楽天ブックス 著者インタビュー

  • バックナンバー
  • 最新号

求道者幽霊が見える男の子と、幽霊がとりつきやすい女の子が出会って、お互いに少しずつ成長していく物語『佐藤さん』で講談社児童文学新人賞に入賞した片川優子さん。執筆当時、中学生だったという若さが話題を呼んだ。第2作『ジョナさん』は、児童文学ではなく、等身大の高校2年生を描いた青春小説。高校生にしか書けない恋と友情が描かれたさわやかでユーモラスな物語だ。高校時代最後の期末試験を終えたばかりの片川さんにお話をうかがいました

今週の本はこちら

『ジョナさん』『ジョナさん』
講談社児童文学新人賞佳作を受賞した著者はまだ高校生。期待の高校生作家の第二作めはリアルな青春!
1,365円(税込)
ご購入はコチラ

注目の本!

『佐藤さん』『佐藤さん』
片川優子さんの本をもっと探す!

プロフィール

片川 優子さん (かたかわ ゆうこ)
1987年東京都生まれ。2004年、中学3年生のときに書いた『佐藤さん』が講談社児童文学新人賞の佳作を受賞。高校1年で作家デビューを果たす。05年、自分と同じ年齢の高校2年生を主人公にした青春小説『ジョナさん』(講談社)を刊行し、人気を呼んでいる。

インタビュー

−−小説を書いてみようと思ったきっかけは?
片川さん中学1年のときに、父が古くなったパソコンをくれたんです。でも、中学1年生でパソコンを使うことってあんまりないじゃないですか。でも、使わないともったいないと思ったので、じゃあ、小説でも書いてみようかなって
−−初めて書いた小説はどんな内容だったんですか?
片川さんファンタジーです。原稿用紙にすると250枚くらいだったと思います。
−−いきなり250枚書けるってすごいですね。書いた小説は誰かに読ませたりしたんですか?
片川さん友だちに回して読んでもらいました。
−−好評でした?
片川さんうーん。たぶん(笑)。
−−賞に応募しようというのは、どうしてですか?
片川さんせっかく書いたんだから応募してみようと思って、何度か賞に応募してみたんですが、どこにも引っかかりませんでした。  中学三年の夏休みに小説とか読書感想文を書く課題があったんですが、そのときに小説を提出したんです。そうしたら、先生に「この小説のテーマは何?」って聞かれて、「テーマ? ないなあ」と思って(笑)。それまでテーマを決めて小説を書いたことがなかったので、今度はテーマを決めて書いてみようと思って書いたのが『佐藤さん』だったんです。  講談社児童文学新人賞に出したのは、森絵都さんの『DIVE!!』を読んだときに、森さんがこの賞を受賞された、ってプロフィールに書いてあったので。そうしたら佳作をいただきました。
−−賞をとったときはどうでしたか?
片川さん驚きましたね。
−−いきなり作家になっちゃいましたね。
片川さん受賞の知らせを聞いたときも、作家になったっていう実感はあんまりなくて。ただびっくりして、「へー」みたいな(笑)。
−−『佐藤さん』は幽霊が出てくるような、ちょっとファンタジックなユーモア小説です。一方で、『ジョナさん』はリアルな等身大の高校生活を描いています。書くうえで違いは意識されましたか?
片川さん意識はしてません。『佐藤さん』もファンタジーというつもりで書いたわけじゃなくて、幽霊が見える人もきっといるだろうし、幽霊もいるだろうと思って書きました。幽霊が出てくるということ以外はふつうの話にしたいと思っていました。
−−小説を書くときに、友だちや知っている人をモデルにしたりしますか?
片川さんしません。登場人物の名前もかぶらないようにしています。『佐藤さん』も、佐藤さんにしたのは学年に佐藤さんがいなかったからです。高校を卒業したら同級生の名前を使うかもしれませんけど(笑)。
−−本1冊になるような長い物語を最後まで書くのは大変じゃないですか?
片川さん『ジョナさん』は各章が短篇のような構成だったので、1つ1つ決めていったんですが、長篇を書くときは、書く前に最後まで決めておくので、書くのはそれほど大変じゃないですね。途中で書くのに飽きたら、書かないでほうっておくんです。書きたくなったら、また書きます(笑)。
−−『ジョナさん』を書くのにどれくらいかかりましたか?
片川さん高校2年の夏休みくらいから書き始めたんですが、夏休みが終わってから書かなくなって。まだ半分も書いていなかったんですけど。  高2生の話なので、とりあえず、高3になる前に書こうと思って、春休み中に書きました。書きあがったのは、高3にちょっとかぶるくらいの頃ですね。
−−高校生活を送りながら小説を書くのって大変だと思うんですが、どうですか?
片川さん学校の生活だけでも、小説を書くだけでも、どっちも飽きると思うんです(笑)。いろいろあったほうが楽しいかなって。
−−主人公があこがれる男性について「色白の速水もこみち」っていうフレーズが出てきてのけぞったんですが(笑)、そのほかにも実在のお店の名前や商品の名前がさりげなく出てきますね。
片川さん自分ではごく自然に書いただけで、とくに意識はしていなかったですね。高校生じゃないと、いま、高校生が話していることってわからないと思うんですね。自分でもそう思うので、いま話されている内容を書いておいてもいいんじゃないかな、と思ったんです。
−−缶コーヒーの「ボス」が印象的な小道具になっていますね。「銀のボス」が大人の女性の象徴になっていたり。
片川さんボスは、ボスにしようと思って飲み比べたんです。「銀のボス」を飲んで「この味だ!」って。甘すぎず、かっこよくて大人な感じがしたので。
−−高校生という「時間」を小説というかたちで残した、という感じがしました。  ところで、チャコとトキコという二人の友情が大きな軸になっていますが、高校生の女の子にとって、女友だちとのつきあいというのはやはり大きな位置を占めるんですか?
片川さん大きさはわからないですけど、それにかける時間はけっこう長いと思います。
−−チャコちゃんと自分は似ている存在ですか? それともかなり違う?
片川さん似てないですね。私はあまり悩まないほうなので。
−−チャコちゃんは進路で悩んだりしていますけど、片川さんは進路で悩んだりは?
片川さんまったく悩んでいません。小さい頃からなりたかった職業があるので。親も、じゃあ、この大学に行きなさいって。
−−作家専業ではないんですね。
片川さんうちにこもって書いていたら感じることも減っちゃうし、考えることも狭くなりそうな気がするんです。自分でテーマを見つけて調べて、ということはできるかもしれないけど、ふだん感じたことをそのまま書いて、ということはできないと思うので。  もともと作家になるつもりはなかったので、イレギュラーなことで自分の決めた道をあきらめたら、たぶん、後悔するというのも理由の一つですね。
−−次回作はもう考えているんですか?
片川さんまだ考えてないです。高校1年で『佐藤さん』が賞を取って、高校2年で『ジョナさん』を書いたので、今度は高校3年。受験生が主人公になるだろうな、とは思っています 。
−−楽しみです。これからも小説を書き続けていってください。

このページの先頭へ