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乃木坂46 公認コラム『のぼり坂』

2016.8.3 更新

乃木坂46 15thシングル『裸足でSummer』ライナーノーツ

ライブDVD / Blu-ray『3rd YEAR BIRTHDAY LIVE 2015.2.22 SEIBU DOME』ライナーノーツ

乃木坂46が通算15枚目のシングル『裸足でSummer』を7月27日にリリースしました。本作は3月に発売された過去最大のヒットシングル『ハルジオンが咲く頃』、そして5月に発表された2ndアルバム『それぞれの椅子』に続く新作で、表題曲のセンターを齋藤飛鳥が初めて務めることでも話題の作品です。今回は5仕様(DVD付きType-A〜D、CD単品の通常盤)に収められた各楽曲について解説していきたいと思います。

裸足でSummer

毎年夏に発表されるシングル、特に2013年の6thシングル『ガールズルール』以降のこの時期の楽曲を“夏曲”と呼ぶファンは多く、「ガールズルール」「夏のFree&Easy」「太陽ノック」といったアップチューンがその年の夏を彩ってきました。また、同時期に開催される恒例の『真夏の全国ツアー』を象徴する1曲でもあることから、メンバーにとっても印象に残る楽曲群かもしれません。

そんなアップテンポの楽曲が続いた“夏曲”ですが、今年の「裸足でSummer」はBPMを落とし、サウンドやアレンジも過去の楽曲群とは一線を画する作風。センターの飛鳥に合わせたテイストなのか、それとも新たな乃木坂46をアピールするための第一歩なのかはプロデューサーもしくは制作チームに話を聞かないとわかりませんが、過去のシングル曲よりも非常に現代的で、よりJ-POP的と言えるかもしれません。

シンプルなコード進行の繰り返しと、そこから派生した展開という意味では前作「ハルジオンが咲く頃」にも通ずるものがあるのですが、前作はテイスト的にそれまでの“乃木坂らしさ”の流れにありました。そのテイストが大きく変わったことで、楽曲の骨格は似たようなものでもかなり違った印象を受けるのが非常に興味深い1曲です。一聴すると地味な印象もあるのですが、実は聴き返すうちにどんどんと引き込まれていき、最初は気づかなかった楽曲の細部が見えてくるという、スルメ的ナンバーとも言えるでしょう。

そして曲中に挿入される「Hey!」という掛け声は、ライブでの盛り上がりに必須の要素。オフィシャルYouTubeチャンネルではメンバー実演による、ライブでのタオルを使った盛り上がり方講座動画も公開されているので、これからツアーに行く予定のファンはこれを観てから会場に足を運ぶことをオススメします。

僕だけの光

各仕様の共通カップリングとして収録されるこの曲は、乃木坂46が番組サポーターを務める日本テレビ系『第36回全国高等学校クイズ選手権』の応援ソング。表題曲「裸足でSummer」にも通ずる作風なのですが、サウンド的にはよりクラブミュージック色が強まっています。こちらはJ-POPというよりも、洋楽のテイストに近いかもしれません。先日行ったメンバーインタビューでは「『マルキュー』(SHIBUYA109)でかかってそうな曲」という例えが挙がりましたが、なるほどと頷ける意見です。

『高校生クイズ』の応援ソングということもあり、歌詞も聴く者の背中を押すような内容。西野七瀬はこの曲について「歌詞だけ見ると静かな曲かなという感じですが、曲調は明るくて、歌っていてワクワクする曲です。聴いていて、背中を押してくれそうな感じの曲です」、白石麻衣は「私が好きなフレーズは『未来照らすのは自分自身』の部分です。深い歌詞ですし、自分を強くしてくれそうな歌詞だと思います。光り輝く青春の感じが滲み出ていて、『高校生クイズ』のイメージにぴったりだと思います」、秋元真夏は「歌詞の中に『近道を探すけど、自分を磨くのが一番のいい方法だ』とあるのですが、『高校生クイズ』に挑むような高校生たちへのメッセージソングとして、すごくピッタリだと思いました」とそれぞれメッセージを寄せています。また西野は「途中のHey!Hey!という掛け声も、みんなで一緒に手をあげながら、盛り上がれそうな曲です」とも述べており、こちらも今ツアーでの盛り上がりに欠かせない1曲になりそうです。

