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2016.6.17 更新

モーニング娘。'16コンサートツアー春~EMOTION IN MOTION~鈴木香音卒業スペシャル レポート

本当はもっとすごいマンガ ズッキと俺たちの未来

鈴木香音という人物がモーニング娘。に残した功績は、ファンやメンバー、そして本人が思っている以上に大きかったんじゃないかと思っています。

彼女の名前が、何度Yahoo!ニュースのトップを飾ったことか。ASAYANというテレビ番組からモーニング娘。が誕生した20年近く前と違い、インターネットを中心に情報を得る手段が複雑化した昨今、彼女がモーニング娘。にいてくれたことは、何にも変えられない大きな財産でした。

そして何より、どんなネガティブなことも全て忘れさせてくれるような屈託のない笑顔。どれだけの人が鈴木香音さんの笑顔に救われたことでしょう。

鈴木香音さんの卒業コンサート

2016年5月31日、モーニング娘。’16 コンサートツアー春 ~EMOTION IN MOTION~ 日本武道館公演、鈴木香音さんの卒業コンサート。前日には同会場でアンジュルムの田村芽実さんの卒業コンサートが行われたのですが、そちらで使用された無数のレーザーやせりあがるセンターステージなどを中心としたド派手な演出のステージセットからはすっかり一新されていました。
その代わり、もしかしてスピーカーを増量しているのか?と思えるほどの低音が鳴り響き、モーニング娘。’16のライブがスタートしました。メンバーが芸術作品のようにリフトでステージに運ばれてくるオープニングの『One・Two・Three(updated)』から、『愛の軍団』『恋愛ハンター(updated)』と、明らかにモーニング娘。のEDMサイドを意識したクラブ仕様な音作りに武道館が揺れます。とりわけ4曲目の『恋愛レボリューション21(updated)』のレイブ感は圧倒的でした。ハロー!プロジェクトは現場主義のライブ集団であり、モーニング娘。のトラックは、デカイ音で踊らせるためのものなんですよね。この感覚はライブならではのものです。

けたたましいハーモニックマイナースケールのリードギターフレーズが鳴り響く『Tokyoという片隅』、さらに『The Vision』というつんく♂さん作の最新曲のあとは、高橋愛さんがリーダーを務めていた「プラチナ期」時代の名曲『なんちゃって恋愛』のB面(しかも、『40th記念盤』という特殊なものだけの)だったハロプロ・レアグルーヴ楽曲ともいえる『すべては愛の力』や、工藤遥・生田衣梨奈・牧野真莉愛が男役パートを務めることでツアー中も話題になった『Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~』など、歴史をまたいだ楽曲が続きます。この序盤でメンバーたちは汗だく。会場の盛り上がりもすでに最高潮を迎えました。

MCコーナーでは、最近の卒業コンサートの恒例となったハロプロリーダーの矢島舞美さん(℃-ute)が登場し、鈴木香音さんへの手紙を朗読。さらにここでは、昨年末でモーニング娘。を卒業し、アメリカに留学中の鞘師里保さんからのメッセージが矢島さんから紹介されるというサプライズもありました。鈴木さんと鞘師さんは同じ9期で同い年。9期メンバーの中でも年少のふたりが、17歳の若さで第2の人生を選択したわけです。

矢島舞美さんが登場し、鈴木香音さんへの手紙を朗読

メンバーを分割してのパートの後は、卒業する鈴木さんを含めた9期の3人によるMCのコーナーだったのですが、曲終わり、暗転したステージから「ギャアッ」という明らかにトラブルが起きた叫び声が上がりました。どうやら、鈴木さんは間違ってタオルを持ってステージに上がり、気がついて慌てて引き返す際に誰かにぶつかったようでした。さらに戻ってからも「この早(着)替え、無理がある!」と、衣装直しをステージで始めてしまいます。
しかし大舞台でも気取らないこの感じが、過去にテレビで「NGなしアイドルです!」と宣言していた鈴木さんがファンから愛された部分であり、まさにその本領発揮でした。緊張感あるパフォーマンスとのメリハリをつけ、みんなを和ませる大事な役割を彼女は担っていたわけで、彼女が卒業してしまうと、あまりこういうのも見られないのかな、なんてことも思いしみじみした気持ちになります。

ライブはメドレーからノンストップで怒涛の終盤戦に突入します。
『Help me!!(updated)』では、全員が蛍光のハットとグローブを使い照明で魅せるラインダンスを披露。こういった新たな挑戦を必ずやってくれるから、モーニング娘。は今もこのアイドルシーンで攻めた存在であり続けているのです。
さらに、『The 摩天楼ショー』『わがまま 気のまま 愛のジョーク』『みかん』『What is LOVE?』などの楽曲で立て続けにたたみかけ、最後は鈴木香音さんが初めてのダブルセンターを工藤遥さんと務めた『Oh my wish!』で本編は終了となりました。

