楽天ブックス 著者インタビュー

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言葉の図鑑ともイラストの百科とも言える、楽しい『思いつき大百科辞典』。思わぬ言葉とかわいいイラストに出会って、不思議な物語が生まれるかもしれません。著者は絵本雑誌『Pooka』で大好評連載中の、人気イラストレーター・100%ORANGE。及川賢治さんと竹内繭子さんの夫婦ユニットです。

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 100%ORANGEさん『思いつき大百科辞典』『思いつき大百科辞典』
雑誌『Pooka』で大好評連載中の、人気イラストレーター・100%ORANGEによる「思いつき百科辞典」
1,680 円(税込)
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プロフィール

100%ORANGEさん (ひゃくぱーせんとおれんじ)
及川賢治と竹内繭子の二人組。新潮文庫「Yonda?」のキャラクターをはじめ、広告、雑誌でのイラストレーションのほか、絵本やマンガの作品を発表するなど、幅広い分野で活躍中。
ホームページ : http://www.100orange.net/

インタビュー

「あ」からはじまって50音それぞれの、かわいい小さいイラストがたくさん描かれた『思いつき大百科辞典』。著者は、人気イラストレーターの100%ORANGEさんだ。及川さんと竹内さんのご夫婦ユニットに、担当編集者の井出さんも加わっていただいて、楽しいお話をうかがった。


