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SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.1.7更新

<お年玉企画>年末の中居正広、年始の木村拓哉の特番について


中居正広は、アスリートをもてなす
  あけましておめでとうござます。今年もよろしくお願いします。
 というわけで、シリーズ初の試みとして(おそらく最初で最後になると思いますが)今回は二本立てでお送りして、年賀状のかわりにさせていただこうと思います。
 まず、2013年12月28日に放映された「中居正広の8番勝負!なでしこ&プロ野球&メダリストと厄年中居が真剣勝負」について。
 結論から先に言いますが、中居さんはここで2勝6敗という鮮やかな負け越しを喫し、罰ゲームとして、シブがき隊のデビュー曲「NAI NAI 16」(1982)を歌うことになるわけですが、そもそも、中居さんが、トライアスロンよりもはるかに過酷な、中居さんのためだけの「競技」に挑むモチベーションは、この罰ゲームを回避できるか否か、それだけなのであって、出発点からして、もはや窮地に立たされているわけです。つまり、もし、中居さんが勝ち越したとしても、得るものはなにもない。罰ゲームを回避できる。ただ、それだけです。
 いやいや、そんなことはないだろう、超一流のアスリートたちとプレイすること、その経験が、彼になにがしかの達成感を与えるはずだ、そういう意見もあるかもしれません。しかし、番組をご覧になった方ならおわかりになると思いますが、まったくもって、そのような「ぬるい」つくりではないんです。これは、小学生の冬休みの「想い出づくり」ではありません。プロ中のプロ、中居正広さんがその身体を、まさに生贄のように捧げ、視聴者をいかに「楽しませるか」に賭けた作品なわけです。昨年インタビューしたとき、中居さんはこう断言していました。「仕事において、自分が楽しむという感覚はないですね。楽しむのはお客さんであって、僕ではない」と。
 しかしながら、この番組の肌触りは、いささかもストイックだったり、求心的だったりはしません。わたしはそこに中居さんの「芸」を見ます。そして、ハナから「なにも得るものがない」世界に、ここまで果敢にダイヴする彼の姿に感動するし、うつくしいと思うんです。
 アスリートのみなさんにとって、この番組への出演は明らかに「アウェイ」です。つまり、スポーツのプロではあるけれど、テレビのプロ、バラエティのプロではないわけです。しかし、そのスポーツで勝敗を決する以上、負けるわけにはいかない。なぜなら、スポーツのプロだから。この矛盾を受け入れるというのは、つまり「無理を承知する」ということに他ならないわけですが、その「無理」への敬意が、ハンパないんですね、中居さんは。「アウェイ」にやって来たアスリートたちを、テレビのプロである中居さんは「ホーム」に招き入れるわけですが、ホストがゲストに対して「しなければいけないこと」を、あくまでも笑いにくるんで成し遂げている。その心遣いが爆発するのが、PK戦だったと思います。
 中居さんはここで自ら失敗し、負けるわけですが、そのとき、なでしこチームに何と言ったか、憶えていますか。「来年も来てくれる?」と言ったんです。これは、来年こそは勝つよ、という敗者の負け惜しみ(彼は2012年の同番組のPK戦で勝利しているので、その発言権利があります)にも受けとれますが、そうではないですよね。スポーツのプロと、テレビのプロが、同一画面におさまるという「アンフェア」な世界を、なんとか「フェア」な領域に持ち込む、魔法のことばなわけです。これが、中居さんというひとのコミュニケーション力であり、それはいわゆるスポーツマンシップとか体育会系みたいな紋切型には到底おさまるものではありません。
 この番組で中居さんは間違いなく、一生懸命8つのスポーツに取り組んでいますが、それだけで番組が成立するはずはない。平たく言えば、ここで中居さんがおこなっていることは「もてなす」ということです。昨年、「おもてなし」ということばが間違ったかたちで流通してしまいましたが、この番組の中居さんの振る舞いこそが「もてなす」ということ。それを、中居さんは、「ホストがゲストをもてなすのは当然のこと」と言わんばかりの涼しい顔でおこなっています。そうなんです、「もてなす」って、このくらい、さり気なくカジュアルにできなければ意味がありません。
 もう一度繰り返しますが、アスリートのひとびとは、いくら、その試合がテレビ中継されていようとも、テレビの「素人」なわけです。中居さんがここでおこなっている「もてなし」は、「素人」がプロと同一線上に立つための、精一杯のなにかです。それがあるから、わたしたちは笑えるし、楽しむことができるのです。

