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公認コラムHELLO Navi!

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2015.8.7 更新

8/19発売『Oh my wish!/スカッとMy Heart/今すぐ飛び込む勇気』レビュー


そろそろ、8月19日発売のこのトリプルA面シングルに関してのメディア露出も本格化してきましたが、話題性として牽引してきたのは、これまで「ぽっちゃりキャラ」として知られてきたズッキこと鈴木香音さんの激やせのニュースでした。

道重さゆみさんがモーニング娘。のリーダーだった時代、鈴木香音さんは道重さんに次ぐ知名度があったものの、それは「ぽっちゃりキャラ」が先行してしまっていた故の部分もありました。
とはいえ、「カワイイ」を突き詰めてきた道重リーダーが「モーニング娘。の中でなりたいのは鈴木の顔」と高く評価していたように、実は鈴木香音さんは正統派の美少女。
今回のダイエットは、彼女のこれまでフォーカスされていなかったそのポテンシャルを大いに見せつけた形になりました。

ワンファイブの本格始動になった今年の初頭、鈴木香音さんは怪我やインフルエンザによって思うように活動できず、悔しい思いをしたことでありましょうが、このシングルは、そんな苦しい時期と試練を乗り越えた鈴木香音さんが爆発している。そんな印象を受けました。

鈴木香音さんと工藤遥さんが、ツートップでメインボーカルを務めるのが『Oh my wish!』。
ジャケット写真でもミュージックビデオでも、2人が堂々とセンターを張っています。

モーニング娘。は、過去の歴史をさかのぼると、『ザ☆ピ〜ス!』は石川梨華さん、『Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜』は吉澤ひとみさん、『涙が止まらない放課後』は紺野あさ美さん…というように、センターとなるメインボーカルのメンバーが曲によって次々変わっていた時代もありましたが、パフォーマンスの軸が全体で魅せるフォーメーションダンスに移行してからは、明確にメインボーカルを定めた楽曲はほとんどやってきませんでした。
それが『Oh my wish!』では、ボーカルをとるメンバーと歌唱に参加しないダンスメンバーとにチーム分けされるという思い切ったフォーメーションを採用。鈴木さん、工藤さんをメインボーカルとして強く立たせ、小田さくらさん、佐藤優樹さんが脇を固めるボーカル編成はとても新鮮です。また、これまで歌の中心を担ってきた鞘師里保さんは、自身のもうひとつの武器であるダンスに徹し、同じくアイドル界でも最高レベルのダンススキルを誇る石田亜佑美さん、リーダーの譜久村聖さん、サブリーダーの生田衣梨奈さんとともにダイナミックなダンスを披露しています。

モーニング娘。のEDMサウンドを確立した最大の功労者・大久保薫氏がアレンジしたサウンドは、今回も疾走感のあるEDMになっていて、イントロには2013年の名曲『愛の軍団』を思わせるボイスモジュレーターのフレーズも。DJ的に繋がれる構成がひとつの魅力であるワンファイブのライブで、この曲がどう組み込まれてゆくのか。単独公演で聴くのも楽しみになります。

そして、『Oh my wish!』は作詞と作曲がつんく♂さんなんです。参加する作家が増えたのは楽しいけれど、つんく♂楽曲に抱く感覚は特別。
「わかるだろう? 進むべき道や キラキラと輝くために すべきこと」
この詩をモーニング娘。’15が歌うことに、他では代え難い意味を強く感じます。

もう一曲のつんく♂楽曲が『スカッとMy Heart』。
かつて『マジですかスカ?』というスカをビートをベースにした楽曲があったので、今回もそういう言葉遊びも有り得るかな?と思っていたのですが、この『スカッとMy Heart』はギターカッティングと分厚いブラスセクションでどっしりと腰から踊らせるような横ノリのファンクナンバー。
EDMメインのサウンドに変化して以降、かつてモーニング娘。の代名詞だったディスコファンク路線はアンジュルムやJuice=Juiceが請け負ってきましたが、ついにモーニング娘。がミラーボールの下に戻ってきたという感じがします。
ディスコファンクといえば昨年、マーク・ロンソンの『Uptown Funk』というナンバーが全米で大ヒットしたのが記憶に新しく、そういったファンクに対する世界的な流れもあるのかもしれませんが、モーニング娘。というのは常に時代に流されない存在なのであります。この曲と2000年リリースの作品『インスピレーション!』(『恋愛レボリューション21』のカップリング曲)を並べて聴いたら、いかにモーニング娘。のディスコファンクが時代を超越しているかということが感じられるでしょう。

