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雅姫さん

人気モデル&デザイナーの雅姫さんと英国の老舗リバティとの出会いから生まれた眺めて、手づくりして楽しい『雅姫のリバティノート』


1875年創業のイギリスの百貨店、リバティ。その名を知らなくても、小花や植物があしらわれた、優しい色づかいのプリント生地を目にしたことがある人は多いのでは? モデルであり、キッズ&レディスウェアのブランド「ハグ オー ワー」のデザイナー、また、インテリア、雑貨、手づくりなど、あたたかみのある暮らし方でも人気の雅姫さんが、世界中で愛されているリバティのオリジナル柄作りに挑戦。『雅姫のリバティノート』は、雅姫さんオリジナルの3柄が生まれるまでを、リバティの歴史、リバティプリントを暮らしに取り入れるアイデアとともに紹介した1冊です。雅姫さんお気に入りの美しいプリント柄が散りばめられたこの本、そしてもの作りへの思いを伺いました。



雅姫さんの本


『雅姫のリバティノート』
『雅姫のリバティノート』
雅姫
集英社
1,500円(税込:1,575円)

『Basketry』
『Basketry』
雅姫
集英社
1,300円 (税込 1,365 円)

『やさしい生活やさしい時間』
『やさしい生活やさしい時間』
雅姫
集英社
1,300円 (税込 1,365 円)

『やさしい生活やさしい時間(vol.2)』
『やさしい生活やさしい時間(vol.2)』
雅姫
集英社
1,300円 (税込 1,365 円)

『heartful style 』
『heartful style 』
雅姫
主婦と生活社
1,100円 (税込 1,155 円)

『旅のおはなしBon Voyage』
『旅のおはなしBon Voyage』
雅姫
地球丸
1,800円 (税込 1,890 円)

『楽しいね「暮らし」を手作り』
『楽しいね「暮らし」を手作り』
雅姫
集英社
1,200円 (税込 1,260 円)

『Favourite style』
『Favourite style』
雅姫
主婦と生活社
1,300円 (税込 1,365 円)

『リネンとかごとヒヤシンス』
『リネンとかごとヒヤシンス』
雅姫
集英社
1,600円 (税込 1,680 円)

『私の好きな「暮らし」のかたち』
『私の好きな「暮らし」のかたち』
雅姫
主婦と生活社
1,200円 (税込 1,260 円)

雅姫さんのオススメDVD


『魔女の宅急便』
『魔女の宅急便』
監督: 宮崎駿
出演: 高山 みなみ[声優]

雅姫さんのオススメCD


『うたとおはなし〜くまのがっこう』
『うたとおはなし〜くまのがっこう』
朗読:雅姫/歌:稲村なおこ


『手作り好きに!手芸・クラフト市場』

『手作り好きに!手芸・クラフト市場』


プロフィール


雅姫さん(まさき)
1972年、秋田県生まれ。モデルであり、東京・自由が丘のキッズ&レディスウェアの店「ハグ オー ワー」 http://www.hugowar.com/ と、キッチンクロス専門店「Cloth & Cross」のデザイナー。2003年3月に出版した『私の好きな「暮らし」のかたち』(集英社)で、独特のセンス溢れるライフスタイルが大好評を博す。近著にLEE特別編集ムック『Basketryいつもかごと一緒に』『やさしい生活やさしい時間vol.2』(集英社)、その他の著書に『heartful style』(主婦と生活社)、『旅のおはなしBon Voyage』(地球丸)など。家族は夫とひとり娘のゆららちゃん、ラブラドール・レトリーバーのグレゴリーとモリラ。

インタビュー


−−そもそも雅姫さんがリバティに出会ったきっかけとは?


