著者インタビュー 最新号 バックナンバー
夏川賀央さん・塚田理江子さん

ビジネス書で活躍中の作家・夏川賀央さんが存在自体がストレスな“あの人”へのとっておきの対処法を解き明かす、『プラダを着なくたって悪魔!困った人に振り回されないためのコミュニケーション術』

 昨年、話題を集めた映画『プラダを着た悪魔』。職場や学校などで、メリル・ストリープが演じたカリスマ編集長同様、存在自体がストレスな困った人たちに悩まされた経験は誰にでもあるのではないでしょうか? 『会社を踏み台にして昇る人、踏み台にされて終わる人』など、人間関係や仕事上の悩みをテーマにしたユニークな著書で人気の夏川賀央さんが、そんな“悪魔”のような人に振り回されないための対処法を上梓。マスコミ業界で働く女性集団<マスコミOL委員会>への取材を基に、7タイプ別の悪魔の対処法をストーリー仕立て、マニュアル付でまとめた1冊について、夏川さん、そしてマスコミOL委員会の塚田理江子さんに伺いました。


夏川賀央さんの本


『プラダを着なくたって悪魔!困った人に振り回されないためのコミュニケーション術』
『プラダを着なくたって悪魔!困った人に振り回されないためのコミュニケーション術』
1,260円(税込)

『時間泥棒を探せ!』
『時間泥棒を探せ!』
1,260円(税込)

『なぜ、仕事ができる人は残業をしないのか?』
『なぜ、仕事ができる人は残業をしないのか?』
1,260円(税込)

『本当に成功したいなら20代は働かない!』
『本当に成功したいなら20代は働かない!』
1,365円(税込)

『大人のアタマで考えない。』
『大人のアタマで考えない。』
1,260円(税込)

『会社を踏み台にして昇る人踏み台にされて終わる人』
『会社を踏み台にして昇る人踏み台にされて終わる人』
1,470円(税込)

『見えない壁』
『見えない壁』
1,365円(税込)



夏川賀央さんのオススメDVD


『プラダを着た悪魔 特別編』
『プラダを着た悪魔 特別編』
※映画もチェックしよう

プロフィール


夏川 賀央さん (なつかわ がお) ※向かって右側
東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大手出版社など数社を経て独立。会社経営のかたわら作家として活躍中。人材プロデューサーとして各分野の才能を発掘しつつ、ネットワークを通じた“非組織プロジェクト”で多くの企画を手がけ成功させている。著書に『なぜ、仕事ができる人は残業をしないのか?』(ソフトバンク クリエイティブ)、『時間泥棒を探せ!』(扶桑社)、『見えない壁』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『大人のアタマで考えない。』(ビジネス教育出版社)、『本当に成功したいなら20代は働かない!』(実務教育出版)などがある。

インタビュー


−−『プラダを着なくたって悪魔!』というタイトルに、まず惹きつけられました(笑)。この本を書こうと思ったきっかけからお聞かせ下さい。


夏川さん 映画『プラダを着た悪魔』を観たある編集者の方から、「映画の中に出てくるカリスマ編集長のような、困った人をテーマに本ができないか」という話を頂いたのがきっかけです。そこで僕自身が3つの会社を転々としてきたし、会社での人間関係、特に部下の立場の人間がどうやって上司や会社に対抗するのかをテーマに本を書いてきたので、出版社に転職した主人公を軸に、困った人への対処法をまとめてみようと考えました。


夏川賀央さん−−人間関係のマニュアル本でありながら、転職したばかりの神無月弥生を主人公に、気分屋の鬼塚編集長をはじめ、転職先でさまざまな困った人たちに直面していくストーリー仕立てが楽しいですね。

夏川さん ストーリー仕立てにしたのは、そのほうが読みやすくて面白いということもありますが、この本を読んだ方が神無月に自分を置き換えることで、人間関係の対処の仕方をより具体的に感じられると思ったからです。27歳の女性を主人公にしたのは、熱意を持って真面目に仕事に取り組んでいるという意味で、読者にとって一番身近に感じられるのではないかと考えました。映画の中で、アン・ハサウェイが演じたジャーナリスト志望のヒロインもそんなタイプでしたし、TVドラマ化された『働きマン』の主人公も仕事に燃えているけれど、職場の人間関係などで悩んでいますよね。


−−今回はマスコミOL委員会との共著ということですが、マスコミOL委員会とは?

夏川さん  僕が取材させて頂いた、マスコミ業界で働いている女性たちのことです。今回は彼女たちを中心に、仕事をしている女性の方たちに話を聞き、そこから7つ悪魔のタイプとストーリーを作りました。自分自身が出版社にいたので、その当時の経験を反映した部分もあります。実際に取材してみると、転職したものの、新しい職場で人間関係が上手くいかないといった、人間関係に関する不満や不安を持っている人が多かったですね。


−−マスコミOL委員会の塚田さんは、転職して今の仕事に就かれたのですか?

塚田さん  そうですね。

夏川さん  塚田さんは転職成功組ですよね?

塚田さん  成功、と言えるのかわかりませんが(笑)、満足はしています。私自身、神無月と同じように、やりたいことがあって外に飛び出しました。でも、転職したから全ての問題が解決するということはなくて、新しい環境でも悪魔に会うことはあるんです。この本の登場人物たちほど、濃いキャラクターではないですけれど(笑)。


−−面倒なことが大嫌いな先輩など、7人の悪魔はどれも周りにいそうなタイプですよね。個人的には、自分に甘く、他人に厳しい宮崎明美タイプが一番苦手なのですが……。

夏川さん  僕自身がちょっと宮崎みたいなタイプかな、と思うところもあるんですよ(笑)。


−−そうでしたか(笑)。逆に、感情の起伏が激しい鬼塚編集長は、仕事に対する姿勢など、尊敬できる部分があると感じました。キャラクターを作る上で、参考にされた人物はいるのですか?

