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乃木坂46 公認コラム『のぼり坂』

2016.11.8 更新

舞台『墓場、女子高生』囲み会見&ゲネプロレポート

乃木坂46のメンバーが出演する舞台『墓場、女子高生』が10月14日から21日にかけて、東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて上演されました。

この舞台は、昨年10月に上演され大きな反響を呼んだ『すべての犬は天国へ行く』に続く、乃木坂46メンバーによる本格舞台第2弾。脚本家・演出家の福原充則さんによる傑作『墓場、女子高生』を丸尾丸一郎さん(劇団鹿殺し)が新たに演出を手掛け、伊藤万理華、樋口日奈、能條愛未、斉藤優里、鈴木絢音、新内眞衣、井上小百合、伊藤純奈の8名が体当たりで演じました。共演には劇団「ナイロン100℃」の看板役者のひとりであるみのすけさん、乃木坂46ファンには『16人のプリンシパル deux』や『すべての犬は天国へ行く』などでおなじみの女優・柿丸美智恵さん、テレビや映画で活躍する劇団ロリータ男爵の加瀬澤拓未さん、独創性豊かな世界を作り出すもう中学生さんを迎え、時にコミカルな、時にシリアスなストーリーを展開していきます。

あらすじ

「いつでも思い出し笑いできるような出来事が、確かにいくつもあったんだけど…、」
学校の裏山にある墓場で、合唱部の少女達は今日も授業をサボって遊んでいる。
墓場にはいろんな人間が現れる。
オカルト部の部員達、ヒステリックな教師、疲れたサラリーマン、妖怪、幽霊…。
墓場には似合わないバカ騒ぎをしながらも、少女達は胸にある思いを抱えていた。
死んでしまった友達、日野陽子のこと。
その思いが押さえきれなくなった時、少女達は「陽子のために…」、「いや、自分達のために」とある行動を起こす。

配役

・日野 (合唱部)・・・伊藤万理華(乃木坂46)
・チョロ(合唱部)・・・樋口日奈(乃木坂46)
・メンコ(合唱部)・・・能條愛未(乃木坂46)
・ナカジ(合唱部)・・・斉藤優里(乃木坂46)
・ジモ (合唱部)・・・鈴木絢音(乃木坂46)
・ビンゼ(合唱部)・・・新内眞衣(乃木坂46)
・西川 (オカルト部)・・・井上小百合(乃木坂46)
・武田 (オカルト部)・・・伊藤純奈(乃木坂46)
・納見 (教師)・・・柿丸美智恵
・高田 (サラリーマン)・・・みのすけ(ナイロン100℃)
・真壁 (幽霊)・・・加瀬澤拓未
・山彦 (妖怪)・・・もう中学生

囲み会見レポート

10月14日の初日公演当日午前中、『墓場、女子高生』に出演する乃木坂46メンバー8名が囲み取材に登壇しました。

今回の舞台に対する意気込みを聞かれると、8名は下記のように回答。

伊藤純奈:私は今回の『墓場、女子高生』が初めての舞台。素敵なメンバーと素敵なキャストの皆さん、そして素敵なスタッフの皆さんといいものを作り上げられたらいいなと思うし、たくさん準備をしてきたので、その姿を皆さんに見ていただけたらなと思います。

伊藤万理華:私は本格的な舞台経験がまだ数少ないんですけども、メンバーの8人でこういう素晴らしい脚本に挑戦できるのがありがたいなと思うし、そのぶんを私たちの力でしっかりと見せていきたい。あと、観てくださった方が少しでも、学生時代を思い出して懐かしく思って、スッキリした気持ちで帰ってもらえたらいいなと思います。

井上小百合:(井上が演じる)西川はすごく弱い子だけど芯が強いところもあって、主人公の日野が生き返る前と生き返った後の強弱をしっかりつけられるように頑張りたいなと思います。それと観に来てくれた人が「ああ、アイドルが頑張ってるね」という感想ではなくて、「この作品は本当に面白かったね」と思ってもらえるように頑張りたいと思います。

斉藤優里:この舞台は生と死に関してのすごく重いお話だと思うんですけど、生の部分はエネルギッシュにとか死に関してはこうとか落差をしっかり付けられるように頑張りたい。皆さん暖かい目で見てくだされば嬉しいなと思います。

新内眞衣:(新内が演じる)ビンゼはもともと殻に閉じこもりがちだったんですけど、合唱部の子たちと出会って自分の内面を出せるようになったという女の子。きっと自分や友達に当てはまる方もいて、学生時代こうだったなと懐かしんでいただけたら嬉しいです。それと人の死を扱う作品なので重い部分もあるんですけど、終わった後はどこか晴れやかな帰っていただけたらなと思っているので、頑張って16公演完走したいと思います。

