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公認コラムHELLO Navi!

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2015.3.20 更新

「The Middle Management〜女性中間管理職〜/我武者LIFE/次の角を曲がれ」レビュー

この半年、ハロー!プロジェクトは大きく構造を変化させてきましたが、その中で最も大きな変化は、つんく♂さんの関わり方ではないかと思っています。

これまで、ハロー!プロジェクトとはつんく♂さんの創る世界であり、ハロー!プロジェクトの音楽に関わる全てはつんく♂さんが司ってきた。私たちはそう認識してきました。
少なくとも、ごく一部の楽曲を除いては、作詞作曲は全てつんく♂さんによるものだった。「締め切りとは、人間の力を目一杯に引き出す装置。だから絶対に締め切りは守る(著書『一番になる人』より)」という哲学を持って、年間100曲以上というとんでもない数の楽曲を作り続けてきたわけです。

それが、2015年に発表されたハロー!プロジェクトのシングル曲を見ると、つんく♂さんの作詞作曲はモーニング娘。’15の2曲と、作詞で℃-uteの1曲のみ。残りの11曲は全てつんく♂さん以外の作品となっている!

つんく♂さんの負担が少なくなり、大幅に外部クリエイターが起用されるようになったわけです。
もちろんそれは、病気の休養がきっかけというやむを得ない事情からではありましたが、これは逆に、ハロー!プロジェクトが、例えつんく♂さんが関わらなくなったとしても続いてゆくものであるというポジティブな可能性を示してくれる結果となりました。

私たちは心のどこかで(ほとんど考えることも無かったかもしれませんが)、つんく♂さんが引退する時とは、ハロプロが無くなる時だと思っていたのではないでしょうか?
でも、つんく♂さんがこの18年間でこだわりを持って示し続けてきた「ハロー!プロジェクトらしさ」はしっかり後進のクリエイターたちに影響を及ぼし、ハロー!プロジェクトは例えるなら宝塚のように、そしてモーニング娘。がそうであるように、「イズム」として未来永劫受け継がれてゆくものになってゆくのではないかと思うのです。

そうして4月1日にリリースされるのが℃-uteの27th トリプルA面シングル『The Middle Management~女性中間管理職~ / 我武者LIFE / 次の角を曲がれ』であります!

『The Middle Management~女性中間管理職~ 』は、つんく♂さん作詞による℃-uteらしい疾走感溢れるナンバー。「気がつけばいつの間にかみんなが年下」という、まさに今の℃-uteが置かれた状況をOLの恋愛に置き換えて、それでもさらに攻めの姿勢を示した歌詞は、10年間℃-uteを見守り続けてきたつんく♂さんならではの視点で、これがハロプロの世界観だ!と安心感すら覚えます。

MVでの大人っぽい雰囲気も、ベテランの余裕とハイレベルなスキル、そして極限まで磨き上げられたビジュアルと全てが揃った上で成立しているもの。想像を絶するカッコよさと美しさです。
カントリーガールズやこぶしファクトリーといったルーキーがフレッシュな可愛らしさで話題になっていますが、℃-uteは全く別のステージにいる感じがします。

ダンスは岡井千聖さんをセンターに始まりますが、今新世代のバラドルとしてバラエティ番組でブレイクしている岡井ちゃんのこの異様にカッコいい姿は、お茶の間で笑っている全ての人が体験しておくべきだと思います(MV中のドラマシーンにはいつもの岡井ちゃんらしい表情も見られます)。℃-uteはアイドルとして別次元にあることを思い知らされる一曲です。

3曲のうちに最初にコンサートで披露された『次の角を曲がれ』は、アンジュルム『大器晩成』のヒットで一躍時の人となった中島卓偉さんの作。つんく♂さんの後継者としてハロプロファンからの期待を最も集めるアーティストです。
『次の角を曲がれ』は『大器晩成』同様、卓偉さんのアルバム用に作られていた曲であり、℃-uteの楽曲提供用に書き下ろされたものではありません。それなのに、こんなに℃-uteに馴染んでいるのですから、ここに着目したディレクターの選球眼やアレンジャーの手腕も含め、非常にハイレベルなディレクションだったと思います。

卓偉さんの作風は、つんく♂さんのちょっと毒気ある捻られた楽曲とは違い、とてもストレート。だからこそ、ギリギリの状態からメンバー追加と改名で起死回生を狙ったアンジュルムや、一気に立場が変わり、ハロプロを牽引する大きな責任を任されたばかりの℃-uteの状況に力強くハマったのではないでしょうか。しかし、それを本当にストレートなサウンドで表現するのではなく、重厚なストリングスで美しい楽曲に仕上げてある所が「力」と「美」の入り混じる℃-uteにぴったりです。
それにしても、『次の角を曲がれ』って、口に出したくなる素晴らしい言葉ですよね。タイトルの時点で名曲が確定する感覚、間違い無いと思います。

そして…他のグループも加えた現時点の非つんく♂曲で、最も意外性を感じたのが『我武者LIFE』でした。
そもそも、この曲はテレビ朝日系の音楽バラエティ番組「musicるTV」の音楽作家オーディション企画「ミリオン連発音楽作家塾」で、湘南乃風SHOCK EYEさんをプロデューサーに、オーディションで選ばれた新人作家KOUGAさんが作曲したもの。 制作されてゆく過程を見るのは、かつてのASAYANを思い出す懐かしい感覚でしたが、ここで指揮を執っているのはシャ乱Qのつんく♂さんではなく、湘南乃風のSHOCK EYEさんなわけで。『我武者LIFE』というタイトルからしてかなりヤーマンな風を感じるわけですが、蓋を開けてみたらラップとシングが融合したメロディー、サビでレゲエになるリズム(もちろんタオルが回される)、ダチとのガチな絆に感謝する歌詞と、かなり強く風が吹いていました。
ハロプロの中でつんく♂さんは様々な曲を作ってきて、アレンジにも多くのオマージュがあったけれど、この感じは新鮮です。つんく♂さんのような「毒気」はないけれど純粋にいい曲だし、その分新しいファンに届くような、そんな気もします。

また、SHOCK EYEさんは、℃-uteの10周年というテーマを歌詞に表現して下さっているのですが、MVのセットのペインティングにも、卒業したメンバーたちのイニシャルを入れたりという工夫があるとのこと。新しいけど、℃-uteの10年の歴史に寄り添うような、そんな曲だと思います。
ライブの本編最後に歌われたりしたら、感動してしまうだろうな…。

6月11日には初めての横浜アリーナ公演を迎える℃-ute。
グループ史上最大の会場で、この新しい3曲が大事な位置を担うことは間違い無いでしょう。

コラム記事:劔樹人


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