楽天ブックス 著者インタビュー

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楽天市場にネットショップをオープンして、たった3年で年商1億を達成。その上、楽天市場のベストショップを決定するショップ・オブ・ザ・イヤーの「ベスト店長賞」を2年連続受賞した、竹内謙礼さん。現在は、その経験を活かして経営コンサルタントとして活躍されています。ネット物販の仕組みを熟知し、楽天市場だけでなく自社サイトや大手ショッピングモールでも成功した竹内さんのノウハウは、リアル店舗、ネットショップを問わず、誰もが知りたいところです。「楽天でNo1になれた 幸せなお金の儲け方」という本を出版した竹内さんと、編集担当者のイーストプレスの屋田さんにその秘密を伺いました。

プロフィール

竹内謙礼さん ((たけうち・けんれい)
1970年高知県生まれ。ネットショップ・リアルショップの経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て、観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わり、通信販売や実店舗の運営、企画立案等を行う。2001年より「楽天市場」に乳製品を販売するネットショップを出店し、オープン3年目で年商1億5000万円を達成。2年連続で楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤー「ベスト店長賞」を受賞。またオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」において、2003年度準グランプリを受賞。現在は、企業の人材教育の他、経営者に対し戦略指導なども積極的に行っている。
竹内謙礼の「ボカンと売れるネット通信講座」http://www.e-iroha.com

インタビュー

−−「売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方 」「成功者しか知らない ネットショップ運営 儲かる秘訣が2時間でわかる本」の2冊に続いて、3冊目のご著書ですね。これまでの本と大きく違うのはどんなところなんですか?
竹内さんこの本、今まで書いた本の中で1番ノウハウを詰め込みました。ボクのノウハウを全部、出し切ったって感じです。読んでいただけばわかると思うんですが、読後感の満足度は高いんじゃないかなと思います。ここまで書いてしまうと、次の本にもうネタがなくなってしまうんじゃないかって怖くなったくらいですから(笑)。

 以前書いた本はただがむしゃらにノウハウを書いた感じだったんですけど、今回はもうちょっと話全体がまとまっている感じです。集大成って感じかな。自分がコンサルタントになると、ネット販売がわからない人にも、優しく説明するじゃないですか。「そういうことではなくて、こういう理屈なんだよ」って。コンサルタントって自分が今まで頭の中で考えていた「儲かる仕組み」というのをできるだけ噛み砕いて説明するんです。そういう体験を積んできたところがありますので、とってもわかりやすい内容になっているとも思いますよ。

 それと、ボクの今まで執筆した2冊の本は、どちらかと言えばノウハウ本でした。「何をやったら、こうなる」みたいな感じで、やり方を伝える本だったんですね。でも、今回の本は「竹内謙礼」と「楽天市場」と「成田ゆめ牧場」という3つの個性を文章の中にしっかり出させてもらいました。出版された過去の2冊を読んで「竹内さんてカタい人なのかなぁ」っていうイメージを持った人が多かったと思いますが、今回はそんなことないよっていうことが分かってもらえると思います。
−−ネットショップ店長だったのに、なぜ、独立して、コンサルタント業をはじめられたのでしょう。
竹内さん楽天市場でショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞すると、ネットショップの講演会なんかで全国を回らせてもらったりするんですよ。そこでは、ボク以外の「カリスマ・コンサルタント」って呼ばれる人たちのセミナーなんかもあって、受講者はみんな芸能人にでも会うような眼差しで講義を聴いているんですね。でも、そのカリスマ・コンサルタントが講義で書いたホワイトボードなんかを見てみたら、すごい昔に楽天大学(楽天市場で店舗を開業する人たちの勉強会)で習ったような基本的なネットショップ運営のノウハウが、ただペラペラと書かれているだけだったりするんです。  そんな具合で、今では古くて使い物にならないようなノウハウが、ローカルのネットショップセミナーではまかり通っていたりしているんです。

 その頃から、ネットショップで儲けるにはもっと効率的なやり方があって、それを伝える方法はないものか? とずっと考えてきました。あと、カリスマ・コンサルタントという立場の人達に対しても対抗意識が凄い強かったってこともあったと思いますよ。「ボクの方がノウハウとしてはスゴイの持ってんだぞ!」っていうのを、ちょっと見せびらかしたかったところも正直ありました。

