楽天ブックス 著者インタビュー

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子どもを持つママの間で、「体操のおにいさんってステキよね〜」という噂が流れ始めたのが数年前。NHKの幼児番組で「体操のおにいさん」を12年間務めた「ひろみちおにいさん」こと佐藤弘道さんは、この春「体操のおにいさん」を卒業しました。新しいスタートと同時に発売されたエッセイ集が人気を集めています。

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佐藤弘道さん『子どもはぜんぜん、悪くない。』『子どもはぜんぜん、悪くない。』
12年間、子どもたちを見つめ続けてきた体操の「ひろみちおにいさん」が、初めて語る自分のこと。そして、指導者として、父親として語る、子どもたちへの溢れる思い。撮り下ろし写真満載。
1,000円(税込)
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プロフィール

佐藤弘道さん (さとう・ひろみち)
1968年東京生まれ。日本体育大学を卒業後、スポーツインストラクターなどを経て、93年からNHK「おかあさんといっしょ」の「体操のおにいさん」を12年間務める。この春卒業し、子ども向け体操教室や指導者の養成など「子どもと向き合うこと」をテーマとして活動を続けている。小学生と幼稚園児の2人の息子の父親でもある。 ◇
佐藤弘道オフィシャルサイト :  http://www.sato-hiromichi.com/

