の時には子供たちの反応が一番怖くて……、「おもしろくないっていわれたらどうしよう」と思っていたんですけど、わりとウケがよくて……助かりました。それで、この2作目は、1話できるたびに読んでもらって。ダメ出しされたり。
−−ダメ出しするんですか?
上大岡さんスッゴイしますよ、とくに息子のほうが(笑)。このボールのあたり方は違う、これじゃボールは飛ばないね、とか。こんなのちがうよ、とか。
−−男の子の世界は、女の子からすると、ちょっと異質なものだったりしますよね。
上大岡さんそうですね。男の子の世界と女の子の世界ってちがうんですよ。遊び方も話題も……。私は姉しかいなかったので、男の子の世界というのがわからなかった。だから、自分の息子を見ていると、とても新鮮。
−−私も、おねえちゃんの「きなりちゃん」の生活はわかるんですけど、あお君のほうは、表現や反応に「へぇ、男の子ってそうなんだ!」と思うところがあります。上大岡さんも楽しんで書いてらっしゃるんだなというのが伝わってきます。
上大岡さんそうですね。勢いで描いてますね。男の子は、ほんとに反応が素直で、早くて、シンプル。
−−上大岡さんのおうちには、息子さんの友人たちが、集団で遊びに来たりするんですか?
上大岡さん来ますよ〜。近所の男の子たちを見ても、リアクションがおもしろい。その子、その子によって個性がちがうし、しかも、よく見ていると、集団の中での役どころが決まっていたりします。おもしろいことを言ってウケる子、つっこむ子、黙って聞いている子はいつも黙ってる……みたいなことが決まっている。
−−そういう子供たちの関係性も、見えてくるんですね。 。
上大岡さんそれに、ウチのまわりの子たちは、これを言ったら言い過ぎだろうっていうのが、暗黙の了解であるんですよね。ここはつっこんでもOK、こっちはつっこまない、そんなルールがあるようで。あとで息子に「あんなこと言っていいン?」て聞くと、「いや、あれはね、大丈夫なんだよ」って、ちゃっんとわかってやっているみたいです。
−−マンガを読んでも思いましたけど、子供たちも、お互いのことを思いやったり、互いに気遣いっている様子がわかってホッとします。いまの時代は、いろいろ難しいことも多そうだから……。 。
上大岡さん息子は野球部にはいっていて、遊ぶ相手はチームメイトが多いんです。その関係性の中では、親同士もわかりあっているんですね。ちょっとかわったことがあると、それとなくほかのおかあさんが教えてくれたりする。「▼▼くんに、こんなこと言ってたよ」……とか。「それはマズイ……」(笑)って、相手の親に電話したりして。そういうのもあるから、比較的、安心していられます。
−−親同士のコミュニケーションも重要なんですね。それにしても、よく子供たちの様子を見ていらっしゃいますよね。意識的に、見たり話しをしたりされているんですか? 。
上大岡さんそうですね。仕事ですから(笑)。すごくよく見てますね。  息子でも娘でも、子供が友達を連れてきた時には耳がダンボになります。  それで気がつくのは、子供同士の時は、親に見せているのとまったくちがう顔をしているってことなんですよ。家で親に見せる顔と、友達といる時の顔はすごくちがう。
−−なるほど。でも、親が側にいると、警戒してそういう様子を見せないのでは?
