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須藤元気さん

不思議な体験に満ちた中南米旅行記『レボリューション』。元格闘家であり、役者・モデル・作家とマルチに活躍する須藤元気さんが次に起こす革命とは?

 アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、ベネズエラ、メキシコ。映画にもなった『モーターサイクル・ダイアリーズ』で革命家チェ・ゲバラが辿った同じ行程を目指し、須藤元気さんとニートの友人イトウくんが旅に出た。メキシコの聖地で須藤さんが体験した不思議な出来事とは? 最新作『レボリューション』について、須藤元気さんにお話を伺った。
みなさんも『レボリューション』で須藤さんと中南米の旅を疑似体験し、ワクワクしてみませんか?



須藤元気さんの本


『レボリューション』
『レボリューション』
講談社
1,250円(税込)

『神はテーブルクロス』
『神はテーブルクロス』
1,320円(税込)

『風の谷のあの人と結婚する方法』
『風の谷のあの人と結婚する方法』
1,260円(税込)

『幸福論』
『幸福論』
1,800円(税込)

『幸福論(文庫)』
『幸福論(文庫)』
798円(税込)


須藤元気さんのオススメDVD

『須藤元気/GENKI SUDO』
『須藤元気/GENKI SUDO』
4,725円(税込)

『モーターサイクル・ダイアリーズ』
3,591円(税込)


須藤元気さんのオススメCD

『メロンコリーそして終りのない悲しみ』
『メロンコリーそして終りのない悲しみ』
3,058円(税込)
※収録曲の「トゥナイト トゥナイト」が旅行中に流れていた曲です。

プロフィール


須藤元気さん (スドウゲンキ)
1978年東京生まれ。格闘家として活躍していたが、突如リング上で引退を表明。引き際の潔さが話題となる。現役中に役者、モデル、さらに書道家としてわが国最大規模の「毎日書道展」に入選。また著書『幸福論』『風の谷のあの人と結婚する方法』『神はテーブルクロス』がベストセラーになるなどマルチな才能を発揮し、その活動を通じて「WE ARE ALL ONE」(すべては一体である)というメッセージを発信している。

インタビュー


−−新著『レボリューション』において、須藤さんがもっとも訴えたかった「思い」とは何でしょうか?


須藤さん 旅をして色々と見えてくるものがあると思うんです。これまで自分を一番成長させたのは、本を読むことと旅です。本を読んで知り、旅で体感する。今回、この2つをリンクさせることで自分がより成長できるのではと思いました。
自分の体験を伝えることで読者の皆さんに、少しでも外に出てみようとか、ちょっと旅に出てみようと思ってほしいですね。「旅によって見えてくるものがある」という気づきがあれば嬉しいです。

『レボリューション』
『レボリューション』


−−この本は、どのような方にどんなふうに読んでもらいたいですか?

須藤さん これまで女性の読者が多かったので、男性の方にも、志気高まるというか、モチベーションがあがるように書きました。老若男女問わず、夢を持って改革していこう、現状を打破しようという方の、後押しができればいいと思っています。


−−これまでの作品と比べて、もっとも大きな違いはなんでしょうか?

須藤さん  全編書き下ろしの旅モノということですね。ブログにはリアルタイムでさわりだけ掲載しているのですが、文章は旅行中に、すべてノートPCで書いたものです。写真は、ボクとイトウくんが撮りました。

過去に3冊本を出しましたが、四国のお遍路巡りの旅行記である『幸福論』がいちばん面白いという人がけっこう多いんです。自分が実際に旅をして感じて書いたことは、やはりリアリティーがある。それに、説教くさくならないのがいいですね。特に『風の谷のあの人と結婚する方法』は哲学的な内容なので、偉そうにならないようにギャグを入れ、説教調にならないよう苦心しました。


−−今回も、須藤さん独特のギャグが、随所に盛り込まれていますね。

須藤さん  人間、理屈ではなく、笑ったときに本質的なものがスッと入ってくると思うんです。笑うと心の振動数があがるからです。あと、人は、自分を笑わせた人を嫌いになれないという習性がある。1回でも笑ってしまうと、著者を嫌いになれないんです(笑)。笑わせることで、読者を喜ばせようと、常に心がけています。


−−中南米各地の食べ物の話題やディテールが多く、「食」の面からも楽しめますね。あれだけ肉ばかり食べていて、飽きませんでしたか?

須藤さん  飽きましたね〜。肉は、帰ってきて当分食べませんでしたね(と言いつつ、やはりインタビュー当日チキンを召し上がっていた須藤さん)。

「食」はイマジネーションが湧きやすいので、追及したんです。
本の前半は入りやすく軽めに、そしてだんだん深く、政治的な思想にも触れています。本は結局その人が必要とするところしか読まないし、響かないところは飛ばしてしまうんだろうけど、それでいいと思うんです。


−−今回の中南米旅行は、須藤さんにとってどのような意味がありましたか?

