トップ > キャンペーン・特集 > CD > Artist Voice ― Suchmos

Artist Voice ― Suchmos

2016/7/5掲載

2016年夏のダウンビート・アンセムをひっさげ、Suchmosの2人が登場!

Suchmosが贈る2016年夏のダウンビート・アンセム。7月発売のEP「MINT CONDITION」は、リーバイスとコラボレーションした「MINT」を筆頭に、進化するSuchmosならではのグルーヴを堪能できる、気楽なBGMにもマニアックな聴き込みにも応える一枚だ。今回はヴォーカルのYONCEとDJのKCEEが登場。物腰は丁寧だが臆することなく、自然な自信に満ちたフラットな口調がいつもながらに清々しかった。







この6人で死ぬまで音楽をやっていきたい

――Suchmosの曲はもともと音に隙間があるグルーヴ重視の作りが好きなんですけど、「MINT CONDITION」ではそれがさらに強化された感じがします。一音一音がよく聞こえるし、ヴォーカルも生々しい。より硬派になっていませんか?

■KCEE「バレちゃいましたね(笑)」

■YONCE「おっしゃるとおりです。とくに〈MINT〉では、楽器を重ねるということをほとんどしてないんです。日本の音楽業界って、シングルだから、リード曲だからって音を分厚くする傾向がすごく強いじゃないですか。J-POPの範疇であればむしろアリだと思うんですけど、バンド音楽でそんなことやってどうすんだよっていう気持ちがあって。俺らはむしろ生々しさとか、血が通ってるやつらがやってる、地元でたむろってた6人組がやってる音楽であることを強調したいんです。リリックの部分でもそういう気持ちが強くて。だから初めて納得のいくレベルで録れたというか、自分の歌もだんだんいい感じになってきてんだなっていうのが確認できて、うれしかったです。去年の『THE BAY』の時点でそうだったのかもしれないけど、徹底して今の潮流と距離を置いてるんです」

■KCEE「『THE BAY』ってめちゃめちゃいい作品だったと思ってる。1枚目のアルバムで、音もそんなによくないけど、いちばん俺ららしいっていうか、ベースになってる音楽をとりあえず曲にできたなって。そのときに持っていた音楽的な完成のヴィジョンを、1年後のこの段階で進化させた4曲が〈MINT CONDITION〉って感じです」

――アルバムではなくEP2連発にしたのはなぜですか?

■YONCE「俺的には〈MINT〉って曲を夏に聴いてもらいたいっていうのがあります。ひと夏を過ごすアンセムとしてみんなの傍にあったら、たぶんこの曲、調子いいよって」

■KCEE「アルバムを出すこともできたとは思うんですけど、聴いてくれる人たちも『THE BAY』〈LOVE & VICE〉で次アルバムってなると、ちゃんと聴き切れないんじゃないかと。まだ飽きれてないっていうか(笑)」

■YONCE「正常なペースを保ちたいっていうのもあって。これからフェス・シーズンが始まるっていうときに、前倒しでアルバムの制作とかやってたら、たぶん何が何やらってなっちゃってたと思んですよ。そんなに器用なバンドじゃないので。だから今はライヴのモードを作りたくて。去年のうちに曲はほぼできてたんですけど、レコーディングまで漕ぎ着けられたのは、たぶん4曲だったからだと思うんです」

■KCEE「制作期間ってあんまり打ちたくないんですよ。つねにライヴがあってリハがあって、1週間空いたらその間に新曲を作るっていう、当たり前の音楽的なペースを続けていきたい。俺ら6人は兄弟っていうか幼なじみで、音楽をやる前から遊んでた仲なんで、ずっと一緒にいたいし、できればこの6人で死ぬまで音楽をやっていきたいんです。そう考えて長い目で見たときに、できるだけシンプルな形で活動して、その中で作品を出していきたいっていうのはありますね」

■YONCE「俺らのいちばん気持ちいいやり方でやれないと、たぶんいい曲が書けないと思うんで。今はとりあえず強いライヴをできるようになるっていうことに重きを置きたい。まだ刀を研いでるんですよ。夏フェスって格好の道場破りの機会だし、経験値を貯めるにもいい場だと思うんで、そこに向けての準備を最優先してるっていうことだと思います」

俺らは負けない

――『今回はすべて作曲クレジットがバンド名義になっていますよね。前は誰が書いたって入っていたけど、今回それをナシにしたのはどうしてですか?

