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低体温は体や心の危険信号!メタボ対策、ダイエット、ガン予防に『体温を上げると健康になる』で、いますぐ1度、体温アップ

あなたの体温、何度ですか? 実は体温が1度下がると、免疫力が30%も低下しているのだとか。免疫力が下がると、風邪をひきやすくなるだけでなく、こんな状態になるなんて……!!。
最近、調子が悪かったり、ストレスが溜まっていたり、ダイエットがうまくいかなくて悩んでいるあなたも、メタボなダンナ様が心配な奧様も、鬱病やガンや病気が心配な方も、もちろん今は健康な人も、みんなこの本『体温を上げると健康になる』が必読です。
体の生理的な仕組みが関わり合って、さまざまなことに影響を及ぼすことが「こういうことだったのか!」と目からウロコ。女性も男性も美しく元気に長生きする秘訣を、日本・アメリカ・ヨーロッパのエンチエイジング専門医で、日本でも伝統ある赤坂見附前田病院東洋医学センター スルーライフクリニック所長の齋藤真嗣先生が、低体温を克服して健康で長生きするための健康法を、わかりやすく解説してくれます!



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体温を一度上げると病気が逃げ出す?!低体温の現代人への健康のススメ
体温を上げると健康になる
『体温を上げると健康になる』
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プロフィール


齋藤真嗣さん (サイトウ マサシ)
赤坂見附前田病院スルーライフクリニック所長、瀬田クリニック東京 医師、米国ニューヨーク州医師。1972年生まれ。日米欧のアンチエイジング専門医・認定医の資格をもつ。2008年9月よりニューヨークのマンハッタン5番街にクリニックを開設、09年6月から赤坂見附前田病院スルーライフクリニック所長就任。日本とアメリカを行き来しながらアクティブ・エイジング・マネジメントの普及に努めている。アンチエイジングの面からゴルフを考察した『ゴルフで老いる人、若返る人』(小社)が話題に。囲碁の実力者でもあり、全体像を俯瞰的に把握する思考を習得。ビル・ゲイツ、ビル・クリントン、ベッカム、アレックス・ロドリゲスらと親交のある、不思議な縁の持ち主でもある。

インタビュー


齋藤真嗣先生−−実は私、書かれていた通りの低体温です……。最近続けざまにあちこちの調子が悪かったのですが、ご著書を読んで、いろいろなことがわかり、生活を見直すことにしました。それにしても、私だけかと思っていたのですが、低体温というのはこんなに増えているのですか。

齋藤先生 近年、ストレス社会を反映したかのように低体温症の方は、非常に多く見受けられます。
低体温とは、36.2度以下の体温と定義しています。もともと、正常な人間の体温は36.8度+−0.3〜0.4、つまり36.5度以上ないといけないのですが、36.2度以下の人が増えてますね。ひどい場合は、35度台という人もけっこう見受けられます。
私が溜池山王クリニックに勤めていた3年間で診察した、年間1万2000人近くの患者さんも、95%以上が、低体温症でした。もちろん病院には、ガンや脳腫瘍、脳血管障害はじめ、さまざまな病気を抱えた方がこられる病院という特殊な環境ではありますが、高い方でも36.2度ぐらいで、病気の方は体温が低い人が多いということなんです。
しかも、健常な方の体温も下がってきています。
50年ほど前の1950年代のデータと、2009年の日本人の平均体温について比較しますと、1950年代は、36.8〜9度だったんです。ところが今の平均体温は36.2度。
なぜこうなってしまったのか、理由はさまざまありますが、平均体温が低くなった一番大きな原因は、圧倒的に運動量が落ちているということです。1950年代は戦後すぐの時代で、当時のことを想像されるとわかると思いますが、たとえ女性でも、子供を背負って畑仕事をするなど、1日の運動量がたいへん多かったのです。ですから、女性の筋力不足が問題視されることはありませんでした。もちろん、食品が少ないなど、生きることのたいへんさはありましたが、たいへんさの状況は当時と現代ではあきらかに異なります。筋肉は人体最大の熱生産器官ですから、筋肉がなくなると、体温も下がります。圧倒的な運動不足によって、筋肉が少なくなり、体温が下がったということが言えます。