鈴木絢音:今回『墓場、女子高生』という素敵な脚本をこの8人と、そして役者さんを迎えてやらせていただきます。私は舞台経験が浅いんですけども、観に来てくださった方に何かメッセージを届けられるように演じていければなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

能條愛未:今回はシリアスコメディ。普段私たちは楽屋でもすごく仲良くワイワイしているので、その感じをコメディの部分に出せたら、シリアスな部分がより浮き立って作品の奥深さが出せるのでは。そこはこの8人で力を合わせていけたらなと思っています。

樋口日奈:みんなが演じる役にはそれぞれに似た部分もあればまったく違う一面もあるので、その違う一面を頑張って演じて、アイドルというよりはひとりの女優さんとして見てもらえるように頑張りたいなと思っています。それと観に来てくださった方々に「(アイドルとしての)樋口日奈は舞台にいなかった」と思ってもらえるぐらいその役になりきって、しっかり演じたいなと思います。

続いて、今回の舞台で各自演じる上で苦労したポイントを質問されると、8人は下記のように答えました。

純奈:(純奈が演じる)武田はオカルト部で、合唱部のみんなと関わるシーンがあまりなくてワチャワチャのシーンにもいないんですけど、その中でこの舞台に必要となれるようなスパイスというかちょっとしたキャラをどう出すのかというのを意識しました。あと、最後のシーンに向かっていって武田の立ち位置的なものがどう変わっていくのかを考えるのがすごく難しかったんですけど、もう掴めてると思いますのでそこも観てもらいたいです。

万理華:日野を演じるにあたって、死後の世界での日野と過去に生きていた日野というふたつの面があるんですけども、死後の世界って誰もが体験したことがない知らない部分じゃないですか。なのでどう演じていいか戸惑ったんですけど、演出家の方に「みんなが知らないからこそ自由にできる」と言ってくださったときに肩の荷が下りて、じゃあ私になりにやってみようと思えたので、きっと本番でも楽しくユーモラスな幽霊の世界観を見せていけると思います。

井上:お芝居の中で純奈とかがアイドルでは普段言えないようなことをここでバッと言うんですけど、その面白いワードに笑いをこらえるのが大変で。日野が自殺をしてしまうことをオブラートに包んで話す際、ウ○コに例えて言うんですよ(笑)。しかもシリアスなシーンで言うもんだから、余計に笑いそうになっちゃって。本番では笑わないように気をつけようと思います(笑)。他にもいろいろと、ファンの方ならびっくりしちゃうようなワードが出てくるので、そこも楽しみにしていてください。

優里:私、普段からワイワイしているタイプの人間なんですけど、それを舞台で表現する際に自分がワイワイしすぎて他の子のセリフが聞こえなくなってしまって、観てる方に伝わりづらいと演出家の方に注意されたことが多くて。なので、そこはしっかり伝わるように楽しく演じるというのが課題です。

新内:私は今24歳なんですけども、17、18歳の女子高に7年ぶりぐらいに挑戦したんです。でも落ち着いていてキャピキャピ感がどうしても足りないと演出家の方に注意されたので、どう頑張ってキャピキャピ感を出せばいいのかと考えてずっと女子高生の動画を観てました。「女子高生 面白動画」とか検索して。

他のメンバー:えーっ、怖いよ!(笑)

新内:(笑)。それが成果として演技に表れているかはわからないんですけど、ぜひ注目してほしいです。

鈴木:私が演じるジモちゃんはこのメンバーの中だと落ち着きのない子で、どっちかというと私とは正反対。自分の根暗な部分をどう隠そうかというのに稽古中は必死でした。でも、こうして衣装を着て舞台でリハーサルをやってみて、根暗な部分を隠すというよりも自分が心から楽しむことが重要だなと気づけたので、そういうところも観ていただきたいです。

能條:この舞台ですごく大事なのはエネルギーやパワーを届けることだと思うので、女子高生たちがふざけあってるところでは本当に頭を空っぽにしてふざける。でもちゃんと自分の役を演じたままでふざけたりしなくちゃいけないので、そこで思わず素が出てしまわないようにいつも考えながらやってました。

樋口:いつも乃木坂で活動していると1つひとつを丁寧にやってしまうから、私が演じるチョロみたいに何も気にしていない女子高生を演じるというのがなかなか難しくて。そういう、乃木坂を観てる人に普段の私を絶対に想像させちゃいけないなというか、その部分を捨てるのが一番難しかったです。

そして最後に、今回のメンバー8人について「どういうカンパニー(一団、一座)ですか?」と尋ねられると、能條は「みんなそれぞれなるべくしてなった役だなと観ていてすごく思うので、本当に演じていて何の違和感もないというか。みんなのおかげで私もより役に入り込めるので、この8人でよかったなと思います」と回答して囲み会見を終えました。

