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乃木坂46 公認コラム『のぼり坂』

2015.2.25 更新

「乃木坂46 3rd YEAR BIRTHDAY LIVE」総括

乃木坂46が2月22日、埼玉・西武ドームにて単独ライブ「乃木坂46 3rd YEAR BIRTHDAY LIVE」を開催しました。2012年の同日にシングル『ぐるぐるカーテン』でデビューしてからまる3年、これまでに彼女たちが発表してきたシングル10枚とアルバム1枚に収録された楽曲全68曲を約7時間半にわたり披露するこのバースデーライブ。初のドームライブには乃木坂46史上最多となる3万8000人ものファンが集結し、グループ3歳の誕生日を一緒にお祝いしました。今回のコラムではこのライブの様子を振り返りつつ、個人的な感想を述べていきたいと思います。

寒空の中、四方八方に神出鬼没のステージ構成

ドームとはいっても西武ドームは市街地から離れた自然の中に位置する、野外球場に屋根を被せた半野外というスタイル。この日は朝早くから小雨が降り注ぎ、開場時間以降も厚着をしないと厳しい気候でした。事前にオフィシャルサイトでのニュースやメンバーのブログで「当日はみんなの想像の10倍は寒いから防寒対策をお忘れなく!」と告知していましたが、同じ球場ライブでも昨年8月の明治神宮球場公演とは真逆の環境です。そんな中、メンバーは舞台裏でメイクや衣装の準備、そしてライブに向けて振り付けや進行の最終確認をするなど、開演ギリギリまで慌ただしい時間を送っていました。

前々日の2月20日にそれぞれ誕生日を迎えた橋本奈々未&伊藤万理華が開演直前の影アナを務め、ライブはほぼ定刻通りにスタート。まずは最近のライブやイベントに登場する機会の多い高橋大輔アナウンサーが、乃木坂メンバーを野球の試合のように“本日のスターティングメンバー”として紹介。続いて、『ぐるぐるカーテン』の衣装で乃木坂駅から西武ドームまで駆けつけるメンバーの姿を映したオープニング映像とともに「OVERTURE」が流れ始め、会場の熱気は早くも高まっていきます。そして長時間におよぶバースデーライブはデビューシングル『ぐるぐるカーテン』から開始。この日のステージはバースデーケーキをモチーフにしたメインステージと、グラウンドの中央に4方向を向いたスクリーンが上方に設置されたセンターステージ、そしてメインステージとそれ以外の3方向を結ぶランウェイに、その先端に用意されたサブステージという豪華な配置で、さらにグラウンド内やスタンド通路をメンバーを乗せたトロッコが走ったり、1塁&3塁ベンチの屋根でパフォーマンスしたりといったサプライズも用意。メンバーは曲によって登場する場所や歌唱するステージが異なるなど、大会場ながらもどの座席からでもメンバーを比較的間近で楽しめるような演出が次々に繰り出され、ファンを歓喜させました。

曲間、休憩中も気が抜けない!? 見どころ満載の演出

過去のバースデーライブ同様、この日も1stシングルブロック、2ndシングルブロックと、各シングルに収録された楽曲をリリース順に披露。ライブのエンディングに歌唱されることの多い「乃木坂の詩」が5曲目に歌われるという新鮮な驚きもありつつ、ライブは順調に進行していきます。途中のMCでは西野七瀬が「西武ドームって寒くて過酷(という印象)じゃないですか。でも今、寒くないんです(笑)。後半にいくにつれて寒くなりますけど、ライブは反比例して熱くなっていけたら」と口にするも、橋本奈々未は「私は今、寒いもんは寒いです(笑)」と言ってメンバーや観客の笑いを誘う場面も。そして生田絵梨花は「ななみん以外はみんな熱いんですよ(笑)。今日は皆さんに恩返しできますよう、がんばっていきます!」と宣言し、会場を盛り上げました。