二つ目の理由はエアコンです。当時はなかったわけですが、近年は、24時間空調しています。就寝中も、エアコンをつけて、適温で汗をかかない環境で生活している方が非常に多くなったということですね。
そもそも体温中枢というのは脳の中にありますが、さまざまなストレスによって、体温中枢が障害をきたしているのです。汗をかくのは体温を調整するためですが、発汗中枢が作動しなくなってしまうために低体温になってしまう。これを中枢性の理由といいます。ストレスが直接、脳の中の体温中枢の作用基準に障害を起こし、その原因のひとつがエアコンということです。運動不足に加えて、一定の温度の環境で生活することで、そうなってしまうのです。

三つ目の原因に関しては、本の中でも章をひとつ設けて解説していますが、「ストレス」ということです。昔もストレスはあったわけですが、その性質がかわってきています。とくにこの10年〜20年、謙著だと思いますが、戦前、戦後の飢餓状態のストレスとは、あきらかに異質。生きる術(すべ)を獲得しなければならなかった当時と比べると、今のストレスにはさまざまなファクターがあるわけです。経済的なストレスだったり、会社の同僚との人間関係の問題だったり、家庭が抱える問題など、想像できる範囲内のストレスに加えて、私がもっと重要だと考えているのが、「薬(クスリ)」です。
普通の内服薬のことです。
薬は、反対側から読みますと「リスク」となりますが、シャレではなくて、基本的に全ての薬には、リスクがあります。日本は服薬大国なんていわれることもあるくらい、薬を服用されている方が多い。しかし、クスリを飲んでいること自体がたいへんなストレスなんです。


−−体のために良いと思って飲む「薬」がストレスになるんですか。

齋藤先生 たとえば、最近、寝付きが悪いと不眠剤を服用される方がいらっしゃいますね。また軽い抑鬱症状で心療内科や精神科に行きますと、軽い抗鬱薬を処方されることも多い。
この二つを例にとっても、100%起こってくる副作用が、大きく分けて3つあります。
まず一つ目が「抗コリン作用」です。代表的な症状を2〜3お伝えしますと、尿の出が悪くなったり、目や口が乾いたり、脈が早くなったり、そういった交感神経が緊張している時に起こる症状がでてきます。
二つ目が「抗アドレナリン作用」。血圧が低くなってきますので、まさに低体温症の最たるものですね。朝起きられない、目眩がしたり、肩こり。要は、元気がない、エンジンがかからない状態なのです。
最後の抗ヒスタミン作用は、眠気とダルさ。

このようなことが、副作用として起こってくるわけですね。基本的にそういう作用基準のおクスリなのですから。ひとたび自分がストレスだということで、このような薬を飲むと、起こる副作用によって、それ自体がまた、ストレスになってしまう。これを「薬の負のスパイラル」という表現していますが、ほかにもたくさんの薬が服用されている現代社会は、薬によるリスクが、たいへん重要なファクターであるということです。


齋藤真嗣先生−−免疫力が高くなれば、薬を飲む必要もなくなるわけですね……。

齋藤先生 もっと大切なことを次にお話しますが、実はそれだけじゃないんですよ。
免疫と聞くと、多くの方が風邪をひきやすい、ひきにくいということを考えますね。免疫=外界からのウイルスや細菌などに対する抵抗力をイメージすると思いますが、体の内部に対しても、重要な役割があるんです。
本の中にも書いていますが、ガンという病気がありますね。もともと私は、ガンを扱う腫瘍内科(Oncology)が専門ですが、最近の研究では、ガン細胞は健康な人の体でも1日に5000個もできることがわかっています。そしてガン細胞ができるたびに、免疫細胞(リンパ球)が攻撃して死滅させています。しかし、免疫細胞がガン細胞を見過ごしてしまうと、そのまま生き残り、やがてガンへと姿を変えていくのです。たった一つのガン細胞は、1個が2個、2個が4個、4個が8個と、いつまでも死なずに倍々ゲームのように増えていきます。自分自身の細胞のならず者を監視しているのが免疫です。免疫細胞であるリンパ球が監視しているわけです。
つまり本の帯に書いてある「体温が1度下がると免疫力が30%低下する。」ということは、毎日できる5000個のガン細胞に対して、体温が一度下がることによって、1日に1500個近くのガン細胞が監視の目をかいくぐって、増殖する可能性がでてくる、と言っても過言ではないかもしれません。


−−体温が一度下がると、ガンを発症する危険性が30%も高まる……ということですか?