ゲネプロレポート

午後になると、初日公演を目前としたゲネプロがスタート。シアターGロッソという高層の縦長ステージを存分に生かしたセット、その上を縦横無尽に動き回るメンバーの姿は通常の舞台と比べると非常に見応えのあるものだったのではないでしょうか。高層への階段を昇降する場面も幾度かあったので体力的にはかなり大変だったと思いますが、そういったアクションの1つひとつが彼女たちの演じる女子高生らしさの表現に直結していたと感じました。

メンバー個々の演技にも成長が見られ、舞台経験が比較的多い井上、樋口、能條の安定感、昨年の『すべての犬は天国へ行く』でも活躍した万理華、優里、新内の存在感に加え、今春の『じょしらく弐 ?時かけそば?』での活躍が記憶に新しい鈴木、そして今回が初の本格的舞台となる純奈の熱演ぶりと、8人全員に見せ場が用意された見どころの多い内容でした。1年前に自殺し、今を生きる合唱部やオカルト部のメンバーには見えない幽霊の日野をコミカルに、生き返った日野がストレートに表現する感情とそこにつきまとう悲哀感を見事に演じ分けた万理華もさることながら、囲み会見で「自分とは正反対」と称した役柄を堂々と演じきった樋口や鈴木の演技にも目を見張るものがありました。純奈もこれが初めての舞台とは思えぬほど堂々としており、緊張している様子はほぼ感じませんでした(これは等身大の女子高生役というのも大きかったのかもしれません)。

優里が囲み取材で「自分がワイワイしすぎて他の子のセリフが聞こえなくなってしまうことに注意した」と言ったように、合唱部の面々が墓場で大騒ぎする場面では思い切ったはしゃぎぶりを目にすることができるものの、個々のセリフが被って聞き取りにくいということはまったくありませんでしたし、そういったバランス感もしっかり備わっていたと思います。そんなコミカルな場面に突如投げ込まれる純奈&井上のオカルト部による行動の数々も、本作のコメディパートでは欠かせない要素。パロディネタに加え先のウ○コネタも投入されるなど、劇中の程よいスパイスになっています。同年代の人たちが観れば身近の友人を思い浮かべるかもしれないし、もっと上の世代には「そういえばこういう子、いたなぁ」と懐かしむかもしれない。物語自体は現実離れしているかもしれませんが、登場人物に親しみが湧くぶんそこまで非現実的に感じないというのも本作の魅力と言えます。

また、共演者とのやりとりも本作の見どころのひとつ。冒頭から万理華とコミカルなやり取りを繰り広げる加瀬澤さん、もう中学生さんはもちろんのこと、みのすけさんと柿丸さんも各メンバーと笑いの絶えない演技を見せてくれます。中でもみのすけさんと柿丸さんの絡みは爆笑必至です。

そういう振り切れた演技や笑いの要素が前半に詰まっているからこそ、後半から終盤にかけてのシリアスな場面がより際立つ。日野と合唱部、オカルト部部員との関係やお互いに対する思い、さらには教師やサラリーマン、幽霊や妖怪との関係性や互いの思いも物語が進むにつれてあらわになります。そういった流れがあるからこそ、クライマックスでの衝撃がより強まる。観終えた後に何を思うのか、どういう気持ちが残るのかは観た人それぞれ異なるかと思いますが、間違いなく心に残る作品だと断言できます。

合唱部の物語ということで、劇中には歌唱パートもいくつか登場します。これらがストーリーの進行によって、時に楽しげに、時に悲しげに響く。冒頭に出演者全員で歌われる「レッドリバーバレー」とエンディング間際に女子高生たちが歌う「レッドリバーバレー」、表現方法が異なるとはいえ同じ曲なのにこうも違って響くのかというのも見どころ/聴きどころでした。

細かな修正点はあったものの、無事ゲネプロを終えた乃木坂46の面々。その後彼女たちは日々成長を重ね、10月22日に無事全16公演を完走しました。昨年の『すべての犬は天国へ行く』が出演メンバーにとって大きなターニングポイントになったように、今回の舞台も出演した8名の成長を語る上で欠かせない経験になったことでしょう。彼女たちがこの先どんな成長を見せてくれるのか、今後も見守っていきたいと思います。

待望の16thシングル 「サヨナラの意味」(11月9日発売)
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文:西廣智一 WEBを中心に活動する音楽ライター。バンドマン、フリーター、会社員を経て、2005年末に株式会社ナターシャの立ち上げに参加する。翌2006年よりライターとしての活動を開始し、現在さまざまな音楽サイトや雑誌にてインタビューやコラムなどを執筆中。

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