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乃木坂46 公認コラム『のぼり坂』

2016.12.28 更新

杉山勝彦の乃木坂46への提供楽曲を振り返る

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11月9日に発売された乃木坂46の16thシングル『サヨナラの意味』。同曲で初めてセンターを務める橋本奈々未のラストシングルということもありリリース前から話題を集め、発売初週売上が自己最高の82.8万枚を記録。初週の累計出荷枚数も初のミリオン(101.3万枚)を突破しました。発売から1ヶ月経った現在もその売上枚数を伸ばしており、今後も年末年始の音楽番組で耳にする機会が増えそうです。

この楽曲の作曲を手掛けたのは、自身も音楽ユニットTANEBIの一員として活動する作詞・作曲家の杉山勝彦さん。杉山さんはこれまでも乃木坂46の楽曲をはじめ、AKB48をはじめとする48グループ、嵐などに楽曲提供してきました。特に乃木坂46では初期の代表曲「制服のマネキン」「君の名は希望」のインパクトが強く、これらの楽曲で杉山さんの名前を認識したという方も多いことでしょう。

そこで今回のコラムでは、杉山さんがこれまで乃木坂46に提供してきた楽曲全9曲を振り返りつつ、各曲の簡単な解説をしていきたいと思います。

1. 制服のマネキン
(2012年12月19日発売 4thシングル『制服のマネキン』収録)

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杉山さんが初めて乃木坂46に楽曲提供したのは、4枚目のシングル『制服のマネキン』でのこと。それまでの乃木坂46は「ぐるぐるカーテン」「おいでシャンプー」「走れ!Bicycle」とフレンチポップスを意識した曲調が続いており、エレクトロアレンジのダンスナンバー「制服のマネキン」で最初のイメージチェンジを図ることになります。曲調のみならず、振り付け面でも激しいダンスを導入したことで、デビュー当時からのファンの間では大きな反響を呼びました。また、以降のライブでは盛り上がりに欠かせないキラーチューンとなっており、そういう点でも彼女たちの歴史を語る上で欠かせない1曲となりました。杉山さんはこの曲では作曲のみを担当。編曲にはのちに「世界で一番 孤独なLover」や「何度目の青空か?」も手がける百石元さんが参加しています。

2. 君の名は希望
3. サイコキネシスの可能性
(2013年3月13日発売 5thシングル『君の名は希望』収録)

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前作『制服のマネキン』から引き続き、杉山さんが作曲を手がけた5thシングル。杉山さんは今作で表題曲「君の名は希望」のほか、「サイコキネシスの可能性」(通常盤収録)の2曲の作曲(「サイコキネシスの可能性」のみ小倉しんこうさんとの共作)、および「君の名は希望」の編曲を有木竜郎さんと一緒に手がけています。「君の名は希望」はピアノやストリングスを導入したミディアムナンバーで、初期乃木坂46のスタイルを確立させる上で重要な1曲。長きにわたり愛され続け、2015年にNHK紅白歌合戦へ初出場した際には同曲を歌唱しました。また「サイコキネシスの可能性」は、ライブでの盛り上げを想定したアップテンポのポップチューン。ライブで披露される機会は年々減っていますが、その親しみやすさから隠れたファンが多い1曲ではないかと思っています。

4. 私のために 誰かのために
(2013年11月27日発売 7thシングル『バレッタ』収録)

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通算7枚目のシングル『バレッタ』のTYPE-Aのみに収録された「私のために 誰かのために」は、「君の名は希望」の流れを汲む美しいメロディのミディアムチューン。作曲を杉山さん、編曲を杉山さん&有木竜郎さんという黄金チームが担当しています。この曲は衛藤美彩、川村真洋、桜井玲香、白石麻衣、高山一実と歌唱力に定評のあるメンバーが、透明感ある歌声を聴かせてくれます。1stアルバム『透明の色』リリース時のカップリング曲人気投票でも2位にランクインする、ファンの間でも人気の高いナンバーです。

5. 僕がいる場所
6. ひとりよがり
(2015年1月7日発売 1stアルバム『透明な色』収録)

