著者インタビュー 最新号 バックナンバー

あなたならどっち? ベストセラー作家とファミレス厨房二人の男性の間で心揺れる書店員の恋愛と仕事……恋愛のカリスマ・梅田みかさんが描く『書店員の恋』あなたならどっち? ベストセラー作家とファミレス厨房二人の男性の間で心揺れる書店員の恋愛と仕事……恋愛のカリスマ・梅田みかさんが描く『書店員の恋』

「どんな本も、その一冊を必要とする人がいる。誰にでも、その人を必要とする人がいる」……。
主人公の今井翔子は大手書店入社6年目の26歳。本も書店の仕事も大好きな彼女は、文芸コーナーを任され仕事にもやりがいを感じている。恋人は同い年の、ファミレスの厨房で働く大輔。しかし、彼にはお金も将来の展望も見えない。そんな翔子の前に、ケイタイ小説のベストセラー作家で歯科医師の青木譲二が現れ、サイン会をきっかけに急接近。あまりにも愛の形が異なる二人の男性の間で心がゆれる翔子……。幸せな愛とは? お金がなくては幸せになれないの?そして、最後に翔子が選んだ回答は?!女性の生き方や本当の愛について、本好きの心をくすぐる書店を舞台に、『愛人の掟』や『年下恋愛』などの著者・梅田みかさんが問いかける恋愛小説です。


梅田みかさんの本



書店で働く翔子の前に二人の男性が現れた。最後に選ぶのはどの愛?
『書店員の恋』
『書店員の恋』
1,470円(税込)

“我慢すること”に疲れた人に読んで欲しい、しあわせな恋愛指南エッセイ
『愛人の掟(1)』
『愛人の掟(1)』
560円(税込)

辛い恋にの諸症状に効くアドバイス満載!「愛人の掟」シリーズ文庫化第二弾。
『愛人の掟(2)』
『愛人の掟(2)』
460円(税込)

読者の相談に梅田みかが真摯に回答!「愛人の掟」シリーズ文庫化第三弾。
『愛人の掟(3)』
『愛人の掟(3)』
500円(税込)

彼の言葉から彼の本音を探る!大ヒットエッセイシリーズ最新作
『新・愛人の掟〜男のコトバでわかる真実〜』
『新・愛人の掟〜男のコトバでわかる真実〜』
1,260円(税込)

あなたの「これから」がばら色になる、恋の体質改善バイブル。
『ばらいろ恋愛体質』
『ばらいろ恋愛体質』
540円(税込)

3人の女性の「年下恋愛」は成就するのか?最後にドラマが待っていた!
『年下恋愛』

『年下恋愛』
1,400円(税込)


あなたが変わる、周りも変わる、読むだけで効く50の魔法
『読むだけで恋愛体質になれる本』
『読むだけで恋愛体質になれる本』
1,050円(税込)

あらゆる角度から恋愛力をアップする、恋のドリル400問!
『恋トレ!(an・an book)』
『恋トレ!(an・an book)』
1,155円(税込)


プロフィール


梅田みかさん (うめだ・みか)
東京にて、作家・故梅田晴夫氏の長女として生まれる。兄は『ウェブ進化論』などの著者・梅田望夫氏。慶應義塾大学文学部卒業後、執筆活動に入る。現在は、小説,エッセイ、脚本など、幅広い分野で活躍中。ananをはじめ多くの人気女性誌にも登場し、若い女性たちの“恋愛のカリスマ”として絶大な人気を博している。著書に、3人の女性の年下男性との恋愛を描いて話題となった小説『年下恋愛』、『ananブック 恋トレ!』(以上マガジンハウス)をはじめ、小説『別れの十二か月』、エッセイ『愛人の掟』シリーズ、『読むだけで恋愛体質になれる本』『思いどおりの恋をする80の方法』、テレビドラマの脚本に、「お水の花道」「よい子の味方」「明日天気になあれ。」などがある。

インタビュー


梅田みかさん−−今回の恋愛小説の主人公は書店員の女性なんですね。本好きにとって書店員というのは新鮮でしたが、みかさんが主人公に選んだ理由は?

