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SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2015.9.22更新

『ヨルタモリ』最終回のゲストは中居と香取と草だった。


2015年9月20日
 iPhoneが壊れた。手ぶらで仕事に出かけた。ふたつ目の仕事が始まるまで、それなりに時間があった。が、Googleマップが使えない状態なので、少し早めに行って、仕事場所の確認をした。かなりの方向音痴なので、住所だけで、そのビルを発見できたときはうれしかった。まだ時間がある。おなかがすいていたので、あたりを散策する。清潔なのれんのとんかつ屋さんを見つけた。ミックス定食を食べた。串カツとイカとアジのフライがついて800円。イカとアジは醤油がフィットして美味しい。ごはんも綺麗な炊きあがり。しじみ汁もうれしい。食べログで検索せずに初めての店に入るなんて何年ぶりだろう。静かな満足感を得て、しばらく散歩をつづける。
 橋の多い町。大きな橋の上でしばらくたたずんだ。屋形船が自分の足元を通過していく。左手上方には高速道路。振り返ると、JRの列車が川の上を通過していた。そして、その右手の向こう側ではスカイツリーが煌めいていた。もう一度、自分が立っていた場所に向き直った。川の水面が揺れている。見上げると、綺麗な月が浮かんでいた。
 手ぶらなので、美しい情景に出逢っても、写真に残すことはできない。SNSでそれを伝えることもできない。だが、残したり、伝えたり、できないからこそ、それに出逢えたのかもしれないと思った。
 仕事を終えて、家に帰って、『ヨルタモリ』を観た。最終回だが、この番組を観るのは初めてだ。湯島あたりにあるWHITE RAINBOWというバーを宮沢りえが切り盛りしている設定で、そこに中居正広が客として訪れ、やがて、タモリもやって来る。よくわからないが、タモリが客としてこのバーを訪れるのは初めてのようだ。
 タモリと中居は客同士として話す。バーでしか話せないことがある。あるいは、テレビのなかでしか話せないことがある。ふたりっきりでは話せないことも確かにあるのだと思う。
 中居は亡くなったお父様の話をした。タモリがお父様に逢いに来てくれたときのことを。中居はお父様の涙をそのとき初めて見たのだという。その涙を息子に見られちゃいけない、という様子のお父様を見ることができてよかったというようなことを話していた。その後の、タモリのことばがよかった。「お父さん、いいひとなんだよ」。「いいひとだったね」ではなく「いいひとなんだよ」。過去形じゃなくて、現在形。そのひとの肉体はこの世になくても、そのひとは生きている、そんな感じがしたし、中居はもちろん、タモリのなかで生きているのだとすれば、そのひとは生きているのだ。
 香取慎吾もやって来た。彼にいきなり誘われたという草剛もやって来た。中居が香取に声をかけたのだろうか。それとも、香取が行きたいと言ったのだろうか。いずれにせよ、「いいとも!」の3人が集まった。だけど、取り立てて、大げさなことは何もなく、ただ、当たり前に番組はつづいた。
 電車好きのタモリらしい「始点/終点」という映像が流れた。終着駅でもあり、始発駅でもある、はじっこの駅が映し出された。タモリがとってもいいことを言ったが、それはここに残さないでおこう。
 もし、いつか、世界が終わるとしたら、その場に立ち会えるとしたら、こんなふうに過ごしたいと思った。タモリのように。宮沢りえのように。中居正広のように。香取慎吾のように。草剛のように。そのひとが、そのひとであるままで、当たり前に、ときと場所に別れを告げたいと思った。
 中居も香取も草も帰り、タモリと宮沢りえは、ふたりっきりで、穏やかにセッションした。特別なことはなにも起きなかった。特別なことは何も起きなくていいのだと思った。
 WHITE RAINBOWは本日で閉店です、と宮沢りえが言った。
 考えてみれば、バーは毎日閉店している。翌日、もしくは翌週、また開店するだけで。何度目かの閉店が訪れたということにすぎないのだ。明日も、明後日も、来週も、開店はしない。それはさみしいことだろう。しかし、バーは必ず、一日に一度、閉店する。開店したら、閉店するのだ。その繰り返しなのだ。日常もそうだろう。毎日、毎時間、毎秒、ぜんぶそうなのだ。
 開店から閉店まで、大好きなバーにいたことがある。開店から閉店までの時間の流れは、まるで人生のようだと思った。そう「始点/終点」と同じように、「開店/閉店」なのだ。特別なことではない。手ぶらで生きよう。当たり前を当たり前に生きよう。
 アイラブユートーキョー! と宮沢りえは最後に言った。そのとき画面にはスカイツリーが映っていた。



相田冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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