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こんな質問にどうやって答えるの??空想世界のビックリ質問に、科学の技で爆笑ツッコミ
柳田理科雄のシリーズ8冊目『空想科学読本7』!!

「『DEATH NOTE』のデスノートを使えば、世界中の人間を裁けますか?」……名前を書くと書かれた人を殺せる死神のノートが登場する『DEATH NOTE』は、映画化もされた大ヒットマンガ作品。読んでいるとたしかに、前述の質問のような素朴な疑問が浮かんでくる。そんな疑問を、あなたにかわって検証してくれるのが、柳田理科雄さんの大ヒット作『空想科学読本』シリーズだ。1996年出版の1冊目から、ウルトラマンや、仮面ライダー、アンパンマンに至るまで、数々のアニメや特撮を“科学的に検証”。空想の世界に科学のツッコミを入れる爆笑読み物は、この『空想科学読本7』でシリーズ8冊目となった。今回の本では、『ひょっこりひょうたん島』の謎から『クレヨンしんちゃん』のケツだけ歩き、『千と千尋の神隠し』『ベルサイユの薔薇』から『ちびくろさんぼ』の絵本から生まれた質問にまで、幅広く回答している。理科キライのお子さんも、科学なんてわからないというお母さんにも、楽しく読めるシリーズ最新作なのだ。それでは、柳田理科雄さんに『空想科学読本』のことを質問してみよう!


柳田理科雄さんの本

『デスノート』『ブリーチ』『テニスの王子様』の謎を柳田理科雄が追いつめる!
『空想科学読本』(7)
『空想科学読本』(7)
1,260円(税込)

コブクロの歌詞「ため息で錆びついた」は起こりうる現象かなど、全41本
『空想科学読本』(6)

『空想科学読本』(6)
1,260円(税込)


ヒロインの衣装―なぜミニスカートで戦う?女性戦士のファッション問題!
『空想科学読本』(6.5)
『空想科学読本』(6.5)
840円(税込)

北斗神拳の継承者―「お前はすでに死んでいる」って、どんな状態?
『空想科学読本』(5)
『空想科学読本』(5)
550円(税込)

王妃アントワネットが5日で白髪に!この伝説は科学的に正しいか?
『空想科学読本』(4)
『空想科学読本』(4)
550円(税込)

ハイジの大ブランコは、ジェットコースターよりも怖い!
『空想科学読本』(3)
『空想科学読本』(3)
550円(税込)

空想科学世界で最も強いのは誰か?科学が導く驚異の結論
『空想科学読本』(2)新装版
『空想科学読本』(2)新装版
1,260円(税込)

ウルトラセブンが巨大化するには最低でも9時間半が必要だ!
『空想科学読本』(1)新装版
『空想科学読本』(1)新装版
1,260円(税込)


プロフィール

柳田理科雄さん (やなぎたりかお)
1961年、鹿児島県種子町生まれ。東京大学理科砧爐鮹翅爐掘学習塾講師を経て学習塾を経営。95年、塾の資金繰りのために執筆した『空想科学読本』が60万部のベストセラーに。しかし、タッチの差で印税の入金が間に合わず、塾は倒産。その後、執筆へと活動の中心を移し、空想科学研究所を設立。主任研究員として、書籍や雑誌などで執筆を続ける一方、各地での講演、ラジオ・TV番組などに出演している。空想科学研究所主任研究員。明治大学理工学部兼任講師。
空想科学研究所ホームページ http://www.kusokagaku.co.jp/

インタビュー


柳田理科雄さん−−『空想科学読本』シリーズの8冊目ということですが、なぜ『空想科学読本7』と“7冊目”みたいになっているのですか?

