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TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.5.27更新

草剛、新連載エッセイ「絶対的好感論」を読む。


「道草」マインドの「旅」感覚
 「エッセイ」とは、なんでしょう? 僕が愛用している『日本語 語感の辞典』(中村明著/岩波書店)にはこう書かれています。 <書き手の知性や感性の反映した随想をさして、会話にも文章にも使われる語。>
 では「随想」とは? <思索を中心とする内容の随筆をさし、やや専門的な会話や文章に用いられる、いくぶん高級な感じの漢語。>
 では「随筆」とは? <見聞した事柄や自分の経験や感想などを気の向くままに自由に書き記した散文をさし、会話にも文章にも広く使われる漢語。>
 雑誌『Oggi』(小学館)で、草剛さんの新しい連載が始まりました。明日発売される7月号で、第2回目を迎えますが、まずは初回を読んだ印象からお話しますね。
 クレジットに明記されているように、これは草さんが自分で書いた文章ではありません。編集部のひとの聞き書きですね。草さんが話したことを、モノローグ(独り語り)で構成したものです。
 それってインタビューじゃないの? そう思われる方もいるかもしれませんね。これは僕個人的な考えなんですが、エッセイというものの本質において、そのひと自身が書くかどうかは些細なこと、はっきり言ってしまえば、どうでもいいことです。話すように書く文章があるように、書くように話すことばもあるんですね。
 僕は草さんに何度かインタビューしたことがあります。なので自信を持って断言できますが、草さんの語りには「文体」があるんですね。彼固有の「文体」というものがある。それが、この連載にはしっかり「反映」されています。『日本語 語感の辞典』の記述に従えば、ここにある活字から、草さんの知性や感性、思索、彼が見聞した事柄や経験、感想が気の向くままに自由に記されていることが、見てとれます。つまり、これは間違いなく、草剛さんのエッセイです。
 そもそも、草さんというひとの肌触りが、きわめてエッセイ的なんですね。彼はインタビュー中、決して話が脱線するわけではありませんが、実に「道草」的なニュアンスを、語りに携えているひとだと思います。「道草」のマインドがあるひとは、どんなに小さな場所でも、どんなに短い距離でも、そのなかで「旅」ができるひとだと僕は考えていますが、草さんはそういうひとに思えます。そして、この「旅」の感覚が、やはりエッセイには不可欠なんですね。

「散歩」に見えて「おおきな冒険」
 第1回のテーマは【働く】でした。13歳から働いている草さんは、人生のほとんどを働いて過ごしてきた感覚があるそうです。中学生のときから、特別な世界で働いている彼は「責任」という、本来であれば重いことばを用いながら、けれども、こんなふうに、僕たちの世界の事柄とつないでくれます。
 うまくいく、いかないなんて表裏一体。
 これは名言です。後世に残したいことばですね。
 気乗りしないなあ、と思っていても、飛び込んでみたら、するっとできたり。一方で、大丈夫大丈夫、なんてリラックスしてたら、結局、ぬるいものにしかならなかったり。「仕事」にはそういう側面があります。ひとは、先入観という魔物から逃れられない生きものですが、先入観まんまに進む現実なんて、実はほとんどないと言っていい。仕事も、恋愛も、「思い通りになんかいかない」からこそ人生は面白いのだと思います。世界は、先入観なんてものを、呆気なく乗り越えてしまう。もちろん、それはときに不安にも、脅威にも感じられますが、同時に、救済であり、光明だと思うのです。
 つまり、この世に決まってることなんて、ひとつもない。
 草さんは、自分は失敗の多い人生を送っているから、経験上、それがわかっている、と記しています。
 ただ、このエッセイが優れているのは、彼自身の背景や、経験から導き出される根拠などが、隣接せずに、散らばっていることです。いい意味で、論理的ではないんですね。論理的な文章というのは、「旅」で言えば、「パッケージツアー」みたいなものです。添乗員付きで、旅行代理店と契約している土産物屋や飲食店である一定の時間を過ごさなければいけない「旅」のことです。それは「楽」かもしれない。常に受け身でいられるから。ただ、自発的に何かを発見することは難しくなるでしょう。なぜなら、「パッケージツアー」とは、極端な言い方をすれば、定められたスケジュール=ノルマをこなす「アリバイづくり」だからです。「アリバイ」というのは、どこどこに行った、という証明のこと。論理的な文章の「わかりやすさ」に潜む罠は、つまり、そういうことです。もちろん、「情報」を求める場合、論理的な文章のほうが手っ取り早いでしょう。「旅」にしてもそうです。効率よく名所を廻るのに「パッケージツアー」はとても適しています。
 しかし、エッセイというものは、そういった合理性とは対極にあるものです。「道草」しながら、大切なものを見出す。そういう時間の使い方ができるからこそエッセイなのであって、要約できないからこそエッセイなのだと思います。
 これは草さんに限ったことではありませんが、ひとというものに潜んでいる本質は、決して要約することができません。要約できないからこそ、ひとは素晴らしいのです。
 草さんのエッセイを読んでいると、このひとの思念が、このひとならではのやり方で、このひとなりのテクスチュアで、このひとなりの体温で、このひとなりの色彩で、あたりを周遊していることが堪能できます。一見それは「散歩」のように思えます。でも実はこれは「おおきな冒険」を体感することなのではないでしょうか。
 ちなみに、タイトルは「絶対的好感論」。さあ、うろうろしながら、このエッセイ名を味わおうではありませんか。てくてくもぐもぐするように。



文:相田★冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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草剛の連載エッセイ掲載スタート!7月号は5月28日発売。

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