梅田さん 昨年、『年下恋愛』という小説を出版した時に、出版社の担当編集の方と、本屋さんに挨拶に行ったんです。都内や横浜、あちこち伺ったんですが、その時に何十人もの書店員の女性とお会いしました。その皆さんから共通して、独特な雰囲気、品の良さを感じたんですね。知的な感じ……というんでしょうか。皆さん共通して、本当に本が好きで、書店員の仕事が好きで、イヤイヤ仕事している人がいない職場なんですね。
忙しいのに悪いな……なんて思っていたんですけど、お話すると、皆さんすごく喜んでくださったし、本が好きなのが伝わってくるんです。書店の奥のバックヤードで、本にサインしたりしてたんですが、そういった本屋さんの裏側とかも“チラ見”して、「ああ、こういうところを舞台にして、書店員さんを主人公にした小説を書きたいな」と……。それがきっかけです。


−−本好きにとっては、舞台となっているのはどこの本屋だろう、とか、翔子が並べる本棚の本や、書店のフェアの裏側など、興味深い話題がでてきます。どんなふうに取材されたのですか。

梅田さん 何人もの方にお話を聞きました。あとは“お忍び”で行って観察したり……。お忍びと言っても、普通にお客さんとして行っただけですけどね(笑)。取材です、と言ってしまうと、なかなか本当の雰囲気がわからないので。
あとは、編集のお仕事は私も経験がありますし、これまでもずっと一緒に仕事をさせていただいているのでわかります。あと販売方面のことは、マガジンハウスの書籍販売の方にご協力いただきました。


−−じっくり取材されたり、観察された成果なんですね。特定のモデルとなった本屋さんや書店員さんはいますか?

梅田さん 主人公の翔子はいろんな方のミックスですね。お会いした書店員さん全員が、真面目で知的で魅力的な方々だったので、その総合体みたいなキャラクターになっています。本屋さんも、特定の店ではなく、大手書店さん全部の、いろいろな部分をあわせて書いています。
本屋さんの名前をつけるのは、すっごく、たいへんだったんですよ。これなら大丈夫かなと思ってインターネットで調べると、実在する書店だったり。いろいろ出し合って、ぜったいないと思う書店名になってます。


梅田みかさん−−そんな書店の世界の中で、26歳の女性が、ベストセラー作家とファミレス厨房のバイト君という両極端な男性の間で悩む恋愛譚が展開していくわけですが……。この恋愛のポイントというか、テーマを教えてください。

梅田さん 最近ね、20代の女の子たちの恋愛に“男性の条件”が先に立ってしまっているなと感じているんです。20代向けの雑誌の取材を受けることも多いんですけど、そこで語られる“結婚の条件”の一位は“やさしい”でも“誰よりも愛してくれる”でもなく、“安定収入”。お金がないと幸せになれないの? 逆に言うと、お金があれば幸せなの? それって「そうじゃないんじゃないの?」と、いつも思っているんです。
だって、結婚も恋愛も、やっぱり一番好きな人と……というのが、女の大基本じゃないでしょうか。恋愛の本質ってそういうことでしょう?
“お金より愛”ということを、すごく書きたかったんです。


−−なるほど、そのテーマは、翔子の決断からもストレートに伝わってきますね。これまでの小説や恋愛エッセイよりも、より「恋愛の本質や、幸せな結婚というのはこういうことだよね」ということをハッキリ書いてくださっているように思いました。昔の恋愛と今の恋愛のちがい……「バブルの時代にもお金持ちに群がった女の子たちはいたけれど、女の子のほうにも向上心があった」と書かれていて、このくだりも、周囲の女の子たちは「本当にそうだったよね」と共感していました。

梅田さん そういう傾向がありましたよね。「自分はいい女になるんだ……だから、男もいい男が欲しい」。バブルの頃はそうだったんですが、どうも、最近は男性にぶら下がり型。それでは、女の子は幸せになれないんだよって言いたい。結婚してヒルズ族になっても離婚しちゃった女性も出てきますが、そういう見本がたくさんいるのに、まだわからないのかなぁって……。
「金か愛か」ではなく「お金があろうとなかろうと、愛がなければ幸せにはなれない」というのを、みんな忘れないで欲しいんです。大切なことですよね……。


−−しかし、翔子の揺れるキモチはとてもよくわかります。この二人の二者択一はかなり難しいですよ。差がありすぎて、ある意味、両極端だし。しかも、大輔は本も読まないし。

梅田さん たしかに、私でも難しいかも(笑)……。やっぱり両方欲しいっていうのもありますよね(笑)。
趣味が異なる恋人ということでは、翔子と同じで、若い頃は本を読まない男性に偏見があったんですが、今では本を読まない人の中にもステキな人がたくさんいるということがわかっています。なので、好きになった人がそういうタイプだったとしても、大丈夫。本の話はほかの人とします(笑)。相手に全部を求めては、ダメなので。


−−本を読むということについては、さすがに舞台が書店だけあって、巻頭の登場人物紹介に、それぞれのキャラクターの愛読本が書かれています。これも本好きにはしっくりくる選書で、おもしろいですね。青木とか「好きそう!」って思いました。

梅田さん これは編集長のアイデアなんですよ。最初は、キャラクターを限定しちゃうかもしれないからと、お断りしたんですけど、よく考えてみたら「いいアイデアかも」って。フランスに住んでいる元編集の友人と相談しながら考えていきました。


梅田みかさん−−本好きがハッとするもうひとつのポイントは、ケータイ小説に関する考え方を、翔子がズバッと言うところですね。これもテーマのひとつだったんですか?