 結局、そんな思いもあって、ここまで自分を育ててくれた成田ゆめ牧場と楽天市場にはワガママを言って、独立をさせてもらったところがあります。だからこの2つの会社には本当に恩義があるから、絶対にマイナスな影響を与えることはしたくないですよね。あ、でも本当に世間的に悪いことやってしまったらしっかり言うつもりですよ! ボクだって「ちょっと待ってよ!」って言わせてもらいます。(笑)。
−−楽天市場についても、ほんとによく書いてらっしゃいますね。
竹内さん 絶賛ですよ。「楽天マスター」って呼び名はカッコいいけど、よくセミナーなんかで「楽天のイヌ!」って野次られたりもしますよ(笑)。いいですよ、呼びたければ(笑)。

 いや、よく、反楽天みたいな意見を言う方がいるじゃないですか。その気持ちもわかるんですけどもね……。

 この本のあとがきにも書きましたけど、例えるなら楽天市場ってボクにとって「元カノ」みたいな感じなんですよ。昔付き合ってた彼女。その楽天市場って言う名前の彼女は、ホントにお客様をたくさん集めてくれて、面白いように商品を売ってくれて、ボクの隠れていた才能を山ほど引き出してくれた。でも、やっぱり男って凄いワガママだから、そんなに良い彼女がいるのにも関わらず、他の女と付き合ってみたくなる(笑)。  結果、彼女と分かれて、コンサルタントとして独立して、「自社サイト」という彼女や「大手ショッピングモール」という彼女とも付き合ってみたけど、やっぱり「楽天市場」という彼女ほど、自分の力を引き出してくれる彼女はいなかった……っていうことですかね。

 コンサルタントとしていろいろなネット通販のビジネスモデルをみてきたけど、ネットショップ店長という立場だとしても、売上を伸ばすコンサルコントという立場だとしても、、やっぱり仕方ないけど「楽天市場が1番いいかな」というのがボクの現時点での結論だったりするんですよね。あ、もちろん現時点ですけども。

 それにもういい加減、楽天市場の「強さ」を認めざるを得ないのかなって思っているところもありますよ。以前、リサーチ会社を使ってアンケート調査をしたことがあったんですけども、「よく商品を購入するサイトはどこですか?」という質問に対して、79%の人が「楽天市場で買い物をしている」と答えたんですね。それはもう、楽天市場のノウハウなしには、ネットショップでBtoCは成立しないって言ってもおかしくない状況ですよね。それだけ楽天市場は強くなってしまったんです。冷静に見てもお客様の囲い込みや販促企画等もよく考えられているし、楽天市場が展開しているノウハウそのものは、自社サイトや実店舗でも、もっと使える。そういうことを、みんなにわかってもらいたくて、今回の本ではネットショップに限らず、実店舗の運営者でも分かるように、専門用語をできるだけ省いて書かせてもらったんです。
−−実際に、この本に掲載されているデータ的なものを見ると、やはり集客や販売の強さから今後のネットショップ運営は楽天市場が中心になっていきそうに見えますね。
竹内さん楽天市場に対する外部批判で多いのは、出店者に対するルールがキビシイとか、売上に対するマージンの支払いが大変だとか、広告費がもの凄いかかるとか、いろいろあると思うんですけども、少なからず、ほかの実店舗や自社サイトをコンサルティングしてきて言えることは、楽天市場ぐらいのネットショップ運営のハードルをクリアしないと、自社サイトや実店舗では踏ん張れないぞってことです。まだ集客という恩恵が受けられる楽天市場のネットショップは凄い店舗運営者が守られている状況で、広告展開や集客方法を自分たちで考えていかなくてはいけない自社サイトや実店舗のほうが、よっぽど頭を使うし、根気もいる。ある意味、楽天市場がもっとも初心者向けのネットショップ運営なのかもしれないと思うこともありますよ。
−−ホームページを作ること自体が広告だと思うのは間違いなんですね
竹内さんよほど世間に求められている商品じゃなければ、検索して自分のホームページにまでたどり着いてくれることなんかないですよ(笑)。だから、絶対に楽天市場のような集客力の高いモール出店の方が、商売はラクなわけです。でもですね。だからといって「楽天市場がなんとかしてくれる」という甘い考えももっちゃいけない。そんな人はだいたい出店してから「結局、何にもしてくれないじゃないか!」と言って文句を言い出す。そりゃそうですよ。黙ってボーッてしているだけでお金が儲かるんだったら、日本の国民全員が楽天市場に出店しているはずですよ。結局はお金儲けなんだから、自分が動かないとダメ。なんにもやらないで、広告も買わないで、ただ何も情報収集もやらずに楽天市場に出店して「売上が伸びませんでした」って楽天市場を批判するのは筋違いだと思いますよ。

