現在地
 > HELLO! PROJECT公認コラム「HELLO! Navi ハロナビ」 > HELLO! PROJECT公認コラムvol.15

Article

2014.10.24 更新

スマイレージ「演劇女子部S/mileage's JUKEBOX-MUSICAL『SMILE FANTASY!』」レポート

10月13日(祝)スマイレージ出演「演劇女子部S/mileage's JUKEBOX-MUSICAL『SMILE FANTASY!』」が、大盛況のうちに幕を閉じました。

脚本・演出は、「ステーシーズ 少女再殺歌劇」「我らジャンヌ~少女聖戦歌劇~」「LILIUM-リリウム 少女純血歌劇-」を手掛けた末満健一さん。しかし今作は前作までとは一転し、明るくって楽しくって底抜けに可愛い、おもちゃ箱をひっくり返したようなエンターテイメントミュージカルとなりました。これまでの楽曲がフルに活用されたステージは、まさにジューク・ボックス。めくるめくようなスマイレージ的世界が繰り広げられ、ファンにはたまらないスマイレージのスマイレージによるスマイレージのための舞台でした。

この物語はフィクションです

この物語の主人公は、アヤカ(和田彩花)、カノン(福田花音)、カナ(中西香菜)、アカリ(竹内朱莉)、リナ(勝田里奈)、メイミ(田村芽実)の6人の少女たち。アイドルグループ「スマイレージ」として多忙な日々を送る彼女たちは、リーダーであるアヤカの家でパジャマパーティーをしながら「もうひとつの人生」について思いを馳せていく――といったメタフィクション構成となっています。少女たちが思い描くIfの世界、そこにリンクするスマイレージ楽曲…浴衣着て金魚すくいの夏祭りを夢見るメイメイ、あすはデートなのに、今すぐ声が聴きたいりなぷ〜、おそらく恋愛対象外と凹むタケちゃん、どんな時もヤッタルチャンなかななん、そしてそして、Kissするタイミングばかり気にする彼にやきもきするかにょん、これ以上優しくしないでとしっとり歌い上げるあやちょ…。つんく♂さんの描く、甘酸っぱくて楽しくて胸がきゅうっとなって"意味もなく涙とか出てきちゃう"女の子のキラキラソングがこれでもか!と炸裂していました。(やっぱりつんく♂さんの心の中って、絶対中2女子が住んでますよね…) はちゃめちゃな妄想にキャッキャとはしゃいでいる6人の姿が、とにかく可愛いらしくて女の子らしくって、本当に愛おしい…。仲良しな彼女たちの楽屋裏を覗いてしまったような、"普通の女の子"感に逆にドキドキしてしまいました。(クールな和田くんにも別の意味でドキドキ…。笑)

「出会ってくれてありがとう」

かわるがわる登場する男装姿のメンバーにキュンキュン、テンポの良い掛け合いに爆笑、目の前に広がる光景はこんなに幸せで溢れているのに、私は気づけば涙が止まらなくなっていました。それは、スマイレージ楽曲が孕む切なさ、有限であるこの美しい時間、そしてスマイレージ自身の持つドラマチックな物語性のためでしょうか。これまでのスマイレージを思うと、これからのスマイレージを思うと(スマイレージという名前自体も今年いっぱいで変わってしまうわけですが…)、もうどうしようもない気持ちになるのです。

「いつかスマイレージの楽しい時間も終わり。ずっとこのままのスマイレージでいられたら、みんなとずっと一緒にいられたらいいのに。」

スマイレージの改名そして増員は、『SMILE FANTASY!』の稽古も大詰めになってから、脚本・演出である末満さんに知らされたそうです。つまり、今回の台詞とそれらの件が不思議とシンクロしてしまったのは、全くの偶然。劇中の彼女たちはこれから訪れる「変化の時」も知らずに、ただ無邪気に、だけどいつか訪れるであろうその時を思って、一分一秒を大切に生きているのです。「せめて今だけは大切な人たちと愛で繋がろう そして最後は笑顔でさようなら」――。

武道館公演という一つの目標を達成し、メンバーからメンバーに、そしてファンへと語られる感謝の気持ち。改めて「出会ってくれてありがとう」「みんなに出会えてよかった」と抱き合い、「いま目の前にいる貴方に、今はここにいないけどどこかで私たちのことを思ってくれてる貴方にも、たったひとつの言葉を伝えたい」と心を込めて歌う姿に、客席から啜り泣く声が多く聞こえてきました。

スマイレージのメンバーが出会えた確率、私達がスマイレージに出会えた確率、それは天文学的な確率を通り越して、この出会いこそが、存在が、笑顔が、ありえないほどの奇跡。そう、それは神様にだって予測できないファンタジーなのです。

笑顔のマイルをフルチャージし、終幕の時を迎えようとしているスマイレージという名のアイドルグループ。だけど、スマイレージがたくさんの幸せをくれたこと、キラキラと美しい時を過ごしたこと、ここまで歩んできた軌跡は、決してフィクションなんかじゃない。そして、これからも「物語は続く」のです。

だから、"幕は必ずおりてしまうけれど、最後の最後まで笑顔で"――。

コラム記事:塚本舞

記事一覧を見る