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公認コラムHELLO Navi!

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2016.5.27 更新

「演劇女子部『気絶するほど愛してる!』」観劇レポート

池袋グリーンシアターで上演されていた東京公演、大阪ABCホールでの本編上映会も大盛況で幕を閉じた「演劇女子部『気絶するほど愛してる!』」。
懐かしいサウンドとノスタルジックな世界観、レトロな衣装に身を包んだカントリー・ガールズ、つばきファクトリーによって紡がれた物語は、意外なほどに切なく心揺さぶられるものでしたーー。

舞台は1966年、ロカビリー全盛期。 歌い手による甘い声、体中のエネルギーを爆発させる激しいリズム。会場になだれ込む10代のファンたち。悲鳴にも似た歓声。
寛子は、他界した妹の夢を叶えるため東京へやって来る。そこで、妹にそっくりな少女・幸子と、妹が憧れたスター・ビリー星野と出会う。
幸子に誘われ、ビリー星野の親衛隊の一員となった寛子は、それまでの淋しさを忘れさせてくれる充実した日々を送っていた。そして、あるきっかけから寛子は、憧れのビリーと急接近。もちろん周りには内緒の恋。時代はロカビリーからGS(グループサウンズ)へ。 そんな熱い時代を生きた少女たちをカントリー・ガールズ、つばきファクトリーが演じる、青春ストーリー。

演劇女子部初主演にして、初出演となったカントリー・ガールズ。特に昨年末加入したばかりの新メンバーは、舞台上で一体どのような動きを見せるのか想像もつかないだけに、期待が高まりました。そして何と言っても、今回の見所は男装に挑戦するメンバーたち。事前に公開された特設サイト、CMで確認されたその姿は、ハロプロ男装史を振り返ってみても上位に入るほどのクオリティの高さ。そこに細かな設定や動きが加わることで、さらに魅力的なキャラクターが描かれていました。

ウエスタンカーニバルでも圧倒的人気を誇る「ビリー星野」を演じるのは、つばきファクトリー岸本ゆめのちゃん。スラッと伸びた長い脚にバッチリ決まった髪型、ハスキーボイスに少々不安定そうなメンタルが何とも女心をくすぐります。ぶっきらぼうで自分勝手、自信家でナルシスト、なのに時折、雨に震える子犬のような弱さを垣間見せるなんてズルい!昭和時代から存在していた"俺様系男子"の需要を一手に担う、ビリー星野。こりゃ、田舎から出てきた女子なんてひとたまりもありません。

対して冷静沈着、端整なルックスと穏やかな物腰で"王子様系男子"需要を欲しいがままにしてそうなのが、カントリー・ガールズ山木梨沙ちゃん演じる「ジェリー」。後半の展開も含め、どうしたって憎めない、なんなら少し可哀想、とさえ思わせてしまう理由は、山木さんの滲み出る人柄の良さのせいでしょうか。個人的には物語終盤、GSの「ザ・ライガーズ」として帰ってきたジェリーのヘアスタイルと衣装がものすごく似合っていて、惚れ惚れしてしまいました。

カントリー・ガールズ小関舞ちゃん演じる「マーシー」は、驚くほど自然に"少年"。普段のアイドルとしての姿を忘れてしまうほど、ナチュラルにバンドメンバーとして存在していたマーシー。バンド内で一番の後輩、という設定が実際のカントリー・ガールズでの立ち位置と同じということもありますが、舞ちゃん自身の演技に対するポテンシャルの高さが伺えました。男装に限らず、今後色んな役でお芝居に挑戦して欲しい!と思ったメンバーです。

そして、そんなハロプロメンバーをしっかりとした演技で支えていたのが、演劇女子部の小野田暖優ちゃん演じる「ミッキー」。何気ないやり取りでの表情や間の取り方は流石でした。一筋縄ではいかない性格のメンバーが揃っているバンド内、常識的な"いいヤツ"を堅実に演じていました。

忘れちゃならない、もう一人の男装役といえば、つばきファクトリー新沼希空ちゃん演じる「山上空二郎」「ニー」。その他にもたくさんの役を演じ大忙しだった希空ちゃんですが、独特なリズムの取り方や抑揚のつけ方に、彼女自身の魅力がたっぷりと表れていました。