 最近は企業としてネット通販に取り組んでいることが、実業の評価へ影響する時代になりましたからね。一昔前に比べて「楽天市場に出店している」ということが、ちょっとしたステイタスになってきています。でも、大きなお世話かもしれないけど、肝心な楽天市場の第3者評価をしてくれる人って、実はあんまりいないんですよね。楽天市場を応援してくれる人って、実はそんなに表に出てきていないと思うんですよ。どちらかといえばネットショップ業界の「巨人軍」的な扱いされちゃって。あ、楽天イーグルスは巨人ほど強くありませんけどね(笑)。でも、ネットショップ業界だけで言わせてもらえれば、最近、楽天市場は強くなりすぎちゃったから、つい叩いちゃうところがあると思うんです。いつの時代もアンチ巨人の人の方が声が大きいですから(笑)。

 楽天市場の売上に対する従量課金制度についても、実は楽天市場は従量課金を敷いた後は、たいていちゃんとした結果を出しているんですね。どうのこうの言いながら、お客様と店舗運営者が使いやすいサービスを常に提供して進化を続けている。一概に強欲主義で出店費用を値上げしているわけじゃない。これはあくまで仮定の話なんですけども、楽天市場っていう会社はやろうと思えば、ライブドアみたいに粉飾決済や株価の吊り上げなんかで、バンバン儲けることができた会社だと思うんですよ。でも、大胆に見えてとっても慎重な会社。派手な印象のある会社だけど、とってもやっていることは地味なんです。そんな会社のカラーを外部の人間で知っている人はあまりいないし、楽天市場という会社が、どれだけ商売に対して貪欲で、基本に忠実で、面白いビジネスモデルを展開しているということは、実はこれまであんまり公で言う人はいなかったんです。先述したように楽天市場がやっていることって、実はとっても地味なことですから。

 でも、こういった楽天市場の側面も、自分がコンサルタントになって気がついたことが多いんです。独立してはじめて、楽天市場とECコンサルタントの苦労っていうものが分かった感じです。だから、よく楽天市場に出店している店長さんが、担当のECコンサルタントに対して厳しい批評をしていることがあるんですが、「それはちょっと可哀そうだよ」って思えることが増えてきました。中には頭ごなしに担当のECコンサルタントを批判する人もいるんですが、「いや、それはたぶん、こういう戦略の考え方もあったんだと思うよ」って、援護射撃をしてあげることもよくありますよ

−−ECコンサルタントの苦労……ですか。
竹内さんそう。楽天市場でショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞するとですね、想像以上にまわりがちやほやしてくれるんですよ。もう半分芸能人って感じで。でも、独立して「成田ゆめ牧場」って看板がなくなると、いきなり「ただの人」になっちゃうんです。あんまり口に出さないんですけど、かなり苦労しましたよ。コンサルタント契約している会社の社長さんに凄いキツイこと言われて、独立して数ヵ月後には顔面神経痛にもなりましたから(笑)。でも、思い返せば楽天市場でネットショップを運営している頃も、当時の自分の担当のECコンサルタントに対してずいぶんキツイこと言っちゃってたな、とか今更ながら反省していたりするんですよね。