インタビュー

−−「体操のおにいさん」のご経験から、また現役育児中のお父さんとして、「子育ての中で大事にしていること」がありましたら、教えていただけますか?
佐藤さんやはり「触れ合うこと」、コミュニケーションですね。一緒に遊ぶ時間をできるだけ作るなど、そういうことがいちばん大事だと思っています。 それから、社会的なマナーやルールも家庭の中でしっかり教えておきたいと思っています。食事作りのお手伝いをさせるとか、そういうことって「家庭教育」の大事な部分ですよね。最近は家庭でやるべきことまで学校に求めてしまう傾向があるみたいだけど、それはちょっと違うんじゃないかな。 一方で、「親だけで子育てしなければ」と肩に力を入れすぎず、親戚や地域の方たちと支えあうことも重要。「親戚」などのタテのつながりと、「地域」というヨコのつながりと。そういった、子育ての経験がある人たちと協力し合いながらやっていくのが、僕の理想ですね。
−−今回のエッセイ「子どもはぜんぜん、悪くない。」というのは印象的なタイトルですね。「はじめに」の部分で「社会の環境は変わったけれど、子ども自身は何も変わっていない」と書かれていますが、「変わったのは大人のほう」ということでしょうか?
佐藤さんそうですね。今のお母さんたちを見ていると、子育てに対してすごく必死になっているという印象を受けます。その結果、子どもの行動を先回りし過ぎているような気がしますね。 本でも書きましたが、「大人がバナナの皮をむいてくれるのを待っている」ような子どもは本当にいるんですよ。でも、それは子ども自身が悪いんじゃない。「指示待ち」の子どもにしてしまうのは大人なんです。 もっとも、先回りしてしまう親の気持ちも分かるんですけどね。僕も上の子が生まれたばかりの頃はすごく肩に力が入ってたと思うし、敏感でしたから。「お風呂のお湯は何度、雑菌が心配だからベビーバスで」なんてやっていましたよ(笑)。下の子が生まれてどんどん大ざっぱになっていきましたけど(笑)。
−−やはり、「父親になって初めて分かったこと」というのは大きいのでしょうね。
佐藤さんええ。「体操のおにいさん」になってから、「子どもは好きですか?」という質問を受けることが多かったんですが、そのたびに「もちろん、好きですよ」と答えていたんですね。それが自分の子どもが生まれてからは、今まで思っていた「好き」とは比べものにならないくらい、「子どもって本当にかわいいなー」と思うようになりました。 そうすると、今度は番組に参加してくれる親子の、親の側の気持ちが分かるようになってきましたね。「一生に一度のことだから、子どもにがんばらせたい」という親の気持ちと、でも一方で、慣れない場所で不安そうに泣いている子どものこともかわいそうだし・・・。両方が分かるとツラいこともありましたけど。 それも、「親としての経験・体験」が自分のものになってきてるということだな、と思いました。勉強になりましたね。
−−2002年から、子ども向けの体操教室を運営されているそうですね。具体的にはどんな指導をされているんですか?
佐藤さん僕の中では、「スポーツは危険を伴うもの、運動は身体にいいもの」という分類なんですね。だから、子どもの場合は「スポーツ」ではなく、まずは「運動遊び」。子どもは楽しくないと身体を動かしませんから。そして、「運動」の楽しさが分かってきたら、だんだんサッカーや野球などの「スポーツ」に興味が出てくる。そういう順序になると思っています。 でも今は、「運動」の段階を飛び越えて、いきなりスポーツのクラブや何かに行ってしまう傾向があるんじゃないかな。小さいうちにいきなりサッカーを始めるのではなく、その前にやっておかなくちゃいけないことがある、というのがうちの教室なんです。 子どもって、身体の中にすごいエネルギーを持っているんですよね。身体を使ってそのエネルギーをうまく発散させてあげないと、子どもはあまり食べないし、寝なくなる。「よく学び、よく食べて、よく寝る」のためには、「運動遊び」はとても大事なことなんですよ。
−−なるほど。ところで、佐藤さんのお子さんは小学2年生と幼稚園の年中さんだそうですね。「パパは体操のおにいさん」ということについて、お子さんたちはどのように受け止められていたのでしょうか?
佐藤さん上の子と下の子で反応がぜんぜん違いますね。もともと、「上の子は神経質で几帳面、下の子はマイペースで思ったとおりに行動するタイプ」と正反対なんです。 上の子は、「テレビに出ているのはひろみちおにいさんで、うちにいるのはパパ」と、きっちり分けて認識していたみたいです。最初に冗談半分で僕やカミさんが「あれはひろみちおにいさんでしょ。これはパパでしょ。」って言ってしまったら、子どもなりに何か察してしまったのか(笑)、「別の人」って思うようになったようなんです。 園や学校で「お前んちにはひろみちおにいさんいるんだろー?」ってからかわれて「いないよ!」って答えてケンカになったこともあるらしくて。そういう意味ではちょっとかわいそうなところもありましたね。 逆に、下の子の場合は外出先でもどこでも、幼児雑誌などで僕の写真を見つけると「わー!パパ!パパ!」って(笑)。もう、そのまんまなんですね(笑)。 それでも、実際の収録現場では、やはり違ったようです。実は、カミさんが出したハガキが当たって、下の子が僕と一緒に番組に出たことがあったんですよ。彼のことだから、収録中に「ねえねえ、パパ〜」って言われるんじゃないかと僕はドキドキしてたんです(笑)。 それがその場になったら、「あれはパパじゃない」って。「普段のパパとは違う」って自分で思ったみたいですよ。「ひろみちおにいさん〜」って声かけてきましたから(笑)。
−−きっと、「仕事中」という特別な雰囲気が伝わったんでしょうね。
佐藤さんそうですね。そういう意味では「父親が働いているところ」を子どもに見せることができたのはよかったですね。僕も自分の両親がやきとり屋で働く姿をいつも見て育ちましたから。子どもにとって、そういう経験は必要ですよね。 普通のサラリーマンではなかなか難しいかもしれませんが、そのうち「お父さんの職場見学」のようなものを企画できたら、とも思っています。
−−最後に、現在育児中の「お父さん」に向けてメッセージがありましたら、お願いします。
佐藤さん父親と母親っていうのは、存在自体が違いますよね。正直、子どものことは母親にはかなわない。だからこそ、父親は自分ができるところを見つけて積極的に子どもとかかわっていかないと、存在感がどんどん薄くなってしまうという気がします。 子どもが男の子の場合は「一生一緒にお風呂に入れる」っていう母親より有利な点もありますから(笑)。そういうところを見つけて自分から子育てに入っていかないと、家庭に父親の居場所がなくなってしまいますよ。仕事も大事ですけど、子育ては今しかできないことですからね。
佐藤弘道 4月に舞台で怪我をされ、片腕を固定されたお姿で現れた佐藤弘道さん。「今日もこれから舞台に出演されるんですか?」というこちらの問いに、「ええ。できるところだけですが、出ますよ。」とのお返事が。全てに本気で、全身でぶつかっている。そんな「ひろみちおにいさん」から、今後もますます目が離せません!本当に、どうもありがとうございました。【インタビュー 吉森福子】

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