また各シングルブロックの合間には、「乃木坂辞典」と題した映像も上映。50音やアルファベットにちなんだ乃木坂46に関する用語がランダムに紹介されるのですが、この中にはメンバーいじりやスタッフいじりなど、ファンなら思わずクスッとしてしまうようなネタも散りばめられており、曲の合間も楽しめる内容となっていました。

長時間のライブということで、この日は2回の休憩タイムも用意されました。寒空の中、約2時間おきに設置されたこの休憩タイムで観客はトイレや飲食などを済ませるのですが、ここでもファンを飽きさせない演出が。1回目の休憩タイムでは、個人PVだけで楽しめるメンバーのソロ楽曲映像が上映された後に、松村沙友理&生田絵梨花による“からあげ姉妹”がオリジナル曲「食物連鎖」をライブ初披露。さらに昨年4月の氣志團との対バンライブでお披露目された乃木坂メンバーによるバンド“乃木團”も、バンドセットで「ぐるぐるカーテン」と氣志團の「ONE NIGHT CARNIVAL」を演奏して観客を喜ばせました。

そして2回目の休憩タイムでは、さまざまなファッション誌の専属モデルを務めるメンバーによるファッションショーも展開。白石麻衣(Ray)、橋本奈々未、松村沙友理(Can Cam)、齋藤飛鳥(CUTiE)、西野七瀬(non-no)がそれぞれ専属モデルを担当するファッション誌のカラーに合った服装でランウェイを歩き、会場を彩りました。さらに“自称・フリーモデル”の川後陽菜も独自のファッションでステージに姿を表すと、会場にいるであろう各媒体の記者に向けて「お仕事お待ちしてます!」とアピール。ここでも終始笑いの絶えない展開となりました。

驚きの連発!10のサプライズ発表

乃木坂46の単独ライブ / イベントといえば、サプライズが用意されることでも知られています。今回も約7時間半の間に数々の発表事がありましたので、ここで整理してみたいと思います。

3月27日から原宿にて「乃木坂46 カフェ2015〜命は美しい〜」オープン。
3月18日発売の11thシングル『命は美しい』に、研究生(発表時)歌唱による新曲収録。
「アンダーライブ 3rdシーズン」が4月14〜19日、東京・Zeppブルーシアター六本木にて計8公演開催決定。
社団法人日本記念日協会が乃木坂46のCDデビュー記念日である2月22日を「乃木坂46の日」と認定。
5月公開予定の映画『DOCUMENTARY of 乃木坂46』の特報映像を初公開。
毎年春に開催されていた『16人のプリンシパル』、第4弾となる今年は秋開催に順延。
代わりにメンバー出演による、プリンシパルとは異なる新舞台の上演が決定。
研究生の伊藤純奈、佐々木琴子、鈴木絢音、寺田蘭世、山崎怜奈、渡辺みり愛の計6名が、正規メンバーに昇格。
乃木坂46新プロジェクトのメンバー1期生を募集。
3月18日発売の11thシングル『命は美しい』表題曲を初パフォーマンス。

このほかにもアルバム『透明な色』に収録し“こじ坂46”による「傾斜する」では、AKB48の小嶋陽菜がサプライズ出演する演出もありましたが、ここではΑ銑について触れてみたいと思います。

Δ鉢Г砲弔い討任垢、従来なら5月頃から半月前後にわたり実施されてきた「16人のプリンシパル」を順延して、新たな舞台を開始するというプロジェクト。特にこの1年で個人で舞台出演するメンバーが増えていますが、新舞台を上演することで全体の演技力の底上げを狙っているのでしょうか。あるいは、ほかのアイドルグループとの差別化を図るため、どんどんこういった企画を増やしていくのか。今のところどういった内容になるのかまったく明かされていませんが、舞台で映えるメンバーが多いだけに今から楽しみなところです。