 楽天市場に出店した最初の担当のECコンサルタントの人って、すごく才能豊かな人だったんですよ。本にも書きましたけど、ドラえもんの最終回みたいな話があってね……。  楽天市場でベスト店長賞を受賞して、売上も安定してきたころだったかな。ある時、そのお世話になっているECコンサルタントから「どうしても今月の売り上げをもっと伸ばしてください!」っていきなり電話がかかってきてお願いされたんですよ。どうして売上を伸ばさなきゃいけないんだって言ったら、「自分のたてた売上目標をどうしても達成させたいんです!」って言われて、思わず「そんなのオレの知ったこっちゃない!」って電話をガチャンって切っちゃったんです。でも、その後、よーく考えて、今まで商売抜きで付き合ってくれてお世話になったECコンサルタントだったから、ここはひとつお礼の意味も込めて頑張ってみるかと思って、その月は死ぬほど働いて売上を伸ばしたんです。そしたら、アッというまに月商1000万円を超えてくれて、喜んでその担当に電話をかけて、「ほら、やれば月商1000万円なんて簡単だったよ! これで売上目標達成でしょ?」って言ったら、「実は……来月から大阪支社に転勤になりました……」。

 楽天市場って突然の人事異動があるから、そりゃもう驚きましたよ。3年間? 4年間かな、ずっと担当してくれていて、最後の最後に恩返しのつもりで頑張ったのに、それでサヨナラなんて、そりゃちょっとないよ〜って。ドラえもんの四次元ポケットみたいに次から次へと戦略をアドバイスしてくれたECコンサルタントでしたからね。思わず転勤しちゃうときは「ドラえもん〜、話がちがうじゃないか。がんばったのに、なんで行っちゃうんだよ〜」みたいな感じで、しばらく落ち込んでいました。  で、そのあと、そのECコンサルタントが新しい後継の担当の人をつけてくれたんですけど、やっぱりボクはドラえもんが良かったんだと思いますよ。その新しいコンサルタントが一生懸命アドバイスしてくれるのに、ぜーんぶ文句ばっかり言ってきかない。しかも、けっこう冷たいこと言っちゃったり、投げやりになったり、「ボクはベスト店長賞を2年連続で受賞している人だよ、それなのにその態度は……」とか、馬鹿なこと言っちゃったりしてね。

 今思えば、その新しいECコンサルタントはボクに対して一番キツイことを、ちゃんと言ってくれていた1人だったんです。みんなチヤホヤしてくれる中で「しっかり足元みなきゃだめですよ!」って言ってくれた、ただ一人の人だった。でも、ボクはちやほやされて天狗になっていたから、ヒドイ応対をしてしまった。今は自分も同じような仕事をしているから分かるんですけど、その彼の言っていたことはほとんど正解だったんですね。いやぁ、機会があれば頭を下げて謝りたい人ですよ。今は何やってるんだろ? 楽天市場でまだECコンサルタントやっているのかなぁ。今だったら会って気さくに、話がちゃんとできるんじゃないかな。
−−いいお話ですね……。
竹内さんこんな具合に、楽天市場では、出店するとECコンサルタントがついてくれるんですけど、彼らも別に、店長を陥れようと思って仕事をしているわけ、ないんです。売り上げが伸びないのは、広告を勧めたコンサルタントのせいばっかりではなくて、店舗も売上を伸ばすための努力やマーケティングをしないことには、絶対に売上はついてこないんです。  実際、ネットショップの運営ノウハウって難しいですよ。ホントに。店舗運営経験がなくてコンサルティングしてしまうと、おそらく机上論しか展開できなくなるし、反対にネットショップ運営の経験があると、そのジャンルにしか通用しないテクニックになってしまう。コンサルタントとしての素質があって、なおかつネットショップを運営した経験がある人って、そう多くはないと思うんですよ。実際、ボクも食品関連を扱っていたネットショップ運営者だったこともあって、最初の頃はジュエリーやファッションを扱った店舗をコンサルティングした時はかなり苦戦しました。ぜんぜん今までのノウハウが通用しないんですから。でも、だからこそ、そのノウハウを一から見直して、そして応用してネットショップを建て直した経験ができたから、今、こうやってどんな商材がきても「ドンと来い!」って気持ちでいられるんだと思います。何百何千というネットショップを見てきて、コンサルタントとしても場数をこなしてきましたから、もうある程度のビックリ商材のコンサルティングの依頼を受けても、あまり驚きませんよね(笑)。