上大岡さんだから、私はちがう場所に居るんです。部屋は別なんですけど、閉めきらない。干渉しないように、こっそり影から耳をそばだてているんですね(笑)。
−−上大岡さんとお子さんたちのコミュニケーションは、とても上手くいっている印象があります。なにか、秘訣とかあるんでしょうか……。
上大岡さんうーん、そう上手くいっているとは思えないですけど……。うまくいったり、いかなかったりですね。思春期に差しかかってくると、第一に親が鬱陶しい。機嫌が良い時は話もするけど、機嫌が悪いとぜんぜん話さないって感じだから……。  ただね、子供を見ていると、ちょっとした変化というのは、ぜったいわかるんですよね。今日、学校でなにかあったな……というのが、わかる。  私は毎日、家で仕事をしているので、子供が帰ってきた瞬間に、家に居られるわけです。「ただいま〜」と帰ってくるその瞬間の表情や声に、一番でると思うんですね。あ、今日はケンカしてきたな……とか、なにか私には言えないことをやってきたな……とか。そのタイミングで上手に聞けばわかるんですけど、家に帰ってから何時間かたってしまったり、友達と遊んでしまうと、もう普段といっしょになってしまって、わかりにくくなってしまう。ですから、その瞬間の様子を見られるかどうかは、重要だと思います。
−−日々、見ていることでわかってくることがたくさんあるんですね。
上大岡さんただそこで、「どうしたの」とこちらからしつこく聞くと、ますます反発するから、時間をおいたり、言うまで待っていたりね。  とくに、いじめに類することに関しては、いじめられてるという事実を自分で認めるのもいやだし、親に迷惑をかけたくないという気持ちもある。逆に、親からなんて思われるか心配するというのもあると思います。「いじめられるなんて、弱い子ね」っ思われてしまうのも、いや……みたいな。だから、親にはぜったいに言えない……。  私も子供時代は、いじめられていたんですけど、ぜったい親には言えなかったですね。  私か住んでいる町には、留学生が多い大学があるので、外国人のお子さんもいたりするんですよ。そんな子が、里帰りしてからまた小学校にでてくると、みんなして、その子の国のちがう文化の話をおもしろそうに聞いている。いろんな子がいるのが、いじめ防止にもつながると思います。ちがうからおもしろい……そういう関わり方をして欲しいですよね。大人にしても、これが不得意な人もいれば、得意な人もいる。いろいろいて、いいじゃないですか。
−−子供を育てるたいへんさはいろいろありますが、お子さんが育ってくると、たいへんさの種類も変わってくると思います。そのあたりは、いかがですか? 。
上大岡さんやっぱり一番難しいのは、コミュニケーションのあり方ですよね。本当に日々、向こうも成長しているので……。人間として認めてあげながらも、こちらは躾もしないといけないじゃないですか。なかなか、素直に親の言うことを聞かなくなってくる。どうすれば、心に響くかなぁと思います。  息子に関しては、あまりかまわないことですね。かまいすぎると、ダメみたいです。家で仕事をしているので、子供の様子が目につくから、つい小言をいってしまう。言い過ぎちゃったかなと思った時には、自分の仕事部屋にこもったりして、子供と距離をとる。調節を考えながら接しています。常に同じ距離ではなくて、たくさん話せそうな時は、まとめて話をしたり、かまって欲しくなさそうな時ば、距離を置く。それは本当に、毎日が試行錯誤。正解は無いから……。  それに、そういうことって、親子関係だけではなくて、さまざまな人間関係にもあてはまりますよね。夫婦、ご近所の人間関係、仕事先とも、同じようなことのバリエーションだったりします。
−−そういう様々な場面にも、子供とやりとりするヒントがあったり、逆に子供とのやりとりで学んだことを応用したりできるわけですね。 。
上大岡さん子供たちは、本当に感受性が素直で、考え方が柔らかい。そういう部分は見習いたいと思います。私もまだまだ、どうしても斜めに構えてしまうことがあるので

しろのあお

−−逆に、家で仕事をされているデメリットはありますか?
