トップ > キャンペーン・特集 > > 著者インタビュー > ショーン・レノンさん

楽天ブックスx毎日jp
著者インタビュー 最新号 バックナンバー

『自分の「ちょうどいい」ってどんな感じ?大人も子供も、ちょっと立ち止まって考えよう「子どもを人間として扱うことが大事」
ショーン・レノンさん 絵本『ちょうどいい ほん』

亡くなった父のジョン・レノンさんと同じく音楽や映像、絵画などで幅広く活躍するアーティスト、ショーン・レノンさん。1月に出版された絵本『ちょうどいい ほん』(講談社)の作画を担当し、物質的な豊かさと対極をなす「ちょうどいい」という思想に触れるウサギの少年少女を、独特のタッチの鉛筆画で表現している。ショーンさんに話を聞きました。


ショーン・レノン氏初の描きおろし絵本!
『ちょうどいいほん』(ショーン・レノン/照井晶博)
『ちょうどいいほん』(ショーン・レノン/照井晶博)
1,575円(税込)


ジョン・レノン&オノ・ヨーコの本


死の二日前、ジョンがヨーコと行なったロング・インタビュー
『ジョン・レノン ラスト・インタビュー( ジョン・レノン /ヨーコ・オノ)』
『ジョン・レノン ラスト・インタビュー( ジョン・レノン /ヨーコ・オノ)』
520円(税込)

ジョン・レノンのすべてを、未公開写真とともに回想
『ジョン・レノン ロスト・ウィークエンド(メイ・パン /山川真理)』
『ジョン・レノン ロスト・ウィークエンド(メイ・パン /山川真理)』
2,940円(税込)

ジョンのギター・プレイ、ピアノ・プレイの解説も!
『ジョン・レノン(ヤマハ・アトスDVDブック・シリーズ』
『ジョン・レノン(ヤマハ・アトスDVDブック・シリーズ』
3,990円(税込)

ジョンとの出会い、ショーンの子育てなど、オノ・ヨーコの半生記
『オノ・ヨーコという生き方〜WOMAN〜(アラン・クレーソン/バーブ・ジュンガー)』
『オノ・ヨーコという生き方〜WOMAN〜(アラン・クレーソン/バーブ・ジュンガー)』
1,995円(税込)

私はただ私でありたい・・・オノ・ヨーコの100%をお伝えします
『ただの私(あたし)  ( オノ・ヨーコ /飯村隆彦)』
『ただの私(あたし)  ( オノ・ヨーコ /飯村隆彦)』
520円(税込)


プロフィール


ショーン・レノンさん (Sean Taro Ono Lennon)
1975年、ニューヨーク生まれ。父は元ビートルズのジョン・レノン。母はオノ・ヨーコ。1998年に初のソロアルバム「Into the Sun」を発表。2006年のアルバム「Friendly Fire」ではアルバム全曲に映像をつけて発表。脚本、演出にも参加。アニメーションの原画も描く。2008年、ホンダFREEDのTVCMに出演。同年9月、本田ゆからとともに個人レーベル「Chimera Music」を設立。2009年1月「Chimera Music Release No.0」発表。本作は、初の絵本。

インタビュー


ショーン・レノンさん−−絵本を刊行するきっかけは。

ショーンさん (現在、ショーンさんが出演しているホンダのCMの)「ちょうどいい」というコピーを書いた照井(晶博)さんが、打ち合わせの際、いつも僕が絵を描いているのを見て「絵本をやったらいいんじゃないか」という話になりました。とても可愛い話で、ウサギが主人公というのが気に入り、自分がウサギ年生まれということもあり快諾しました。自分のめいとおいを主役の顔にしようと思って、わくわくした気分で描けました。


−−「ちょうどいい」という日本語がタイトルになっています。

ショーンさん 「ちょうどいい」という言葉が持っている意味とかイメージとか、まったく同じような英語がないので、そのまま使いたいと思いました。同時に「ちょうどいい」という言葉の意味が、今の時代、とても大事だと感じているので、この言葉を表に出したかった。自分の加減を知る。昔みたいに「もっともっと」とか「もっと強く」とかいう考えを捨て、自分の「ちょうどいい」を知ることによって、地球は存続できると思います。