鈴木香音が卒業までにやりたい10のこと

アンコールでは、緑のペンライトで埋め尽くさせた会場が大きな「香音」コールで鈴木香音さんを迎えます。
彼女はツアー中にMCで話してきた「鈴木香音が卒業までにやりたい10のこと」の最後のひとつだという、ひまわり柄のドレスで登場。「大切なことをいっぱい教わったので、私はこれからも自信を持って生きていけます」と、感謝の気持ちと新しい人生への思いを読み上げました。

そして、鈴木さんが最後に歌うことを選んだソロ曲は、福田明日香、保田圭、新垣里沙といった歴代の先輩たちも歌ってきた、モーニング娘。最古の卒業ソング『Never Forget』でした。客席では思わず涙を流すファンたちが続出する中、歌う鈴木香音さんは変わらぬ笑顔であり続けたのが印象的でした。

卒業セレモニーでは、残された11人がそれぞれ鈴木さんに言葉を贈ります。
同じ愛知県出身で、凱旋公演の時に「2色のペンライトが綺麗だね」と鈴木さんに言われ感激したというエピソードを涙ながらに語った牧野真莉愛さん(その後「まりあ、とっても嬉しかったです」という持ちネタを挟んだことでメンバーたちから「台無しなんだよ!」と突っ込まれる)や、卒業の話を聞いて「もう怒られない!」と喜んだというショッキングな話から、「それは愛情だったと今ならわかる」と涙を流した佐藤優樹さんなど、それぞれ感動的な挨拶でしたが、私が特に印象的だったのは「同期がいない自分にとって、鈴木さんが心の支えだった」という小田さくらさん。ここでは、鈴木さんにも目にも涙が溢れていました。後輩だけど同い年で、いつも一緒にカレーを食べに行っていたという小田さんは、鈴木さんにとっても特別な存在だったのでしょう。
そして、くしゃくしゃの泣き顔で「笑顔の連鎖を続けて行きます」と笑った石田亜佑美さん。彼女の言葉に、鈴木香音という人がモーニング娘。に残し、これからも受け継がれてゆくものが確実に存在していることを感じました。

「私の最大の魅力はこの笑顔だと思うので、皆さん、歌って踊って、最後まで笑顔で盛り上がりましょう!」
鈴木さんのラストシングルとなった新曲『泡沫サタデーナイト』が歌われ、ここで鈴木さんはひまわりのドレスから「DJ KANON」、そして楽曲の衣装へと3段階の早着替えを披露しました。
「最後の最後まで笑顔全開!!みんな今までありがとう!!!」
この曲の終わりには、メンバーみんながさっきまでの泣き顔から、晴れ晴れとしたいい笑顔になっているじゃないですか。
誰もを笑顔にできる歌の力、そして鈴木香音という人の底抜けの明るさ。
武道館に満ちていたのはそういうエネルギーでした。
本当にラストは、10年以上前に安倍なつみさんの卒業シングルとしてリリースされた『愛あらばIT'S ALL RIGHT』で、降り注ぐ緑の風船と共に会場はハッピーな空気に包まれ、メンバーと鈴木香音さんはステージを去ってゆきました。

鈴木香音が卒業までにやりたい10のこと

こうしてまたひとり、忘れられない人物がモーニング娘。を卒業して行きました。
芸能界を引退し介護福祉士を目指すという彼女には、寂しいけどもう2度と会えないのかもしれない…でも、いつかまた別の世界での活躍を知る機会があったら、と願わずにはいられませんでした。

同日、以前より行われてきた13期メンバーオーディションは該当者なしで、再募集となることが発表されました。しばらくは11人体制となるモーニング娘。’16ですが、別れと出会いを繰り返す中、そろそろ誰かの目立った覚醒がありそうな気がしています。鈴木香音さんの残した「笑顔の連鎖」が、未来のモーニング娘。たちにどんな良い影響を与えて行くか、しっかり見届けて行こうと思います。

2016年5月31日モーニング娘。'16コンサートツアー春~EMOTION IN MOTION~鈴木香音卒業スペシャル セットリスト

1. One・Two・Three(updated)
2. 愛の軍団
3. 恋愛ハンター(updated)
4. 恋愛レボリューション21(updated)
5. Tokyoという片隅
6 . The Vision
7. すべては愛の力
8. 女が目立って なぜイケナイ
9. 君の代わりは居やしない
10. Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~
11. 声(譜久村聖, 工藤遥, 小田さくら)
12. 乙女のタイミング(譜久村聖, 生田衣梨奈, 鈴木香音)
13. YAH! 愛したい!(生田衣梨奈, 鈴木香音, 飯窪春菜, 尾形春水, 牧野真莉愛, 羽賀朱音)
14. 愛して 愛して 後一分(石田亜佑美, 佐藤優樹, 野中美希)
15. 青春小僧が泣いている
16. Help me!!(updated)
17. そうだ!We’re ALIVE(updated)
18. 踊れ!モーニングカレー
19. OK YEAH!
20. The 摩天楼ショー
21. 君さえ居れば何も要らない
22. わがまま 気のまま 愛のジョーク
23. みかん
24. What is LOVE?
25. Oh my wish!

アンコール
26. Never forget(鈴木香音)
27. 泡沫サタデーナイト!
28. 愛あらばIT’S ALL RIGHT

コラム記事:劔樹人


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