須藤さん  まさしくタイトルのとおり、レボリューションですね。また、格闘技を引退して次のステージにあがるためのひとつの序章だったと思います。後々、ボクの思想を知ってもらう上で、この旅で綴ったことが、大きな意味合いを持つと思います。特に印象に残ったのは、最後の目的地、メキシコの地での出来事です。


−−なぜ、旅先として「中南米」を選ばれたのですか?また、旅行の前後で、「中南米」のイメージは変わりましか?

須藤さん 日本の反対側であまり情報がなく、なかなか行く機会がないということで、選びました。より違った視点でものを考えられるのかなと思ったので。
それに、『モーターサイクル・ダイアリーズ』の映画がよかった。旅は人間を変えるのかな、と思い、主人公のチェ・ゲバラの通ったルートを辿りたくなりました。個人的には、チェ・ゲバラよりも、トロツキーが好きだったりするんですけど。

もともと歴史が好きで中南米の歴史についても分かっていたつもりなのですが、頭で理解することと知ることとは別。激しい貧富の差を肌で知ることができました。南米に比べれば、日本は、まったく格差社会ではないと感じましたね。理解していたことが、知ることに移行したのです。

『レボリューション』
『レボリューション』


−−装丁にインパクトがあり素敵ですが、デザインを決めるまでの過程をお聞かせください。

須藤さん 『風の谷のあの人と結婚する方法』『神はテーブルクロス』に続く3部作ということで、青、白、赤にまとめました。いずれはレインボーカラーにしたいですね(笑)。トリコロールカラーにしたのは、直感的に自由、平等、友愛、をイメージしたこともあるし、単純にきれいだから。

イメージ的に南米は、情熱と革命の赤。共産主義のシンボルマークは赤の星だけど、そこに、白の星をつけて可愛くしてみました。赤は「革命の血」だけど、ボクは、「血を流さないで革命を起こしたい」という願いがある。「レボリューション」というタイトルも、まさしく直感です。


−−須藤さんは、これからどんな革命を起こしていかれるのでしょうか?

須藤さん  人類はこれからが、最大の転換期。どうなるか、楽しみでもあります。
まずは、環境問題を中心に取り組みたいですね。これは、自分の内側との闘い。最後の闘いは、自分の内側の核にあるエゴとの対決にあると思います。エゴをコントロールできればいくらでも世界は変わる。

世界を変えるのは、自分の内側です。みんな外側を変えたがるが、自分のチャンネルを変えないと世界は変わらない。個人的には、政府の“Cool Earth Ambassador(クール アース アンバサダー)”の活動、チーム−マイナス6%への参加、プリウス(エコカー)に乗る、名刺・著書は再生紙を使う、エコ電球など、自分のできるところからはじめています。


−−須藤さんの取り組みが、エコロジーの啓蒙活動になるとよいですね。

須藤さん  うーん、啓蒙というか、押し付けることは好きではありませんね。環境問題はノーとは言えない問題だからこそ、アプローチの仕方が大事なんです。ノーと言えない問題は、なかなか広がらない。だから、自分の内側から変わってもらえる活動をしたいですね。

まずは、世界のシステムを変えないと。これまで「物が人を幸せにする」と考えられてきたけど、それは違う。人類全体の価値観を転換しないと地球は終わってしまう。地球温暖化はその最たるもの。ロハスやエコでは間に合わないのが現状です。


−−エコロジーを押し付けるのではなく、もっと本質的に内面を変える取り組みが必要なのですね?

須藤さん そうなんです。環境問題は人の心の問題なので、まずは、1人ひとりの意識を変えることが大切になります。
今の社会は病んでいると思います。意識的に前向きな言葉を発する、人の噂やゴシップは避けるなど、前向きな意志を持って生活しないと、無意識にしていてはネガティブな方に自分の主軸が傾いてしまう。

ドラマでや映画を観ていても、いとも簡単に人が死ぬ。ドロドロのストーリーばかりがメディアで放映される。ポジティブな人が少ないから、前向きなものは視聴率がとれないんです。そればかりを観ていても、自分が幸せになるのは難しいのではないでしょうか。

周りを変えようとするには、まず自分が幸せになること。自分が幸せになれば、周りの人も幸せになる。会ったときに感じる感情やオーラ、身振り手振りの影響は大きい。言葉で伝えることができることは、ほんのわずか。実際に幸せそうな人を見て、「なんで幸せそうなの?あ、そういうことなんだ!」と初めて気づくことができる。眉間にしわを寄せて難しいことを言うだけでは、人は説得できないと思っています。