−−Q&A密度が高くて楽しい百科辞典ですね。「思いつき」ということは、お二人のネタ帳だったりするんでしょうか。どういう経緯で作られたんですか?
竹内さん最初、『Pooka』で6ページ連載してくださいという依頼をいただいたんです。
及川さん絵本雑誌で、なにをしてもいいですよって。それで、学研さんてことは、なんていうかな、図鑑とか「科学と学習」とかのイメージもありますよね。
竹内さんそれで、自分が子供の頃とか、絵がいっぱいあるページって好きだったので、そういう感じのイラスト図鑑ができないかなって。6ページにピッタリで、かつ連載になる企画を考えたら、「あいうえお」って、ちょうど5ページ。
及川さんそれに1枚トビラをつけたら、ちょうど6ページ。
竹内さんそこで、学研のテイストを持ちつつ、絵本のノリも持ちつつ、連載のページにちょうどよい…。
−−Q&Aピタッとハマったものだったんですね。その2年間分の連載に書き下ろしを追加してまとめられたわけですが、この本でたいへんだった部分は?
竹内さんこれって、アイデアというか企画ができた時点で、あとは絵を描くだけ。悩まなくていいので、お話の世界を考えるのよりはずっとラクだったんです。でも、物理的には作業量が多いたいへんさがありました。
及川さん1日で6枚描いたこともあったね。24時間かかって、ぶっ続けで。
竹内さん下書き描いたらすぐ井出さんにFAXするんです。単語とイラストの間違いがないか。
及川さんでも間違いはそんなになかったね。5ページに3コあるかないか。それを修正して、すぐ色つけ。
竹内さん色つけは、パソコンで。スキャンして彩色するんですが、以外にパソコンでやる悪さがでたっていうか。パソコンだと早いだろうって思いますけど、ペンとかでササって塗ったほうがよっぽど早かったかも。
及川さんでも色には気をつけてたよ。色数はおさえめで。ゴチャゴチャになるのがわかっていたので、色はきもち薄めで、色数は毎回5色ぐらいに決めて。だから、ゴチャゴチャしているけど、見づらくはない。とくに最初はコンセプトとして、スカスカな感じを目指していたんだよね。あんまり、色をつけないようにしようって。
竹内さんあとは…。連載の期間が長かったから、絵柄がどんどんかわってきちゃって1冊の本にまとめてみると、微妙に違うんです、ペンも違うしね。
及川さん実はペン先が太くなっちゃった(笑)。
−−Q&A「思いつき」というのも楽しいですね。みんな同じ音ではじまる単語なんだけど、脈絡があるようでないようで。横に並んだ絵柄を組み合わせていろいろ楽しんだり。意味がありそうなところもあるし。
竹内さん偶然なんです。本当に思いついたままに描いていて、たまたま生まれる偶然で、となりの絵との関係性が…。
及川さんそういう意図はぜんぜんないのに。
竹内さん順番に単語を言っていって、つまったら描き出すっていうか。
及川さん編集的な考えを入れないようにして描いたんです。自然体の中からでてくる面白みって、ありますよね。
竹内さん一個一個バラバラに描いて、あとで編集して並べると、きっともっとちがうものになったと思うし。
及川さんなにげにライブ感がでてるのかも(笑)。
竹内さん私たちも描いてるとき、楽しかったし。
及川さん自分で笑っちゃったし(笑)
−−Q&Aシールとか作って、子供に並べさせたりしたら楽しそうですね。
竹内さんそうそう、知り合いの子はね、この「うりぼう」が好きって。人によって、この絵が好きとか、このページがお気に入りとか、いろいろ思ってくれるのがいいなぁ。
及川さん色を塗ってもいいし、ページの隙間に自分の思いついたの描いてくれてもいいよね。結果論だけど、大人も子供も楽しめる、よかったなぁ。
竹内さんしかもちゃんと、編集の井出さんに、単語の意味は確認してもらっているんです。
及川さん「タロイモ」はこうじゃないですよ、とか(笑)。
竹内さんけっこう面白い言葉が出てくるんです。私も知らなかったりとか。
及川さんぼくも知らないで描いてるし(笑)。
竹内さん「思いつき」なので、どこまで正しくするか悩みどころだったのですが、一応辞典ということで、間違いはないようにゆるくチェックはさせていただいてます。
及川さんだから辞典としての機能もある、本当に。
竹内さんそれで、本屋さんによっては、辞書のところにさしてあったり、図鑑のとこに置かれていたり、絵本や美術書の棚にあるとこもある。
及川さんどこのコーナーに置こうかなって、本屋さんが迷ってくれる本が好きなんです。いま大人用の絵本が流行って…みたいなのは知ってるけど、そういう枠は無視したかった。ジャンルとかは気にしないようにしたほうが楽しそうで。
竹内さん学校の図書館にあって、誰かが借りて、こんな本が図書館にあるよって言ってくれたらウレシイ。
及川さん何の勉強に使えるか疑問だよね。
竹内さんしりとりとかに使えるよ(笑)
井出さん以外に古いことばがあったりしますね。
竹内さん私も、「えっ?」って思うのがあって。面白かった。
及川さんぼく、古いんだよね。おばあちゃん子で古いものが好きなんですよ。ラジカセとかも微妙に80年代だし。年代とか時代性が出ないようにしたんですよ。今っぽくなく、ニュートラルな感じの。
竹内さんでも私は、ヒジキとか、よくわからなかった。何故フタ付きのビンの中にはいっているのかなぁって。
