SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
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Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2013.11.5更新

オトナのドラマ「独身貴族」ともっと仲良くなるためのヒント

「緊張」と「緩和」
  以前、北野武監督にインタビューしたとき、「おいらの映画は、酒飲みながら観ると面白いよ!」と言っていたのだけど、「独身貴族」も、お酒が飲めるひとなら、ちょっと軽く一杯やりながら観ると、とても楽しめるドラマだと思う。
 無果汁じゃなくて果汁たっぷりのチューハイとか、3ケタじゃなくて4ケタのワインとか、ちょっとしたフンパツでいいと思うのだけど、ちょっぴり優雅な気持ちで、ある意味、鷹揚な自分を作り上げながら、眺めるように接することで、より深く味わえるのではないだろうか。
 ドラマで描かれるラブストーリーというものは、なんだかんだ言っても、他人様の恋愛模様なのである。もちろん、ときに感情移入するのもよいけれど、基本的には誰かさんのコイバナに耳を傾ける、ある種の余裕があったほうがいい。できれば、リラックスした状態で。
 久しぶりに、豊かなドラマを観ている気がする。恋愛というものが、いつの頃からか、なんだかずいぶんと夢のないものになりつつある雰囲気が、かなりゆるやかな下降線を辿るように、ずーっと持続している。フィクションが現実の余波を喰らって、養分を吸いとられて、どんどん痩せ細っているように感じていたのだけれど、「独身貴族」はシンプルに徹することで、俗世間が求めがちな悪しきリアリティに応えず、普遍的なものを掘り出しているように思える。
 草剛が、伊藤英明が、北川景子が織りなす演技の紋様は、まるで「豆腐」のようである。冷や奴で食べても旨いし、湯豆腐で食べても美味しい。3人が体現しているのは、一言で言えば、頑なさと、寛容さ。「緊張」と「緩和」こそが、恋愛には必須のポイントなのだということを、理屈ぬきのテクスチュアそのものとして伝えてくれる。

「守る」と「進む」
 星野守と春野ゆきが、頭と頭をごっつんこして、「君、アタマかたいね」というくだりがある。頭部の物質的固さと、ゆきの融通のきかなさ(つまり脳の硬直化)を同時に責める、このダブルミーニング攻撃は、このドラマ特有のエレガンスを表象している。
 ただ、漫然と、ことの成り行きや台詞や芝居の内実、そういったものを追いかけているだけではもったいないというか、もっと、大づかみにぼんやりと見つめているほうが、この作品と仲良しになれるのかもしれない。
 厳密に言えば、守はゆきを攻めているのではなく、アタックしているというか、相手を描写し、アドバイスしながら接近しているのである。接近と衝突が、文字通りの意味でビジュアルになりながら、守とゆきの内面的距離を縮めているありさまを、星野進が眺めている。そんなトライアングルな設定は、そのまんまドキドキするよりは、やはりアルコールなどに少し酔って、傍観していたほうが、味わい深く感じられる。
 現段階において、守とゆきは同じ種族に思える。これは恋愛のごく初期段階において、誰もが陥る状態なのだが、いまのところ、進だけがこの3人のなかで異質な立ち位置にあると思う。
 そして、進のせつなさは、傷つかないようにふたりを眺める、という視点によってさらにくっきり浮かび上がる。

「遠慮」と「自立」
 傷つかないように眺めるためには、傷つけないように眺める必要がある。
 つまり、自分を守るということと、相手を思いやることは、イコールと言っていい。進の優しさは、そのようなものである。
 進には「遠慮」がある。これは子供の頃から、兄、守に対して抱いてきた「かなわない」という想いに裏打ちされたものであり、それゆえに、ゆきについてのことも、いちいち守に「遠慮する」のである。守はそんな進の性格を知っていて「遠慮するな」という態度を何度も示す。
 春野ゆきには「遠慮」というものがない。なにしろ彼女は鋼鉄のヒロインなのだ。凍み豆腐(高野豆腐)のような女性である。そして、彼女は守や進に面倒をみてもらっている立場でありながら、すでに生き物として「自立」している。ここが面白い点だ。
 守と進(ふたりの名前にテーマが隠されている)の兄弟に較べれば、ゆきははるかに「自立」している。それは、失うものが何もないからでもあるだろう。
 ざっくばらんに言ってしまえば、このドラマのテーマは「遠慮」と「自立」だと思う。「遠慮」ばかりしている進は、なかなか「自立」することができない。おそらく彼は「自立」に憧れている(離婚問題でがんじがらめになり、ひどく痛めつけられている設定はその象徴だ)。そして「遠慮」しない女、ゆきは「自立」している。では、守は? 一見、「遠慮」もなく、自分のライフスタイルを最優先させることで「自立」しているかに思えるが、はたしてそうだろうか?
 人間がはらむ「遠慮」と「自立」のゆらぎ。もちろん、それは恋愛という時空間においても、無関係ではない。
 まさにオトナのドラマである。



文:相田★冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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独身貴族
『独身貴族』

主演の草剛が結婚を必要としない独身貴族を演じる。共演は伊藤英明、北川景子。

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