戻ってきたといえば、セーラー服(女子高生じゃなくて水兵のほう)風の衣装は、往年の大名曲『ザ☆ピ〜ス!』を思い出させてくれることも追記しておきます。

また、つんく♂さん作の歌詞について、リーダーの譜久村聖さんは「私たちモーニング娘。’15は、自分に自信のない子たちが多いのですが、そういう部分も歌詞に含まれていて、自信はないけど決意や熱意では負けない人の姿が描かれていると思います。サビの“ほら ほめて ほめてよ”のところは、“世間の皆さん、もっと今のモーニング娘。’15を褒めてや!”という、つんく♂さんからのメッセージだったらいいなと思いました。」とコメントしています。
自分の弱さを認めながらも、「もう逃げたりはしない」。だけど、「心の中スカッとするほど ほら ほめて ほめてよ ほめまくってよ」という、なんとも素直な気持ち。そりゃあ、誰だってせめてほめてもらうことくらいしてもらわないと頑張れないってことです!

3曲目、『今すぐ飛び込む勇気』は、ハロー!プロジェクト関連の楽曲でも急激にその才能を現してきた若き作詞家・児玉雨子さんと、大ベテラン・三浦徳子さんという、もはやお馴染みのふたりの共作の歌詞に、つんく♂さんのシャ乱Q時代からの盟友であるたいせいさんの作曲。
メンバーコメントによるとこの曲では、佐藤優樹さんと野中美希さんがメインになっているとのこと。確かに、一聴すると小田さくらさんか?と思えるようなソロパートも、よく聞くと佐藤さんだということに気がつきます。道重さゆみさん卒業後、心身ともに急成長をみせている佐藤さんと、12期の中でも歌とダンスで頭一つ抜け出た感のある野中さん。今後が楽しみなこのふたりにスポットが当たっているのも新鮮です。

また、編曲の浜田ピエール裕介さんは、ハロー!に初めて関わる作家さんですが、作曲家としては関ジャニ∞『ズッコケ男道』、遊助『たんぽぽ』などのヒットで知られています。実は彼は元々はシャ乱Qとも深い親交のあった「P.I.MONSTER」というバンドのギタリストで、筆者の大学の直接の先輩なのです…。これは全くの偶然なのですが。
筆者が大学時代はピエール先輩のバンドをよく観に行ったりもしていました。大阪でつんく♂さんと一緒にラジオ番組をやられていた記憶もあります。つんく♂さんとの関わりとしては歴史が長そうですが、作家としてはハロー!プロジェクトは一切交わることはなく、十数年の時を経てこの曲で初参加となったようです。
そんなピエールさんのアレンジにより、『今すぐ飛び込む勇気』は間奏のバイオリンの美しい旋律も印象的な、強く儚い仕上がりとなっています。

2012年の『One・Two・Three』のリリースは、モーニング娘。にとって新しい何かが始まった瞬間で、今のモーニング娘。’15はまだその延長上にいるといえます。
あれが見たことのないものであったのは確かですが、あまりにも長い歴史のあるモーニング娘。にとっては、古きに学ぶことが未来をつかむこととなるかもしれない。懐かしい空気と新しい挑戦を同時に感じる今回のシングルから、またモーニング娘。にとって新しい何かが始まるタイミングが近い未来に訪れるような、そんな気配を感じているのでした。

コラム記事:劔樹人


【8/19発売】『Oh my wish!/スカッとMy Heart/今すぐ飛び込む勇気』
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