−−なぜ鉛筆画なのでしょうか

ショーンさん 鉛筆の素晴らしいところは消せるところ(笑い)。これまでは消すことは「ずるい」という考え方をしていました。もしペンでそのまま描けないものであったら、それは一からやり直すべきだと考えていました。しかし、まるで自分の頭の中で革命でも起きたかのように、鉛筆を使う喜びみたいなものが急にやってきて、鉛筆からインスピレーションをもらいました。アートに関しては自分がやりたいことを、他のことを考えずにどんどん追求していきたいと考えているので、そのとき鉛筆と決めたら、もう鉛筆以外は考えられませんでした。


−−色がない分、難しかったのでは。

ショーンさん 絵本が白黒であった時代の方が、カラーであった時代より歴史は長い。そういう意味では、白黒は非常にタイムレスなクオリティを持っていると思う。色を付けてもいいけれど、付けたから良くなると自分が思わない限り付けたくない。色を付けたことによりギミックっぽくなってしまったりとか、ちょっと品のないものになってしまったりとか、そういうことをしたくないと思いました。


−−絵柄がずいぶん大人びています。

ショーンさん 意識的に可愛くならないように描きました。子どもにある程度チャレンジを要求するということは、非常に大事なことです。本でも音楽に関してもそう。例えば、ぼくは子どものころ「ファンタスティックプラネット」(ルネ・ラルー監督/1973年)という映画をよく見ていました。それは怖さや、人間の面白さを伝えるものがあり、子どものころにとても深いアートを経験することができた。ところが、なぜか80年代の終わりごろから、子どもに見せるものがシンプルになってきた気がします。子どもに簡単な、やさしいものを見せようとする傾向が出てきたのは、私たちが彼らに罪悪感を持っているからかも知れません。「世界がめちゃくちゃで申し訳ない」「そういうところを見せたくない、知られたくない」と思っているのだろうけれど、そういうやり方は、逆に子どもの将来を難しくしてしまいます。本当に社会のためを思うのならば、子どもを幼稚なものと扱わず、人間として扱っていくことがとても大事です。例えば、四歳の子ども、十歳の子どもと年齢別に分けて、下になるほど幼稚なものを見せていくという考えは間違っていると思います。「不思議の国のアリス」は大人になって読んでも深いものがあります。そういうことを、ぼくはやっていきたい。


ショーン・レノンさん−−お父さまもお母さまも絵には造詣が深いですね。ご両親の影響は。

ショーンさん 父はぼくが真剣に絵を描く前に残念ながら亡くなってしまいました。しかし幼いころ、父とゲームみたいに絵を描く遊びをよくしました。それが、父がぼくに教えてくれたことだと思います。母はこうやった方がいいとは教えてくれません。どちらかというと、母が絵を描いていて、その姿を見ながら学ぶ、そういう教え方をする母でした。世の中には二つの生き方があります。一つは親の後を継いでいくというもの、もう一つは自分で新しいものを作っていくというもの。どちらもすごく難しいと思います。難しいだけに得るものも多いと思います。特に両親が有名なので、親の後を継いでいくというのはとても難しいのですが、自分にはそのチョイスしかありませんでした。最近は親から独立するという考え方が主流かもしれませんが、自分はトラディショナルな生き方を望みました。残念ながら父ほどの活動ができているとは思っていませんが、母の手伝いをすることで平和に貢献したいと思っています。


−−音楽と絵、それぞれの表現方法について。

ショーンさん 私の母はアーティストで、彼女から教わったのは「アートにやり方は関係ない」ということでした。思想こそがアートです。だからそれが歌であろう絵であろうと、結局、自分がその思想を表現したり、現実にやっていくという意味では、すべてのものがアートと言えるのではないか。もちろん違う部分もあります。絵というのは一度見て、脳の中でこれが何かということを考え、形を理解して、論理的な部分を通ってから感じるものです。しかし音楽というのは、そういう論理的な部分を通り越して、直接感情や心に訴えてくる力を持っていると思います。


−−読者に一言。

ショーンさん この本を読んで喜んでくれたら本当にうれしい。次に公演で来日したときは、ぜひ会いに来てください。







最新号 バックナンバー

このページの先頭へ