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『生徒諸君!教師編』

あのナッキーが先生になって帰ってきた!TVドラマ化でも話題の名作コミックの続編庄司陽子さんが描く、『生徒諸君!教師編』

明るくパワフルなナッキーこと、北城尚子を主人公に、1977年から84年まで講談社「週刊少女フレンド」で連載され、一世を風靡した『生徒諸君!』。もう子どもでもなく、まだ大人でもない中学時代を過ごすナッキーと、悪たれ団と名付けられた5人の仲間たちの夢と希望、恋や葛藤を生き生きと描き、連載開始以来、読者の圧倒的な支持を集めました。84年には小泉今日子主演で映画化、さらにアニメ、ドラマにもなった少女マンガの金字塔ともいえる作品の続編、『生徒諸君!教師編』が現在、「BE・LOVE」誌上で連載中です。4月から内山理名主演で『教師編』がTVドラマ化されるなど、時代と世代を超えて愛され続けるこの作品への思いを庄司陽子さんに伺いました。


庄司陽子さんの本


『生徒諸君!教師編 1〜11 一気読みセット 特典付き』
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庄司陽子
講談社
4,400円 (税込 4,620円)

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『生徒諸君!教師編(12)』
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庄司陽子
講談社
400円 (税込 420円)



『生徒諸君!全巻セット』
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庄司陽子
講談社
7,806円 (税込 8,196円)

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『Let’s豪徳寺!』
『Let’s豪徳寺!』
庄司陽子
講談社
543円 (税込 570円)

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『春・飛行』
『春・飛行』
庄司陽子
講談社
700円 (税込 735円)

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庄司陽子さんのオススメDVD



『アラビアのロレンス』
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出演: ピーター・オトゥール
監督: デヴィッド・リーン





『生徒諸君』
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庄司陽子さん

プロフィール


庄司陽子さん (しょうじ ようこ)
千葉県生まれ。17歳の時に第2回講談社少年少女漫画賞の佳作となり、同年『海とルコックちゃん』でデビュー。1977年『生徒諸君!』の連載を開始し、翌年に第2回講談社漫画賞を受賞。その後も『Let’s豪徳寺!』や『聖域 −サンクチュアリ−』『春・飛行−四記−』など数々のヒット作を生み続けている。

インタビュー


−−まず、『生徒諸君!』から20年以上を経て、続編の『教師編』を描いたきっかけを教えて下さい。


庄司さん 続編の話はこれまでに何度もあったんですよ。でも、『生徒諸君!』は私にとっても特別な思い入れがある作品ですし、続編を描くのであれば、昔、読んでくれていた人にも、「やっぱりナッキーだな」と感じて欲しい。自分自身の絵も変わってきた中で、ナッキーが大人になった姿をどう表現すればいいのか、ストーリーをどうするかという問題もありました。そうしたことを一から考えるとなると、今やっている連載もあるので無理です、とお断りしていたのですが、「BE・LOVE」の現編集長が半年間の準備期間を与えてくれて、ようやく描くことになりました。


7年続いた前作の連載で、やりきった、という思いが強かったのでは?


庄司さん それはありますね。そもそも連載を始めた当初は中学編で終わる予定でしたから(笑)。ところが連載1回目の反響が良くて、「エンディングは考えずに描き続けて」と言われて。学園ドラマとして、学校内の話だけで終わるつもりだったので、突然そんなことになって、最初のうちは本当にきつかった。勉強もスポーツも万能で、しっかりとした意志を持った主人公を描こうとは思っていましたが、連載が続くとなると、ナッキーの家が貧乏なのか、お金持ちなのかといったことも含め、一つひとつの細かい設定が必要になるわけですから。


−−中学、高校どころか大学編まで連載が続き、ナッキーが中学教師として社会に旅立つところで前作は終わりました。そのナッキーが新たな学校に赴任するシーンから始まる『教師編』も、再び中学校が舞台ですね。


庄司さん 小学校時代というのは、親が子どもを育てる時期で、逆に高校生にもなると、ものすごく自我が出てくる。中学生というのはその中間の年齢で、あやふやで危うさがある一方、希望があって何でも考えられるような時期ですよね。そんな何でもできる時の豊かさを描くには、中学校を舞台にするのが一番いいかな、と思ったんです。


−−ご自身はどんな中学生でしたか?

庄司さん バカなことばかりしてましたね。やってはいけない校則違反みたいなことばかりやって。とにかくやんちゃで、小学校の6年間、通信簿に「おしゃべりで困る」と書かれない時がなかったぐらい。中学の入学式でもおしゃべりして壇上から校長先生に怒られて、教室に戻って先生に怒られ、自宅で母親に叱られて……と3段階で怒られたぐらいです(笑)。


−−その当時から漫画は描かれていたのですか?


庄司さん 漫画というより、絵を描いていました。母親が絵が好きで、家でよく描いていたので、小さい頃から真似をして描いていたんです。でも、母親が描くのは芸者さんとか舞妓さんばかりで、まるで時代劇の世界で(笑)。カレンダーや広告の裏に絵を描いていると、よく友達から欲しいと言われたのですが、まだ紙が貴重な時代だったので、自分の描いた絵と白い紙と交換してもらい、それにまた描いていました。
漫画を読むのも好きでしたが、お金がなかったから、クラスの中で、それぞれ買った本をみんなで回し読みしましたね。あなたはフレンド、私はマーガレット、僕はマガジン…という風に。男女区別なく友達を作るタイプだったので、男の子たちも入れて、みんなでよく遊びました。


−−まるで『生徒諸君!』でナッキーたちが結成した悪たれ団のようですね。


庄司さん そうですね。悪たれ団はある意味、当時の私の分身みたいなものです。


−−『生徒諸君!』で学園ものに取り組んだ理由とは?


