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乃木坂46 公認コラム『のぼり坂』

2015.3.19 更新

乃木坂46 11thシングル『命は美しい』ライナーノーツ

いよいよ3月18日にリリースされた乃木坂46の11thシングル『命は美しい』。過去2回のコラムでは表題曲、そして西野七瀬のソロ曲「ごめんね ずっと…」について書いてきましたが、今回はその他の楽曲やMV、そして付属DVD収録の特典映像について触れたいと思います。

過去の“とあるMV”とリンクする「立ち直り中」

 まずはType-A収録のカップリング曲「立ち直り中」についてです。この曲を歌うのは11thシングル選抜メンバーの中で20歳を超えた“お姉さん”メンバー7名(秋元真夏、衛藤美彩、白石麻衣、高山一実、橋本奈々未、深川麻衣、松村沙友理)。作曲の福田貴史さんは過去にSKE48「美しい稲妻」などを手掛けてきた方で、「立ち直り中」はゆったりしたテンポ感と中心になって歌う白石の伸びやかな声が心地よい1曲に仕上がっています。

 MVは紡績工場で働く女性たちのヒューマンドラマが軸になっており、物語の軸になるのは白石&橋本。工場で働く2人がそれぞれの道へと進み、「自分にとっての幸せ」を探しながら生きていく様子が描かれています。時代設定的には昭和40年代をイメージさせながらも、どことなくファンタジー感すら漂わせる映像の質感が印象的です。本作の監督・湯浅弘章は乃木坂46の「無口なライオン」「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」などを手掛けてきた人。こうやってみると、「立ち直り中」のMVもなんとなくなく「無口なライオン」「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」にも通ずるものが感じられますよね。

 MVを観ていると、ハッとする場面がいくつか登場します。過去の乃木坂46のMVを観てきた人なら、思わずニヤッとしてしまうはずです。あえて曲名は挙げませんが、MVに登場するアイテムから今回の「立ち直り中」は“ある曲”のその後、もしくはアナザーストーリーやパラレルワールド的なリンクを感じさせるのです。前者と後者ではMVの監督は異なるものの、そのへんの遊び心もファンにはうれしいのではないでしょうか。

切なくてほっこりする「君は僕と会わない方がよかったのかな」

  続いてはType-C収録のアンダーメンバーによる新曲「君は僕と会わない方がよかったのかな」についてです。切ない歌詞とロックバラードを軸にした枯れたサウンド、ハーモニカのフレーズが印象的なこの曲でセンターポジションを務めるのは中元日芽香。MVは高校の同級生だったメンバーたちが、卒業して初めての同窓会のために故郷に戻ってくるというストーリーで、長野県上田市の全面協力のもと撮影されました。。

 同窓会に集まるメンバーと1人遅れて会場に向かう中元、そして学生時代の回想シーンと現在とがリンクする瞬間……悲しいとか寂しいとかそういう作品ではないのですが、自然をバックにした歌唱シーンと相まって切なさ満載。それでいてあの思わせぶりなエンディングにほっこりする……観終わった後の余韻まで含めて楽しめる1本となっています。

今回も粒ぞろいなカップリング曲

 MVが制作されていないカップリング曲2曲についても言及しておきたいと思います。最初に全仕様共通で収録された「あらかじめ語られるロマンス」。生田絵梨花、生駒里奈、伊藤万理華、齋藤飛鳥、星野みなみ、堀未央奈の6人が歌うこの曲は、軽やかなリズムが気持ちいいディスコナンバーです。エレクトロ調のダンスナンバーはこれまでもいくつかあったものの、こういったテンポが速すぎないオーソドックスなディスコチューンは意外にも初めて。なんでこれまでなかったんだろうと、不思議なくらいに違和感なく乃木坂46にハマった1曲だと思います。