齋藤先生 それはさすがに極端な話ですが、それほど免疫の監視システムは重要だということです。
ですから、体温が1℃下がった状態によって免疫力が30%低下することを、シリアスな問題としてとらえていただきたいのです。35度台の体温は、ガン細胞が一番増殖しやすい体温だということです。それが私が、強くお伝えしたかったメッセージなんです。


−−低体温なんて、体温が低いだけでそんなに困ったことだと考えていませんでしたが、ガンが増殖しやすいと聞くと……ショッキングです。

齋藤先生 本来はそれだけで、本が1冊書けてしまうような内容ですが、専門的な知識より、より多くの人に、このことを知識として共有していただくことが大事だと考えて、間口を広く書いています。
この本に書かれていることは生理学なんです。年齢・性差・人種に関係なく、人間なら等しく生理学としてご理解いただきたいですね。
生理学の中には、大きく男性学と女性学があるのですが、女性学は、これまで100年以上の歴史がありますから、産婦人科や婦人科の知識は、みなさんご存じだと思います。しかし、これまで男性学が大きく遅れた時代背景があります。知られていないことがたくさんあると思います。


−−本の中で、男性の更年期について書かれていますが、そういったことですね。

齋藤先生 更年期はホルモンバランスが変化する時期のことです。女性は約40歳ぐらいから、男性は約30歳ぐらいから、ホルモンバランスが崩れてくるんですよ。女性は40〜50歳台にかけて急激に女性ホルモンが低下し、50歳になると、女性ホルモンがでなくなってしまう。その状態のことを閉経といい、ホルモンが急激に低下していく時期の不調を更年期障害といっています。そのため症状が非常にドラマチックで、かつ、身体症状が主体となってきます。男性よりも顕著に、身体症状にでてくるのが女性の特徴なんです。それに対して男性の更年期というのは、10歳早い、30歳からはじまり、年に1%ずつゆるやかに低下していきます。しかも、ずっとその減少の割合が続くんです。80歳や90歳になっても年に1%。死ぬまでそのペースが続きます。これがいわゆる正常な、“生理的な加齢性変化”なのですが、女性以上に急激にホルモンが低下する現象がおきることがあって、これが実は大きな問題なんです。女性のように謙著にでる身体症状がメインではなく、男性の場合は、精神症状が主体だからです。