オフショアガール

Type-Aのみに収録のカップリング曲。意外にも、白石麻衣にとって初のソロ曲となります。ファッション誌の専属モデル起用やテレビのレギュラー番組出演などの外仕事で、初期から“乃木坂の顔”として活躍してきた彼女だけに結成5周年を目前にしたこのタイミングで初ソロ曲というのは古くからのファンにとっては「ついに!」という思いも強いことでしょう。

曲調は白石が初センターを務めた「ガールズルール」にも通ずるアップテンポのサマーソングで、往年のアメリカンポップスを思い出させるようなテイストが散りばめられています。またこの曲は『From AQUA〜谷川連峰の天然水〜』のCMソングとして7月上旬からテレビでもオンエアされているので、どこかで耳にしたことがあるという人も多いかもしれません。

齋藤飛鳥が初めてセンターを務める「裸足でSummer」と「僕だけの光」で現代的テイストおよび“新たな乃木坂46”を提示しつつ、“乃木坂の顔”のひとりである白石のソロ曲「オフショアガール」でどこか懐かしさを覚える従来の乃木坂テイストをアピールする。この対比が楽しめるのも今回の15thシングルの魅力かもしれません。

命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」

白石のソロ曲に続いては、生田絵梨花がソロ曲に挑戦。この曲はType-Bのみに収録されています。直近のアルバム『それぞれの椅子』では激しいロックナンバー「低体温のキス」を見事に歌い上げた生田ですが、今作では彼女が大好きなミュージカルを彷彿とさせる、クラシカルかつドラマチックな1曲に仕上がっています。

特に今作では男性ゲストボーカルを迎えたことでミュージカルの色合いはより濃くなっており、乃木坂46の楽曲としては少々異色な内容を言えるかもしれません。しかし、こういった「今までやったことないことに挑戦する」という姿勢は表題曲「裸足でSummer」などにも通ずるものがある気がします。生田の魅力を最大限に引き出しつつ、すごくシリアスなように聞こえて実はどこかコミカルという空気感も混在するのはさすがの一言。特にこの曲は中村太洸さんが手がけたミュージックビデオと合わせて楽しみたいところです。そうすることで、歌詞を読んだり曲を聴いたりしただけでは気づかなかった“オチ”の破壊力も、さらに増すことでしょう。

白米様

異色作ままだまだ続きます。Type-Cのみに収録されたこの曲は松村沙友理、佐々木琴子、寺田蘭世、伊藤かりんから構成される「さゆりんご軍団」による初のオリジナル曲。今年に入ってからめきめきとその存在感を増しているさゆりんご軍団が、その「ふわふわしつつも、どこかアンバランス」な魅力を楽曲の中でも存分に発揮してくれています。

「恋愛よりも白米」という歌詞もいかにも彼女たち(特に松村)らしい内容で、一聴するとコミックソングのようでもありますが、聴き返していると「実はかなり深い内容なんじゃないか?」「いやそんなことない、本当はみたまんまのイメージじゃ?」と堂々巡りを繰り返しているという謎の1曲。この曲もミュージックビデオと合わせて楽しむことで、その魅力はより倍増するのではないでしょうか。過去には松村の個人PV「ガチャ子さん」シリーズを手がけたことでも知られる伊藤衆人さんが監督した本作は、4人の魅力を存分に引き出した必見の映像と言えるでしょう。