 ボク、よく自分のことを「民営のコンサルタント」っていうんです。有限会社だから当たり前のことなんですけどね(笑)。でも、ちゃんとそれには意味があって、例えば楽天市場のECコンサルタントは、ある意味「公営」だと思うんですよ。それなりに悩み事を解決できるノウハウがあって、データもちゃんとしっかりもっている。ネットショップ運営に関する悩みは大抵、今の楽天市場のECコンサルタントだったら解決できると思うんですよ。でも、やっぱりそんな強靭なECコンサルタントでも解決できないような難問がある。商材がニッチ過ぎる、広告費がほとんどない、実店舗の経営が危ない……こうなると「公営」のECコンサルタントではでラチがあかなくなる。そうなるとアドバイスする幅が狭まっちゃって、「プレゼントを開催してください」とか「共同購入やオークションを開催してください」って、通り一辺倒のことしか言えなくなっちゃうんです。そういう人が「困った……」ってボクのところにコンサルタントの依頼をしにくるんですけど、それは、どんなことがあっても解決しなくてはいけないですよね。そんじゃなきゃ「民営」の意味がないですから。「売れない商品はない」をモットーに全力でやりますよ

屋田さん竹内さんて、商売で苦しんでいる人に対する愛情みたいなものが強くあるんですよ。商売でダメになっている人って、ビジネス的には見捨ててしまうのが1番簡単だったりします。「だからダメなんですよ」って言っちゃえば終わっちゃうようなところがありますけど、竹内さんていう人は「それでもこうすれば」「ああすれば」みたいな、アドバイスを最後まで諦めないんですよね。
竹内さんだからボクは、コンサルタントとしては、たぶんあんまり儲かってないんだと思いますよ(笑)。どうしても、土壇場で情に流されてしまうところがある。だから仕事の効率がとても悪い。これ、コンサルタントとしては失格なんだと思いますよ。根っからのコンサルタントを職業としている人や、コンサルタント会社に勤めた経験のある人は、「情」と「商売」を切り離して対応できるんでしょうけど、ボクの場合は自分が困った時に楽天市場のECコンサルタントに助けてもらったっていう経験があるから、やっぱりその気持ちが良く分かる。相手もそういう「助けて欲しい!」っていう気持ちできてくれるのであれば、やっぱり全力で助け出さなきゃいけないのが、ボクの仕事かなぁって最近思ったりしています。

 「じゃ、わかった。今からFAX送ってくれたら、ラフ添削してあげるから」とか、「メールマガジン? これだったら、ここの部分を修正しておけばなんとかなるよ」とか、「今の状況だったら、この広告よりもこっちの広告だよ」って、いろいろ細かいところまで指導をしてしまう。

 でも、「おい、お前、お金を払えばお店の売上、上げてくれるんだろ」っていう偉そうな人に対しては、とんでもない金額のコンサルタント料金の見積書を出して、向こうから断ってもらうように仕向けたりすることもありますけどね(笑)
屋田さんたぶん竹内さんは、過去に編集者をやっていたり、下積みというか、いろいろなご苦労をされてきているので、現場のたいへんさを知っているから……。
竹内さん成田ゆめ牧場に勤める前は、5年ぐらいずっと出版業界で働いていました。でも、言葉では表現することができないぐらいに大変な毎日でしたよ……。もう徹夜と取材が毎日交互に襲ってくる感じ。それでもう「編集の世界にいたら死んじゃう!」って思って、千葉の観光牧場の方に逃げ出してしまったわけです。それからはもうのんびりした生活になりましたよ。牧場でキャンプ場の草刈をしたり、ペンキを塗ったり、アイスクリームを売ったり、自分より若い社員に「牧場のトイレ掃除して!」って言われて「はい〜ッ」って牧場の中を走り回っている時期もありました。でも、そんな下積み時代があって、ちゃんと会社で仕事の成果を認めてもらうようになって、その後、楽天市場というネットショップ運営を任せてもらえることができたんです。