−−心の病としてでてくるんですね。

齋藤先生 精神症状は、いわゆる軽い抑鬱症状と見分けがつきません。会社の中で、ちょっとサボってるんじゃないか、鬱じゃないかと、他人からも鬱病のようにみられてしまう。これも大きな問題です。
今の日本で、鬱症状をきたした男性患者さんの少なくとも50%以上は鬱ではなく、誤診といっても過言ではないというケースが多いのではないかと考えています。また、そういったことをみなさんも一緒に考えてほしいと常々考えています。
なぜなら、医療機関にかかると、すぐ抗うつ薬が処方されてしまうから。今年の2月にNHKでNHKスペシャル『うつ病治療 常識が変わる』という番組が放送されましたが、うつ病治療の何が問題で、何がどのように変化しようとしているのか、番組を見ると、考えないといけないことがたくさんあると理解できると思います。
もうひとつ、東京大学医学部附属病院では2年ぐらい前に、新たに男性外来科というのを設けています。それまでは泌尿器科が男性の外来患者を診ていたのですが、あまりにも多いので新設したわけです。それが、この2年間、男性の更年期障害を診察してきて、明らかにストレスで男性ホルモンが低下していることがわかった。さらに、男性の更年期障害だと診断された患者さんの約50%が、過去に鬱病と診断されて、現在も治療されている。このようなデータがなにを意味するかといいますと、結局は、元気がない、軽い鬱ではないか、覇気がないという症状から、心療内科での診察を勧められた患者さんの多くが、少なくとも鬱病に対する治療をすでにされていて、しかも、その鬱病の治療に対して処方される薬がさらにストレスになって症状を悪化させているのではないかということが考えられるわけです。
鬱病に対して、日本で一番多く使われるのがセロトニンです。SSRIというタイプの薬ですが、本来、セロトニンは脳の中の不安や食欲、睡眠に関わる神経伝達物質なんですね。とくに不安に対して関わっているのですが、このセロトニンを上げようとする薬を使うことによって、必ず、ドーパミンが低下するという副作用がおきます。ドーパミンは、情動や意欲、やる気、そういうものを司る神経伝達物質ですが、セロトニンをあげようとすると、シーソーのように、ドーパミンが100%下がってきます。結局、情動や意欲が下がり、無気力になってしまう。無気力になった患者さんがドクターにそのことを相談すると、ドクターはもっと薬を出します。なぜかというと、薬が効いていない、と判断してしまうから。

なにを皆さんにお伝えしたいかというと、ストレスという問題を見つめ直し、ライフスタイルを見つめ直すきっかけを得てほしいということです。元気がないからといって、すぐに鬱病だと考えずに、まず、ご自分のライフスタイルを見つめ直していただければ……。さらに男性の場合、女性と違って、精神症状が主体であるということを知っておく。奥さまにナイショで、こっそり心療内科にかかってしまう男性がたくさんいるんですよ。でもその前に、少なくとも、ご自身のホルモンバランスの乱れがどれほどなのかということを、チェックする必要があります。


−−男性の鬱が増えているのも、実は鬱じゃない可能性があるということですね。

齋藤先生 鬱と似た症状はほかにもあります。本でも説明しましたが、「副腎疲労症候群」というものがあります。メインの症状として、鬱症状があり、これは男性でも女性でもでてくる可能性があります。
副腎という臓器自体が、もともとストレス対応臓器と呼ばれるほど、ストレスに対して敏感なものなのです。副腎はたくさんのホルモンを分泌していますが、そのひとつに「コルチゾール」というホルモンがあります。このコルチゾールは、ストレスに対応して、60兆個の全身の細胞にエネルギーを供給するために必要なホルモンなんですよ。副腎はあるレベルまでは、ストレスに耐えて、コルチゾールを増産することで、対応しようとするのですが、ところがあるレベルを超えてしまうと、とうとうこのコルチゾールの分泌が低下してしまうんです。これが「副腎疲労症候群」なんですよ。 この発症の仕組みは、糖尿病と非常によく似ています。糖尿病も、あるレベルまでは血糖をあげようと、インシュリンが膵臓から分泌され、血糖を維持するために分泌が増えていく機能が働くのですが、やがて膵臓が疲弊すると、インシュリンが出なくなり、糖尿病を発症します。副腎も同様で、初期はコルチゾールの量を増やして、細胞にエネルギーを供給しようという機能が働くんですが、ストレスにさらされ続けると、やがて疲弊して、コルチゾールがでなくなってしまう。すると、60兆個の細胞に対してエネルギーが供給できなくなってしまいます。その症状は、いくら寝てもストレスが回復できない、朝どうしても起きられない。軽い鬱症状で、性欲も低下してくる……。


齋藤真嗣先生−−細胞が疲れているのに、回復できない状態になって、それを鬱だと思ってしまうんですね。

齋藤先生 性欲ということに関しましては、アメリカの患者さんは、自分の体調を考える目安として、必ずドクターに、性欲が低下してきたということを相談します。また、ドクターもそれに対して、明快に答えます。日本では、ドクターも聞きづらいし、患者さんも話にくい傾向がありますが、性欲の低下を自分の体の不調としてとらえ、40〜50代の更年期かもしれないし、副腎疲労症候群かもしれないですから、きちんと相談するべきだと思います。