−−須藤さんが「WE ARE ALL ONE」(すべては一体である)のキャッチフレーズを使うようになったきっかけを教えてください。

須藤さん 最初は、「I AM ONLY ONE」と思っていました。お金をたくさん稼いで、有名になって、素敵な女性と付き合い、いい服を着て、おいしいものを食べたいというボクがいた。そして成功を得たと思っていたけど、実は全然周りを見ていなくて、ある日、足元をすくわれた。人が離れていって、はじめて気づいたんです。
でも、一番のきっかけは、アメリカの同時多発テロ(9.11)事件。自分が成功しても世界が終わったら仕方ないと気づいたんです。

『レボリューション』
『レボリューション』


−−須藤さんの思想は、ご自分の体験に基づくものなんですね。

須藤さん もちろんです。いきなり「WE ARE ALL ONE」と言っても、人には説明できないですよ。ボクはもともと貪欲でエゴだらけな人間。上昇志向が強く、少しでも上に行きたかった。自分だったら、昔の自分とは絶対友達になっていない(笑)。一緒にいて疲れます。

でも、それは人生のプロセス。ボクはその時期があったから今があると思っています。そういう人生プログラムのもとにあったというか、人生は、ある程度導かれているんです。すべての出来事は完璧なタイミングで起こるし、すべては必然。焦らず、全部うまくいくと思っていれば、本当にすべてがうまくいくと思ってます。


−−シンクロニシティーなどスピリチュアルな現象には昔から興味があったのですか?

須藤さん 本当にスピリチュアルを理解したのは、ここ数年のことですね。最初は、悟り気取りで、この世の中に興味がなくなりました。でも、見えないものが見えても意味がない、ということに最近気づいたんです。
人間は必ず溺れる日がきます。そこが落とし穴なんですよ。例えば格闘技や芸能界で成功したりすると、知らなかったことを知ってしまって、溺れたくなくても、溺れてしまう。そこで足元をすくわれて、立ち上がったときに、また違うステージに移行する。人生、その繰り返しですね(笑)。


−−格闘技を辞めたのは、須藤さんの目指す革命のためですか?

須藤さん そうですね。もっと大きなステージで勝負したかったから。
でも、格闘技をやりながらも、メッセージは一貫して発信してきたつもりです。


−−自分の中に「革命」を起こしたいと願うものの、日常に流されがちな私たち読者に、メッセージをお願いします!

須藤さん 頭で考えないでお腹に聞く癖をつけること。「この仕事をすれば親が喜ぶ、異性にもてる」など、頭で考えたことは、他者の価値観。そうではなく、それをイメージしたときに情熱が湧く、ワクワクした感情、つまりパッションによって行動すること。損得を考えて行動しても、突き抜けたことは出来ないし、すぐに挫折する。情熱のエネルギーが大切。大変でも夢があれば大丈夫。ワクワクする感情に従って行動すれば間違いないと思いますよ。


−−須藤さんのこれからの目標、夢をお聞かせください。

須藤さん 世界に出て行こうと思ってます。中南米の次に旅行したいのは、東ヨーロッパ。イラン側、ペルシャ側から上がっていきたいですね。
旅行に限らず、インターネットで世界の距離は縮まっていますし、日本男子として、この世の中にアウェイのない世界を作り上げていきたいですね。どこにいってもホームにしたいです。


−−今、英語を熱心に学習されているそうですが。

須藤さん 英語は世界共通語。日本語と日本文化を大事にしつつ、英語を話せるようにならないと世界には出られないですからね。
自分に必要とするツールは、環境問題、政治と、英語に限らず学んでいます。
来年の夏に北海道で開催されるG8に向けて、ある程度話せるようになるのが目標。ゴールを明確にしているので、プロセスも辛くないですね。


−−須藤さんにとっての次のゴールとは?

須藤さん うーん、自分の中では決めているんですが、小さいころから夢を語っても誰も信じないんですよ。格闘家、俳優、作家になりたいと言ったときも、理解されなかったですし。夢の結果だけ言っても誤解されてしまうので、ある程度、不言実行でいきたいと思います(笑)。


−−実現を楽しみにしています。本日はありがとうございました!



須藤元気さんは、内面も外見も繊細で字も美しく、とても素敵な方でした。格闘技に疎い私も、少しお話しただけで、独特のオーラに即ノックアウト。女性ファンが多いのもうなずけます。「自分の内面と闘い、行動で示すことで世界を変えていきたい」という須藤さんの言葉を聞き、私の心の中にも革命の火がつきました。「何かを変えたい」と願う方にとって、志気高まる1冊です。
【インタビュー 常山あかね】



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