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マリアビートル

特別企画! 新作 「マリアビートル」大興奮!!

楽天ブックス小説バイヤーと伊坂幸太郎さんのQ & A公開!
今回、楽天ブックスだけに伊坂幸太郎さんがマリアビートルの製作秘話を教えてくださいました。

Q & A はこちら


Q1  久しぶりの書き下ろし長編!本当に面白かったです!!
連載小説より自由に書かれている感じがしたのですが、いかがでしたか?


伊坂さん 基本的には書き下ろしが一番楽しくて、それが一番やりたいことなんですね。
雑誌掲載用の仕事が続き、書き下ろしの時間が取れなくなるとストレスを感じます。
ただ、やりたいこととはいえ、小説を書くのは、僕にとっては(登山のように)しんどい作業で、
どの作品にも、自由なところと不自由なところがあります。
「マリアビートル」の場合は、蜜柑と檸檬のやり取りを書くのが楽しかったため、それに 牽引してもらったところがあります。



Q2  『檸檬&蜜柑』、『天道虫』、『王子』etc登場人物の奇想天外なネーミングの発想はどこから?


伊坂さん いつも登場人物の名前には悩みます。
「あれ、これは誰だったか」と読者を悩ませる必要はないと思いますので、うまく印象付けが
できたらいいな、と考えています。
はじめは、前作「グラスホッパー」同様、漢字一文字で統一させようと考えていたのですが、
なかなか良いものが思いつかず、それを考えていて六年経って しまったようなところもあるかもしれません。
「檸檬」と「蜜柑」は、作中に少し触れましたが、芥川龍之介の「蜜柑」(好きな小説です)
のことを考えていて、そこからつながりました。



Q3  物語の中心人物である中学生『王子』は存在しそうでしないような・・・
中学生ですが(私は一番好きなキャラクターです!)
伊坂さんが「中学生」という世代を書こうと思ったのは何故ですか?
また、伊坂さんの中学生時代ってこんなにクレバーでしたか?


伊坂さん 一番好きなキャラクターでしたか(笑)
「悪意の超人」のようなものを登場させたい、という意識が強くありました。
ただの、「クラスのリーダーでいじめっ子」というレベルでは、それこそ現実にもいそうですし、
それをフィクションで書く意味はあまりないように感じます。
たとえば画家が、風景を写真で撮るのではなく、わざわざ絵にして表現するのは、そうすることで、
その本質を表現できると感じたからだろうな、と思います。
僕は、「写真そっくりの絵」にあまり興味がないのですが、それと同じように、「現実そっくりの小説」、
にも興味がないのかもしれません(単に、書けない、という理由もあります)。
だから、現実にはいないような中学生に登場してもらいました。
どうして、「中学生」という世代を書こうと思ったのかは、長くなりそうなので(大した理由ではありません)省略させてください。
僕が中学生だった頃は、(他の誰もがそうであるように)生意気ではあったとは思いますが、王子とはまるで違います。
「今日は、おにゃん子クラブ観られるかなあー」とか思ってる、クレバーとは程遠い感じでした。



Q4  読者はみんな「東北新幹線」に乗ることにワクワクすると思うのですが
『新幹線』を舞台にしようというのはずっと温めていた舞台ですか?
こんなにミステリー向きだと思いませんでした。


伊坂さん 去年、書きはじめる頃に、「殺し屋たちが新幹線に乗り込んでくる」という設定を決めました。
あたためていたわけではないのですが、「暴走特急」や「暴走機関車」 「北国の帝王」「リスボン特急」などの映画は好きですから、
そういったところからの発想だと思います。
ただ、この回答を書きながら一つ思い出したのですが、子供の頃にテレビで観た、手塚治虫さんの
「海底超特急マリンエクスプレス」に興奮した記憶があります(あらすじはまったく思い出せませんが)。
それも関係しているのかもしれません。



Q5  殺し屋小説にして「どうして、人を殺しては行けないのか?」って大きな問題が
啓示された小説ですが伊坂さんなりの答えを書ききった感じでしょうか?
作家は生と死についてやはり一生向き合うものですか?


伊坂さん 個人的には、「どうして人を殺してはいけないのか」という問いがあまり好きじゃないので、
その好きじゃない理由を書いてみた感じです。 作家に限らず、どの人にとっても、「自分が死ぬこと(死にたくないこと)」
「大事な人が死ぬこと(死んでもらいたくないこと)」は一番重要なことだと思いますし、
だから、作り話を考えたりするんだろうな、と思います。



伊坂幸太郎プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。
2000年『オーデュボンの祈り』で、第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。
04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞を受賞。
08年『ゴールデンスランバー』で、第21回山本周五郎賞、第5回本屋大賞を受賞。


⇒伊坂幸太郎の過去のインタビューはこちら

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