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SMAPコラム「Map of SMAP」

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TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2016.9.7更新

木村拓哉と話していると、同学年の気持ちになる。


新連載『Session』を読む

「UOMO」で、木村拓哉さんの新連載『Session』が始まった。この雑誌では、わたしも菊地成孔さんの映画連載の聞き書き、そして短い映画レビウを書かせていただき、付き合いはもう5年めになるので、とても嬉しい。

セッション。木村さんらしいタイトルだ。対談企画ばかりではなく、ひとり語りのときもあるみたいで、それも含めてのセッション。自分とセッションする。すごく納得できることばだ。

第1回のゲストは蜷川実花さん。テーマは同学年。


写真家である実花さんは、被写体としての木村さんを歴史上の人物みたいと評しながら、セッションが始まって、まもなく次のように口にする。

どうしよう、どんどんタメ口になってるけど、大丈夫?

あゝ、これこれ。木村拓哉と話すことって、こういうこと、と膝を打った。

同学年。といえば、かつて、木村さんは同じタイトルの番組で、同学年100人とセッショントークしたことがある。最初の回は2000年放映だったが、実は知り合いの女性編集者がそのひとりとして出演していて、わたしは、彼女に、訊いた。当時、まだわたしは木村拓哉に逢ったことがなかった。

「木村さんって、どんな感じ?」
「どうって、木村拓哉は木村拓哉ですよ……でもね、不思議なんだけど、話してると同学年って感じがしてくるの。もちろん、一応、同学年だから、呼んでもらったわけなんだけど、でも、木村拓哉じゃない? そんなふうに思えるとはとても思えなかったんだけど、同学年なんだ、って思えるのよ。とにかく、話してるあいだは」

彼女は木村拓哉ファンではなかった。たしかSMAPファンでもなかったと思う。だから、これはとても客観的なコメントだと思うし、そもそも彼女はとても客観的な女性だったから、わたしはその視点を信頼していた。

その番組は、主に一般の同学年が出演していた。木村さんは、多様な業種の普通のひとたちと、普通に話をしていた。彼女の出演場面はごくわずかだったが、彼女が話してくれたことは、ずっと記憶に残った。

わたしが初めて木村さんと話をしたのは、それから4年後のことだった。最初のインタビューは無我夢中でなにも憶えていない。だが、なんとその2週間後に実現した2回目のインタビューで、彼女が言っていたことの真実を知った。

逢う前はものすごく緊張する。インタビューが終わったあとも、脱力感は半端ない。だけど、話をしているあいだは、そのあいだだけは、わたしが彼に集中し、彼がわたしに集中する、そんな、本来であれば途方もないはずの時間が、当たり前のように、普通のひとときとして、そこにあって、なんなんだろうこれは、と思った。

かつてないほどの充実感にひたりながら、わたしのなかで、彼女のことばがよみがえった。

「同学年なんだって、思えるのよ。とにかく、話してるあいだは」

わたしは、木村拓哉と同学年ではない。もちろん、タメ口なんかにはならない。だが、そのわたしも、思えるのだ。木村さんと同学年だと。話をしているあいだだけは。

木村さんは、とにかく、相手の話を聴く。耳をかたむける。わたしが、どんなに長々と映画の感想を伝えても、そのすべてを受けとってくれる。彼がいかにわたしのことばをキャッチしてくれていたかは、彼のそのあとのことばたちが証明している。

真剣であることは、大げさなことではない。日常が真剣であっても全然大丈夫なのだと、木村さんは無言の熱で教えてくれる。

真剣なやりとり。だけど、同学年なら、へっちゃらだ。いつものこと。そんなふうに錯覚させてくれる。

この連載でも、木村さんは、まず実花さんの話を受けとめることに注視している。受けとめて返す。いや、彼は受けとめることができるから、返すことができるのだ。

キャッチ アンド リリース

全身で受けとめ、全力で返す。それを、「常」にしたのが木村拓哉というひとだ。初対面でも、そうでなくても、ひととひととの関係性は、同学年になりえるのではないか。木村さんがおこなっていることは、たぶんそういうことだ。そうでなければ、説明ができない。

木村さんについて何度も文章を書いた。多くのひとに、あのとき、わたしが彼女に訊いたように、木村さんって、どんな感じ? と訊かれ、何度も答えた。

だけど、誤解される気がして、ほんとうに思っていることは書いたことも、言ったこともなかった。

だけど、今日は書こう。

木村拓哉と話していると、同学年のような気持ちになる。

実花さんは、蜷川幸雄さんのお通夜で初めて木村さんと逢ったという。そして、まともに話すのは、このセッションが初めてだったのだという。

実花さんは、こう言っている。

私だけじゃなくて、同学年の人はみんな、「俺らの代には木村拓哉がいる」ってどこか頭の片隅で意識していると思う。

俺らの代。「代」を「時代」と読み替えてみたくなる。

俺らの時代には木村拓哉がいる。

同学年と思ってしまうのは、つまり、そういうことなのかもしれない。



相田★冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
※「Map of Smap」は、8月24日より毎週水曜更新に変更となりました。


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