 もう1曲は通常盤にのみ収録の「ボーダー」。今年2月に正規メンバーへと昇格した伊藤純奈、佐々木琴子、鈴木絢音、寺田蘭世、山崎怜奈、渡辺みり愛という、制作当時研究生だった6人が歌唱しています。研究生時代はなかなかレコーディングにも参加できず、今年1月発売のアルバム『透明な色』に収録された「自由の彼方」が初参加曲となった彼女たち。今回の「ボーダー」ではまだまだ初々しさが残る歌声を聴かせており、今後さらにレコーディング経験を積むことでライブとは違った個性を掴むことでしょう。この6人が本格的に制作に加わり、乃木坂46はさらに新たな可能性を見つけることになるかもしれませんね。

初の試み「メンバーのペア映像集」

 乃木坂46はこれまでシングル付属DVDの特典映像として、さまざまなクリエイターたちと各メンバーの個人PVを制作してきました(6th『ガールズルール』、8th『気づいたら片想い』のみ未収録)。しかし1stアルバム『透明な色』を一区切りとして次章に突入した乃木坂46は、今作から新たな映像作品にチャレンジしています。それがメンバー2人とクリエイター陣によるペアPVです。

 以前はメンバー1人ひとりにPVが用意されていたため、今回の企画に対して「スケールダウンした」「手抜きだ」などネガティブな感情を持っている人もいるかもしれません。が、いろいろなメンバーを組み合わせることにより生まれる化学反応や偶然性のある(あるいは、あらかじめ用意された)面白さには目を見張るものがあります。実際、YouTubeに予告映像が公開された時点で、そのカップリング(組み合わせ)や映像の仕上がりに胸を躍らせた人も多いのでは?

 映像の内容は観る側のイマジネーションをかき立てるものから出落ち感の強いものまでさまざま。例えばドラマ1つ取り上げても、クリエイターや出演メンバーが違うだけでこうも変わってくるのかと気付かされるし、安定の組み合わせや意外なカップリング、全編英語だけで通したり突然“飛び蹴り”が飛び出したりと非常に興味深い作品が並びます。

 さらに組み合わせによっては、過去の楽曲MVの続編的作品も登場します。Type-A収録の西野&若月のペアPVでは湯浅弘章さんが監督を担当しており、「無口なライオン」のその後を彷彿とさせる仕上がり。Type-B収録の白石&橋本のペアPVは2人のユニット曲「孤独兄弟」MVのプロローグという設定で物語が展開します。さらにType-C収録の生田&松村のペアPVは、前作『何度めの青空か?』で初登場した“からあげ姉妹”の続編。ちょうど今年2月のバースデーライブでライブ初お披露目となった“非公式(?)ユニット”が「食物連鎖」に続く新曲(どことなく90年代初頭のマンチェスタームーブメント的なダンスチューン)を披露しており、こちらも注目を集めそうです。こういう作品が制作できるのも、それだけ乃木坂46が歴史を刻み、ファンの印象に残る作品を作ってきたということなんでしょうね。

 ペアPVについては1本1本の見どころについてはあえて書きませんが、ぜひすべての映像をチェックしてお気に入りを見つけてみてください。

「立ち直り中」

「君は僕と会わない方がよかったのかな」

乃木坂46 Official YouTube Channel

 乃木坂46はこの11thシングル『命は美しい』を携えて、3月21日に京都パルスプラザ大展示場、5月2日にパシフィコ横浜、5月6日にポートメッセ名古屋で全国握手会を実施。当日は握手会のほかミニライブも予定されています。新曲を生で聴けるであろうこの貴重な機会をお見逃しなく!

命は美しい/ごめんね ずっと…(3/18発売11thシングル)
2015年3月18日(水)に発売する11thシングル。C/W曲として収録される西野七瀬ソロ曲「ごめんね ずっと…」も収録。今回は4バージョンがリリース!Type-A〜Cの初回仕様封入特典、全国握手会参加券+生写真は見逃せない!
CD情報

文:西廣智一 WEBを中心に活動する音楽ライター。バンドマン、フリーター、会社員を経て、2005年末に株式会社ナターシャの立ち上げに参加する。翌2006年よりライターとしての活動を開始し、現在さまざまな音楽サイトや雑誌にてインタビューやコラムなどを執筆中。

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