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2015年1月に発売された、乃木坂46初のアルバム『透明な色』には、計8曲の新曲を用意。そのうちの2曲を杉山さんが手がけています。リリース当時テレビの音楽番組で披露する機会の多かった「僕のいる場所」は、「君の名は希望」「私のために 誰かのために」と同じ布陣で制作された“これぞ乃木坂46”な王道ナンバー。メジャーコードで進行するものの、「永遠の別れ」をテーマにした歌詞と相まって全体的にどこか物悲しさが漂っているのも印象的です。もう一方の「ひとりよがり」も同じ制作陣によるバラードで、西野七瀬初のソロ曲としてもお馴染みの1曲。朗々と歌う西野の歌声と優しい曲調&アレンジの相性は抜群で、センターを経験したことで大きく成長した彼女の頼もしさが感じられる楽曲です。

7. 羽根の記憶
(2015年7月22日発売 12thシングル『太陽ノック』収録)

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「羽根の記憶」は、生駒里奈が約2年ぶりにセンターへと返り咲いた12thシングル『太陽ノック』のセブンイレブン盤に初収録された1曲。作曲を杉山さん、編曲を杉山さん&有木竜郎さんというお馴染みの布陣が手がけており、ピアノ&ストリングスという乃木坂46の楽曲に欠かせない要素が詰まったミディアムナンバーとなっています。実はこういった、杉山さんが手がけるミディアムテンポの“これぞ乃木坂46”な選抜歌唱曲はこの時点で「君の名は希望」「僕がいる場所」「羽根の記憶」の3曲のみで、シングル表題曲では「君の名は希望」のみ。こういう事実を踏まえると、いかに「君の名は希望」が与えたインパクト、そして楽曲の持つパワーが大きかったかが伺えます。

8. きっかけ
(2016年5月25日発売 2ndアルバム『それぞれの椅子』収録)

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今年5月に発売された2ndアルバム『それぞれの椅子』から、音楽番組などでも披露されたリードトラック的扱いの楽曲。「作曲:杉山勝彦 編曲:杉山勝彦、有木竜郎」による、「君の名は希望」以降の乃木坂46王道路線の究極系と言える、美しいくも切ないナンバーです。新境地的ナンバーが多数収録された『それぞれの椅子』の中でも、改めて「乃木坂46最大の武器は楽曲の良さ」だという事実をアピールすることに成功。この夏、Mr.Childrenの桜井和寿さんがライブでカバーしたことでも話題になりました。6月に放送された『乃木坂46時間TV』での映像をふんだんに使ったオリジナルMVも、YouTubeで視聴可能です。

9. サヨナラの意味
(2016年11月9日発売 16thシングル『サヨナラの意味』収録)

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杉山さん作曲ナンバーがシングル表題曲に選ばれるのは、2013年3月発売の『君の名は希望』以来3年8ヶ月ぶり。意外にも期間が空いてしまいましたが、橋本ラストシングルという満を持してのタイミングに発表されることになりました。今作ではこれまでの杉山さん作品とは異なり、初めて若田部誠さんが編曲に参加。流れるような美しいメロディをベースに、AメロからBメロへと徐々に盛り上がっていく構成、サビメロに入る際の転調、さらに最後のサビに入る前の転調と、ドラマチックなアレンジが加わった極上のナンバーに仕上がりました。

16枚のシングルと2枚のアルバムを通じて、これまで119曲の楽曲をCDリリースしてきた乃木坂46。このうち杉山さんが作曲した楽曲が9曲と全体の1割にも満たないのですが、それでも「乃木坂46といえばこれ!」と断言できるほどの説得力を持っているのは、やはり初期に発表された「制服のマネキン」「君の名は希望」が発売から4年近く経った今も愛され続けているという事実がすべて物語っているはずです。2017年もたくさんの素敵な楽曲が乃木坂46のレパートリーに加わること、そして杉山さん作曲による極上の乃木坂46ナンバーが増えることに期待したいと思います。

待望の16thシングル 「サヨナラの意味」
待望の16thシングル 「サヨナラの意味」
ニューアルバム『それぞれの椅子』を引っ提げての真夏の全国ツアー、 神宮球場3日間の4th Birthday Liveとこの夏も全力で駆け抜けた乃木坂46。 『裸足でSummer』に続く16枚目となるシングルをリリース!!
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文:西廣智一 WEBを中心に活動する音楽ライター。バンドマン、フリーター、会社員を経て、2005年末に株式会社ナターシャの立ち上げに参加する。翌2006年よりライターとしての活動を開始し、現在さまざまな音楽サイトや雑誌にてインタビューやコラムなどを執筆中。

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