シークレットグラフィティー

Type-Dのみにカップリングとして収録されるこの曲は、樋口日奈が初めてセンターを務めたアンダー楽曲。過去数作、マイナー調のミディアムナンバーが続いたことでアンダー曲の印象が固まりつつありましたが、選抜曲同様にアンダー曲もここでイメージを一新しています。しかし面白いことに、選抜曲「裸足でSummer」で現代的なサウンドを取り入れたのに対し、今回のアンダー曲「シークレットグラフィティー」では50〜60年代のアメリカンポップスにも通ずるスタンダード感を押し出しているのです。これもセンターに寄せた選択なのか、新たなアンダーをアピールするための選択なのかはわかりませんが、曲調的にも夏らしさが滲みてており、個人的にはベストなタイミングでの変化だったのではないかと思います。

実は初期アンダー曲には、今でもライブで人気の「13日の金曜日」のようなモータウンテイストの楽曲が存在し、以前からこういった色合いは持ち合わせていたと言えます。そういった安心感はありつつも、久しぶりにこういった楽曲を彼女たちが歌うことで生まれる新鮮さも同時に感じられ、そこが「懐かしくもあり新しい」感覚につながるのではないでしょうか。

またミュージックビデオにおいても、シリアスなドラマが展開されることが多かった近作から一転し、今回はコミカルなストーリーを楽しむことができます。その内容はどこか、過去の楽曲「そんなバカな…」(2013年発売の7thシングル『バレッタ』収録)のMVにも通ずるものがあり、髭男爵のひぐち君のゲスト出演含め見どころの多い作品に仕上がっています。

行くあてのない僕たち

通常盤のみに収められているこの曲は、伊藤万理華と井上小百合の2人が歌うミディアムテンポのダンスチューン。テイスト的には過去のアンダー楽曲に通ずるものがありますが、よりモダンな印象も受けます。直近のアルバム『それぞれの椅子』では生駒里奈と3人でポップで明るい「環状六号線」を歌った万理華&井上も、ここではもの悲しさや切なさを漂わせた歌声を聴かせてくれます。演技においても定評のある2人だけに、その表現力にも注目したいところです。

この曲はミュージックビデオこそ制作されていないものの、シングルType-D付属DVDには楽曲と同タイトルのショートムービーを収録。2014年発売の10thシングル『何度目の青空か?』収録のアンダー曲「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」MVの続編とも呼べる内容で、高校時代に同じ演劇部に所属していた同級生の2人(万理華、井上)の“その後”が描かれています。監督も「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」や「無口なライオン」「立ち直り中」などドラマ性の強い良作を手がけてきた湯浅弘章さんが担当しており、制作前に2人に対して長時間取材をした上で作られたオリジナル脚本が用意されています。演じることに対しても果敢に挑んできた乃木坂46だからこそ成し得たこの表現を、ぜひ楽曲と映像でお楽しみください。

以上7曲について、ざっと解説してみました。ここでは紹介できなかったものの、「裸足でSummer」や「オフショアガール」にもミュージックビデオが用意されており、それぞれ沖縄やグアムといった夏らしい場所で撮影された見応えのある映像となっています。また昨年夏の『真夏の全国ツアー2015』のオープニングで上映された映像、深川麻衣の卒業ドキュメント『ハルジオンが咲いた夜』といった映像も用意されているので、ぜひ楽曲と合わせて堪能してください。

乃木坂46 OFFICAL YouTube CHANNEL https://www.youtube.com/user/nogizaka46SMEJ

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★Type-A仕様/特典
■特典DVD収録
■全国イベント参加券 or スペシャルプレゼント応募券1枚
■生写真1枚(ランダム封入となります。)
CD情報

文:西廣智一 WEBを中心に活動する音楽ライター。バンドマン、フリーター、会社員を経て、2005年末に株式会社ナターシャの立ち上げに参加する。翌2006年よりライターとしての活動を開始し、現在さまざまな音楽サイトや雑誌にてインタビューやコラムなどを執筆中。

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