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2014.10.03 更新

モーニング娘。'14 最新シングル 『TIKI BUN/シャバダバ ドゥ〜/見返り美人』


道重さゆみさんラストシングルとして、その解禁をファンたちが今か今かと待ちわびて来たモーニング娘。'14の57枚目のシングル『TIKI BUN』が、ついにその全貌を現しました。

モーニング娘。史上最も偉大なリーダーとも評され、また、かつて最もお茶の間で知られていた時代のモーニング娘。と、只今絶賛再ブレイク中である新生モーニング娘。を繋ぐ唯一の存在。それが道重さゆみさんであり、そのラストシングルなのですから、それはもはや日本のアイドル史に残る1枚であることはあらかじめ決められているわけです。

それは一体どんな凄い曲で、どうびっくりさせてくれるのかと、多くのファンが期待に胸を膨らませていたわけですが…シングル発売というニュースから先はなかなか具体的な発表が無く、ついにタイトルが解禁されたのは8月16日のハロー!プロジェクトコンサートの時でした。

「トリプルA面シングルのタイトルは、こちらで〜す」という道重さんの紹介で、中野サンプラザの大きなモニターに映し出されたのは、『TIKI BUN/シャバダバ ドゥ〜/見返り美人』という3曲のタイトル。

客席はその一瞬受け身を取れず、歓声が上がるのにタイムラグがあったように感じました。だって、『TIKI BUN』がまず、何て読んだらいいのかわからないんですよ!司会のまことさん(シャ乱Q)ですら、「これは、チキブン、でいいんですか?」なんて言って、はっきり読み方をわかっていませんでしたから。さらにそこに続くのが『シャバダバ ドゥ〜』ですから。なかなかの脱力感です。そして『見返り美人』という、画期的に古風なタイトル…演歌かよ!っていう。まあ、実際演歌だったんですが。とにかくこの3曲の字面のインパクトは圧倒的でした。いきなりタイトルでこんな感じににビックリさせられるとは思ってもみなかったので、やっぱりつんく♂さんは凄いなと思いましたね。

そんな『TIKI BUN(チキブン)』のライブ初披露が、9月14日の『モーニング娘。'14 誕生日記念ライブ「18年目もいきまっしょい!」』で行われ、その後『ハロ!ステ』でMVも解禁されました。

重要な道重さんのラストシングル、どんな曲で来るのかと思ったら…印象的なリフレインと泣きのサビメロ、そして最近のつんく♂さんの特徴でもあるグッと背中を押す強い歌詞という、ド直球にカッコいい曲でした。

印象的なDJ風の振り付けは、視線をカメラや客席から外すというありそうでなかった斬新なもので、10人の揃った手の動きと、衣装のスカーフが揺れる様がとても美しい仕上がりに。そして、サビは全員で肩を組むダンスで、これはシンプルながらモーニング娘。'14の結束力を象徴しているようにも見えます。新しさもあり、グループを象徴する表現もあり…モーニング娘。'14が道重さんをリーダーとして50枚目の『One・Two・Three』から続いて来た路線の、集大成的な曲とダンスになっているんじゃないかと感じました。

MVも、だだっ広いコンクリ打ちっぱなしの倉庫みたいな所で、踊りと照明だけで魅せるというまたストイックな仕上がり。もうどんどんモーニング娘。'14はシンプルになっていってますね。ギミックがなくとも、歌とフォーメーションダンスだけで十分勝負できる彼女たちにとって、このMVもまたひとつの完成形のような気がします。

それから、このMVで個人的に特に注目したいのは、最年少メンバーである工藤遥さんの存在感がとても大きくなっていること。センターに配置されていることが多いのも大きいのかもしれませんが、表情やダンス中の所作にかなり目を惹かれます。ドキッとさせられるような表現力が増しているというか…。MVだけでなく、「18年目もいきまっしょい!」の時のライブ映像を見てもやはり工藤さんに目が行くんですよ。

工藤さんは夏に上演されたミュージカル『リリウム』でも重要な役所を演じていましたが、そういう経験が彼女の表現力を向上させているんでしょうか。若いメンバーのこういった成長を見るにつけ、道重さん卒業後、残されたメンバーがどうなってゆくかが非常に楽しみになります。

総じて、『TIKI BUN』は道重さんの卒業というテーマに合わせた曲というより、今のモーニング娘。'14の全員野球的なスタイルをストレートに表現した一曲だと思いました。 歴史的にもモーニング娘。は、メンバーの卒業にシングルの曲のテーマを寄せることはあまりなかったように思われます。しかし今回は道重さんの卒業という重要事項なのでそれも…というのは考えすぎだったようで、モーニング娘。はやはり潔かった。過剰に演出しない、私にとってはそういう所がいつもグッときます。

対して、『シャバダバ ドゥ〜』は道重さんのソロ曲で、メンバーたちもカワイイと絶賛するレトロなジャズ/フレンチポップ風エレクトロナンバー。フリージャズ感ある管楽器の使い方がカッコいい。曲調、歌詞の内容ともに、まさに道重さんのための一曲といった趣きです。道重さんのソロ曲といえば名曲『ラララのピピピ』がありますが、道重さんの世界観をそれよりさらに深化させた感じがたまりません。

そして『見返り美人』は、道重さんを送る9人による演歌調の一曲。突然演歌と言われたらびっくりするけれど、これが想像を超えてポップな演歌に仕上がっていて、今の娘。の曲として全く違和感無く聴くことができました。 『シャバダバ ドゥ〜』『見返り美人』の2曲は、道重さんの卒業を盛り上げる曲として申し分ない楽曲だと思います。

ところで、「TIKI BUN」の意味って一体なんなんでしょうね。 つんく♂さんのセルフライナーノーツによると、「仮に “TIKI BUN” としておいて後で何かフレーズを考えようと思っていたのですが、“TIKI BUN”に勝るフレーズも出て来ず」とのことなので、特に意味もない言葉なのか、新たなユニバーサル言語なのか…。 考えれば考える程、「チキブン、チキブン…」が脳内で鳴り続けるのです。 まあ、「寝不足は寝るしかない」ということで、考えすぎないでおこうと思います。

コラム記事:劔樹人

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