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2015.6.18 更新

第3回  病魔と闘うアイドル「神谷えりな」とは?

仮面女子

2015年6月13日(土)、秋葉原の仮面女子劇場(P.A.R.M.S)で、地下アイドル・神谷えりながライブに復帰。会場は400人のファンで埋め尽くされ、彼女に対する温かい声援と拍手が巻き起こりました。と、いきなり書いても「え? それってどういうこと? そもそも神谷えりなって誰?」という方も多いですよね。そこで今回は神谷えりなという女の子にスポットを当ててみようと思います。

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●グラビア界の“神乳”

神谷えりな(1991年10月15日生まれ。2012年デビュー)は、仮面女子:スチームガールズのメンバー。『ヤングジャンプ』『週刊プレイボーイ』『アスキー.jp』などの雑誌グラビアでも活躍しているGカップアイドルです。ファンの間では“神乳”なんていうアダ名で呼ばれていたりもします。そんな、誰もがうらやむルックス&スタイルを持つ彼女ですが、実はある問題を抱えていました。それが「斜視」です。

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●突然の病

斜視とは、視線が片目だけずれてしまうこと。視るものが二重に見えてしまいます。実はこの症状、アイドルとしてはかなり致命的なのです。
人数の多いユニットの場合、メンバーは自分の立ち位置を覚えなくてはなりません。ところが彼女は視界が二重に見えているので立ち位置を把握が難しいのです。さらにライブ会場特有の強いライトの光は症状を悪化させてしまい、激しい頭痛・めまいなどが出てしまいます。つまり、ステージに立つことが困難になるのです。
そして「片目だけ位置がズレている」という状態は、ルックス的にもデメリットが大きい。アイドルという職業であれば、それはなおさらでしょう。神谷えりなは、このような症状に2年間近く悩まされていたのです。

●残酷な仕打ち。「原因不明」

彼女は斜視を克服するために多くの病院に通っていたようです。しかし、医師たちの反応は冷たいものでした。
「先生に『あなたの斜視は原因がわからない。だから、治し方もわからない』と言われ続けてました。(中略)脳に異常があるのかもしれないと言われ、MRIも撮って何回も検査を繰り返して、目の動きを調べると言って暗いお部屋に何回も入ったり、筋力が低下しているかもといって体に電気を流したこともありました」(本人のブログより)
こうした状況から、神谷えりなは2013年10月13日に行われた自身の生誕祭ライブで、ファンに病状を告白。ライブ出演本数を減らし、体調の様子を見ながら活動することを宣言します。
彼女は専門学校を卒業後、両親の反対を押し切って地下アイドルをはじめたような子です。思うように活動が出来ないことに歯がゆさを感じていたのは言うまでもありません。彼女の苦悩の記録は、公式動画「純血」の『神谷えりな物語シリーズ』を御覧ください。

●あなたに逢えた奇跡

斜視の告白から1年半近くたったある日のこと。朗報が訪れます。
「ついに答えを出してくれた先生がいました。『これ開散麻痺だよ。手術で治るよ』。(中略)一回の手術で治るかはわからない。でもゼロだった可能性に希望がみえました。答えをくれたこの先生を信じたいです」
こうして神谷えりなは2015年5月28日の午前に目の手術を行うことになります。オペは目を切開し、眼球の筋肉を引っ張りながら、目のずれを矯正していくという高度なものだったようです。
「手術時間は1時間ちょっとくらい。(中略)目を開いてみたら……。もともと視力が悪いので景色の見え方はボヤっとしていました。先生に『遠くのものを見てひとつに見える? 二つに見える?』って聞かれたので、『ひとつに見えます』と答えたら、『よし! 終わり! 治ったよ!』」

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●希望だけは捨てないで

視界に広がっていた二重の世界は、再びひとつの像を結ぶようになりました。それまで斜視であることを悟られるのが嫌でファンの顔をまともに見れなかったという彼女ですが、今ではしっかり視線を合わせることができます。術後のブログで彼女はこう語っていました。
「私はほんのちっぽけな地下アイドルの女の子。それでも必死にあがいて、生きています。大層なことは言えないけど、今回のことでひとつだけ自信を持って言えます。『希望だけは絶対に捨てないで』」

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●OPEN MY EYES

そんな神谷えりなの復帰を感慨深く見つめていたひとりのクリエイターがいます。武村大氏。仮面女子関連ユニットの楽曲を手がけている作詞家です。
彼は2014年に仮面女子:スチームガールズの楽曲『OPEN MY EYES』を作詞していますが、実はこの曲の歌詞は斜視に苦しんでいる神谷えりなをモチーフに作られたのだそうです。武村氏は彼女の復活をどんな気持ちで受け止めていたのでしょう。
「作品の中で彼女が歌う落ちサビに、『簡単じゃない 絶対はない だけど涙はSAY GOOD BYE』という歌詞があります。今後も病だけではない様々な壁や困難はあると思いますが、経験と作品を胸に、まっすぐに前を向いて、常に笑顔でステージに立ち続けてもらいたいです!」(武村氏コメント)

Photography by T.Okamoto

仮面男児尾谷幸憲、廣田晋一郎、佐々木翔の3名

文・仮面男児●尾谷幸憲、廣田晋一郎、佐々木翔の3名からなる地下クリエイター集団。新聞・雑誌・ウェブ・脚本等の執筆を中心に、コメンテーター、グラビアのプロデュース、広告/PRなど年間300本以上の仕事をこなし、地下ライター界最強の名をほしいままにしている。著書に『LOVE※』(講談社文庫)、『ラブリバ♂』(ゴマブックス)、『J-POPリパック白書』(徳間書店)、『すごいぜ!ノストラダムス』(メディアファクトリー)など。
(ツイッターはこちら @otaniyukinori @siss006 @gzzxnuFdXGhAexh)