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SMAPコラム「Map of SMAP」

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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス【Blu-ray】
ミュージックビデオを大幅に追加収録。
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 世界に一つだけの花
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Clip! Smap! コンプリートシングルス
収録曲:シングル55作品の両A面曲を含む全63曲の映像を収録予定
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 世界に一つだけの花
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世界に一つだけの花
TV:CX系ドラマ『僕の生きる道』(2003年1月〜)主題歌収録のシングル。
2014.7.22更新

最新シングル「Top Of The World/Amazing Discovery」を聴く。


18年ぶりの快挙
 2014年7月16日に、SMAPの通算53枚目となるシングル「Top Of The World/Amazing Discovery」が発売されました。50枚目の「Joy!!」がリリースされたのが2013年6月5日のことですから、わずか13ヶ月のうちに実に4枚も発表するという驚異的なハイペースです。
 6人時代のSMAPには1年に5枚という年もありましたが、結成から四半世紀を超えたグループがこんなふうに次から次へと新曲を繰り出すのは、もはや尋常ではない事態と形容してもよいかと思います。なにしろSMAPには、シングルのリリースがなかった年もありましたからね。
 SMAPが5人になって最初のシングル「青いイナズマ」の発売日は、1996年7月15日でした。6人時代のSMAPは、リリース日はゾロ目(たとえば1月1日とか、12月12日とか)という強いこだわりを見せていましたが、5人になってからそれはなくなりました。でも、わたしは何月何日にSMAPのシングルがリリースされたのかが、いまだに気になる性分なんです。そして、「青いイナズマ」の7月15日と、「Top Of The World/Amazing Discovery」の7月16日に、なにか因果のようなものを見出そうとするのです。「青いイナズマ」と「Top Of The World」が、ともにアッパーな攻めの姿勢を感じさせる曲であることが関係しているのかもしれません。5人SMAPがスタートしてから彼らは10ヶ月のうちに「青いイナヅマ」「SHAKE」「ダイナマイト」「セロリ」と怒濤の4連発を展開しました。そのときのことが思い出されて仕方がないのです。それ以後、SMAPはシングルの頻度を1年に3枚、1年に2枚、1年に1枚と、ゆるやかに落としていきました。もちろん、イレギュラーなときもありますが、ここまでのペースは5人SMAPの出発点、つまり18年ぶりのことです。

受容と目覚め
 これは、あくまでも私見ですが、SMAPのうたの要は、稲垣吾郎さんだと思います。そのことが顕著にあわれたのが2008年9月24日リリースのアルバム『super.modern.artistic.performance』でのことでした。わたしは、5人SMAPのアルバムとしては現在のところ、これが最高傑作と考えていますが、それがなぜかと言えば、SMAPのうたの中心にある、「ある中庸さ」、つまり「普通であること」の核心が、稲垣さんの発声によって明らかになっていたからです。
 稲垣さんの声は、安定していないようでいて、安定している。そして、無色透明なようでいて、さまざまなものを受けとめている。稲垣さんの声が、わたしには他の4人の声を「受容している」ように聴こえます。「普通であること」の偉大な力を感じます。
 しかし、ほんとうの意味で、SMAPのうたをSMAPのうたたらしめているのは、中居正広さんの声であると考えられます。SMAPのうたは、日常のうたです。その日常の「生活音」としてのリアリティを中居さんの声は有していて、あらゆるものを「受容する」器としての稲垣さんの声の先に、中居さんの平常心の「音」が存在することによって、わたしたちが生きる世界が肯定されていることを強く感じます。稲垣さんの声がキャンバスだとすれば、中居さんの声は絵筆です。そして、木村拓哉さんの声は光であり、草剛さんの声は風であり、香取慎吾さんの声は色です。
 光がなければ絵を見ることはできません。風がなければ絵の具は乾きません。色がなければその絵はとてもかなしい。
 「Top Of The World」において注目すべきは、後半のくだりです。「閉じた心の」と稲垣さんがうたい出すところですね。ここに香取さんの「五感をさあ解き放って」というラップが併走することによって、稲垣さんのキャンバスはよりくっきりとその姿を出現させます。絵画的な言い方をすれば、わたしたちはこのとき、「SMAPというフレーム」を目の当たりにすると言ってもいいかもしれません。
 つづいて、草さんがそのキャンバスを引き継ぎます。そして、木村さんが絡みます。ここでの木村さんは、『super.modern.artistic.performance』に収録された「ひとつだけの愛〜アベ・マリア」のときのようにヒール(悪役)としての声を発しています。草さんの「アタマでは量れない 衝撃がカラダ駆け抜けていく」に覆い被さるような、木村さんの「奴が最後に勝つように この世界出来てんだぜ」は、気付け薬と言っていいほどの迫力があります。
 この2組のセッションを締めくくるように、「真打ち」中居さんが登場します。「世界最高の高鳴りを」と中居さんがうたうことによって、完全な覚醒が訪れます。そのさまは、フィクションがノンフィクションになる瞬間と言えるでしょう。
 絵は、妄想でもなければ、イメージでもない。それは唯物であり、ひとつの現実なのだということを、中居正広さんの声は告げています。SMAPのうたが、いつも、単に耳馴染みのよい絵空事にならない理由はここにあります。

驚くべき発見
 わたしは「Amazing Discovery」という曲が好きです。作詞・作曲を手がける中田ヤスタカさんならではのメロディライン、音作りは特別新しいものではありません。けれども、このサウンドにSMAPのうたが「トッピング」されることで、これまでになかった風情が立ち現れています。
 中田ヤスタカさんは、『super.modern.artistic.performance』に「ココロパズルリズム」を提供しています。「ココロパズルリズム」と「Amazing Discovery」は、「未来」と「明日」というフレーズを共有しています。その世界観のみならず、歌唱法の進化も含め、「Amazing Discovery」は「ココロパズルリズム」の続編と考えられるかもしれません。あるいは、兄弟でしょうか。
 「ココロパズルリズム」になかったものがここにはあります。「今日」ということばです。「未来」や「明日」というフレーズは、むしろ「今日」を強化するために用いられています。
 「未来」や「明日」より大切なものがある。それは「今日」なのだということ。「今日は最高」なのだということ。どんなことがあっても「今日は最高」なのだということが、ここではうたわれています。おそらく「今日が最高」ということ以上の「驚くべき発見」(Amazing Discovery)は、わたしたち人類には与えられてはいないのです。
 「ココロパズルリズム」のSMAPの歌唱はとてもフラットなものでしたが、「Amazing Discovery」での歌唱はそれぞれの個性がやんわりと伝わってきます。わたしには、その様が「5つのトッピング」のように映ります。
 やさしくて、切実。そんなうたを一貫して投げかけつづけてきたSMAPを、わたしなりに訳すと「serious.miracle.authentic.personal」となります。つまり、「マジで、奇跡的で、本物の、私」に、SMAPはうたを捧げていると思います。
 311のあと、SMAPはさまざまなうたを届けてくれていますが、これほどまでにアクチュアル(現実的)なうたは初めてなのではないでしょうか。いま、わたしたちには、SMAPが必要です。



文:相田☆冬二

※このコラムは、楽天ブックスのオリジナル企画です。
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Top Of The World / Amazing Discovery
Top Of The World / Amazing Discovery

SMAP通算53枚目のニューシングル。

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