及川さんそれは…、実家がそうだったから、何でもフタ付きの容器に入れるんだろうな。ニュートラルとか言いながら、そういうところでは生活がでちゃうというか、偏ってるのかな。…へんだね、たしかに(笑)
竹内さん表紙も、たいへんでしたね。
井出さんすごいいっぱい描きましたよね。
及川さんこれだけの内容を全部包み込む表紙って、すごくむずかしくて。どんな表紙にしたら包めるだろうって思って、お城とか宇宙とかピラミッドとか惑星とか、いろいろ出したんだけど、結局、気球になったね。
井出さん本の見返し(表紙の裏の部分)とかも見てくださいね。
竹内さんなかのページから一点ずつ切り抜いて仲間を集めて並べたんですね。このページのは動物、こっちのページは物を集めたんですね。これは人?
井出さん動詞です。「動きのことば」です。
竹内さんじゃ、こっちは?
井出さん「様子のことば」。
及川さん装丁の方がそういう風にしたいって思ってるっていうのは聞いてたんですけど、こんな秘密があったなんて、知らなかったなぁ。
井出さんさらに「あっ」て思ったんですけど、デザイナーさんが一個だけ違うのを入れてるんですよ。ほら、これ。
及川さんあ、本当だ!
井出さんわざと入れているんです。もしかして遊びですかって聞いたら「遊びです」って。
竹内さんすごーい。『ウォーリーをさがせ』みたい。
及川さん子供って何を見ているかわからないから、自分なりのなにかを発見するのかもしれないね。
−−Q&Aそうそう、どうして、お二人は「100%ORANGE」っていうお名前なんですか?
竹内さんとくに意味はなくて、語感なんですよ。何人でやってるとか、男とか女とかそういうのがわからないようにって。
井出さんどっちが100%とか
竹内さんないです。
及川さん決めといたほうがいいかな(笑)
−−ご夫婦お二人で仕事されてて、普段はどんな感じの役割分担なんですか? 良いところ、悪いところってあったりしますか?
竹内さん鉛筆を持って描く実質の作業は、及川です。私はその手伝いと企画。それで、 良いところは、客観性が持てるところかな。ひとりじゃないので…。
及川さん悪いところは…多いね(笑)
竹内さんやっぱり、意見が割れるとね。
及川さんこうしたいと思ったら、通したいんだけど、やっぱり…ネ。
竹内さん二人とも意見を通したいことに関しては、遠慮しないから。会社とか、ほかの人間関係だったら、遠慮もするんだろうけど、夫婦だけに、言いたいことを言いたいだけ言っちゃう。
−−でも、あこがれですよ。ご夫婦でイラストレーターで人気者で。仕事と生活ってどんな感じですか?
竹内さん仕事と生活は一緒で切り離せない。もう、仕事っていう感覚じゃないですね。
及川さんイラスト描いてない時も、新聞読んでるときもイラストレーターとして存在するしかなくなってるような。
竹内さんそれが、ツライってわけじゃないですけど、生活と仕事が密接してる。もともと、大学時代から一緒にやってきましたし。
−−それで最近は1日何時間ぐらいお仕事されてるんですか?
竹内さんお昼前に起きて仕事場に行って、寝るのはだいたい朝6時頃です。 とにかく仕事と生活の境目が無いので、しいて言えば食べてる時と寝てる時以外は仕事になるのかな? ずっとコンつめて作業している訳ではないけど。
及川さん昼寝もしたりするしね(笑)。
−−もっと、次はこんなことをしてみたいとか、お二人のテーマとかは? 。
及川さんぼくは、絵本とか、本腰を入れてやってみたい。
竹内さんテーマっていうか、ずっとこの仕事でいられたらいいなっていうのはあります。
及川さんそうはいかないかも(笑)。
竹内さん将来に対する不安は、それはもう、常にあって。
及川さんでも死ぬわけじゃないから。
竹内さんまぁ、バイトとかすればいいのかなって(笑)。
及川さんぼくは、ノンキに構えてるタイプだから、怒られたりもするけど(笑)ぼく、今はこの本でかなり大満足しちゃってます…。
竹内さん自著というか、絵と内容の両方書いた本は久しぶりだったんです。最近はなかなか自分だけの本てなかったので。「ドーナッツ!」以来かな。
及川さんすごい久しぶりで、しかも思いもかけず、書き下ろしページもたくさん描いちゃった。
竹内さん秋には、月刊絵本の「おはなしプーカ」で描いた『スパゲッティになりたい』(※)という絵本が単行本になる予定。
及川さんとにかく、みなさん読んでくださいね。
−−ありがとうございました。
※『スパゲッティになりたい』は、保育園・幼稚園向けの月刊保育絵本〈おはなしプーカ〉の2004年11月号に掲載した1冊1話の絵本です。〈学研おはなし絵本〉シリーズで、この秋、単行本化の予定となっています。
及川さんと竹内さん、お二人の、絶妙で不思議なやりとりは『思いつき大百科辞典』の世界とぴったり。ちょっとクスクス可笑しくて、なんだかどことなく楽しげです。しかも、人気イラストレーターの仕事ぶりも垣間見える貴重なお話、本当にありがとうございました。楽しみ方も自由自在なこの本、あなたはどのページのどのイラストがお気に入りですか? (インタビュー 波多野絵理)

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