上大岡さん家というのは寛ぐ場所でもあるじゃないですか。家族は家でリラックスするつもりで帰ってくるわけですが、私は家で仕事をしているので、ずっと戦闘態勢なんです。それも良し悪しだなぁと……。
−−本の最後にあお君と上大岡さんの「あおトメ対談」が収録されていますが、そこにも「居場所」の話が出てきますね。でも、別の部屋で仕事をしていても、お説教をされても、お母さんが居る場所は、子供にとって、安心できる場所なんじゃないでしょうか……。
上大岡さんたしかに仕事をしていても、子供は私の仕事部屋に必ず来ますよね。特別、話すことがなくても、隣でマンガを読んでいたり、広げているゲラを読んでたり。なんかこう、近くに来ますね。忙しい時は、ちょっと出てってというと、分かってくれるし。  ……とは言っても、締切前はものすごい大変で。私は感情の起伏が激しいので、家事ができなくなったり、本当に忙しい時は、口もきけないぐらいになったり。「なんで洗濯物取り込んでくれないのよ」とか八つ当たりしたり……。
−−でも、そういうことまで含めて、息子さんたちは、親のどういう仕事の結果、自分たちが育てられているのか、ということを、目の当たりにしているわけですね。
上大岡さんそうですね。毎日が会社訪問です。
−−マンガにも描かれていましたけど、毎日カレーでも「かーちゃんは忙しくても、ごはんは世界一うまいんだ!!」と言ってくれるあお君……。泣かされますよね。あれは、母親殺しですよ。息子にあれを言われたら……もう……。
上大岡さん願望ですから(笑)。
−−もっとあお君のファミリーの話も読みたいですね。お仕事はちがう設定ですが、上大岡さんのご家族とも重なります。どんなご家族なんですか? 。
上大岡さんいえ、うちは普通です(笑)。とはいえ、うちの娘もちょっとかわってはいますけど。なんだろ、大人っぽいというか、マニアック。恐竜とか動物とかそういうものが好きで……。
−−ちょっとマンガにもその片鱗が描かれてますね。 。
上大岡さんだから娘とは、すごく話があうんですよ。最近は、今まで私が読んできたマンガを、彼女も読めるようになってきて、娘が友達から借りてきたのを私も読んだり、私が買ってきたのを娘が読んだり。今、一緒に読んでいるのはた『のだめカンタービレ』で、私が最近教えたのは『蟲師』。知ってます? おもしろいですよねぇ。  昔は絵柄が怖いといって読めなかった『ベルセルク』も読めるようになったし、『鋼の錬金術師』とか、彼女が気に入って読んでいるのは、少年サンデーで連載されている獣医マンガの『ワイルドライフ』。ジャンプの『銀魂』なんかも……。  あとは本ですね。私が『バッテリー』を読んでいたら、彼女も読み始めて、あさのあつこさんの本は全部読んだみたいです。  うちの夫もすごく本を読むんですよ。『ハリーポッター』から始まって、『ダヴィンチ・コード』みたいなベストセラーが大好き。月に50冊ぐらいは家族で回し読みですね。
−−家族で本の回し読み……って、いいですね。お子さんたちも、これからどんな風に育っていくのか、楽しみです。あお君たちのお話も、4年生、5年生ということで、次は6年生編も期待してしまいます。。
上大岡さんそうですね。6年生は修学旅行や、卒業式などのイベントがたくさんある、小学校最後の年ですからね。
−−泣かせるシーンもたくさんでてきそうですね。。
上大岡さんありますよね、ほんとに。卒業式では、ゴン先(あおの担任)は泣くんだろうなって。  ……耕介との友情はどうなっていくのか、中学生になると新しい友人も登場するだろうし、もっと成長するだろうし、淡い恋愛関係はどうなっていくのか……!? さらに、あおはいったいいつ背が伸びるのか!(注*あおの悩みは背が低いこと)
−−いっそ、成人するまで続けて欲しいですね。家族で読めて、親子のコミュニケーションも良くしてくれるし……。テレビドラマで見たい気もします。
上大岡さん実写だったら、耕介のお父さん役は『Dr.コトー診療所』の時任三郎さんかな。あと、ゴン先は、私最近思ったんですけど、杉本哲太さん……。
−−(一同)あ〜、似てる!(どのくらい似てるかはぜひお読みください)。
上大岡さん実写やアニメで動いているあお。私も、ぜひ見てみたいなぁ。
−−今日は楽しいお話を、ありがとうございました。

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