 最初は「自分にネットショップ運営なんかできるかなぁ」っていう不安がありましたけど、冷静に考えれば、そんなに難しい問題じゃないんですよね。だって、編集者時代に紙媒体で人に記事を伝える仕事をしていたわけですから、ネットショップを使って牧場の乳製品の良さを伝えるって、そんなにやっていることに大きな差はなかったんです。  昔、編集者時代の友達と会った時に、ネットショップ運営をしていることを伝えると、「プロのボクサーをシロウトが殴りに行くようなことをするな!」って言われたことがありました。結局は編集者ってプロの表現者だから、ネットショップを運営している人達よりも、頭ひとつ抜け出して伝達力の高いページを作るテクニックを知っているわけですよね。他のネットショップ運営者が売ることができないような商品でも、レイアウトとキャッチコピーと写真をちょこちょこって変えれば売れるようになる。これはもう、編集者の頃に身につけたテクニック以外、何者でもないですよ
−−――「編集作業」というものが、従来のネットショップ運営に欠けていたんですね。
竹内さんそう。上手く例えられないけど、たぶん自分はバイリンガルみたいなものだと思うんです。そもそも「表現」が好きな人と「販売」が好きな人って、脳の作りがまったく違うんですよ。自我を通すのか、お金を取るかって、実は同じ天秤で比べることってできないんです。でも、ほんとにごく一部の人で、「表現」をすることが好きで、なおかつ「販売」をすることが好きな人っていうのがいる。医者と弁護士の資格を両方もっている感じ。まぁ、そんな偉そうなもんじゃないけど(笑)。ボクの場合は、たまたま編集者という仕事に就いて表現することが好きになって、その後に成田ゆめ牧場で商品を販売することに興味を持って、結果的に「表現」と「販売」の両方が好きな人間になった。だから、「人に何かを伝える時は事例を出した方が分かりやすい」とか「伝えたいことがあれば、最初の書き出しから書いた方が伝わりやすい」とか「商品写真はガツンと全面に出して、一目でキャッチが目につくところに入れないと伝達力が弱まってしまう」とか、これらのノウハウは全部編集者時代に教わったことで、販売という現場に身につけたノウハウでもあるんです。
屋田さん物を売る時にネットでは、それまでにも増してテキストやキャッチコピーなどの文章が大事な要素になったんですよ。竹内さんは早いタイミングで登場して、時代とマッチした。さらに、テキストの威力を一番に取り入れていたのが楽天市場で、メールや、ホームページを読ませることで、物を売る仕組みを作っていったというところがある。編集者出身の竹内さんが成功したというのは、偶然じゃないんです。
竹内さんまさか自分の能力がネットショップ運営で役に立つとはこれっぽっちも思っていませんでした(笑)。正直、計算外でしたよ。だって、楽天に店を出した時の売り上げ目標なんて「1年以内に月商5万円」でしたからね(笑)。そこで、ホームページのレイアウトやメールマガジンの編集といった作業があることを知って、「あぁ、これなら得意なジャンルだ」と思ったんです。商材のアイスクリームをいかに美味しく見せるか、どうしたらその良さが伝わるのかっていうことは、出版社の雑誌編集でずっとやってきたことですから。だから、売上を右肩上がりで急激に伸ばすことができたんだと思います。
−−編集時代の経験が強みになっているんですね。でも、今度は竹内さんがコンサルタントになると、そういったノウハウや情報そのものがお金になるわけですよね。そういう意味では、この本にノウハウを全部書いちゃうっていうのは、スゴイなぁって思うんですけども……。
竹内さんよくコンサルタントで自分の本を集客の道具にしか思っていない人っているんですよね。本の内容はとりあえず、本を出して、広告を打って人を集め、会員制にして……。それ自体は悪いとは思わないし、ボクも本を出版して自分の知名度を上げることに役立てているのは事実です。でも、やっぱり編集者出身のせいか、ボクにとったら出版と本というのは表現の場なんですよ。自分の思ったことを伝える場であって、集客の道具じゃない。だから、本というカタチでノウハウを提供することに対してはなんら抵抗はないですよ。ボク自身が表現したかったことですから。