本の中で、男性の「朝立ち」についても書いていますが、セクシャルな意味ではなく、生理学的に知って欲しいことを説明したものです。女性の方にも、パートナーであるご主人の体のことに対して理解して欲しいのですが、朝立ちが起きないのは、女性にとって生理が10日遅れているというのと同じようなことなんです。夜、寝ている間は、副交感神経が優位になって、心臓や腸などの各臓器は、最低限の活動を続けます。昼間と同じように活動しては休めませんが、完全にとまってしまうのも臓器の性質上、良くない。同じような理由で、男性の陰茎部分も膨張します。それがNPT現象(夜間勃起現象)なんです。これは、副交感神経が優位なレム睡眠の時におこる現象です。女性でも同様のことがクリトリスにもおきるんですが、そういう生理現象だということを理解してください。
目覚まし時計をかけずに自然に起きられるのは、REM睡眠の終わりなんですが、このときに最後のNPT現象がおきていて、それが朝立ちなんですね。この必ず起きている体の生理的な現象が起こらないということは、おそらく寝ている間のNTP現象についても、かなり抑さえられているんだろう、ということが想像できます。こういうことも重要な自律神経機能が低下しているサインのひとつなんですね。
女性も、生理が順調か不順か、ストレスの指標として聞かれると思いますが、男性にとっての判断の目安になるわけです。


−−夫だけでなく、彼や、家族の中の男性にも、そういうことを知ってもらいたいですね。この本は家族みんなで読む必要がありますね。

齋藤先生 ほとんどの男性は、自分の体にわりと無頓着なんですね。そこで、奧様が知っていることがとても大切だと思いますね。私がアメリカやヨーロッパで診察してきた10年間でわかったことは、日本人の男性は、医療に関しては医師まかせ、家庭のことは奧様まかせ。ゴルフに関してはキャディーまかせという方が非常に多いということです。欧米の患者さんは、少なくとも自分の病歴や、服用している薬の名前も知っていますし、薬の注意すべき点も理解されています。しかし、日本は大会社の役員さんも、普通の人も、みなさん、奧様まかせ。飲んでいる薬の色すら覚えていない。食事についても、いくら時間かけて説明しても、結局、食事を作るのは奧様なんで、奧様に理解していただかないといけない。男性の更年期障害の主体が精神症状なのだから、むやみやたらと心療内科にはいかないでください、といったことを、ご家族のためにも、女性の方に、まず理解して欲しいと考えています。


−−やはり女性がしっかりしないとダメなんですね。

齋藤先生 そこでちょっと視点をかえて、メタボ対策やダイエットについてもお話しましょう。体に起きることは、共通なことですから。内蔵脂肪というものは、5年くらい前までは、単なる中性脂肪の貯蔵器官だとしか、おもわれていなかったのですが、この2〜3年間に、内分泌学が非常に発達しまして、もっと重要な、体の中の人体最大のホルモン生産器官だということがわかったのです。そのホルモンというのは、レプチンやレジスチンなど、 炎症性のホルモンで、20種類以上あります。総称してアディポサイトカインと呼ばれています。これらが、ガンや高血圧といった問題をおこす元凶であるということがわかってきたんです。そのため、中性脂肪を管理することが大切なんですが、もっともっと強調してしかるべきだと思いますが、ちまたで広まっているダイエット法は、私が拝見したところ、ほとんどいい加減です。
もちろん、ある程度のカロリー制限は必要ですが、食事だけでダイエットするなんていうことは、この内臓脂肪に関してはまったくの逆効果。一番大事なのは、寝る前の4時間、食事をとらず、空腹で寝るということです。これをするかしないかで、体の中で真逆の反応がおこります。高血圧やガンの元凶である内臓脂肪が、増えるのか、分解されて減るのかは、寝る前に4時間食事をするかしないかにかかっているわけです。私は「4時間ルール」と言っています。個人差はありますけど、少なくとも空腹で就寝した場合は、内臓脂肪が分解されるほうに体が働く。ところがいくらダイエットをしていても、寝る前に食事をして寝ると、体の中では内臓脂肪が合成される方向に働くんです。