夏川さん  仕事柄、取材などでベンチャー系の企業の経営者の方に会う機会が多いんですね。優れている一方、直情型といった困った面もある鬼塚編集長のキャラクターは、そうしたこれまでの経験を基にして作り上げていきました。


−−神無月が前の会社の知り合いで、転職後も良き相談相手の水元先輩に、「いったい何がしたくて転職したの?」と問われるシーンがありますが、「自分がやりたいこと」を見極めるのが大事だと、読み終えた後につくづく感じました。

夏川さん この本を読んで、もし、鬼塚編集長に共感できたとしたら、その人は会社の中で、「自分のやりたい」を表現してきた、自分の世界を作ってきた人ではないかと思うんですよ。逆に信頼できそうで、実は詮索好きの佐々木副編集長のように、自分の世界を上手く作れなかった、そのツケを他人に負わせようとしている人もいますから。


夏川賀央さん  塚田さん−−人間関係の対処法としてだけでなく、「どのキャラクターに共感できるか」ということから、自分自身の仕事に対する意識がわかるのは興味深いですね。

夏川さん  人間関係というのは、結局、自分がどう対処するかなんですね。会社の同僚とグチを言ったりするのも楽しいけれど、続けていると、そこから出られなくなってしまう。グチを言い合う時期から一歩抜け出すために、「自分が何をしたいか」について考えることは必要ですね。最終的には「自分がなぜこの会社にいるのか」といった、自分の中での駆け引きになると思うので。

塚田さん  そう思いますね。転職先で耐えられないほど悪魔がたくさんいたら降参するけれど、自分のやりたかったことが実現できたり、転職した目的のうち、何かが達成されていたとしたら、そこに踏み留まっていてもいいかな、という気がします。


−−「人間関係は何を選ぶか」という言葉がとても印象的でした。夏川さんご自身は会社員生活を経験し、その後、独立の道を選択されていますね。

夏川さん  選択してきたというより、僕の場合、来るものは拒まず、といった場合が多いのですが(笑)。でも、それも結果的には自分自身の選択ですから。
思うに、運で相手を引き寄せることはできないわけで、誰に出会うかは偶然なんですね。その相手とどう付き合うか、仲良くなるかどうかも自分の選択というわけです。


−−夏川さんご自身は、人間関係で振り回されることはありますか?

夏川さん  ありますよ(笑)。この本を書くにあたり、OLの方たちの取材をした後、もっとこう言ってあげることができていたら……と思うことがありました。この本にはそうした想い、こんな形で困った人たちと上手く付き合って欲しい、という希望を込めたつもりです。実際にはマニュアル通りにいかないものですが、この対処法をアレンジして解決法を見つけてもらえたらうれしいですね。
困った人がいたとしても、その人を変えるのはすごく難しい。自分の考え方を変えるほうが簡単です。経営者でもない限り、上司や同僚を努力して変えたりする義務もないですし(笑)。


−−塚田さんは、この本を読んでどんな感想を持ちましたか?

塚田さん  とても具体的でわかりやすかったですね。噂好きや要領がいいタイプはよくわかります。川本絵里香という、面倒なことは見て見ぬ振りをするタイプが傍にいたりすると、自分が損している気分になりますよね。神無月が自分にとって大事なものが仕事なのか彼氏なのか、やりたいことなのか……と常に悩んでいるのも、共感できるところです。私には神無月にとっての水元先輩のようなアドバイスをくれる先輩もいないので、この本に書かれた対処法をアレンジしながら、会社生活を乗り切ろうかと思っているところです(笑)。


夏川賀央さん−−夏川さんはビジネスの現場での人間関係をテーマにされていますが、本を書く上で大切にされていることは何ですか?

夏川さん 人間関係について書くといっても心理学をやってきたわけでもないのですが、取材を通して、いろいろな人が経験したこと、どうしたら仕事が上手くいったか、という事例をたくさん見てきたので、それを編集して伝えることは、自分の役目だと意識しています。経営者の立場にいたら、会社での人間関係の対処法にしても、会社の利益なども踏まえて述べる必要があるかもしれませんが、僕にはそうした制約がないので、働く人間としての個人の目線を大事にして書いていきたいと思っています。


−−最後に、今後の活動についてお聞かせ下さい。

夏川さん 先のことはあまり明確にしないほうがいいと思っているのですが。ただ、人間関係や働く人には興味があります。自分の周りを見ても、生き生きと仕事をしていたり、輝いている人はたくさんいるし、そういう人に出会うと、仕事が本当に好きなんだな、というのが伝わってきますよね。働く上で、人間関係が上手く対処できたとしたら、その先は絶対にあると思うんですよ。


−−この本の対処法を生かして、前向きに働きたいものです。今日はありがとうございました!






人間関係が上手くいかない……そんな悩みにぶつかった時、ストレスの素になっている人を、この本に登場する7タイプの悪魔に分類し、頭の中を整理してみてはいかがでしょう。グチを言いつつ人とつき合うのも自分の選択だと考えれば、面倒に思っていた人間関係も、意外とシンプルで扱いやすいものに見えてくるはず。実生活に役立つだけでなく、物語としても読み応えのある1冊を通して、困った人に振り回されることのない日々を、ぜひ手に入れてみて下さい!
【インタビュー 宇田夏苗】


最新号 バックナンバー

このページの先頭へ