 それにボクが編集の仕事をした理由っていうのは、オートバイが好きで、いつかオートバイに乗って、自分の本を書きたいなっていう思いがあったからなんですよね。結局、すごく遠回りだったんですけど、編集者から始まって、成田ゆめ牧場を経由して、いろいろ経験した結果、結局はオートバイの本じゃないけれど自分の本を出版することができた。遠回りではあったんですけど、望みはかなっている……っていうところかな。だから、いつか機会があったらオートバイの本とか出してみたいですよね(笑)。
−−そうすると、このタイトルについてもお聞きしたくなりました。「楽天でNo1になれた」っていうのはわかるとして、なぜお金儲けに「幸せ」という単語がついているんでしょうか。
屋田さんそれは、竹内さんに対してのぼくのイメージですね。単なるノウハウ本だと思われたくないということもあって、そのためには竹内さんの人柄が伝わるようなキーワードを入れたかったんです。一見、遠回りに見えるけど、愛情を持って対する姿勢はコンサルタントもそうだし、ショップセールスの手法も同じ。そこが、ノウハウだけ提供しているほかのコンサルタントとは違うところで、それこそが「幸せなお金の儲け方」っていうイメージだったんですね。
−−それは、読むと伝わってきますね。書かれている内容そのものが、表紙のイラストに象徴されているような印象で。自分が、どんな種をどこにまいて、どうやって芽を出して大きくなっていくのか。それを考えながらじっくりやっていこう。でも、確実に育ちますよ、ということなんですね。
屋田さん「こうすればこうなる」という、即・金になる裏技的なノウハウばかりを欲しがる人が多いですが、たぶん竹内さんのやり方っていうのは、もちろん即効性はあるんだけど、「まっとうなやり方」なんです。幸せになるには、ジョウロで水をやるように、まっとうな育て方をしないといけないし、まっとうにやっていくことで一番になるのが幸せっていう……。
竹内さん幸せの基準ていうのもいろいろあるとは思うんですけど、ネットショップ業界でNo1の楽天市場でお金の儲け方を学んで、その楽天市場でNo1になれば、世界1っていうことになるのかな? それはちょっと言い過ぎだけど(笑)。でも、そこまで上りつめれば、絶対に次の「幸せ」が見えてくると思うんですよ。それに、トップに上り詰めるとやっぱり幸せですよ……とりあえず、1人勝ちしてラクで幸せな儲け方にはシフトするし。

 それに、幸せなお金の儲け方をしたければ、商売の基本はとっても大事だと思ってるんです。1冊目に書いた「成功者しか知らないネットショップ運営」という本は、ホントに評価が真っ二つに割れたんですよね。「基本的なことしか書いてないじゃないか!」「ネットショップ運営の仕組みが良く分かった!」という意見の両方がボクのところに寄せられた。だから、今回は意地になって「じゃあ、両方の人を満足させてやろうじゃないか」ということで、初心者には基本的なことを、経験者には満足できる情報を、その両方を欲張って幸せになるお金の儲け方のノウハウを書いたのが、今回の本なんです。
屋田さんレベルは高いのに伸び悩んでいるネットショップも、こうすれば効果があがるというような具体的な指示も書いてあるし、これからはじめる人に役立つ基本的なノウハウもしっかり抑えているし、なにより何万店舗も出店している楽天市場という巨大なショッピングモールの中で勝ち抜いた竹内さんのノウハウですから、十分、即効性のあるビジネス書になっていると思いますよ。
竹内さんあと、今回のこの本には社員教育の方法についてもいろいろ書かせて頂きました。ネットショップの社員教育ってどこもギリギリの人件費でツギハギで誤魔化しながら運営しているところが多い。ネットショップの社員の辛さも経営者の辛さも両方たくさん見てきたから、そこもしっかりコンサルタントとしてフォローしたいんです。  とりあえずこの本を読めば、経営者も新入社員も、楽天の状況とお金もうけの仕組みが良くわかると思います。「明後日から楽天市場でポイント2倍のセールがはじまりますよ」なんていうイベントが突然開催されても、どんな風に企画を考えて、どんな風な商品で、どんな風に売り込んでいけばいいのか、この本を読んでおけば多少なりとも対応するのがラクになると思いますよ。
−−ECコンサルタントが店舗運営者に、この本を読んで……って勧めたくなる本ですね。
竹内さんそう思ってくれたら、ほんとにうれしいですねー。
−−今日はためになる楽しいお話を、ありがとうございました。

「観光牧場でイベントの司会とかもやってましたからね、トークはイケてるんですよ!」とおっしゃるだけあって、もう、強烈におもしろい話が怒濤のように……。豊富で濃厚な体験談は、自ら経験を積み、結果を出してきた自信と、冷静な視線と熱いハートの持ち主ならでは。そんな竹内さんのノウハウが詰まったこの本は、「楽天でNO1」になりたい人にも、楽天以外でトップを決めたい人にも、参考になる本だと思います。個人的には、活性化に悩む地方の商店街や、自分の店を夢みるあなたにも。応用できて学べる考え方がたくさん書かれていると思います。
【インタビュー 波多野絵理】


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