庄司さん 子供の強さや大らかさを描きたかったからです。そもそも漫画家になろうと思ったのは、中学2年の時、当時、16歳だった里中満智子さんのデビュー作を読んで、「漫画家って仕事になるのか」と知ってからなのですが、『生徒諸君!』を描いたのも、病気で倒れられた里中さんのピンチヒッターとして、連載を全部引き受けたことがきっかけでした。その時がちょうどデビュー10年目。ただ楽しんで描くのではなく、作品の中に自分なりの謎解きを入れて、それに読者がひっかかってくれるといったように、いい意味で読者を操ることのできる作品を描きたい、自分の思いを伝えられるものを描こうと思い始めた頃でした。ところが40ページの連載を10回描くつもりだったのに、編集者から30ページ10回でいいからと言われて。その言葉を聞いた時は、「この作品が読者に受け入れられなかったら、漫画家としての将来はないのかもしれない」と感じて、すごく焦りました。そういう意味で、『生徒諸君!』は、私がようやくプロとして仕事をしようと決意した時の作品でもあるんです。


−−現在、11巻まで刊行されている『教師編』では、「教師不信」がテーマですが、読んでいて非常にリアリティがあると感じました。やはり、今の社会から感じたことが反映されているのでしょうか?

庄司さん もちろん、作品を描く時には必ず社会を見ていますから。私たちが子供の頃は、教師が生徒の犠牲になったという話があって、先生というのは聖職のイメージが強かった。私は「教師も人間だ」と主張し始めた時から、教育が崩壊したのではないかと思うんです。同じ人間であっても、人を育て、教えていく作業は、誰でもできることではないと思いますね。『教師編』で「教育不信」をテーマにしたのは、教師として、生徒に信じてもらえないのは一番困るし、何よりも苦労することだと思ったからです。だからこそ、あえてナッキーをそうした状況に置いてみたんです。


庄司陽子さん−−前作から一貫して友情が一つの大きなテーマになっていますが、『教師編』では、「親友という言葉を軽く使わないで欲しい」という台詞が出てきて、友達の意味を改めて考えさせられました。


庄司さん 私は5人姉妹の中で育ったのですが、それぞれ個性が全く違うし、姉妹といっても、心の中を何でも打ち明けたり、自分の悩みを全部相談するわけではありません。特に女の人は、環境が変わると人が変ることも多いでしょう。そんな環境に育って、客観的に姉のことや人間関係を見てきたので、友達同士の関係にしても、相手に甘えて、何でも相談するのが友情だとは思わないんです。漫画家という、ある意味でとても孤独な職業の世界に若い時に入ったので、自分のことは自分で決めて、責任を負わなければならないと、かなり早い段階から気づかされてきたというのもありますね。


−−40年にわたり第一線で活躍を続けられていますが、漫画家以外のご自身を想像できますか?


庄司さん できないですね。デビュー2、3年目は腱鞘炎になったりして本当に辛くて、「明日からはOLをになろう!」とおまじないのように唱えてね(笑)。でも、描き終えると、「次は何を描こう」と考えているんです。
実は先日、ボランティアで中学校に漫画を教えに行ったんですよ。「今の子供はすぐに飽きるから」と聞いていましたが、そんなことはなくて、授業が終わった後の机や椅子の片付けもきちんとやってくれました。今の子供は夢がないと言われますが、自分の中学時代と同じぐらい素直で、思わず教師になりたいと思ったぐらい(笑)。最後に、「情熱と辛抱があれば、何でもできる」と言ってきたのですが、子供たちと向き合って、自分の中に伝えたいものがいっぱいあるな、とつくづく感じました。


−−たくさんの伝えたい思い、それが今後の『教師編』に込められていくのでは?


庄司さん そうですね。若い頃は、「『生徒諸君!』の庄司陽子」と言われるのが嫌だったんです。他にもたくさんの作品を描いて、みんな自分のかわいい子供なのに…ってね。今は、この作品は私の分身だから仕方ないと思うようになりました。ナッキーの言っていることは、私自身の言葉であることが多いんですよ。
いろいろな世界の漫画を描く中で、勉強して、吸収してきて、私自身も成長したんでしょうね(笑)。これからもナッキーをはじめ、分身と思えるような作品をどんどん描いていきたいと思っています。





『生徒諸君!』は中学、高校時代の愛読書。男女の友情やナッキーの切ない恋に涙したのはもちろん、それぞれに頼りがいのある男性キャラクターたちに憧れたものでした。『教師編』で久しぶりに再会したナッキーと悪たれ団の仲間たちは、前向きで真っ直ぐな魅力に加え、人間としての自信を感じさせる豊かな大人に成長していて思わずジーンとしてしまいました。「伝えたいことがたくさんある」という庄司さん。以前、ファンだった人も、初めて読む人も、『生徒諸君!』の中に散りばめられた言葉の中に、心に響く何かをきっと発見できるはずです。
【インタビュー 宇田夏苗】


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