SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2016.4.12更新

「代読」に中居正広、屈指の表現力を見た──『金スマSP』


「がんばれ」と「ありがとう」の距離

 握手会は未経験ですが、武道館で総選挙にナマ参加したことがある人間のひとりとして、先日の『金スマSP』はあっという間のひとときでした。高橋みなみさんの、AKB48のメンバーとしては最後のテレビ出演になるこの番組は、主に、あの忌まわしい「握手会襲撃事件」と、その後のAKB48グループ内の激震について、AKB48グループ総監督でもあった高橋さんが語り下ろすというもので、その延長線上に、AKB48の生みの親=育ての親である秋元康さんとの共闘関係が映し出されました。AKB48の栄光の日々ではなく、苦難の時間を、具体的に綴っていく番組の流れは、そのこと自体が、高橋みなみ総監督への餞(はなむけ)になっており、ここでも何度もリフレインされた秋元さんの名言「AKB48とは高橋みなみのことである」が痛烈に鳴り響き、だとすれば、AKB48もまた苛烈なときを生きてきたし、これからも生きていかざるをえないのだろうと静かに納得するしかない、超充実した内容でした。
 中居正広さんはMCとして、いつものようにまったく出しゃばることなく、いくつかの短いセンテンスを残すのみです。「本人しかわからないこと」、そして「僕も教わろうと思ってます」。この二言には、中居さんの、聞き手としての一貫したポリシーがありました。そして、中居さんは、中居さんならではの「環境づくり」もしていました。それは、たとえば、峯岸みなみさんが、高橋みなみさんに、謝意を述べるシークエンスに端的にあらわれていたと思います。
 ひとは、面と向かって、だれかに「ありがとう」とは言えないときがあります。こころのなかではどんなに感謝していても、それを口にすることができないときがあります。でも、別のだれかには言うことはできる。みなさんも、そういう経験があるのではないでしょうか。芸能人の方々は、ときに、公の場だからこそ、これまで言いたくても言えなかったことを言うことがあります。この番組の峯岸さんも、高橋さんとふたりきりではないからこそ、それが言えたのだと思います。中居さんは、ことさらなにかを促していたわけではありませんが、「いまなら言ってもいいんだよ」という空間を作り出していました。どのようにすれば、そのような空間が生まれるのかはわかりません。どのような要素によって、そのような空間が構成されているのかはわかりません。ただ、そのような空間は、間違いなく存在する。そして、その空間は、中居さんが作り上げているものなのです。この番組に『中居正広の』という冠がついているのは、だからこそ、なのです。
 いちばん最後に、秋元さんから高橋さんへの手紙を、中居さんは「代読」しました。これが凄かった。中居正広というひとの、MCとしての破格のスキルと、俳優としての天才(文字通り「天賦の才」のことです)が融合し、とんでもない奇跡が起きました。
 前田敦子さんが、秋元さんの手紙に対して「きっと名言があるね」と言うと、「それが、そうでもないの」と中居さんは平常心で応え、この巧みなイントロデュースに導かれるように、絵本『シャボンだまのきせき』でも発揮した「語り」の匠としての技術がスパークしていきます。
 「代読」とはなにか。あの短い時間には、その答えのすべてが詰まっていたと思います。言うまでもなく、中居さんは秋元さんに成り切って手紙を読んでいるわけではありません。「代わりに読んでいる」だけです。しかし「代わりに読む」ことによって、その手紙は、その手紙以上のなにかになる。自分ではないだれかが書いた文章を、自分の声で音にする。考えてみれば、あらゆる演技はそのようなものです。自分ではないだれかが書いた脚本を、自分の声で音にする。そうすることで、書いたひとでもなく、自分自身でもない、「いま、このとき」が出現する。それを、わたしなどは、「一瞬かぎりの神さま」と呼んでしまいたくもなります。
 「がんばれ」。あの発声からは、そのような祈りが感じられました。こころをこめて、しかし、決して、引き摺らないように、さり気なく中居さんは言霊を扱います。「がんばれ」。そこからはまるで静止したような時間が流れ、最後の、秋元さんが、これしかないと選んだことば、「ありがとう」まで、あっという間でした。しかし「がんばれ」から「ありがとう」までの時間に、高橋さんの、これまでのキャリアがすべて凝縮されていたようにも思います。
 中居正広さんが秋元康さんの手紙を「代読」した。これこそが、高橋みなみさんにとっての、なによりの「卒業証書」だったのではないでしょうか。



相田★冬二

※このコラムは、楽天エンタメナビのオリジナル企画です。


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中居正広がシナリオを手掛けた、心温まる絵本。読み聞かせCD付。

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