木村拓哉は、倒れたら立ち上がる
 中居さんの番組でとりわけ印象的だったのが福原愛さんの、きわめて真剣な表情でした。それは一切、手加減しませんよ、という顔つきでした。福原さんの話題は、2014年1月1日に放映された「さんタク」にも出てきましたね。ふたつの番組はテレビ局も出演者も違うわけですが、わたしはそこにある関連性を見出してしまうわけです。
「さんタク」はご存知の通り、明石家さんまさんと木村拓哉さんの番組です。今年で干支を一周したそうです。
 この番組でも、さんまさんと木村さんは、さまざまなことに挑戦しますが、中居さんの番組のように勝敗は重要視されていません。
 ですが、中居さんの番組にも、「さんタク」にも、非常に似た瞬間がある。わたしは、なによりも、そこに揺さぶられました。
 簡単に言えば、「男が負ける」瞬間があります。
 言うまでもなく、中居さんはあの番組のなかで「負ける」わけです。「負けつづける」と言ってもいい。逆に言えば、中居さんは「男が負ける」とき、どのように振る舞えばいいかを「もてなし」の心とともに体現しています。極論すれば、勝ったとか、負けたとかはどうでもいいことであって、負けたとき、その場にどのように「存在していられるか」、それこそが常に問われる戦場に彼らはいるわけですね。
 先ほど言いましたように、「さんタク」は勝敗を争う番組ではありません。けれども、あるとき、まるで不意打ちのように、木村さんが、さんまさんに「負ける」瞬間が訪れます。
 さんまさんがおこなったボケを、木村さんは身体的反射によって「払いのけてしまう」のですが、それをさんまさんは、かなり冗談まじりではあるのですが、「笑いの世界ではあってはならないこと」と戒めるんですね。このときの、さんまさんの戒めと木村さんへのフォローを同時進行する様には心底惚れ惚れしましたが、そのときの木村さんの風情がすばらしい。なんと言えばいいんでしょうか、あれは。詫びているとか、反省しているとか、そういう対外的、儀礼的な「かたち」ではないんですね。さんまさんがボケたのに、ツッコミを入れられなかったという事実を受けとめ、別なツッコミを入れてるんです。相手にツッコミを入れるのではなく、自分にツッコミを入れている。というか、そもそも、あらゆるツッコミと呼ばれるものは相方に入れるものではなく、自分自身に入れるものなのではないか、ということすら気づかせるような、内省的な所作がそこにはあって、ハッとしましたね。いえ、別に、木村さんは番組中に悩んだりはしていないんです。ただ、自分の失敗を認め、そこから、彼なりの方法で立ち上がるところを、さんまさんとのあくまでも軽妙なトークのなかで瞬時に見せていた。あの微細なニュアンスは、とても文章では伝えきれないので、これはもう番組を見たひとだけのものになりますが、わたしはあれが「男が負ける」ときの最良のかたちのひとつだと思うんですね。みなさん、木村さんのことをカッコいいと思っているでしょうし、わたしもカッコいいと思っていますが、なぜ、彼がカッコいいかと言えば「負ける」術も知っているからなんです。
 彼はこの番組のなかでも「自分はただの負けず嫌い」というようなことを言ってますが、ほんとうの意味での「負けず嫌い」というのは、「負ける」ことを無視して「勝ちつづける」ひとのことではありません。「負けず嫌い」ほど、「負ける」ということがどういうことなのかをハッキリ理解しているんですね。「負けた」とき、どうすればいいのか。それを肌、というより、細胞レベルで知っているからこそ、木村さんはカッコいいのだと思います。
 個人的には、さんまさんが運転する車のなかで、ふたりの選曲によるBGMを流しながらの対話が、最大の見どころだったと思いますが、ここで、木村さんはある意味、インタビュアーのような立ち位置を選択し、さんまさんに語らせるのです。それも、さんまさんの、かなり「男の本音」というようなものを引き出す。女ってすげー、という一節を持つ曲を木村さんは選曲していましたが、そのときがピークでした。さんまさんは「女はすごいけど、男ってすごくないよ」と言い、木村さんはただ同意するのみなのですが、この状況を導き出しているのは、紛れもなく木村さんです。「男が負ける」、それこそがこの番組のテーマだったのではないかと、ラストのオリジナルソングを聴きながら、わたしは勝手に解釈していました。
 これは、みなさんも一度は考えたことがあると思いますが、わたしはいまでも思うんです。いつか、中居正広さんと、木村拓哉さんが、俳優として、一対一で共演してほしいと。「男が負ける」ということを知っているふたりが、映像フィクションのなかで対決したら、いったい、どうなるのか。それを見てみたいと、あらためて祈り、願う、お正月なのです。



文:相田★冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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