そして┐鉢について。1期生メンバーが卒業を繰り返すたびに、これまで2期生である研究生が正規メンバーに昇格してきましたが、そろそろアンダーメンバーの数も少なくなってきており、11thシングルでは選抜メンバーが18人構成ということで、さらにアンダーの数も減ります。そこで昨年アンダーライブを経験したことで少しずつ実力や個性を付けつつある研究生を、本格的に実戦投入する段階に入ったということなのでしょう。実際に1年前よりも人気が高まっている研究生も多かったこともあり、彼女たちが今後選抜メンバーや従来のアンダーメンバーを脅かす存在になるかもしれません。いや、そうなってほしいと願ってやみません。

となると、通常は3期メンバー募集という形になるのでしょうが、その予想を裏切り「新プロジェクト」を立ち上げることに。乃木坂46自体がAKB48の公式ライバルという立ち位置ですが、今回1期生を募集する新プロジェクトは、果たして乃木坂46にとって姉妹グループになるのか、それとも真の意味でのライバルになるのか。そして従来のメンバーとどのような形で絡んでいくのか……興味は尽きません。デビュー4年目の乃木坂46は、さらに攻めの姿勢でアイドルシーンを突き進んでいくことになりそうです。

長時間ライブの果てに見えたもの

そんな情報量の多かった今回のバースデーライブ。夜になると最低気温2℃を記録し、薄着衣装が多い乃木坂メンバーや長時間野外に待機するファンにとっては非常に過酷なライブだったことは間違いありません。そもそも、大雨や降雪によってさらに気温が下がる可能性だってあったわけですから、あの程度の環境で済んだことは奇跡だったのかもしれません。にも関わらず、メンバーは最後まで誰ひとり欠けることなく、全速力で突っ走りました(全力で走った結果、見事に転ぶ秋元真夏というメンバーもいましたが)。

特に乃木坂46の楽曲にはミディアム〜スローナンバーが多く、気温が落ちていく中でそういった楽曲をパフォーマンスすること、そしてじっと聴き入ることは決してベストとは言い難い。それでも彼女たちは顔色ひとつ変えることなく、気持ちのこもったパフォーマンスで3万8000人の観客、そしてスカパー!を通じてお茶の間で観覧していた視聴者を魅了し続けました。

そして本編ラストとなる「何度目の青空か?」ではメンバーからファンへのサプライズではなく、観客(と運営スタッフ)からメンバーへのサプライズも用意されました。このサプライズは入場時に配布された風船を膨らませて、スクリーンの合図に合わせてその風船を宙に飛ばすというもの。大サビに入るタイミングで青い風船が会場中に飛び交うと、その光景はまるで青空のように……生駒里奈や秋元真夏などのメンバーは、この景色に涙腺を緩ませ、歌い終えると深々とお辞儀をしました。

そんな生駒里奈はライブ序盤、ソロ曲「水玉模様」を披露。昨年末のクリスマスライブではインフルエンザで欠席したため歌唱できなかったこの曲を1年ぶりに歌ったのですが、声を震わせ緊張した様子ながらも最後まで堂々と歌いきりました。その彼女がアンコール時のMCで「体力的にも最後まで続くか不安だったけど、今ここに立つことができました」と、安堵の表情を見せたのも印象的でした。

また病気で昨年8月の明治神宮球場ライブに不参加だった橋本奈々未にとっては、3万人規模の単独ライブは今回が初めて。オープニング時こそ「寒いものは寒い」と言っていた彼女も、エンディングでは「完走できて本当によかった」とうれしそうな笑顔を浮かべていました。さらに9thシングル「夏のFree&Easy」のブロックからライブに参加した交換留学生の松井玲奈は、出番こそ少なかったものの、その不在を感じさせないほどのパワフルなパフォーマンスを提示。アンコール時には他のメンバーがパーカーを羽織る中、彼女だけはTシャツ1枚でランウェイを走り回りました。

12時にスタートしたライブは、19時半に無事終了。持ち曲68曲に、新曲を含むアンコール5曲を加えた全73曲。休憩タイムに披露された“からあげ姉妹”や乃木團のパフォーマンスを含めると、全76曲を披露したことになります。この環境でメンバーを誰ひとり欠くことなく、しかもセットリストも削ることなく完遂したことは、彼女たちにとって大きな自信になったはずです。新たな挑戦についても発表済みですが、デビュー4年目の彼女たちが今回のライブで得たものをどういう形で我々に見せてくれるのか。まずはシリアスかつ鬼気迫るダンスが魅力の新曲「命は美しい」のリリースをもって、その結果を我々に提示してくれることでしょう。

メンバーの皆さん、ライブに関わったすべての人たち、そして会場に集まった3万8000人のファンの皆さん。本当にお疲れさまでした!