柳田さん 2008年の夏に『空想科学読本』シリーズの6と6.5の2冊を出しました。なので、今回の本は8冊目ですが『空想科学読本7』なのです。ぼくが所属する空想科学研究所では、希望する全国の高校に、『空想科学 図書館通信』というFAX原稿を送っているのですが、それを読んだ生徒さんや先生から、さまざまな質問が送られてきます。それに一週間に一個答えていったものをまとめて本にしたのが『空想科学読本6』だったのです。
ところが、そういった質問に答えていると、そのうち欲求不満が溜まってくるわけですね。というのは、質問自体があまりにもおもしろいので、悔しくなってくるんです。自分がその質問のような疑問を抱けなかったことに。たとえば、『サザエさん』のアニメのエンディングで、サザエさん一家が家に飛び込むと、家が伸びたり縮んだりしますね。「それはなぜですか?」と聞いてくる。このアニメは僕も何百回と見ているのですが、疑問として自覚することができなかった。そういう時はほんとに残念無念……と思うわけですね。「そういうおもしろい質問なら、僕だっていっぱいあるんだ!」。というわけで、『空想科学読本6.5』では、自分自身が昔から抱いていた疑問に、たっぷり納得いくまで徹底的に答えたわけです。


−−『空想科学読本7』はどちらのタイプの本なんですか?

柳田さん 高校生の質問に答えたものです。今回の『空想科学読本7』は、前回の『空想科学読本6』から、なんと8ケ月という最短記録で出版できました。これもひとえに質問を寄せてくれる高校生たちのおかげですね。なにしろ、ぼくらの所に送られてくる質問というのは、学校の先生に対する質問とはぜんぜんちがいますからね。「ほんとうに不明な事を教えてください」というのではなくて、「この人はこの質問にどう答えるだろうか」という一種の挑戦みたいなところもあるわけです。僕としては、「わからないことで、僕に答えられることならきちんと答えてあげたい」し、「どう答えるのだろうという興味があるなら、その挑戦にはきちんと応じましょう」と。
だから、この本を書くのに苦しんだというのはひとつもない。楽しく書けた本ですね。


柳田理科雄さん−−そもそもこのシリーズを書き続ける理由は?

柳田さん もともと一冊目の本は、自分が経営していた学習塾の経営が火の車になりまして、その穴を埋めるために書いた本でした。ところが一冊書いてみると、書くことの不思議さ、おもしろさが次第に感じられるようになってきたんですね。
ぼくの研究対象は架空のものです。架空のものに現実の科学の光を当ててみると、基本的にはとてつもないことになるわけです。たとえば、『ウルトラマン』に登場するゼットンの火の玉は一兆℃であるとか、一般人の戦闘力が5で、月を壊せる亀仙人の強さは140ぐらいで、孫悟空は最終的に53万を超えるとか。そういう空想の中で使われている数字に、現実の一定のルールを当てはめて計算すると、宇宙が何億回も生まれて壊れる結果になったり、とほうもないギャップがあったりするわけです。そういうすごい数字は、もうそれだけでものすごく可笑しいんですが、その可笑しさをどのように読者にわかってもらうか。これがうまくいった時には、やっぱり楽しさも大きいわけです。
科学の世界というものは、横軸と縦軸のある絵画的なものなんですね。
ところが、文章は、一本の線をたどっていくようなものじゃないですか。だから、絵画の説明を文章でやるようなもので、どんなに完璧に記述しても、なかなか全体は伝わらないんです。ポイント、ポイントをサッとつないでいくしかない。自分としてはいいルートだと思っていても、一般的にはそうではないこともあります。たぶん『空想科学読本4』ぐらいまでは、自分が文章を書くことと格闘するおもしろさがあったんですね。『空想科学読本5』については、読者ハガキに積極的に答えていこうという方向で、おかげで僕だけでは疑問がでてこないような『ケロロ軍曹』のような最近のアニメや、『アンパンマン』などに範囲が広がりました。そういった具合に広がってきたので、今回の『空想科学読本7』も、新旧の作品がとりまぜられ、絵本からジブリアニメ、ディズニー作品まで揃った楽しい本になったと思います。


−−質問に答える上で、大変なことや苦労することは?

