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SMAPコラム「Map of SMAP」

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TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2013.11.26更新

13年目の『SmaSTATION!!』。香取慎吾というシグナルについて


香取慎吾は、信号である。
 慎吾は信号である。
 そんな駄洒落からはじめることを、どうか許していただきたい。『SmaSTATION!!』第525回を観て、一夜明けてからの感想はそのようなものだった。
 この番組は何度かリニューアルされているが、情報番組であるということにおいて変化はないと思う。取り上げる対象は変化してきたし、一定ではない。けれども、この世の中に転がっているあらゆる事象はすべて情報なのだ、もっと言ってしまえば、全部ネタなのだという風通しのよい作りは不変である。
 香取慎吾が「編集長」という位置づけであることからも明らかなように、『SmaSTATION!!』は一冊の雑誌のようなものだと考えられる。雑誌のような作りの番組はもはや珍しくない。いや、本来、テレビ番組とはそもそも雑誌のようなものだった。ビデオが発明されて、ビデオ機器が一般家庭にまで流通するようになるまで、テレビはその場限りの、一回限りの(いまで言えば、ネットのニュースのような)情報にすぎなかった。映画が書籍だとすれば、テレビは雑誌だった。そのような特性における棲み分けがおこなわれていた。
 2001年、21世紀の幕開けと共に始まったこの番組は、あらためて「テレビ=雑誌」の世界に回帰するためのルネッサンス(復興)だったと考えられる。
 香取慎吾はそのための「旗印」だった。

香取慎吾は、説明しない。
 第525回のゲストはバナナマンだった。『森田一義アワー 笑っていいとも!』の同僚でもある彼らに対して、香取は最初に「番組開始以来13年目にして、ようやくお招きできました」という意味合いのことを述べ、オープニングではバナナマンともども、土下座しあうという、恐縮と照れ隠しの応酬のようなギャグを繰り広げた。ここには生放送ならではのフレッシュネスと、わけのわからなさが同居していたが、これは香取慎吾にしかできない芸当であると思う。
 たとえば、これが芸人同士だと、あまりにも身内感覚が強すぎて、楽屋落ちにも近い泥臭い笑いになってしまう(だが、芸人たちは彼らの芸によって、見事に観客を笑いに導くだろうが)。香取はそれを、一杯の炭酸飲料を飲み干すようにサクッと切り上げて、次に移行する。もちろん、ナマ番組に求められる秒単位の時間配分という必然性も背景にはあるとはいえ、状況をいつまでも引っ張らないという、彼の潔いテイストがよくあらわれていた。ああしたスッキリ感こそが、この番組の味わいであり、また、これだけの歴史を抱えながらも、「雑誌」のページをめくる指が新しい紙にふれているような感覚を、その都度、わたしたちに与えているのではないだろうか。
 もちろん、香取はSMAPのメンバーたちとコントを繰り広げてきたし、多くのキャラクターを体現してきた。しかし、彼は芸人ではない。さらに言えば、芸人のフリなどしない。
 多くの芸人はギャグにオチをつける。どんなにシュールなギャグであっても、相方、もしくは別の芸人がツッコミを入れて、着地させる。それは「笑い」を職業に選んだ者の宿命と言ってもいいと思う。香取慎吾は、オチをつけない。もっと言ってしまえば、状況を「説明」によって終局に導かないのである。むしろ、「終わらせない」で、次にいくと言っていいだろう。思うに、これは、SMAPから離れて、ピンで番組に立つときの彼の振る舞いに顕著な特徴でもあるだろう。
 「説明」しないで、そこにいる。それが香取慎吾のスピードであり、動態なのだと考えられる。

香取慎吾は、終わらせない。
 小林克也のナレーションによって展開していく情報映像を前にして、香取は設楽統と日村勇紀とトークを重ねる。その様子が(とりわけこの回は)「雑談」のように映る瞬間が何度もあり、これこそが『SmaSTATION!!』の本質ではないかと思った。前述した通り、世界で流通している物事はすべてネタであり、言ってみれば、それらは世間話をするきっかけにすぎない。香取はバナナマンのふたりと共に、「雑誌」を眺めながら「雑談」するという、実に日常的な時間と空間を作り出している。しかも、その「雑談」は、芸能人同士の内緒話なのではなく、いつ、誰に聞かれても大丈夫な、あけすけな、秘密のない、ただの、シンプルな「雑談」なのである。
 たとえば、カフェやファミレスで、たまたま、うしろの席から聞こえてきた話が面白かった、というような、カジュアルな、いや、気楽な状況を生み出す「雑談」の響きがそこにはある。
 香取慎吾は状況を作り出す。だが、その状況を終わらせることなく、次に移る。その呆気ないほどの、歩幅のひろいアクションが、彼の特性だと思う。
 香取は、何度か、日村がこの番組を観たことがないのではないかという疑念をぶつけながら、最終的には結論は求めない。日村も、香取の呼吸を心得ており「実は観ていませんでした」というオチにはもっていかなかった。
 オチに辿り着くネタはわかりやすい。しかし、わかりやすさと引き換えに失われてしまうものが確実にある。
 香取慎吾が発するシグナルは「それ」を守っているように思える。だから美しい。ブルーとイエローで彩られた番組ロゴは「慎吾=信号」のメタファーなのだと、もはやわたしは半ば確信している。

文:相田★冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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香取慎吾編集長のニュースバラエティ!毎週月曜深夜23:15よりテレビ朝日系列で放送中。

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