■KCEE「〈MINT〉は俺とYONCEが作ったんですよ」

■YONCE「誤植です(笑)。これで入稿しちゃったんでもういいんですけど」

■KCEE「YONCEが去年のうちにほぼできてたって言いましたけど、去年の9月、『THE BAY』のリリース・パーティの後に2人で合宿免許で新潟に行ったんです。2週間、テレビも何もない狭い部屋で2人っきりで(笑)。ギターだけ持ってきてたんで俺がずーっとそれを弾いて、YONCEが鼻唄を歌ってたら、どんどん形になっていって、Cメロ以外の部分はほとんどそこでできました」

■YONCE「新潟で歌詞もほとんどできちゃったんですよ」

■KCEE「俺ら、リリース・パーティでは正直いいライヴができたとは思ってなかったんですね。当時は対バンでも先輩のライヴに出るときも、基本的なマインドは“ぶっ飛ばす”、俺らがよければそれでいいっていうスタンスで行ってて。もちろんそれも重要なんだけど、たとえばこないだのクアトロのワンマン(4月)だと、500人以上のお客さんが俺らだけを見に来てくれてるわけで、それって味方ってことじゃないですか。唯一、俺らが信じる人たちであるファンが500人。その意味をわかってなかったんですよね」

■YONCE「ホームの歓声に戸惑っちゃうみたいな現象が起きてて。なんだこれ? 優しくされた! みたいな(笑)」

■KCEE「そんな人たちの前で、“俺らかっけえから見とけ”みたいなテンションでやっちゃってた。その空間をスペシャルなものにするっていうことにまだ目がいってなかったんです。それをやりたいね、もう一歩意識のレベルを上げたいね、って新潟でYONCEとずっと話してて。オアシスとかローリング・ストーンズのあの無敵のマインド感と、お客さんがそのマインド感に興奮しているロックの美しい形。あれを俺らも手にしたいんです」

――“調子はどうだい 兄弟 徘徊しないかい”という軽快な歌詞にも、その思いが表われているわけですね。

■YONCE 「4月の〈ESSENCE〉リリースから9月のリリース・パーティまで、人生でいちばん忙しい時間を過ごして、なんとかやり遂げて、ずーっと張り詰めてたものがいったん弛緩したタイミングで新潟に行って、すごくリラックスした状況で思いついた曲なんですよ。俺らなんとかやってきたな、この後もこの感じでやっていけば絶対に大丈夫だ、って確信も生まれたし、単純にホームが欲しいみたいな気持ちも生まれたんで、こういうことは素直に言うべきだなって思って(笑)」

■KCEE「あらかじめアンセムを作りにいこうって作った曲なんで。俺ら6人が生まれたときから一緒にいる仲間に対して思うこと、いちばんあったかい心情をYONCEがリリックにしてくれました。で、その気持ちって、俺らを見に来てくれた人たちに対して抱くものでもあるのかなって。共感してくれって言うのはめちゃめちゃダセえなって思うんで、俺ら仲間に対してこう思ってるんだよね、って素直に語りかけてるんです。“わたしたちにもそう思ってくれてる”って感じてもらえたらいいし、事実そうだし。ワンマン・ライヴという“ホーム”から発した、俺らは負けない、っていう宣言でもあるんですよ」

『MINT CONDITION』という言葉には“新品同様”という意味がある。リーバイスのキャンペーンと直接は関係ないそうだが、ヴィンテージのジーンズや楽器のあり方にはシンパシーを覚えるという。ピカピカの新曲が古びるとともに味わいを増していく、その過程を楽しんでほしいとも言っていた。夏フェスのステージから「これまで体感したことのない踊り方や楽しみ方を提案する」と意気込むSuchmosは、間違いなく全国各地に自由で爽やかな風を吹かせてくれるはずだ。ぜひ体験していただきたい。

取材・文 高岡洋詞 CDジャーナル 2016年7月号掲載

関連 DISC

NEW MINT CONDITION


発売日
2016年07月06日

購入はこちら
収録曲
[Disc1]
01. MINT
02. DUMBO
03. JET COAST
04. S.G.S.3

おすすめキャンペーン・特集

このページの先頭へ