「乃木坂46 3rd YEAR BIRTHDAY LIVE」セットリスト

第1部
SE. OVERTURE
01. ぐるぐるカーテン
02. 会いたかったかもしれない
03. 左胸の勇気
04. 白い雲にのって
05. 乃木坂の詩
06. 失いたくないから
--映像:乃木坂辞典--
07. おいでシャンプー
08. ハウス!
09. 心の薬
10. 狼に口笛を
11. 水玉模様
12. 偶然を言い訳にして
--映像:乃木坂辞典--
13. 走れ!Bicycle
14. 人はなぜ走るのか?
15. 海流の島よ
16. 涙がまだ悲しみだった頃
17. せっかちなかたつむり
18. 音が出ないギター
--映像:乃木坂辞典--
19. 制服のマネキン
20. 指望遠鏡
21. やさしさなら間に合ってる
22. ここじゃないどこか
23. 春のメロディー
24. 渋谷ブルース
--映像:乃木坂辞典--
25. 君の名は希望
26. ロマンティックいか焼き
27. シャキイズム
28. サイコキネシスの可能性
29. でこぴん
30. 13日の金曜日

休憩(30分) ・食物連鎖 [からあげ姉妹] ・ぐるぐるカーテン [乃木團] ・ONE NIGHT CARNIVAL [乃木團]

第2部
SE. OVERTURE
31. ガールズルール
32. 人間という楽器
33. コウモリよ
34. 世界で一番 孤独なLover
35. 扇風機
36. 他の星から
--映像:乃木坂辞典--
37. バレッタ
38. 私のために 誰かのために
39. やさしさとは
40. 初恋の人を今でも
41. 月の大きさ
42. そんなバカな…
--映像:乃木坂辞典--
43. 気づいたら片想い
44. 吐息のメソッド
45. 生まれたままで
46. 孤独兄弟
47. ダンケシェーン
48. ロマンスのスタート

休憩(30分)
・ファッションショー

第3部
SE. OVERTURE
49. 夏のFree&Easy
50. 何もできずにそばにいる
51. ここにいる理由
52. その先の出口
53. 無口なライオン
54. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
55. あなたのために弾きたい
56. 自由の彼方
57. 僕がいる場所
58. なぞの落書き
59. 誰かは味方
60. 革命の馬
61. 傾斜する
62. ひとりよがり
--映像:乃木坂辞典--
63. 転がった鐘を鳴らせ!
64. Tender days
65. 遠回りの愛情
66. 私、起きる。
67. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
68. 何度目の青空か?

--アンコール--
69. ハウス!
70. 会いたかったかもしれない
71. 13日の金曜日
72. 命は美しい
73. 乃木坂の詩

3/18発売 タイトル未定(11thシングル)
デビュー作『ぐるぐるカーテン』がオリコンウイークリーチャート2位。 セカンドシングル『おいでシャンプー』から前作『何度目の青空か?』まで9作連続でオリコンウイークリーチャート1位を記録。 1月7日にリリースとなった記念すべきファーストアルバムも大ヒットし、同チャート1位を獲得している。 そんな今一番勢いのあるアイドルグループの乃木坂46のアルバム後初となるリリースは、通算11枚目のシングルになります。
CD情報

文:西廣智一 (WEBを中心に活動する音楽ライター。バンドマン、フリーター、会社員を経て、2005年末に株式会社ナターシャの立ち上げに参加する。翌2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」を筆頭とした音楽サイトにてインタビューやディスクレビューなどを執筆。)

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