−−寝る前4時間は食事をしないというのは理解できます。その上で、先生のご提案される一番効果的な方法が「筋肉を鍛えること」なんですね。

齋藤先生 そうです。体温をあげるためにも、メタボ対策にも、女性のダイエットも、全てに関わってくるのが、筋肉を増やすということです。
とにかく、筋肉を鍛えてください。筋肉を鍛えることは、これらすべてにプラスに働きます。筋肉が働くことよよって基礎代謝があがってきます。基礎代謝があがれば、運動しなくても、内臓脂肪をエネルギーとして分解してくれます。病気の元凶である内臓脂肪を分解して減らしてくれるわけです。
また、筋肉は人体最大の熱産生器官ですから、筋肉を鍛えることによって、体温があがる方向に働く。体温があがってくると免疫力があがりますから、自分自身のガン細胞を監視する能力もあがってきますし、外からのウイルス感染に対しても強くなる。抵抗性がでてくる。風邪をひきにくいし、ひいたとしても直りやすい。そういう丈夫な体作りのためにも、筋肉を鍛えることは重要なんです。


−−でも、マッチョになるのはイヤっていう女性も多そうですね。

齋藤先生 たしかに、筋肉を鍛えるということに抵抗感がある方がいらっしゃいます。そこで本の中では、姿勢保持筋肉、つまり正しい姿勢を保つための大きな筋肉を鍛えましょうと説明しています。それに鍛え方によって美しいプロポーションを維持することができるんですよ。たとえば、大胸筋を鍛えると、バストアップに繋がりますし、正しい姿勢は美しいシルエットラインを作り出します。くびれたウエストもそうです。お腹の筋肉や、背中の筋肉、お尻や太股。このような大きな筋肉を鍛えることで、美しいスタイルを維持することができます。なので、マッチョになるような鍛え方だけが、筋トレと考えないでいただきたいです。ハリウッドのスター女優も、みなさん、ベンチプレスやスクワットをやっています。それが美しい姿勢や、バストをキープする上で、大きな筋肉が大事だということを知っているからです。


−−健康であることと美しいことは重なってくるんですね。

齋藤先生 最後に知っていただきたいのは、筋肉は重力の密度が高いということです。内臓脂肪に比べて1.2倍ほど。ということは、極端な話をしますと、5キロの内臓脂肪がそっくりそのまま筋肉になったとすると、体重そのものは1キロ増えてしまいます。見た目的には、内臓脂肪が筋肉に変わって、引き締まります。ベルトも1センチ緩くなりますし、履けなかったジーンズも履けるんですよ。だから、見かけの体重にごまかされないでください。
この現象の逆が影響するのは、いわゆるリバウンド現象です。リバウンドというのは、たいへんオソロシイことで、無謀なカロリー制限によって筋肉を鍛えないダイエット法をやっていると、筋肉からやせてしまいます。いったん筋肉がなくなってからリバウンドすると、その分、脂肪がついてしまいますから、サイズも増えるし、さらにやせにくくなり、低体温になって、病気になりやすくなる……。けっして、体重という見かけの単位にごまかされないでください。


−−運動しながら、体重のことはいったん忘れてしまったほうが良いんですね。

齋藤先生 そうですね、あくまでも目安でいいと思います。過剰なダイエットで食事制限するより、筋肉を鍛えることが大切です。
正しいカロリー制限をし、筋肉を鍛え、必ず寝る前に4時間あけること。この3点を守っていただければ、必ず、目的の体型まで持っていけます。体温も36.5度以上をキープできるようになれば、免疫学的にも丈夫な体になりますし、風邪を引きにくい体質を作ると同時に、ガンというシリアスな問題もおこりにくくります。全てつながってくるんです。
これは生理学ですので、男性・女性関わらず、みなさんが知識として共有していただいて、自己管理に役立てていただければと思います。必ず1日一汗、実行してください。


−−貴重なお話をありがとうございました!





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