そんな輝くスターが数多く活躍する、ウエスタンカーニバルに突如現れたヒロイン。それが田舎から出てきたばかりの何にも知らない女の子、カントリー・ガールズ稲場愛香ちゃん演じる「寛子」です。スカート丈長めのセーラー服も、おさげの三つ編みも、訛りまくりの独白も、全てがいじらしく、愛らしい。最初は彼女の可愛らしさにのほほんとしていたのですが、物語が進むにつれ、その演技力の高さや感情の乗せ方にぐいぐいと引き込まれ、終盤では思わずこちらの涙腺も崩壊。ダンス・歌・トーク、何をさせても器用な女の子という印象でしたが、お芝居というフィールドでこんなにも心揺さぶるパフォーマンスを見せてくれるとは思いませんでした。決断を選んだ複雑な乙女心や、"田舎の女の子"が恋を知って"東京の女性"へと成長していく姿を、色鮮やかに表現できたのは愛香ちゃんしかいなかったと思います。最後の黒いワンピース姿、ハッとするほど美しかったです。

そんな寛子の亡くなった妹にそっくりな「幸子」を演じるのは、カントリー・ガールズ森戸知沙希ちゃん。病弱なお金持ちのお嬢様は、世間知らずでお人好し。周りが見えなくて突っ走ることもあるけれど、そのピュアな眼差しは絶対無敵な純真さ。60年代スタイルも抜群に似合っていて、ステージ上を華やかにしていました。
寛子と幸子の運命的な仲良くなり方や、微妙な距離感、そして決別…10代の女の子独特の不器用さや若さ故の頑固さが、甘酸っぱく切ない気持ちを助長させました。

ビリーとの恋愛、そして幸子との友情、二つの大切なものを知り、嬉しい気持ちや楽しい気持ち、悲しい気持ちや苦しい気持ちを経験し、苦渋の選択の末、答えを出した寛子…。

アイドルの初舞台という言葉に想像されるイメージとは裏腹に、色々なことを考えさせられるストーリーに白熱の演技。演劇女子部、そしてハロー!プロジェクトのレベルの高さを実感させられました。

芝居だけでなく、日頃のレッスンの成果がこれでもか!と発揮されていたのが、ビリーの親衛隊メンバー。高いヒールでのツイストダンスやリズムの難しい楽曲などは、さりげなくも相当な難易度の要求される動きを見せていました。少しの出番でも誰よりも目立とう!と顔で歌い踊る梁川奈々美ちゃんからは、ハロプロ研修生時代に培われたであろうイズムを感じ、ゾクゾク。オンザ眉毛の谷本安美ちゃんの吸引力や、山岸理子ちゃんの怪しい間の取り方、小片リサちゃんの細かい顔芸や浅倉樹々ちゃんビリーへの熱量、船木結ちゃんの小動物的可愛さなどなど、メインキャスト以外のメンバーたちも個性豊かなキャラクター揃いで目が足りない!様々な役を演じ切った演劇女子部の石井杏奈ちゃんは本当に達者な方だし、安定感抜群な演技と存在感で会場を温めまくった須藤茉麻ちゃんはとても素敵な女優さんでした。細かな見所は上げ出したらキリがないほどです。

オリジナルサウンドトラックには、「気絶するほど愛してる!」「ロックンロールに掴みたい」他、寛子と幸子による「本当の姉妹みたい」、ビリーと寛子による「これが夢なら」、そしてザ・カシューナッツによる「約束してね」も収録!ご家庭でお気軽に「シャラリラ」できちゃうわけです!(船木結ちゃんと梁川奈々美ちゃんのハーモーニーは必聴です!)

アイドルやステージ、ファンとの関係性といった難しいテーマにフォーカスを当てた今回の作品。結末に対する感想は人それぞれ違うかと思いますが、全力で取り組むキラキラとした彼女たちの姿に誰しもが心の中で叫んだはずです。「気絶するほど愛してる!」

コラム記事:塚本舞


カントリー・ガールズ/演劇女子部 「気絶するほど愛してる!」 オリジナルサウンドトラック(6月1日発売)
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カントリー・ガールズ/演劇女子部 「気絶するほど愛してる!」 オリジナルサウンドトラック(6月1日発売)
池袋シアターグリーン BIG TREE THEATERにて会場先行販売されていたCDになります。
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