クリックすると拡大表示します。雅姫さん 娘のゆららがお腹にいた頃、ロンドンを訪れた時に友人に連れられて行ったのがリバティ百貨店でした。店内に山積みされたリバティプリントの第一印象は、まずエレガントだということでしたね。当時の日本では、今ほど花柄を身にまとうのが流行していなかったのですが、リバティの小花柄を見た時、「小花柄って、いろんなものに使えるな」と感じて。それ以来、リバティのプリントを意識するようになりましたね。


この本では“Masaki & Garden”“Gre & Mori”“Birthday”の3つのオリジナル柄作る過程が紹介されていますが、リバティの柄を作ったのは、個人としては日本で初めてだったそうですね。

クリックすると拡大表示します。雅姫さん リバティといえば、伝統的なブランドというイメージあるので、一昨年前、「リバティの柄を作ってみませんか?」とお話を頂いた時は、「そんなことができるんだ」とまず驚きました。それからリバティ社のデザイナーであるポリー・メイソンさんや、130年もの間に生まれた約4万点ものプリント見本や布のサンプルを保管する、アーカイブ(保管庫)の担当者、アナ・ブルマさんとやりとりを始めて、完成するまでに1年以上かかりました。柄を作る中で、ロンドンにあるリバティ社のアーカイブにも訪れて、1920年代から30年代の貴重なプリントを見せて頂いたのですが、中には触ったり、光を当ててはいけないものもあるんですよ。


−−創始者のアーサー・リバティが、1862年のロンドン国際見本市で日本館の出品に魅せられ、東洋美術の輸入を扱ったのが始まりだった、というリバティ社の歴史も興味深いですね。それほど伝統のあるリバティの柄を作る上で、ポイントにしたことはありますか?

雅姫さん リバティといえば、シルクのような光沢を持つタナローンと呼ばれる素材が有名ですが、洋服や小物だけでなく、インテリアにもリバティの柄を使いたかったので、私がいつも使っているような、リネンの持つ風合いの素材でやったらどうだろう?という提案をしました。リバティ社からOKをもらえたので、オリジナル柄のひとつ、“Masaki& Garden”は、リネン混の厚手のキャンバス地にして、長く持てるバックを革と組み合わせてデザインしました。


−−愛犬のグレゴリーとモリラをモチーフにした、“Gre & Mori”は、花柄で知られるリバティのプリントの中では、とても新鮮に見えますね。

クリックすると拡大表示します。雅姫さん 3柄のうち、ひとつは果実柄にするつもりでしたが、アーカイブで“Oscar”と名付けられたキツネやキツツキが描かれた柄を見つけた途端、「こんな柄もできるなら、グレゴリーとモリラを加えたい!」と思いつきました(笑)。
オリジナル柄を作るにあたっては、もともとある柄をどこまで変えられるか、というのが挑戦でしたね。130年もの伝統、歴史や社会的背景の影響を受けたリバティならではの特徴があるので、私の好き嫌いで変えることはできません。長年受け継がれてきたリバティの理念には、なるほど、と考えさせられるところもあったので、それを生かしつつ、自分のアイデアと組み合わせることにしました。たとえば、“Masaki & Garden”の基になった柄は、もっと強い感じの柄で、日本人が使うには、蔓や棘が多すぎるので減らしたり、カーネーションは日本のお庭にはあまり咲いていないので外して、バラを入れてみたり。そうしたやりとりを重ねて作り上げていきました。


−−リバティプリントを使った小物づくりのアイデアも紹介されていますが、子どもの頃から手作りが好きだったのですか?

雅姫さん 私自身はお裁縫が得意でも、好きだったわけでもないんです(笑)。ただ、全体の色をコーディネートしたり、雰囲気を一気に変えるのは得意でしたね。カラーボックスのふちに両面テープで飾りをつけたり、こたつカバーの色を合わせたり。窓辺にスノーボールをディスプレイして、母に掃除中に割られたこともありました(笑)。
モデルの仕事を始めてからも、洋服だけには興味がなくて(笑)。ファッションよりも、メイクと写真の背景の色の組み合わせが学べたり、みんなで何かを作り上げる過程が楽しかったんです。


クリックすると拡大表示します。−−子ども時代に好きだったことからモデルの仕事まで、すべてが今の雅姫さんの活動につながっている気がします。ご自身のブランドを始めようと思ったきっかけは何ですか?


