SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
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Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.4.29更新

書評。「私服だらけの中居正広増刊号〜輝いて〜Part4」について。


「さよなら」と「さようなら」
 表紙の中居さんの写真の右隣には、彼の手書きだと思われる字で、ちいさく「さよなら私のシフク」と添えられており、帯風(帯ではない)にデザインされた箇所には「これで終わりだと思うなよ」というタモリさんの言葉がでっかくのっている。赤地に白抜きのその文字は、書名よりもはるかにインパクトがあり、わたしたちはあの終了からまだ4週間しか経っていないことを、その番組タイトルロゴとともに、鈍い驚きとともに受けとることになる。
 消費税があがったにもかかわらず、いや、おそらく消費税があがったからこそ、シリーズ最安値となる「定価270円」のピンク文字が、ある種の決意のあらわれであるように感じるのは考えすぎだろうか。
 表紙をめくると「お世話になりました。さようなら なかいまさひろ」と素っ気ない毛筆による素っ気ないメッセージのようなものが記されており、以後この本のなかで彼からの直接的な文言は発信されない。だからこそ、表紙の「さよなら」と毛筆の「さようなら」とのあいだに横たわる精神的な距離に、つい想いを馳せてみたくもなる。
 本なのだから、当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、ここには「しゃべらない」中居さんがいる。その静けさは、中居さんが、番組のなかでどんなにしゃべりまくっていても、決して自分のことを説明するような素振りがないことを、あらためて気づかせてくれる。中居さんは、自分で自分のことは語らない。わたしたちは中居さんを「読み取る」必要があるし、中居さんはその価値があるひとである。

口は目ほどにモノを言う
 わたしたちは、その番組が終わったことを知っている。だから、2012年12月からはじまるこの「歳時記」を、否応なくひとつのカウントダウンとして見つめてしまう。彼の表情から、なにかしらの推移をつかみとろうとするのだ。しかしながら、前述した通り、中居さんは、自分の状態をわかりやすくかたちにするようなひとではない。だからこそ、目が離せなくなる。
 これは写真集でもなければ、エッセイ集でもない。つまり、ヨソイキでもなければ、ナイメンでもない。ひょっとすると、無言のブログ、かもしれないが、違うような気もする。
 ただ、中居さんは、この本のなかで常に、あたまになにかをかぶっていて、その印象が「無言」という印象を強くしていることはたしかだ。私服、なので、ヘアをセットしてもらっていない、だから、というタレントさんとしての状況は想像できるが、あたまになにかをかぶりつづけていた事実の集積が、結果的に、別になにかを吐露しているわけではないよ、というニュアンスをわたしたちに与える。
 加えて、サングラスもするし、メガネもかけるので、俳優のときには特別な光を放ちつづけるあの瞳の力は最大限に発揮されることもない。
 この本で見るべきは、彼の口である。
 わずかにマスクをしているとき、口を手でおさえている、マフラーで半分隠しているときもあるが、2012年12月4日の「への字口」から、2014年3月25日の「おちょぼ口」まで、多彩な口の表情を見せている。その口の表情こそが、その日に身につけている衣服と彼とをつなぐ接点のようなものにも思える。軽くぷんぷんしている口。なにかを言いかけているような口。うつむいた口。真一文字の口。縦にツイストしている口。横を向いてる口。下唇を噛みしめている口。ひょいと曲げた口。「しゃべらない」からこそ、その口はわたしたちに、さまざまなことを想像させてくれる。

2014年3月11日の肖像
 2014年3月11日の写真は、とりわけ印象に残る。その日が特別な日であることを理解しているわたしたちは、番組終了直前というタイミングともあいまって、中居さんの表情になにかを見出そうとする。そして、この日の中居さんの顔は、そんな不躾なわたしたちのまなざしを、あえてかわしてはいないように思える。
 まず、やや「ハの字」の眉毛がなにかを物語る。この本のなかで、ここまで表情豊かな眉毛は見当たらない。ブラウンでコーディネートされているその日の装いが、どこかやわらかな雰囲気を加味している。口元は、わずかに微笑んでいるようにも感じられる。ポケットに、四本の指先だけ入れている腕のポーズもまた、どこか無防備で、それまでにはなかった趣がある。
 そして、目。メガネの向こう側にある瞳は、わずかに潤んでいるのではないだろうか。カメラのライトのせいかもしれない。メガネのレンズの反射かもしれない。しかし、そうした原因を解明するよりも、この写真全体が語りかけてくるなにか。それを吟味したいと思う。
 笑いかけているようでもあり、泣きそうになっているようでもある。まだ不定形な顔のありよう。それは、断定できない。それがなにかは、だれにも決めつけることができない。おそらく中居さん本人も、特定できないのではないだろうか。
 ひとの笑っている顔は、うつくしい。ひとの泣いている顔は、とうとい。しかし、笑いかけているのか、泣きそうになっているのか、わからない顔は、ゆたかだ。
 ほんとうにゆたかなものは、なにかを説明したり、なにかを隠したりはしない。
 ゆたかなものは、理由を必要としない。ゆたかなものは、答えでもなければ、問いでもない。ただ、ゆたかなのだ。
 ひとは、ゆたかないきものである、という普遍を、中居さんは、この本の最後の最後に見せてくれていると思った。



文:相田★冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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私服だらけの中居正広増刊号〜輝いて〜Part4
私服だらけの中居正広増刊号〜輝いて〜Part4

最終刊。12年12月から笑っていいとも!終了の14年3月迄の私服写真を掲載

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