柳田さん 答えるための資料は家にたいてい置いてありますから、一本の原稿の執筆はほぼ1日で終わります。むずかしいのは、長編作品の中の1シーンから出てくるような質問ですね。今回の本に収録されているものでは、「『BLEACH』の朽木白夜が使う「千本桜」が当たる確率はどのくらいなんですか?」という質問がありまして、『BLEACH』は少年ジャンプに掲載されている人気のマンガらしいのですが、僕自身は読んでいなかったので、いったい何のことだかわからない。世界観もわからない。しかし、作品の中の1現象だけを検証しようとすると、回答はズレたものになりますから、この質問に回答するためには、やはり1巻から読んでいく必要があるわけです。……問題のシーンが出てきた時は、「やっと出たか……」とホッとしましたけど(笑)。でもそのおかげで、朽木白夜という人が準主人公の朽木ルキアの兄で、ソウルソサエティではかなりの重鎮であるということがわかりまして、そういう彼が使うからこそ、迫力のある技なんですね。というわけで、やっぱり全体を読んでからやるべき仕事だなぁと感じましたね。
『BLEACH』は37巻でなんとかなりましたが、『犬夜叉』は52巻読破するのに昨年一夏かかりました。そうそう、今後、質問をお寄せくださる方は、ぜひ何巻に登場したシーンか、一言メモをつけてくれると助かります(笑)。


柳田理科雄さん−−それでは、今回の本で一番回答するのがむずかしかった質問と、柳田さんが一番おもしろかった質問を教えてください。

柳田さん むずかしかったのは……ジブリのアニメ『猫の恩返し』のカラスの階段でしょうか。ハルが猫のムタとカラスが作った階段を歩くシーンがあるんですが……。これはまさに、先程の科学が絵画的であるということの良い例だと思うのですが、いかにものすごい状況であるかを文章で説明するのは、むずかしかったですね。(回答はぜひ、本書をお読みください)
おもしろかったのは、「東京フライパン作戦」ですね。『仮面ライダーアマゾン』に登場する知る人ぞ知る作戦なんですが、世界征服を狙うガランダー帝国がガマ獣人という怪人に実行させます。この作戦をたてたガマ獣人と、ガランダー帝国の親分のやりとりも漫才みたいだし……(笑)。なにしろ世界征服の計画を部下にプレゼンさせて「おもしろくない」って投げ捨てたり、手間がかかりそうな東京フライパン作戦は「すばらしい!やってみろ」と……。しかも、三原山の溶岩を富士山にひいて、富士山を爆発させ、その溶岩を東京の地下に導き、東京をフランパンのように熱くして人々を狂い死にさせるというスケールの大きさ(笑)、結局は、自滅するしかないんですけどね。原稿に書いていないところで、すごく笑ってしまいました。ほんとに昔の特撮ってとんでもなくおもしろいですね。(これも詳細はぜひ本書で……)


−−最近、子供たちの理科離れが心配されていますが、この本は理科や科学に興味を持ってもらうきっかけになりそうですね。

柳田さん そういっていただけると、一番うれしいですね。
実験ショーをやりますと、理科がキライだからドライアイスも見たくないという人はいないです。目の前で起こる不思議な現象や、自然界そのものは、子供たちみんな大好きだと思います。だけど、そのあと公式だの法則だのがでてくるとこぼれていってしまう……。少しでも多くの人が、理科というものは、勉強すればこんなにおもしろい世界に入っていけるんだということに気がつくきっかけになってくれるといいですね。

大学で講義や講演会をしますと、ぼくの本を読んで、理系に進もうと決めたと話す学生さんにも、よく会います。親子で読書をするきっかけになりましたという話も聞きました。世代的に幅広いアニメやマンガの話が入っているので、家族のコミュニケーションにもなると思います。これがきっかけで、惑星の図鑑や宇宙の本に手をのばしてくれれば……。


−−今後はどんな質問に答えていきたいですか?

柳田さん これまでずっと高校生たちの質問に答えてきましたので、次回は、一般の方の質問や、読者ハガキなどにも答えていきたいと思っています。また、内容も空想科学だけでなくて、諺とか伝説もやってみたいですね。たとえば「川上哲治がファールチップをすると、バットの焦げるニオイが外野まで届いた……」みたいな逸話が、昔の野球選手物語によくありますが……話題が昔すぎましたか(笑)。
質問していただいたからこそ、堂々と答えられるということもあります。


−−ありがとうこざいました!
















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