雅姫さん 娘が生まれて、子ども服を探した時に欲しいものが見つからなくて、作ったのが始まりです。今は子ども服の種類もたくさんありますが、当時はシンプルでかわいいものはちょっとしかなかったんです。デパートに行けば少しはあったけれど、値段が手頃ではなくて。ゆららに着せたい服をイメージしながら作るうちに、お店をやろうと思ったのですが、なかなか物件が見つからないので、まずは通販をやろうと、LEEに小さなカタログ請求の記事を載せてもらいました。そうしたら3000通をも超えるリクエストが届いたんです。でも、その頃は商売っ気なんてなくて、カタログを送る切手を同封してもらわなかったので切手も自前、カタログもコピーして作ったので本当に大変でした(笑)。


クリックすると拡大表示します。−−お店を開いてからは、ゆららちゃんを連れて行って、仕事をしていたこともあったそうですね。

雅姫さん 「ハグ オー ワー」を始めて3年ぐらいは、お客さんのリクエストに押されて、追いついていく感じでした。でも、当時も今も、お店を大きなチェーンにしたいとか、そういう希望は全くないんです。ただ、今の仕事がなければ自分ではないというか、仕事と生活がすごくつながっているとは思います。普通に暮らす中で、興味を持ったものが、仕事になっていく。そのおかげでいろいろな人にも出会える。人には忙しそうだと言われますが、それは楽しいから。楽しいことを見つけたら、それを自分だけで抱えているのがもったいなくて、何か形にして伝えたくて本を作ったり、製品にしたり……とやっていたら、止まらなくなった感じですね(笑)。


−−大好きな仕事を探して見つけたというより、自然にたどり着いた感じに見えますが…。

雅姫さん 子どもができたことは大きかったですね。子どもができて、少し家にいる時間ができた時、部屋に花を飾ったり、器に凝ったり、暮らしの楽しさを改めて知りました。両親と話す機会も増えて、母から聞いたことがすごく参考になりました。一方で、子育てしながら、時々モデルの仕事をするのがいい気分転換になって。そんな生活が心地良くて楽しかったんです。そうやって過ごした時間が今の仕事につながっていると思います。


−−これから、やってみたいことはありますか?

雅姫さん 「ハグ オー ワー」を始める時、これだけ洋服屋さんがあるのだから、素人の私がどう頑張っても追いつかない。それなら違う切り口でやろう、と思いました。外ですごく着飾っているのに、家は構わないというのではなくて、衣食住の中にあるものを作っていきたいですね。暮らしがあって、身につけるものがある、すべて一緒なのではないかと思っているので。
あとは、ゆららが小さかった時は、コットンやガーゼといったゆるい素材を使うことが多かったのですが、小学5年生になったので、今後は少しずつ素材も変化して、 「ハグ オー ワー」のテイストも自然に変わるかな、という気もしています。
リバティのアーカイブでプリント柄の資料を見た時、ひとつのブランドを守り、伝える姿勢にとても刺激を受けました。私のブランドはまだ7年ですが、初めにブランドを立ち上げたコンセプトは、変わらずに守っていきたいと思っています。そして、新しいことにもアンテナを張りつつ、生活の中にスパイスをとり入れて、私なりに頑張っていきたいと思います。







ページをめくるたびに広がる優しい色づかいの小花や植物…。柄物はあまり得意ではなかったのですが、この本を通して、きめ細やかな柄と色の重なり合いに惹きこまれました。雅姫さんならではのもの作りへの自由な姿勢、日々の暮らしを愛おしむ気持ちが伝わってくる1冊は、普段の生活にインピレーションを与えてくれるはず。自宅インテリアが覗けるページや、カバーをめくると別のリバティ柄が楽しめる装丁も魅力的。ぜひおすすめです!
【インタビュー 宇田夏苗】

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