梅田さん 翔子は「ケータイ小説はコミュニケーションだ」と考えています。私もこの本を書くにあたって、ケータイ小説はかなり研究しましたが、普通の小説と同じと思って比べてはダメなんですよね。ケータイの画面で読むのと、本で読むのはちがうものだし、画面で読む状態がたぶん本物のケータイ小説なんです。それで読んでいると「あー、これは!」とわかった瞬間があって。ぜんぜんちがう言語でしゃべっているものを、普通の小説と比較することのほうがおかしいんだって気がつきました。ぜんぜん種類がちがうものなんです。
ケータイ小説そのものよりも、書店で良い本が売れないということもテーマでした。これも“お金より愛”に繋がることなんですけど、2000年ぐらいから、本屋さんそのものがすっかり変わってしまって、本が売れない、売れる本しか置いてない、ということになってますよね。
私はテレビの脚本も書いているのですが、同じような時期に、テレビも視聴率重視の傾向が強くなって、とにかく数字がとれれば、という風潮になってきたように思います。
なんだか、どうしちゃったんだろう、日本て……。年々、それがひどくなっているのかと思っていたら、アメリカに住んでいる兄や、フランスに留学している友人から、世界中どこもひどくなっていると聞いたんです。アメリカもゴシップ本しか売れてない、それがイヤで書店員をやめた人もいる、とか。そういう話は世界的なんだと思って、その象徴として、年間ベスト10に何冊もケータイ小説がランクインすることってどうなのかなぁと……。そんなことを考えていたら、“書店員とお金と愛”がピッタリ合わさった瞬間があって、こういうストーリーになったんです。


−−どういう人に、この本を読んで欲しいですか。

梅田さん 本好きや書店好きの方はもちろん、ふだん小説はあまり読んだことのない人にも読んでほしいです。そして、書店員さんにも読んでいただけるとうれしいですね。いろいろなご意見を聞きたいです。
作家さんからアプローチされる恋愛なんて「ありえない」って思うかもしれませんけど、私は“ムリメな恋”というのはないと思っているので(笑)、ぜったい夢物語ではなく、そういう出会いもアリだと思うんですよね。書店に限らず、どんな職場でも同じようなことがあると思いますから、書店員さんでない方も共感していただけると思います。
主人公は26歳です。純粋に“愛”を考えられる年代というのは、20代の真ん中ぐらいまでかなと考えて決めました。30代が近づいてくると、どうしても「仕事or結婚、どうしよう」という状況になるし、30半ば過ぎると、出産のタイムリミットなどいろいろな問題が出てくる。今回は恋愛や結婚、仕事のことを純粋に考えられる世代の代表として、26歳という設定にしました。


−−うーん、たしかに翔子には不思議なピュアさ、ストレートさがありますね。

梅田さん なんの邪念も計算もなく、愛を考えられる……もう、この時期だけですよね。それなのに、今この年代の子たちが「条件、条件」と、打算や計算をしているのは、一番自由な世代なのに、すごく捕らわれているのがもったいないですね。
そういったことはたぶん、私と同年代の人も同じように考えていると思うので、アラサー(アラウンドサーティ、30歳前後)や、アラフォー(アラウンドフォーティー 40歳前後)の人たちにも幅広く読んで欲しいです。
男性もいろいろなタイプが登場します。私の本の中では、一番、男性にも楽しんでもらえる内容になっていると思います。


−−『愛人の掟』などはテレビドラマになった作品も多いですが、この作品は、ドラマや映画などの展開のご予定はいかがですか?

梅田さん まだ決定ではないですけど、映画化の話はいただいているんですよ。本屋さんは映像で見ても、すごくステキなので、実現するといいなと思います。
それに物語には、短大時代からの親友や、専門学校に通う今どきの女の子、出版社の営業課長など、世代の異なる女性たちも登場しています。ドラマや映画になったら、それらのカップルの恋愛も丁寧に全部描けると思いますから……。まずは、翔子の『書店員の恋』を読んで、楽しみにしていてくださいね。


−−今日はありがとうございました!







(インタビュー 波多野絵理)





最新号 バックナンバー

このページの先頭へ